蟻兜side
蟻兜「で、話が一段落したところでいろいろと質問があるんだが。」
紫「そうね、確かにあなたにはいろいろ知ってもらわないといけないわね。ではまず、何から知りたいのかしら。」
蟻兜「そうだなじゃあまず一つ目の質問から、俺についてのことだ。ついさっき霊夢は、俺のことを妖怪だと言った。これはどういうことだ?」
紫「...そうね。ざっくり言うと、あなたは死んで妖怪に転生したの。」
蟻兜「よ、妖怪!?」
紫「そう、正確には『黒蟻の妖怪』よ。」
その突拍子もない紫の言葉に、俺は唖然とした。自分死んだことだけでもお腹いっぱいなのに、さらに死んでから転生した?
...これ以上、このことについて考えていると頭痛がおきそうだ。
蟻兜「...えっと、じゃあ二つ目の質問。博霊大結界だっけ、それを強固にするために俺の協力が必要って話について。」
紫「あぁ...その事なんだけど、今はまだどうでもいいわ。」
霊夢「ん?」
蟻兜「はい?」
霊夢「さっきからあなた、何を言っているのよ?」
俺が理解できないの事は当然だが、どうやら見る限り霊夢も紫が言ったことを理解できていないらしい。
紫「実は、本来は人間が妖怪に転生するのにはある条件あるの。大きく分けて二つ。一つ目は、強い怨みや憎しみなどで、この世に未練があり転生する者。二つ目は、死んでから永い時を得て転生する者。」
紫「けれど蟻兜、私はあなたをそのどちらとも当てはまらない別の方法で無理矢理転生させたの。その影響で、あなたの一部分の記憶がなくなってしまっているの。」
猿己「...なるほど、わからん。」
霊夢「つまり転生したのところまではいいけど、記憶喪失になって使い物にならない妖怪になったってことね。」
紫「まぁ、そうなるわね。」
自分が記憶喪失!?確かに、思い出せない事がある。例えば、自分が働いてた仕事や母親の名前などの色々な事を忘れている。
蟻兜「...じゃあ最後の質問、あの気持ち悪い裂け目はなんだ?猿己や藍だっけ、あいつらが出てきた裂け目のことだ。」
紫「あぁ、スキマのことね。私の『能力の境界を操る程度の能力』で出した『スキマ』よ。」
霊夢「因みに、私の能力は『空を飛ぶ程度の能力』」
蟻兜「へー...能力ねー。」
霊夢「ん、意外ね。あなたなら、かなり驚くと思ったのに。」
蟻兜「何と言うか、驚きすぎてなんかもうこれ以上驚く元気がなくてな。」
蟻兜「はぁー...」
俺は、大きなため息をついた。とんでもない話を聞いているだけで少し疲れた俺は、なんとなく空をすこし見上げた。
蟻兜「...............ッ!!」
蟻兜「お、おい紫、紫はいるか?」
猿己「紫なら、さっきスキマでどっか行ったぜ。」
霊夢「どうしたのよ?」
蟻兜「じゃあ霊夢で聞く、最後の質問だ。」
霊夢「さっきのが最後じゃなかったの。」
蟻兜「本当に最後の質問だよ。この空はなんだ?この世界の天気かなんかか?」
皆で空を見上げた。さっきまでいつも通り青い空だったが、今の空は赤黒い濃いの霧が充満していた。
霊夢「これは、『異変』ね。」
どうも、赭月です。
もうすぐ今年も終わりですね。皆様は、今年はいい年でしたか。私は、勉強とかが忙しくてちょっとドタバタした年でしたなぁ。
そんな事よりも、小説の更新ペースが遅くて申し訳ありません。これからは、できるだけもう少し早く出したいと思っています。
次回、「俺の『能力』」