・これは番外編的な扱いです!
・これは文字数がとても少ないです!
・本編ではありません!
・次の話へとつなげる為の物です。
……生徒会に入った事が無いし、今桜と絡ませると……その、やりたいネタが出来なくなってしまうので、この様な形を取らせて頂きました。すみません。
次話はなるべく早く出せる様に頑張ります。
それでは、どうぞ。
――――全校生徒が、俺を見ていた。
握りしめて、汗で濡れた原稿用紙が小さく音を立てる。からからの喉と口。緊張で固まっている体を動かして、何とか台の前に立つ。伝えるのは、俺がこの学校をどうして行きたいか。堂々と、自信を持て。胸を張って、言葉を紡げ。
全ては、雪柳桜の隣に立つために。
「……この度生徒会書記に立候補しました。一年二組暁結城でずうっ!」
か み ま み た!!
☆★☆
夏休みが終わり、学校が再開。一日目は始業式とか、先生の挨拶とかしかないので半日で終わる。が、放課後には一つだけ重要な用事があった。
生徒会立候補者への説明である。
俺、暁結城は平均平凡な高校一年生だ。完璧完全な幼馴染、雪柳桜と付き合い始めたは良い物の釣り合っていないのは明確。彼女に少しでも近づくべく、俺は生徒会に入る事を決意したのだ。
アドバイスを仰いだのは、昔生徒会長だった俺の母。
そして、桜と並ぶレベルの秀才であり美少女でもあるゴールドクレス・トアイリス。
一応準備は終えた。後は、立候補するだけだ。
特別教室に着いた俺は、先に帰ってもらった桜の事と昼ご飯の事を考えながら扉を開ける。恐らくアニメみたいに生徒会立候補者は沢山居て、取り合うのだろう……!
「失礼しまーす」
そう思いながら入った教室。
そこに居たのは藻部(以下モブ)、そしてイケメン(本名
立候補者はこれだけなのだろうか。いや、そんな事は無いだろう。無いよな……?
そんな期待はどこへやら。
結局、立候補者はこれだけだった。聞くと、モブは会計、イケメンは副会長に立候補。そして俺は元々書記に立候補するつもりだったので、丁度振り分けられている事になる。
笑う。
そのまま教室に入ってきた副生徒会長に説明を受けて、その日は解散。
最早当選は確実だろうし、仕事の説明もするよーと言ってのけた副会長の言葉を反芻しつつ、帰路へと付くのだった。
「ただいまー」
自宅に着き、靴を脱ぐ。家の中に明かりが無いのを見ると、どうやら桜は居ないらしい。リビングに行くと、机の上には一枚のメモがあった。
『ごめん。今日と言うか、一週間後まで少し忙しくてこっち来れないと思う』
一週間……と言うと、丁度生徒会選挙翌日くらいか。
今までもこんな事はあったし、特に驚く事は無い。俺は自室に戻って着替えてから、財布をポケットに突っ込んで家を出る。今日からはファミレスでのご飯になる。葵はもう学校に帰ったし、俺は料理が絶望的に出来ないのだ。目玉焼き? 難しいよね。
ファミレス、ファミリーレストラン。
老人から子供までが楽しめるメニューがある、今や日本中にある飲食店だ。勿論俺も、永大や桜と利用した事がある。良く頼むのはミックスグリルだが、それ以外にも鉄火丼やカルボナーラも好きだ。
一人で席に座ると、ドリンクバーと一緒に今日はミックスグリルを頼む。
健康的……とは言えないかもしれないが、お腹は膨れる。
当面は、生徒会だ。一応、立候補演説の他にも友人等に演説を頼まなければならないらしい。
頼める友人、と言えば永大だが……どこか心許ない。となれば、頼めるのはアイリス。桜と付き合ったばかりでアイリスに会うのは大分気まずいが、ダメ元で頼んでみるか。
料理が来るまでの間を、メロンソーダとLINEで過ごす。
アイリスの許可は取れた。明日にでも会って、演説の事を相談しよう。
☆★☆
……そんなこんなで時は過ぎ。
一週間の間、夕食時にファミレスに行っていた俺とそれに合わせて一緒に食事をし、演説の内容を考えてくれたアイリスのおかげで何とか生徒会には入る事が出来た。
今度改めてお礼をしなければ。念のために言うと、食事は勿論全て俺が会計をした。
もうアイリスには頭が上がらない。演説の最初で噛んだ事で一躍騒がれたものの、生徒会室で俺とイケメン、モブは説明を受けて解散する。生徒会最初の仕事は、もう明日から始まる。間には期末試験を挟む物の、学校中の生徒が特に盛り上がる一大イベント。
―――――文化祭が、生徒会の初仕事だ。
要約
・暁結城が生徒会に入った
・次から、『文化祭編』スタート!!
↑その為の繋ぎの話でした。