早いですよね!?投稿早いですよね!?
あっごめんなさい遅いですよね本当にすみませんでしたああ!!!!!
……処で。
最近、文字色を変えたり、太字にしたりと特殊ルビなる物を使っているのですがあれって要ります……?
正直作者的にはあった方が面白いか? と思っているのですが……。
はい。まずは話の内容ですねすみません。
もっと面白くしたいんですけどやり方が分からないです……。
こほん。
では、どうぞ!!
文化祭。
それは殆どの高校で行われる、学校の行事だ。クラスや部活ごとに出店や出し物を計画し、実行する。時には友人たちと集まりバンドをしたり、カップルコンテストやベストフレンズコンテスト……監督!! 戻って来て下さい!! ……をしたり。
企画、準備、実施。生徒がある程度の主導権を握れる学校行事には、中学生や他校の生徒、近くの大人も訪れる。賑やかな、文字通り「祭り」だ。
さて。
ここまでが前置きだが――――――。
文化祭。と言えば、何を思い浮かべるだろうか?
友人と楽しむ? パソコン部制作のゲーム? 理科室のホルマリン漬けの子豚?(作者の実話) 文芸部の文集や漫画研究部の同人誌? はたまた、ただ単に食べまくる場所?
……いいや、違う。
文化祭に置いて重要であり、最も人気を集める場所。
これが無い文化祭は見た事が無いと言えるほどに、そう――――
『お化け屋敷』。
それが恐らく、文化祭最重要項目であり最上級の人気を誇る出し物だろう。
俺は……平均平凡、暁結城は怖がりの為入りたがりはしない。が、永大に引っ張られたり友人の悪ノリで入った事はある。正直、怖い。怖すぎる。泣くぞおんどるあ!!
出た後にスマホのロックを解除できないのは日常茶飯事。
それほどまでに震えを抑えきれない。怖がりの頂点になれるぞ俺は。
ここまで話しておいてなんだが、どうしてこんな話をしているか、と言う処に戻ろうと思う。理由は単純に一つだけで、そして明快だ。
それは今日。
というか今。現在進行形で。
俺が、文化祭の出し物であるお化け屋敷に入っているからだ。勿論、桜と一緒に。
☆★☆
「きゃーこわーい」
「お前絶対そんな事思ってないよな!? 楽しんでるよな!?」
暗闇の中、段ボールやビニールテープで作られている迷路を進む。明かりは手に持つ小さなライトのみ。時折聞こえる壁を叩く音や、BGMに恐怖を覚える。……あれ? これのびハザのBGMか?
おいよーそれってよー、のびハザネt
「結城、右」
「えっ? ああ」
思わず脳内で変な節を付けて口ずさもうとした瞬間に、桜に囁かれる。左腕に腕を回し、ぎゅーっと体を押し付けてきているのは幼馴染の雪柳桜。黒髪ロングストレートに蒼い瞳、文武両道才色兼備……とまあ、何をさせても最高レベルの美少女だ。
何故か超密着してきている桜は、勿論お化け屋敷に恐怖を覚える事は無いだろう。
富士Qハイランドの病院のやつも、笑顔で出てきたし。と言うかこいつにライトを持たせると、お化けが出てくるタイミングでお化け役の人にライトを当てるのだ。完璧に。そして無言のままスルー。
……こいつ、女子としてそれで良いのか?
「だって怖くないんだもの。しょうがないよね」
「思考を読むな思考を。男は誰でも、吊り橋効果に期待を持つんだよ」
「はっ。今更そんなの意味無いよ」
鼻で笑った桜は、そっと目の前の看板を指さした。ライトを当ててじーっと見れば、どうやらここからはライトを消して臨むらしい。……ふざけんな。
「さ、ライトを消して。ボクが先に行こうか? その代わり全く怖くなくなるけど」
「ぐ……。いや、それだと入った意味無くなるしな。その、男としての威厳もある!」
「……へーえ、威厳?」
「やめろ。その超上からの雰囲気を止めろ下さい」
「だってねえ? 今更キミに威厳なんて」
「うっせえ!」
「ふふふ。まあ、頑張ってよ?」
「ああ。彼氏だしな」
「……そう言うのを急に言うのは卑怯だと思うよ」
ぱっと腕から体を離した桜は、しかし俺から完全に体を離さず背中に体を押し付ける。ぽかぽかと肩のあたりを叩かれながら、完全な闇の中を進んでいった。視覚が機能しない今、五感は聴覚と触覚を研ぎ澄ませる。段ボールが叩かれる度に体を跳ね上げ、足首を掴む手に飛び跳ねる。
ずっと背中にある温もりを頼りに正気を維持しつつ、何とか進む。進み続ける。
広くはない筈の教室。そこを使って作られたお化け屋敷なのに、何故かとんでもなく広く感じるのは気のせいだろうか。
おーわーれ! おーわーれ!
そろそろおーわーれ!!
あ、でも桜が背中にもたれ掛かってきているこの状況は永遠に続け続かせろ終わるな。
ライトは無い。そのまま歩いていると、唐突に壁が現れた。しかしそれは教室の壁ではなく、ダンボールで作られている物。そこだけ足元にライトが置いてあり、どうやら下に通路があるらしい。
「桜、一旦離れて」
「んう……? ああ、了解」
吐息交じりの可愛い声を出して、桜はすっと身を引いた。消えた温もりへの名残惜しさに右拳を固く握りしめる。が、そこには幻想殺しなど宿っていないのが悲しいところか。
……好きな女の子との接触が消えて悔しがる男。
控えめに言って俺、気持ち悪くないか……。
かなりの自己嫌悪によるショックを受けつつ、しゃがんだまま四つん這いでダンボールの穴を進む。目の前には色の分からないビニールテープが大量に下げられており、それを掻き分けて進む。幾つかの突き当りにぶつかる度に横の壁が叩かれるのが辛い。怖い。
やがてそのダンボール通路ゾーンを超えて、立ち上がる。
視界の奥にはロッカーが見える。その横には、待ち望み続けたドア。歩いて数歩の場所にある希望。
「よし、俺は乗り越えたよ……」
「……止まるんじゃねえぞ、とでも言えば良いのかな?」
「どこのガンダムだよ」
唐突にぶち込まれる桜のネタ発言に突っ込みを入れながら、後ろに居る桜の手を取る。そのまま繋いだ手を引いて進み、ドアに手を掛けた。
……こいつの手、本当に柔らかいし暖かいな。
女子の手を握る。その感動に、俺は桜の手を無意識の内ににぎにぎしてしまった。
「ちょっ、その……結城、くすぐったいよ……」
恥ずかしそうな桜の声。これは行けない、と俺はドアに引っ掛けている指へと急いで力を込めた。
―――――――でぃす いず あ えでん――――――
『ァアアアアアアアアアアアアアァアアアアアアアア!!!!!!』
「きえええええええええええ出たああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
直後。
ロッカーから飛び出てきたお化け(人間)に対して絶叫(本気)をかました俺は、全力でドアをこじ開けて外へ。そのまま丁度そこを歩いていたメイドカフェ宣伝の人に正面から突っ込んでしまい。
優しいメイド服女性には許してもらったものの、無論桜から罰が無いわけが無いのであって。
「結城……?」
「待て待て待て!!! どうしてお前はその無表情のまま低い声をだす!!」
「
「待て!! その黄金の剣しまえ!! な? 話をしよう」
「彼女としての役目を終えてきます。 話はまた、その後で」
「パロってんじゃねええええ「
親方あ! 空からビームがあ!!
☆★☆
ヒリヒリする脳天を手で摩りつつ、校舎の中を桜と歩く。頬を膨らませて未だに怒っている桜は、それでも俺と繋いでいる手を離そうとしない。試しに力を緩めてみる。すると、何も言わずにぎゅーっと強く手を握られ、ジト目の上目遣いで「離すな」と訴えられる。
この状態で手を離す事が出来る人間は居るのか? いや、居ない(反語)。
よって俺は一般の人も来ていて人口密度の増えている校舎内を、学校一の美少女と手を繋いで歩いている状況だ。視線? ああ、凶器の事だろ知ってる知ってる。あははははは!!
……はあ。
「――――ん」
「ん?」
くいっ、と手を引かれる。桜を見ると、彼女は繋いで無い方の手で何かを指さしていた。
そこまで行ってみると、どうやら指していたのは1-2、俺たちの店である。スマホを取り出してみれば、もうシフトの時間五分前。
「うわ、危な……気づかない所だった」
時計も無しに気づいた桜と俺のシフトは同じ時間帯に組まれている。勿論、シフトを決めるときに桜と同じ時間帯は滅茶苦茶な争いだった。簡単に言うと、戦争レベルだった。
一つ言わせてもらおう。
俺は、雪柳桜の彼氏である。
夏休みの夏祭り、花火を見ながら告白して成就したのだ。それはしっかりと桜にも、そして何故かクラスの皆にも伝わっている。
それなのに。
そ れ な の に !
何故か俺はスムーズに桜と同じシフトに入れなかったのである。彼氏というのを理解しつつも、クラスメイトの男子は永大やイケメンを除いて全力で勝負を挑んできた。
『どうせ桜さんと暁は釣り合わないから直ぐ別れるだろう』
そんな思考が見え見えである。
しかし、そこは俺も男。その考えを持っている不特定多数の奴ら相手に、正々堂々真正面から戦った。同じ条件、同じ土俵で真っ向勝負。
そう。
じゃんけんである!!
vs桜。その時間帯に入りたい人は、桜とじゃんけんをして勝たなければならない。そして、勝った順に入れる事となった。完全な運勝負。ここで学力や能力の勝負にならなかったのは幸いだ。
そして、何とかじゃんけんを一番で勝ち越した俺は無事桜と同じシフトに入る事が出来たのである。
大変だった。あの後も視線が……もう……怖い……。
とは言え、今日は本番である。そんないざこざも最早無く、装飾の施された教室内ではクラスメイトが忙しなく動き回っている。俺と桜も手早く更衣室で着替え、交代して仕事に入った。
女子は主に和風メイド服での接客。男子は一応和服に着替えて、調理室で売品を作る。
男子まで和服に着替えるのは、調理室から教室に調理したものを持ってくる途中にも宣伝出来るように。後、もしも人手が足りなくなった場合に違和感無い服装でヘルプに入れるように、だ。和服の女の子が接客してくれていたのに、突然制服の男子が接客してくるのは……という案が出て採用された。
そして、その案を採用したのは好手だった。
アイリスに桜。二人の超絶美少女に加え、スタイルも顔もかなり良い凛。
更には普段見れない和服のイケメン(池田免)。
改めて考えると、1-2には結構な数の逸材が揃っているのだ。その為、今現在も店内はかなり繁盛している。それこそ、開店前に用意しておいたどら焼きが足りなくなったり男子もヘルプに入る状況になっていたり。
繁盛しているのは嬉しいのだ。
だが、人手が足らない。様子を見かねたシフト外のクラスメイトも来てくれ、ギリギリで回っている状況だ。
俺も慌ただしく駆け巡っている中で、突然クラス内でざわっと声が漏れた。トラブルか? と思うも、そんな雰囲気ではない。寧ろ桜とかが急に現れた時の様な、そんな感覚と似ていた。
「暁ー! こーい!」
「え? 俺?」
そこで何故か俺が呼ばれる。名指しとは珍しく、持っていたお盆を近くのクラスメイトに任せる。人でごった返す教室内を横切り、入り口の所へ。
「なんだ? 逆ナンパ?」
「いや、その……お客さん。お前の」
「はあ?」
首を傾げつつ、クラスメイトの指さす方を見る。ドアの向こう側、つまりは入店待ちの列の一番前。
そこには、膝下まであるスカートや栗色のカーディガンを着こなした、黒髪ショートの見慣れた美少女が立っていた。俺と目が合った相手は、そっと頭を下げる。
「こんにちは、兄さん。来ちゃいました」
「……あ、葵!?」
暁葵。
一人で寮生活を送る、桜には及ばずとも殆ど何でもできる俺の妹だ。時々血縁関係を疑ってしまうのは内緒である。
しかし、寮生活と言うだけあって葵の学校はかなり遠い所にある。
それなのにわざわざ来たのだろうか。……兄冥利に尽きる。
「あの……所で、ドクターペッパーはありますか?」
「あると思うか? あのな、あれは一般的に不味いと言われているんだぞ?」
「味覚を疑います」
「はあ。まあ良いや、今お前はお客様だからな。ただ今ご案内します」
「兄さんが敬語とか滅茶苦茶笑えますね」
「無表情で言うな無表情で」
軽口を叩き合いつつ、教室の中に葵を誘導する。丁度一つ、席が空いたみたいだった。
そこへ向かおうとするも、途中で葵は立ち止まる。そのままきょろきょろと周りを眺めた後に、葵は小さく呟いた。
「……人手、足りてないんですか?」
「ん? ああ、ちょっとな……まあ、しょうがないだろ。この人数に対応出来るのは、桜とアイリスと……まあ、凛とイケメンくらいじゃないか?」
「成程。ふうん」
葵は手に持っていた小さなポーチを小脇に抱え、一つ頷く。
顔を上げた彼女は、俺の目を真っすぐに見つめてから口を開いた。
「ところで兄さん。私は美少女だと自負しているのですが」
「自分で言うな自分で!!」
「―――――――ヘルプ、入りましょうか?」
「……………マジで?」
☆★☆
葵の提案。
正直ありがたかったが、受け入れられるとは思っていなかった。しかし、桜の鶴の一声で即採用。ささっと和服に着替えさせられた葵は、正直予想の数倍の働きを見せた。
まずは料理の効率化。
次に、注文を取ってから料理を運ぶまでの凄まじい時短。
上げていけばキリが無いが、クラス内でも完璧と有名な桜と殆ど遜色無い働きを見せたのだ。直ぐに葵の株は爆発的に上がり、今やクラスの一員レベルで歓迎されている。
まあ、美少女が故に和服も良く似合っているのだ。納得の結果と言えば納得だ。
やがて、客足も収まり。少しづつ余裕が出てきた所で、誰かが呟いた。呟いてしまった。
「……こうなると、暇だな」
その言葉は、忙しすぎて最早仕事に楽しささえ感じ始めた1-2(+葵)を刺激。そう、激しく燃え上がらせてしまったのである。
「呼び込め!! 客を呼び込め!!」
「もっとだ! もっと……俺にお客様の相手をさせろおおおおおおおお!!!!」
「無限の和菓子製」
「体はあんこで出来ている!」
「血潮はカステラで」
「心は硝子」
カステラは確か南蛮のだから!! あと心は硝子で変化ねえのかよおい!
そう、正に教室内はカオス。混沌。
俺も桜もテンションは上がりつつ、しかしある程度冷静ではあった。
「……皆元気だなあ」
「元気なのは良いことだよ。ここまでだと、迷惑でもあるけどね」
ぼけーっとした発言に、苦笑交じりの言葉。
隣でお盆とメニューを抱えている桜が壁にもたれ掛かり、ため息を吐く。さっきまでの人気は多少収まり、働きまくっていた桜にはほんの少し休憩していいというお触れが出たのだ。
しかし、だからこそそれは波乱を呼んだ。
静かな教室内。桜と俺が居る状態。
賑やかな文化祭の校内には珍しく、しっかりと放送が聞こえる状態のここで―――――。
一つ、アナウンスが響いた。
『えー、ただいまよりー』
一拍。
『ベストカップルコンテストを行います』
『参加者はグラウンド、特設ステージにお集まり下さい』
ベストカップルコンテスト。
ふっ。一昔前までならダイナマイト(爆発しない)を投げ込んでいたが、今や俺はリア充。カップルの単語を聞いても右手がボンバーしなくなった俺に、死角など無い!
「あー、……あー!」
「どうした? 遂にお前もコミケがGWにやると聞いてお前ふざけんなよと言う思いに目覚めたか?」
「お前政治の話をこんなとこまで持ってくんな荒れるぞ! そうじゃなくてだな……」
突然怒られそうなネタを放り込んで来たクラスメイトはびしいっ! と俺と桜を指さし、教室中に響く大声で高らかに叫んだ。
「暁と雪柳さんがコンテストに出て宣伝すれば良いじゃん!」
その提案、俺の右腕がボンバーアアアアアアアアアアア!!!!!!