あたしを鏡写しにしたような彼女はあたしに近づく。けど、ソロモンが間に立ってくれた。
「おや、邪魔しないで貰えます?私は彼女に用があるんです」
「そうか。だが、此奴に危害を加える可能性がある以上、近づけるわけにはいかない」
「いえ、ちょーっとだけ、確認したいことがありまして……ダーク、彼を抑えてください」
瞬間、黒い影がソロモンに真横から飛びかかった。いつの間に移動したんだろう。不意打ちをギリギリで躱したソロモンは応戦する。あたしは応援したいんだけど……もう、目の前に謎の女の子が来ちゃってるんだよね。
「ふーむ……確かに……ええ、私たちが捜してきた人ですね」
「……捜してきた?あなたたちもソロモンと同じ感じ?」
「……私たちは彼のことは又聞きでしか知りませんけど、それ、すっごく皮肉になってることわかってます?」
「ごめん、全くわからない」
「それは……彼をあとで労ってあげますか。では、自己紹介といきましょう。
私はリアライズエレメンタル。火、水、風、土、光、闇。全てのエレメンタルリアナイツの統率個体です」
統率個体……ダークエレメンタルやライトエレメンタルよりも上位の個体……。でも、なんで彼女があたしの姿をして、あたしの前にいるの?
「我々は、本来は姿を持たない精霊の類です。荒ぶる炎、流れる水、吹きすさぶ風、不動の大地、それらを照らす光、付き随う影。そして、その全てを纏め自然と言います。我々が生まれた時には姿がありませんでしたが、ある時、唐突に私の姿が変わりました。つまり、あなたの姿となったのですよ。あと、お告げみたいなものが聞こえましてね。『仕えるべき王を探せ。汝の姿はその鏡』と。そして、光と闇のエレメンタルが姿を手に入れ、四元素のエレメンタルの長が依り代となる姿を得て、こうしてここにいます。まあ、四元素の長は過去の英雄の姿なんですけどね」
過去の英雄……つまり、彼女たちは英雄が生きていた時代からずっと存在しているという事。どれだけあたしの事を待っていたんだろう。
「少なくとも、円卓の時代からですかね……もちろん、それよりも前の時代──ウルク王朝の頃から存在はしてましたけど。アースエレメンタルやエアエレメンタルたちはギルガメッシュとエルキドゥの喧嘩を観戦してましたし、アクアエレメンタルやフレイムエレメンタルたちはアルゴノーツについて行ってましたし。ライトはいつの間にかヴァルハラに招待されて騎士になってますしダークは日本の神々から手ほどきを受けて忍びになってますし……私たちでも何が何やら。
まあ、あなたのことを待っていたのは事実です。色々な場所を旅してこの姿の者がいないか確認して……途中で、レフと名乗る学士からあなたの名前を聞いたのです。そして、まだ産まれていない命だとも」
「レフ、だと?」
ソロモンがあたしの横に立つ。ダークエレメンタルは襟を掴まれて引き摺られていた。
「まさか、レフ・ライノールか?」
「さあ、私はファミリーネームは聞いてませんから。ですが、なぜそんな事を聞くんですか?」
「……昔馴染みのとある男が、王が復活するまでは、レフ・ライノールと名乗り世界を渡り歩くと言っていた。他の者は様々な場所に居を構え休眠したが、彼奴だけはまだ彷徨っている」
「そうですか……では、私が会ったのはその人で間違いないですね。彼からあなたの事も聞きましたから。それと、この時代に産まれるという予言も聞きました。そして、ようやく見つけた訳です。彼女を……我々の王となる者を」
……話についていけなくなってきた。
「とりあえず……ソロモン、あとは一人で話を聞いておいて。終わったら要約して伝えてちょうだい。あたしは家で休んでるから。誰か送ってください」
帰る。帰って休む。頭を落ち着かせるにはそれが一番だ。美味しいお菓子も食べよう。そうしよう。
「では、アクアエレメンタルとエアエレメンタルの長に送らせましょう。コル、ギル、頼みます」
アクアエレメンタルとエアエレメンタルの名前が呼ばれる。長は名前を持っているのかな?
「リアライズエレメンタルだっけ?あなたは名前を持ってるの?」
「そうですね……レフはあなたの名前も予言したのですが、その時に彼から名前を貰いました。私のことはリィズと呼んでください」
リアライズ──リィズがニコリと微笑む。あら可愛い。
水と風の長は、なんというか……小さかった。風は小さい子の姿が多いらしいからわかるけど、水はもうちょっと背が高くても良かったんじゃないのかな。
水の長──コルは、水色の長髪をポニーテールにした元気そうな女の子。長い杖を持っている。
風の長──ギルは、金色の髪の男の子。何故かパーカーを着ている。公園で子供たちに混じって遊んでいても気づかないだろう。
「初めまして、マスター。ボクはエアエレメンタルの長です。気軽にギルくん、とでも呼んでください」
「私はアクアエレメンタルの長です。よろしくお願いしますね」
二人とも礼儀正しい。
ソロモンに後を任せて、ギルくんの先導で森の中を歩いていく。
あたしは一つ、とても気になることがあったから聞いてみた。
「そういえば、二人は過去の英雄の姿を模してるんだっけ?どんな英雄なの?」
「ボクは古代の王様ですよ。名前が最大のヒントだと言っておきます」
「私は魔術師で、ついでに王女ですね。一般的に有名なのは大人の時の姿なんでしょうけど、アクアエレメンタルの特性的に、依り代にできる姿が幼い頃の姿なんです」
うん、わからない。今度詳しく聞いてみようかな?
ギルくんはさらに、アースエレメンタルとフレイムエレメンタルの長のことも教えてくれた。
「フレイムエレメンタルの長はアレクと言います。赤い髪の少年ですね。こちらも、古代の王の姿を模しています。アースエレメンタルの長はエル。彼は王様ではなく、王の友ですね。緑の長髪の青年です」
「……今気づいたんですけど、必ず三人に共通点ができるんですよね。風と土、私は名前が三文字ですし、火と風、私は子供の姿で王族。私以外は男性ですし」
「エルはどちらかと言うと無性ですけどね。ベースは女性のはずですけど……ボクもどちらかはわかりません」
こうして、あたしは色々な話を聞きながら家に帰り着いたのだった。そして、フォウ君に唖然とされフォウ君を見た二人が唖然とし、サクヤはテキパキと紅茶の用意をしていた。
FGOキャラって使いやすいんですよね……どこかでブレーキかけないと。
エアエレメンタルの長
ギル
金の短髪、パーカーを着た少年。古代の国の王様の姿(幼少期)を模している。礼儀正しいが、時折とんでもない悪戯をしたりする。
アクアエレメンタルの長
コル
水色の長髪のポニーテール。水色のドレスを着ていて、長い杖を持つ。とある古代の国の王女の姿(幼少期)を模している。回復専門。
フレイムエレメンタルの長
アレク
赤い髪を三つ編みにした少年。とある国の王様の姿(幼少期)を模している。戦大好き。
アースエレメンタルの長
エル
緑の長髪の青年。貫頭衣を着ている。大人しく温厚。ギルと仲がいい。
全員、モデルはFGOキャラ。