俺とクーデレ幼馴染の日常   作:ラギアz

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テスト等で遅れてしまいすみませんでしたあアアアアアアア!!!!
マジでごめんなさい。
すみません!!!!!


閑話休題

ところで、神崎蘭子って可愛くないですか?
滅茶苦茶好きです。後楓さんも大好きです。凛と加蓮も好きです。文香も好きです。
……全員coolって言うね。(確か)。


俺と幼馴染とカップルコンテスト

 校庭に設置された特設会場。馬鹿かと思うくらいに真面目に作られているステージの上では、数組のカップルが席に着いていた。観客は何故か沢山来ていて、最前列には永大と凛も見える。あと、数人のクラスメイト。

 和服の俺と桜は、自分たちの模擬店のアピールのためにカップルコンテストに参加していた。

 正直やりたくなかったが、押し切られてしまったのである。隣に居る桜はいつも通り無表情だが、さっきから雰囲気が柔らかい。怒らせると悪鬼羅刹が背後に現れるのだけれど。

『さー! 始まりましたカップルコンテスト! 今回の参加者は、四組!』

 そして、司会の人がマイクに声を吹き込む。盛大な拍手が巻き起こる中で、司会の文化祭実行委員は参加者を紹介していく。

『一組目は金髪に髪を染めていらっしゃる源一郎さんとTHE・ギャルな幸子さんです!!』

 名前とのギャップが凄まじいカップルは、チャラい見た目ながらしっかりと礼をする。しかもそのお辞儀はとんでもなく綺麗であり、観客も唖然としていた。うん、俺もしてる。

 顔を上げた直後に、二人は机の上で手を重ねる。

 それだけの動作で幸子さんは頬を染め、源一郎は視線を逸らした。

 ……もう何か、色々凄い。

『二組目は野球部のエース! 博文(ひろふみ)さんとそのマネージャー! 加賀(かが)さんです!』

 まさかの王道カップル。幽体離脱でもしそうなコンビ名の漫画のようなカップルに会場がざわつく。

 博文さんの方は投手として有名だ。打者になったとき、「十一万四千五百」とかを相手投手に言いまくり問題になったのは記憶に新しい。

 加賀さん……小さいポニテの彼女は、無口だが美員と評判の先輩だ。永大が叫んでいた。

『そして三組目! 普通の! 何も特筆することが無いふっつーのカップル! 平太(へいた)(はる)さんです!』

 普通だった。

 マジでその……特異なところが一つも無かった。

 

『さあ、最後の四組目! 異色の超絶完璧美人×平凡野郎のカップルです! 何故付き合えたのかは、私も気になります! 桜さんと結城さんです!』

 

 そしてラスト。桜の名前が呼ばれると同時にどっと会場は湧きあがり、俺の名前が呼ばれた瞬間にそれはブーイングの嵐へと変わる。泣くぞてめえら。

 しかし、司会は桜の事を超絶完璧美人と現した。分かってるな。流石だ。

『さあ! このカップルコンテストでは幾つかの種目をこなしていただき、その中で審査員の投票によりベストカップルが決まります!』

 審査員席を見れば、そこには池田と生徒会長。そして校長先生が座っていた。

 校長先生? 貴方真面目に何やってるんですかね?

『では一つ目! ……どきどき、わくてかわくてか! 最初はどれだけお互いの事を理解しているか、そのテストを行います!! では、出でよホワイトボード!』

 目の前の空間に黄金の波紋が浮かび、そこからホワイトボードとペンが落ちてくる。どこの英雄王だよと思いつつ、二枚あるボードを片方桜に渡す。どこからか仕切りが表れて、カップルの間を遮った。

 黒いペンと、ホワイトボード。簡素な物ながら、しかし恋人同士がどれだけ理解しているかのクイズをすると言う緊張感からとても重く感じる。下手すれば破局もあり合えるかもしれない魔のクイズ。さては俺たちをカップルコンテストに出したのは、別れさせるためだったのか……!?

『では一問! 『男性側の好きな食べ物は?』 女性は回答を、男性は答えをお書き下さい!』

 ふむ。

 つまり桜は俺の好きな料理を当てに来る訳だ。そして、俺は答えを用意する。

 悩む間もなく、俺はホワイトボードに答えを書き綴った。こんなもの、クイズにすらなっていない。

『おっと? 桜さんと結城さんは直ぐに書き終えましたね。他の組は少し悩んでいる様子です……では、出そろったようなので。回答、OPEN!!』

 源一郎『佃煮』

 幸子『わかめの味噌汁』

 

 博文『マック』

 加賀『モス』

 

 平太『カレーライス』

 晴『カレー』

 

 俺『ハンバーグ』

 桜『ハンバーグ』

 

『おっと!? 博文さんと加賀さんの間に強烈な溝が! ライバル店は大きいぞ……!? そして、正解したのは平凡カップルと何故カップル! 1pずつ加算されます!』

 流石桜。

 最初は『桜の作る料理』と書こうとしたのだ。が、それだと抽象的な答えとされかねない。

 取りあえず俺の好きな料理を書いてみたが、何とか功をそうしたらしい。やったぜ。

『二問目は、逆です! 男性が女性の答えを当てに行きます! ……二問!『好きなTVは?』』

 桜の好きなテレビ……?

 どうしよう。桜とテレビ見る時は大体適当に見てるからあいつの好みなんて知らない。何だ? イッテQか? 鉄腕DASHか? 

 待て俺、日曜日から離れろ!

『はい、時間でーす! では答えを、どうぞ!』

 司会の言葉に、俺は焦りながらしっかりと答えを書く。ギリギリ間に合い、ホワイトボードを観客へと提示した。

 

 源一郎『三分クッキング』

 幸子『男飯』

 

 博文『ZIP』

 加賀『めざましテレビ』

 

 平田『世界丸見え』

 晴『アンビリーバボー』

 

 俺『プリキュア』

 桜『生き物にサンキュー』

 

「結城……? キミは何時の話をしているのかな……!?」

「ひいっ!?」

 隣からの殺気に震え上がる。どこかで、ホワイトボードのようなものが軋む音が聞こえた気がした。

『全員不正解の中、広がる博文カップルの溝……怖いですね。はい。三問目は、『相手の得意教科』です!』

「あのー!」

『どうしました? 結城さん』

「相手が全教科トップでテストも100点なのですがー!」

『……気合で』

「うせやろ」

『今回は、お互いがお互いの答えと回答を書いてください!』

 俺の得意教科と、桜の得意教科を書くという訳か。

 ……さて、桜の得意教科。完結に言えばそれは全てなのだが、如何せん答えにはならない。つまりは100点揃いの中でも得意としている物を答えなければならないらしい。ふざけんな。

 因みに俺の得意教科は社会だ。中学校の時の先生が、滅茶苦茶良かったのである。尚変人。

『さて、結城さんはどう答えるのか? 回答、レッツゴー!』

 

 源一郎『得意→体育 幸子得意→現国』

 幸子『得意→現国 源一郎得意→体育』

 

 博文『得意→総合 加賀得意→数学』

 加賀『得意→国語 博文得意→体育』

 

 平田『得意→家庭科  晴得意→科学』

 晴『得意→家庭科 平田得意→家庭科』

 

 俺『得意→LHR 桜得意→現国』

 桜『得意→現国 結城得意→公民』

 

『これは両方が正解し合っていて、一点となります。つまり、源一郎カップルに一点加算! 平凡カップルと何故カップルは惜しいですねー。そして暁さん、教科を書きましょうね?』

「あっはい」

 何でや時間割にしっかりLHRあるやろ! 

 因みに俺は文系だ。桜はどっちも出来るが、読書を良くしているのを思い出して現国にしてみた。まあポエムとか一時期書いていたらしいし、納得と言えば納得だろうか。

 さて、ここまでで経過時間はおよそ十分。思っていたよりも速い進行の中で、この特設ステージの前に並ぶ人は段々と増えてきている。

 ……割と気恥ずかしいぞ。後最前列の永大、ずっとニヤニヤしてるんじゃねえ!!

「ねえ、結城」

「ん?」

 突然、隣の桜が話しかけてきた。小声で答えると、仕切りの向こうで彼女はそっと声を低くする。

「……勝ちたい?」

「いや別にどうでも良いけど」

「は?」

「勝ちたいなあーすっげえ勝ちたいなー!」

 最初から(5) 拒否権なんて(7) 無いんです(5)。

 桜の言葉にうなずくやいなや、司会の人が急に指を打ち鳴らした。途端に仕切りが消え、さっきと同じように黄金の波紋から赤いボタンが落ちてくる。百均などに売っている、安い赤丸の付いたボタン。どうしてこんなにも英雄王っぽい力を付けるのかは分からないが、そこを言及すると消されそうなので口をつぐむ。

『続いてのコーナーは、お二人の知力を試す! 貴方は馬鹿なカップル? それとも馬鹿みたいに愛し合ってるカップル? 始まれ始まれ、『バカップル選定の問』!』

 ……どうしてこんなにクイズ番組っぽいんだろう。俺はクイズ番組だとQ様が好きだ。一番難しいから、全然当たらないけどそこが良い。

 さて、こうなってくるとどこが強敵だろうか。

 まず最初に源一郎ペア。凄いちゃらちゃらしてるけど名前とか好みからして超堅そうだ。

 次に相性が悪い博文ペア。加賀の方が大分強そう、と言うイメージを勝手に抱いている。

 そして平田ペア。……平凡なカップル。特に何も言えないな。

 どれもこれも、勝てない相手ではない。さあ、行くぞ! 俺!

 

『では一つ目の問題です!』

 司会の声に応じて、再び空中に黄金の歪みが出来る。そこから出てきたのは白い看板であり、そこに黒い文字がプリントされていた。

『問題は某黒猫のクイズアプリの様に、幾つかのジャンルから選択していただきます。決めるのは観客の貴方! では、最初の問題は……最前列、そこのバカそうな貴方!』

「呼ばれてるぞ、凛」

『永大さんどうぞ!』

「名指しされてるよ、バカそうな人」

「ちくしょおおおおおおおお!!!!!!」

 やはりあいつは何処でも平常運転らしい。司会の人の代わりに実行委員がマイクを差し出すと、永大はじっと看板を睨み付ける。台の上から身を乗り出して見てみると、ジャンルは四つ。

 一つ目は『国語』。二つ目は『理科』。三つ目は『スポーツ』。四つ目は『アニメ・ゲーム』だ。

 1、2、3、ならば直ぐに桜が答えてくれるだろう。が、4は少し厳しいかもしれない。元々俺はアニメをそんなに見ないし、桜がアニメを見ているのは確認したことがない。ゲームもあまりやってないから、そこだけはどうか回避して欲しいのだが。

 まあ、あいつも幼稚園からの友人だ。そんなのは分かり切っているだr

「じゃあ、『アニメ・ゲーム』で」

 絶交だ岡取永大!!!

『はい、ジャンルが決まったところで……最初は小手調べ! 一問!』

 ででん! と言う効果音がどこかで鳴った瞬間に、白い看板が輝きを放ち、黒い文字が変化する。浮かび上がる問題文。看板は移動し、俺たち回答者と観客がどちらも見やすい位置になった。

 

(※少しずつ間を開けますので、スクロールを止めつつ皆様もどうぞ!)

 

『「闇に飲まれよ!」の訳を答えなさい!!』

 な ん だ そ れ。

 聞いた事が……な……い…………。

 

 ―――――――待てよ。

 

 思い出せ。そうだ、そうだよ、俺が昨日真夜中まで読んでいたss、それは確かアイドルマスターのssだった筈だ。その中に出てきていた。そう、確か訳は……!

 ぴんぽーん!

『おっと、押したのは暁結城さん。 では、答えをどうぞ!』

 合っているはずだ。恐らくだが、これで良い筈。

 

 

 

「お疲れ様です!」

『正解です! 何故カップル、1点加算!」

「……良く分かったね」

「ああ。何せ、ssを読んでいるときに一目ぼれしたらんらんの台詞だからな。直ぐに出て来なかったのは不覚だった」

「ふーん。本当に闇の飲まれさせようか……?」

「お前はイクスティンクションとか昇竜拳とか覚えて何をしたいの? ねえ?」

 桜の少し冷たい視線を受け流しつつ、一問目をクリア出来た事にそっと安堵する。今のところ、俺のペアが一位。後を追うのは源一郎ペア、平田ペアだ。

 博文ペアには頑張ってもらうとして、二問目。ジャンルは、数学。

 内容は……。

『これは回答が難しいです。では、行きますよ!』

 司会の人が一拍置くと、看板が再び変化した。

『1.4sinX+3cоs3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。』

 おいまてい(江戸っ子)。

 お前らは一体何を話しているんだ。なあ、日本語話せよ日本語。俺は日本語を聞き取りたいんだよ。な? 素直にJAPANESE話そうぜ。

 大体足し算引き算割り算掛け算出来れば日常生活は生きていける。

 そう信じて俺は今でも信じ続けて数学は何時も赤点回避ギリギリです!!

 ぴんぽーん!

 そんな事を考えていると、隣でボタンが押された。言わずもがな、桜だ。しかし彼女にしては遅かったの気がするが、一体どうしたのだろうか。

「……まあ、その。ね。あまりリードしても居心地が悪くなる。こういうのは拮抗してた方が良いと思ったんだけど……ま、このくらい待ったんだから良いだろう」

 その疑問を見透かすような桜の言葉。司会から答えは? と聞かれた桜は前を向き。

「X=Π/6」

『正解です!! いやあ、流石桜さんですね!! 素晴らしい!!』

 司会の賞賛の声に、桜は小さく一礼。俺は呆然。

 ……いつから日本語は変わったんだろうか。おっ、Πじゃないk

「結城」

「はい」

「……」

「ごめんなさい」

 無言の圧力。俺は死ぬ。

 三問目、ジャンルは……『スポーツ』。

『最後の問題は、次のステージ発表の都合上そろそろ終わらせなければならないので三点一気に加算です! では、ラスト問題!』

 三点。

 つまり、博文ペア以外のペアが正解すれば一瞬で勝敗が決まってしまう。ジャンルは『スポーツ』と言う、得意のなのか苦手なのか分からないジャンルだ。一応中学生の時にはソフトテニス部に所属していたが、今は帰宅部。どれだけ早く帰れるかを競う部活……え? 無い?

 看板が変化する。遂に違和感すら抱かなくなったのは危険な証拠だろうか。

『暁結城さんが得意なテニスのプレイは?』

 ぴんぽーん!

『どうぞ!』

 間髪入れずに、勝負に来た源一郎ペアがボタンを叩いた。閃く右手。彼の答えは……!

「アウト」

 何故!? 確かに十回に九回はしてたけど!

『ボールが範囲外に出てしまう事ですね。残念、違います!』

 ぴんぽーん!

 博文ペア。

「抵抗」

 てめえ。

『何年生?』

「21歳」

『かっこい』

 ぴんぽーん!

 平田ペア。

「敵前逃亡」

『惜しい!!』

「惜しくねーよ! 俺へのイメージどうなってんですか!?」

 我慢できなくなり大声で叫んでしまう。勢いよく立ち上がった拍子にボタンを押してしまった俺は、気の抜けたぴんぽーんと言う音の後にそっと告げる。

 俺の、一番得意なプレイ。それは、前にテニスの時に見せた、

 

 

 

「ダブルフォルト(二回連続でサーブをミスる事。相手に一点入る)」

『正解です!!』

 

 

 ……見せたものではなく。それはそれは、テニスプレイヤーの端くれとしても恥ずかしいものであった。

 

 




間に合え、あと二分。

 それは、十一月十一日の事だった。
「……ふぉら、ふぁやく」
「いやお前ポッキー銜えて何してんの?」
「今日はふぉっきーのふぃだよ」
「あー。で、何してんの?」
「……っ!」
「あっっちょ、やめ、口に突っ込むなやめろって誓い近いああああ!!!!!」

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