蟻兜side
霊夢「蟻兜、この赤い霧がどこから来たか分かる?」
蟻兜「そうだな、えーとたぶんあっちの方角から来たと思うぞ。」
そう言いながら指を差した瞬間、すごい速さで霊夢は俺が指差した方角に飛んで行った。
猿己「おぉ、やっぱり速ぇーな。もう見えなくなった。」
蟻兜「さっきから、何がおこっているんだ。」
猿己「異変だよ。この幻想郷じゃ、たまにこういう普通ではありえない事を起こす奴がいるんだよ。そいつをぶっ飛ばして解決するのが、博霊の巫女の仕事だ。」
蟻兜「なんか、結構物騒なんだな博霊の巫女って。」
猿己「よっしゃ、じゃあ面白そうだから俺達も行くぞ。おい蟻兜、さっさと飛んで行くぞ。」
蟻兜「ちょ、おい!」
いきなり俺の片腕を猿己が握り、勢い良く大空に飛び上がった。心の準備も何もしてなかった俺は、当たり前だがかなりビビった。
猿己「どうだ蟻兜、ビビったか?」
蟻兜「うわッ!おい猿己、絶対に手を離すなよ!絶対に落とすなよ!」
猿己「大丈夫、大丈夫。俺に任せとけって。」
猿己「...あ、やばッ!そう言えば俺の『剣』を家に忘れて来ちまった!!」
だんだんと、俺の手を握る猿己の力が弱まっていく。
猿己「やべッ!」
蟻兜「あ、」
猿己は自分が忘れ物した事にきずき、それに焦り誤って俺の手を離してしまった。
蟻兜「うおぉぉおぉぉぉ!!」
案の定俺はとんでもない速さで落下、神社の石段付近の地面に何も受け身を取らないまま頭から落ちてしまった。
猿己「ちょ、おい大丈夫か!生きてるか!?」
蟻兜「...............」
猿己「まさか...俺、殺っちまったか...」
蟻兜「...まだ生きてるよ、ピンピンしてるよ。」
猿己「うおッなんだお前のその体、あの高さから落ちてゲガが一つも無いじゃねーか。」
蟻兜「...............」
猿己「何やってんだ、そろそろ起き上がれよ。」
蟻兜「な...なんか、体が重くてうっ動かないんだが...」
俺は、何度も体を動かそうと試みる。が、まるで鉛のように体が重く、起き上がるどころか動く事さえ出来なかった。
仕方なく猿己にも手伝ってもらうい、ようやく上半身を起こす事が出来た。
猿己「これは、たぶんお前の能力だろ。」
蟻兜「これが俺の能力か。じゃあ具体的どんな能力だ?まさか『体を重くする程度の能力』じゃあないだろうな。」
猿己「いや、違うな。お前の体、重くなるだけじゃなく硬化もしているし。しかも、お前の周りの草木も同様に硬化してる。」
蟻兜「じゃあ、俺の能力って」
猿己「たぶん、『ありとあらゆるものを硬化する程度の能力』だな。」
何とも言えない微妙で使いずらいく、どう応用するかもわからない自分の能力が判明した。それにより、すこし気が抜けると硬化していた体や、周りの草木逹が元に戻りだした。
猿己「取り合いず、空を飛ぶのは止めようか。走って行くぞ。」
蟻兜「行くぞって、どこを目指すんだよ。」
猿己「まずは、『霧の湖』だ。」
明けましておめでとうございます。
どうも、赭月です。
年明けは、とても忙しくすこし更新が遅くなって申し訳ありません。
前回の後書きで、更新ペースを早くしたいとか言っておきながらもうこのザマだよ、こんチクショウ!
次回、「勘違いからの補食」