集いし者たちと白き龍   作:流星彗

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44話

 

 

 準備を終えた瑠璃と茉莉はユクモ村を後にするため階段を下りていく。昨日の話を聞いていたのか、一部のハンターや村人達がその姿を見送りに来ている。

 ユクモ村は数年前に、ジンオウガが現れた事で一時は緊迫状態にあったが、一人のハンターによって討伐された事で危機を逃れたという話がある。当時もまたジンオウガと言う存在は驚異的なものであり、一介のハンターには討伐するのは容易ではないという認識だった。

 時を経てもなおその認識は変わらず、その上近年は亜種まで確認される始末。

 今回はどんなハンターが挑みに行くのかと見に来ている、というものだろう。

 

「あんな娘達が戦いに行くのか……?」

「大丈夫なの?」

「いや、最近あの娘達も結構活躍しているって話だぜ? ほら、あの双子のハンターの噂、聞いたことあるだろ?」

「ああ、あの娘達がそうなのか。いや、でもそれでも相手はジンオウガだぜ?」

「一体依頼してきた奴は何を考えているんだ?」

 

 そんな話が聞こえてくるが、茉莉は気にした様子もなく歩き続けている。瑠璃は見せ物にされているのが気に食わないのかちらちらと視線を巡らせている。

 そうして階段を下りていった二人は竜小屋から連れ出されたアプトルに近づき、見送り人の中から出てきた十兵衛へと振り返る。骸の奥からじっと見つめてくる彼の雰囲気はどこか不安そうにしている。

 昨日は一日中ジンオウガについて話し続けており、実際に戦った事がある経験を生かしてジンオウガについての特徴、対処法を教えてくれた。

 あとはそれを生かして戦ってみるだけだ。

 どこまで通用するかはわからないが、何としてでもこの狩りを成功させてみせる。

 

「心配しなくてもいいわよ。あたし達がへまをすると思っているの?」

「……いや、なんというか……まあ、うん」

「なによ、歯切れ悪いわね」

「……いえ。頑張ってくださいッス。持てる力をぶつけていけば、きっとお二人なら成功させると信じているッス」

 

 十兵衛の頭にはブラキディオスとの戦いで吹き飛んでいった瑠璃の姿が思い浮かんでいた。安定した攻防をする茉莉でさえ厳しいダメージを受けた事があるのだ。ブラキディオスよりも更に軽快に動けるジンオウガは注意すべき相手だ。

 油断すれば本当に一気に薙ぎ倒し、潰してくる。

 しかし二人の成長を見てきているのは十兵衛も同じだ。彼女達は才能がある。ハンター家系に生まれ、鍛えられ、そして実戦の中で成長してきている。それは間違いない。

 ならばこそ、ここは二人を信じて送り出すだけだ。

 

「では行ってきます」

「吉報を待っていなさい」

 

 アプトルに飛び乗り、笑顔で二人は走り去っていく。その背中を見送った十兵衛と村人達。彼女らの狩猟が無事である事を祈る者、本当に成功できるのかと疑う者、心配する者……様々な感情が含んだ視線に見送られ、二人は狩場へと向かっていった。

 

 

 ○

 

 

 ポッケ村には新たな客人がやってきていた。

 空間転移を行使して現れたのは変装している神倉月、そして彼女に率いられるように五人の人物が訪れた。

 肩を超える黒髪をゴムで縛り、黒い和服を身に包んだ青年が彼女に続くように現れ、それに続くように藍色の長髪をした女性が同じような髪の色をした小さな子供の手を引いてやってくる。

 彼女に並ぶようにツーサイドアップの髪型をした黒髪の女性と、彼女に肩車されている黒髪をショートカットにしている娘が歩いてくる。

 藍色の髪をした母娘は藍と黒の和服、黒髪の母娘は青い和服とそれぞれお揃いだ。

 そんな彼らを出迎えるのがポッケ村に暮らしているクロム達。

 

「よう、久々だな」

「ああ。こんな形で再会するとは思わなかったが……元気にしてたか?」

「おうよ、何とかな。……それにしても、そっちの娘さんらも大きくなったな」

 

 クロムの視線に並んでいるライム達の視線も同じように娘達へと向けられる。それを受けて肩車されている娘は「おーこんちゃっす、おっちゃん!」と元気よく挨拶した。それにクロムは苦笑を浮かべて「いや……おっちゃんと言われる程に年取ってないんだが……」と呟くしかない。

 そして肩車している女性はライムの隣にいる童顔の女性、シアンへと笑いかけて「久しぶり。相変わらず可愛いじゃないの」と優しく声をかける。

 

「はい。紅葉さんも相変わらず美人さんでいいですね!」

「お? 嬉しいこと言ってくれるじゃないの」

 

 にっと笑いかけながらシアンの頭をぐりぐりと撫でてやる。そうしてやるのも随分と久しぶりだったためシアンはそれを大人しく受け入れていた。

 今度は鍛冶屋の娘であり、瑠璃と茉莉の姉である撫子がもう一人の女性へと声をかけていった。

 

「お久しぶり~」

「……どうも」

「あの銃、役に立っているかな~?」

「……まあ、いい銃だな。今もなお問題なく動いている」

「それはなにより~。素材があるならあれを強化する設計図があるんだけどどうかな~?」

「……そう? じゃあ後で頼む」

「はいは~い。……菜乃葉ちゃんは私の事、覚えているかな~?」

「……? いえ、ごめんなさい……覚えてないです」

 

 にこにこと女性から娘へと視線を移して話しかけていくが、娘……菜乃葉は申し訳なさそうに頭を下げる。その礼儀正しい様子に「ああ、いいんだよ~。まだ小っちゃかったもんね。しょうがないよ~」と手を振りながら笑いかける。

 その傍らではクロムがライムと共に青年へと話しかけていた。

 

「隠れ住んでいる間、瑠璃か茉莉と会わなかったか?」

「いや、会ってないな」

「あの二人があなたたちを探して東方を周ったんですが……」

「ああ、聞いている。でもその時はリオ夫婦の一件があったからな、完全に表に出ずに対応していたよ。でも双子の魔族のハンターの噂を耳にしてはいたが……」

「あ、それですよ。あの二人、竜魔族である事を隠して魔族として行動しているので」

「そうなのか……。しかしそれでも会えなかったな。聞くところによればロックラックを中心として活動しているらしいが、俺達はそれから更に東、ヤマト国の近くに潜伏していたからな」

「ああ……それなら仕方ないな。かなり距離があるな、うん」

 

 頭の中に地図を思い浮かべて納得したように頷く。

 ヤマト国付近ともなればかなり東の方だ。彼らが暮らしていた村がある山よりも更に東となり、確か……いくつかの交易街を越えていった先だったか。

 同じように思い返していたクロムの妻、桔梗が問いかける。

 

「リオレウスとリオレイアのつがいが活発化しているとの話ですが、そのエリアに含まれているのでしょうか?」

「ああ、そうだな。俺も希少種のつがいを他のハンターと組んで討伐してきた。近くを飛行していたし、生活金の事もあったからな」

「希少種を討伐したのですか?」

「ああ。なかなか手ごわい相手だった。流石は希少種、というだけあった。それのつがいだからな……かなり厳しい戦いだったが、組んだハンターと戦アイルーが優秀だったからな、討伐できたよ」

「戦アイルー? 気になるところだけど、今は家に移動しないかい? こんな所で立ち話は寒いだろう?」

 

 まだまだ積もる話があるが、月の言う通りここは雪山と言う事もあって寒い。子供は風の子というのか、肩車されている子供は元気なものだったがそれでも家の中という暖かな場所に連れて行った方がいいだろう。

 それもそうだとクロムが頷き、「よし、行こうか」と全員に声をかけて歩き出す。

 ルシフェル一家と神倉月らの客人、そして鍛冶屋の母娘と大所帯で移動する光景はポッケ村の村人達にも知れ渡り、数年ぶりに訪れたその客人らに気づいて声をかけてくれる人達がいる。

 変装しているが、それでも彼らはその客人らの事を覚えているようだった。なにせ六年前の事件の際に訪れた事があるし、実際にこの村で一時期暮らした事がある。

 

 そう、満を期して神倉月に連れられて――白銀一家が訪れたのだ。

 

 大所帯が入ってもある程度は問題ないが、やはりリビングに全員が入る事は出来ない。隣の部屋も開放してやっと全員が座って話が出来る状態となった。そうして月達は自分達に掛けている変化の魔法を解く。

 するとクロム達が覚えている彼らの姿がそこに現れる。

 白銀昴。

 六年前にライム達が暮らしていたココット村に隣にいる紅葉と共に訪れた東方のハンターであり、一時期はライムとシアンと組んで二人に師事した人物だ。

 事件が収束してからは東方へと帰り、滅びた村に墓参りしてからは姿を消してしまったハンターである。

 彼の両隣に並んで座っている二人の美人な女性、優羅(ゆら)と紅葉を妻に迎えて二人の娘を持つ一家の大黒柱でもあった。

 今までずっと隠れて暮らしてこられたのは月が彼らの家へと訪れて結界魔法を張り、変化の魔法を支援する道具を手渡していたためだ。そして何よりハンター稼業も偽名として登録するという裏技もこなしている。

 普通ならば認められないが、月の裏回しとドンドルマにいるレイン達にも陰から通じていたためまかり通ってしまっていた。事情を知っている彼らも一度は渋ったが、目をつぶってもらった。これらがあったからこそ彼らは誰にも気づかれず、今まで問題も起こさずに暮らしてこられたのだ。

 白銀昴、偽名は星野(ほしの)(かける)

 旧姓、黒崎優羅、偽名は灰原なずな。その娘の菜乃葉は(すずな)

 旧姓、竜宮紅葉、偽名は芙蓉(ふよう)桜。その娘の楓は小梅。

 これらを名乗って暮らしてきている。

 あれから六年……昴と紅葉は二十六歳、優羅は二十五歳になっている。

 その愛娘たちはもうすぐ五歳になる頃だ。異母姉妹ではあるが二人とも仲が良く、そして性格は何と言うか反対だった。ある意味それぞれ母親に似ているというべきか。

 外見的な事は母親によく似ているが、性格もある程度似通っている。

 菜乃葉は優羅に躾けられているおかげで結構礼儀正しく落ち着いている。優羅の隣で静かに座っているというのに、楓は他人の家とその広さと人の多さに少し興奮しているようで、きょろきょろと落ち着かない。

 それだけでなくクロムらの子供に気づくと物おじせずに話しかけていっている。ああいうところは子供の頃の性格が変わった紅葉を思い返してしまう。

 クロムの息子はグリーン。父親によく似た深緑色の髪をした四歳の子供だった。その後ろに隠れるようにしているのがライムの娘、リーフ。彼女は三歳であり、淡い緑色の髪を三つ編みにしている彼女は人見知りなのか、大勢の人がいるのが怖いらしくグリーンの服を掴んでいた。

 そんな二人に話しかけていく。

 

「お? おお? とし、近い? お前らなんて言うんだ? オレはこうめ! ……あ、いまはかえでだっけ? おかーん、どっち?」

「今は楓でいいわよ」

 

 自己紹介をしようとしたところで名乗る名前がどっちにすればいいのかと首を傾げた楓が紅葉へと声をかけ、今は本名でも構わないのでそっちで許可を出した。そんな様子を菜乃葉が椅子から振り返りながら見守っており、「……行ってもいいよ」と優羅が声をかけてやる。

 

「行ってもいいの、お母さん?」

「……ん。友達、作ってきなさい」

「うん!」

 

 優しく頷いてやれば菜乃葉が嬉しそうに頷き、椅子から降りてとてとてと三人の下へと駆け寄っていく。そんな様子を見守り、そして桔梗とシアンが持ってきたお茶とお茶菓子が全員へと配られ、話を再開していくことになった。

 最初は昔の事を思い返し、それからどういう風に過ごしていったのかを話していく。

 その間子供たちは離れた所で自己紹介をし、少しずつ打ち解けていっていく。

 六年という月日が生んだ思い出を辿っていき、変わっていった生活の事を話していくと時間を忘れてしまいそうだった。それだけ積もる話が溜まっているという事であり、話題が絶えない中でのお茶の時間は穏やかなものだった。

 そうした中で、ようやく月が東方の事について話し始めた。

 

「さて、先日話した事だけど」

 

 その月の切りだしに、他の者らの表情が真剣なものになってくる。離れた所から聞こえてくる子供たちの楽しげな声を耳に入ってくるが、彼らの視線は月へと向けられていた。

 

「セルシウスに関しては何とか交渉が成立しそうな流れになっている。仮釈放が叶えば予定通りここへと連れてくるから、それからの事はクロム達に任せてもいいかな?」

「はいよ。何の問題もないですよ。むしろ歓迎ですわ」

「セルシィ姉さん、元気にしていましたか?」

「うん、相変わらずの様子だったね。でも何か問題を起こす、という様子は全くなかったから普通にあの頃のように話をする事は出来そうだよ。……でも、仮釈放が叶ったとしても彼女の罪状が罪状だからね。ギルドナイトが一人ついてくることになりそうだ」

「……まあ、しゃあないですね。誰になるかは?」

「まだ決まっていないけれど、私としてはアルテミスとルーシーがついてくればいい、と思っているよ」

 

 見知らぬ誰かをつければセルシウスのあの様子と、シュヴァルツの血統という偏見の目にさらされて彼女の苛立ちを高めてしまいかねない。彼女の性格についてはギルド側もある程度把握しているためそのような事は出来なかった。

 ならば彼女を知るギルドナイトをつければいい、ということになるが、候補として上がるのはレインとサン。しかしどちらも隊長を務めており、レインに関してはその役職上彼女を監視する事は出来ない。

 サンならば彼女の隊に組み入れればいいだろうが、しかしそうなれば月の目的を果たす事は出来ない。となれば最後に挙がるのはゲイルかアルテミスなのだが、ゲイルは釈放された後にギルドナイトに復職するかどうかは怪しい。

 結局アルテミスが候補に残ってしまう。だがアルテミスもまたギルドナイトとしては若輩者であり、敵方についていた存在。セルシウスとの付き合いは長いがその経歴があるため、もう一人付いた方がいいかもしれないという話となり、ならば月が連れてきたルーシーを付けてくれ、と交渉する事になったのだ。

 

「アルテミスっていうとあの子だよね? あの子も来るんだぁ。元気にしてました?」

「うん。可愛らしさを残した美少女に成長していたよ。……シアンよりも少し身長が高かったかな?」

「……うわぁ、それは少し複雑だなぁ……」

 

 シアンが懐かしさに目を細めるが、月の言葉に複雑な心境に目を細めてしまった。あの頃はシアンよりも小さかったのに、いつの間にそんなに成長していたのか、と溜息ついてしまっている。

 そんな彼女に苦笑して桔梗が頭を撫でてやってやる中、月の視線が昴達へと向けられる。

 

「辻斬りに関する噂は?」

「ああ、耳にしていますよ。それが……シュヴァルツの末裔の仕業じゃないか、とも」

「ほんと、何でもそういう方向に持っていきたいって感じよね。……こっちとしては不愉快極まりないっての」

「……そうだね。だからこそ、何とかしなければならない。私もそれらしき人物と遭遇したけれど逃げられてしまったからね」

「…………会ったの?」

 

 瞬間、優羅の目が鋭く細められて月を見据える。姿勢正しく椅子に座り、膝に手を置いている彼女は無表情に会話を聞いていたが、月のその言葉は聞き逃さなかった。

 ずっと隠れ住んでいるが彼女もハンターであり、過去は人斬りの経験もある戦士でもある。その雰囲気は視線だけで殺しかねない程のものだが、それは衰えていなかったらしい。むしろ研ぎ澄まされていた。

 さすがに殺気までは放っていないが、月はその視線を受け止めながら彼女も成長しているな、と思わずにはいられない。

 

「ああ。確実ではないけど、恐らく可能性が高いね」

「どんな人だったの?」

「なかなか可愛らしい娘さんだったね。刀の使い手にして、魔法使いでもあったかな。そして何より――」

 

 その続けられた言葉に全員が驚きを隠せない。信じられないようなものだったが、月がそう言うのだ。確かなのだろう。

 そして続けて口にされた何者かの手引き。衛宮天羽の逃亡にも手助けしたかもしれない謎の女性についても気になるところだが、優羅はその話を聞いてこう言った。

 

「……その衛宮天羽が辻斬りと言う可能性は?」

「なきにもあらず、かな。私は実際に会った事がないから何とも言えないけれど、彼女も衛宮家の出身だからね。剣術に関してはかなりの腕前だったと聞いている。むしろそういう過去があるから候補には上がるけれど、行方不明になってから誰にも足取りがつかめない状態さ。どこに潜伏しているのかは不明だよ」

「だからいるかもわからない人より、可能性が高くて不特定数のシュヴァルツの末裔に罪をなすりつける大衆心理、と。ほんと、やりきれねぇよなぁ……」

 

 誰かがあれは悪だと言えば、それに誰かが乗っかっていく。そうして広まった認識はよく知らない人物も「みんながそう言っているのだからそうなのだろう」という認識となり、さらに広まっていく。

 その対象の事をよく知らないのにそういう人なのだと思わされていく。

 しかもその対象の歴史……過去の先祖たちが引き起こしている実績があるのだから性質が悪い。その子孫であるが故にそういう目にさらされてしまう。心当たりがなくとも、実際にやっていなくとも、その大衆心理に囚われた者らにそう思い込まされる。

 クロムの言葉に自然と無言となってしまった。

 それを壊すように月がぐっと拳を握りしめて言う。

 

「だからこそ、今度はこちらからも打って出る。そのための繋がりを。向こうの人達にもう一度連絡がついたからね。今夜にでも移動しておくことになったよ」

「今夜ですか? 早いですね」

「すでに一人が交渉の場に向かっているのさ。そしてヤマト国からも二人、再び交渉の場に向かえる時間が取れているとの事だよ」

「えっと……乾渚さんと、未寅龍仁さんと、巽鷲輔さん、でしたっけ?」

「……ヤマト国の王に仕える六家の内の三家。乾家を中心とした二家のグループ。そして魔族に対して偏見のないグループでもある。交渉の相手としては悪くはない」

 

 シアンの言葉に優羅がどういう家なのかを口にする。

 それに続くように紅葉が、

 

「ちなみに偏見があるのが酉丑(ゆうちゅう)家を中心とした申子(しんし)家と午卯(ごぼう)家ね。ついでに言えば、乾は魔族の家系で、酉丑と午卯が竜人族の家系だったりする。更に言うと家の名前を漢字で書くと――」

「――十二支になる、ですよね? 家名はそれぞれ二つを使用し、六つとなっている。王を中心として六つの家が守るという意味合いで成り立っている、と本で読みました」

 

 子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。

 これらから二つずつ取って成り立った家。

 乾、未寅、巽。

 酉丑、申子、午卯。

 これらについてはヤマト国の歴史書を読めばたいてい記されている事であり、読書家であるライムが知っていてもおかしくはなかった。

 そして今回接触するのは乾家のグループ。きっかけは単なる偶然だったかもしれないが、その偶然があったからこそこちらからも動けるようになった。その好機を逃すわけにはいかない。

 雷河と焔が作ってくれたこの縁を大事にするべきだ。そして過去に月が作った縁もここで生かすべきでもあった。

 

「さて、ここで一つの問題だよ。乾さん、未寅さん、そして巽さん。三人と交渉するための場には雷河達も付くが、君達も参戦すると表明しなければ向こう乗ってこないだろうね。それぞれ一人、交渉の場に向かわなければならないが……」

「ならば俺が行こう」

「となれば俺だな」

 

 挙手したのは予想通りというべきか、昴とクロムだった。二人の挙手に異を唱える者はおらず、月と共に二人も移動する事になった。

 あとは交渉を成立させ、協力関係を布けるかどうかだ。

 

「では今夜、移動するとしようか」

 

 少しずつ、こちらも動き出すのだった。

 

 

 ○

 

 

 昼にユクモ村を後にしてアプトルを走らせる事数時間。

 日が暮れ始める前には狩場となっている渓流へと到着する事が出来た。山間へとゆっくりと沈んでいく太陽を感じながらベッドとランプを運び入れ、モドリ玉のセットを済ませておく。

 今回二人が使う武器だが、瑠璃はディオスソード改を選択した。内包する爆破属性を生かしてジンオウガへと多くのダメージを与える算段だった。

 対して茉莉は強化させておいたトキシックジャベリンを選択。もちろんこれは毒を注入するという目的を持っての選択だ。

 つまり、とにかくダメージを与えることを考えての武器選択となった。もちろん防御を捨てているわけでもない。最初の内はジンオウガの動きを観察してどういう行動をするのかを見る事から始めるつもりだ。

 武器の調子を確かめ、装備の具合も確かめて準備完了だ。

 それぞれ持ってきた鬼人薬グレートと硬化薬グレートを飲み干し、ベースキャンプを後にする。二人はそれぞれ分かれてエリアを捜索する事はせず、二人揃って行動する事になった。

 エリア1を北上してエリア4という開けた空間に出る。この渓流には廃墟はないようで、完全に崖の上の平らな場所、という空間になっていた。視界を遮るものは何もなく、数等のブルファンゴが鼻を鳴らしながら地面を嗅ぎまわっている。

 その視界に入らないように離れた所を歩いていき、エリアを移動しようとするが、一頭のブルファンゴが顔を上げて二人へと振り返ってきた。前足で地面を擦りだし、走り出そうとしているのに気付いた茉莉が、左手を横に出す。

 轟っ、と手のひらから火炎が躍り、ブルファンゴを牽制するように視界の先で燃え上がる。それを見たブルファンゴがその火を見つめて足を止めてしまった。

 その間にエリアを駆け抜け、エリア7へと移動する。無駄な戦いは避けていく。小型モンスターを相手にすればそれだけ武器の切れ味が下がるし、体力も少し消費する。その状態でジンオウガを相手にしたくはない。やるならば全力、全快の状態で。

 そう思ったが、エリア7に来てもジンオウガの姿はない。

 水草に隠れている、という様子でもない。なにせ大型モンスター特有の気配がないのだから。となると森の方にいるのだろうか、とここから南下してみる事にする。エリア6を経由し、エリア5という森の空間へと向かってみると、

 

「……っ、この気配……!」

 

 入った瞬間にこの森に充満している覇気を感じ取った。

 視界の奥にその姿を確認できるのだが、奴はただそこに佇んでいるだけだった。しかも二人に背を向けている状態だ。だというのに奴から放たれる気配が尋常ではなかった。

 そして奴もまた二人が言葉を失っている気配を感じ取ったのだろうか、ゆっくりと振り返って二人を見つめてきた。

 青い瞳が遠くから二人を視線で射抜き、小さく唸り声を上げながらぐるりと首や肩を慣らすように回転させて身構えていく。

 奴こそが今回の討伐対象となっている雷狼竜ジンオウガ。

 今まで出会ってきたモンスターとは全く異なっている骨格をしているのが見て取れる。

 四肢で体を支えるというのはドンドルマ方面で確認される古龍種と同じようなものだが、その鍛え上げられた四肢は太く、強固な甲殻に覆われている。背中からは白い毛が生え、額から生える黄色い角と肩から胸へとかけて掛かった黄色い甲殻が王者の風格を漂わせる。

 

「グルル……」

 

 十分に肩慣らしをしたジンオウガが小さく唸ると、悠然と二人へと歩き出す。距離を縮めるために疾走するのではなく、歩いてきているのだ。その行動から奴の余裕を感じさせる。

 そうして値踏みするようにじっと二人を見つめてきている。完全に舐められていた。

 そう感じ取ったら、()らずにはいられなかった。ゆっくりと接近してくるジンオウガへと、ディオスソード改に手をかけて少しずつ走り寄っていく。それに続くようにトキシックジャベリンを抜いてゆっくりと接近していく。

 二人が近づいてくるのを見てもなおジンオウガは悠然と歩き続け、瑠璃がディオスソード改を抜いた瞬間、ぐっと瑠璃へと踏み込むように前へと迫ってきた。

 

「っ!?」

 

 急に近づかれた事で斬りこむタイミングがずれてしまった。数メートル離れていたのが前のめりに倒れながらぐっと近づきつつ前足で体を支える、というもので一気に縮まった。

 そのまま勢いよく頭を振り上げ、角を突き立ててくる。それを何とか横に跳んで回避したが、逃げる瑠璃を追うように左前足を振り上げて叩きつけてくる。また後ろに跳んで逃げたが、もう一度右前足を振り上げて叩きつけてきた。

 

「くっ……!」

 

 地面が陥没する程の力で叩き下ろされるその一撃。まるでブラキディオスの拳の一撃のようだ。だが瑠璃に意識を向けている間に茉莉が接近し、トキシックジャベリンで後ろ足へと突き入れる。

 切っ先が甲殻へと突き刺さるのだが、硬いために刃が浅くしか入らない。しかし毒が滲み出て少しずつジンオウガの体内へと注入されるため、茉莉は連続で突いて離脱していく。

 だがジンオウガはそれを逃さず、ぐるんと方向転換しながら茉莉へと勢いよく前足を叩きつけてくる。思わず息を呑んだが、冷静に盾を構えて受け流しつつ逃げる。もう一度叩きつけてくるのを受け流したが、今度は体全体で体当たりをしてくる。

 それは受け流さず気を込めて盾を構えて受け止め、カウンターを放つように一撃胸へと突き入れる。

 十兵衛が言うにはジンオウガと戦うならば奴の素早さを上回って動き攻めるのか、あるいは奴のパワーをどっしり受け止めて反撃するかの二択だそうだ。

 前者は瑠璃、後者は茉莉。

 茉莉はあの前足の叩きつけはブラキディオスのようなものだと感じ取った。勢いよく叩きつける、というその動きはもう既に見切っている。似通った攻撃方法ならば、すぐに対処できるだけの目を養った。

 だから躱せる。

 だが続けて繰り出された体当たりは逃げ切れない。逃げ切れないならばどっしり構える、その上で反撃の一撃を突き入れる。試してみたが、悪くはない。続けざまに角を振り下ろしてきたが、それも盾で防いでその頬へと一撃入れる。

 

「……グル」

 

 ぎろり、と視線が茉莉へと落とされ、また何かするのかと思いきや、横から接近してきた瑠璃の斬りかかりに反応して大きく体を旋回させながら背後へと跳んだ。その際に振り回された尻尾が瑠璃の眼前を通ったが、何とかそれをディオスソード改で受け止めて防御する。

 そのまま唸り、何かを呼び寄せるように吼え続けると、それによって本当に呼び寄せられているのか、周囲から雷光虫が一斉に飛び立ってジンオウガの背中へと集まっていく。集まった雷光虫の発せられる電気によってジンオウガの背中は弾ける電気が高まりだし、それに従ってジンオウガの気迫が高まっていく。

 

『ジンオウガは集めた雷光虫によって発電機能を高めるッス。それが一定ラインを超えると奴の毛と甲殻が一気に鋭利になり、攻撃能力とスピードが高まるんス。これが、ジンオウガが更に殺る気になっているという状態ッス。その発電している間は隙だらけッスから、攻撃のチャンスでもあるッスが、同時に怯ませる事で発電を中断させるチャンスでもあるッス』

 

 十兵衛の話を思い返し、瑠璃が一気に接近してディオスソード改を振りかぶる。前足から肩へと刀身を突き入れ、腹から切り払う。すると切り裂いた部分から緑色の粘菌が侵入していく。

 だがジンオウガはそれでも雷光中を集め続けている。

 前足、腹、肩と連続して斬り、反対側も茉莉がトキシックジャベリンを突き入れていく。右側は粘菌が、左側は毒がそれぞれジンオウガの体内へと注入されていく。だがジンオウガは一定の雷光虫を集め終えると、またぐるりと首を回し、一歩前へと跳ぶと、勢いよく体を後ろへと回転した。

 まさにそれはバック転。強靭な四肢だからこそ出来る芸当。それによって勢いよく尻尾が瑠璃へと襲い掛かり、舌打ちした瑠璃が何とかそれを回避する。が、それを見越したのか勢いよく体を捻って向き直ると体勢を低くし、彼女へと飛びかかっていく。

 

「――ッ!?」

 

 大きく口を開けて彼女へと噛みつきにかかるだけでなく、前足で彼女の体を押さえつけようとしている。逃げるにはもう遅い。瑠璃はディオスソード改を構えて防御体勢を取るしかなかった。

 せめてその前足からは逃げられたが、喰らいついてくる牙からは逃げられない。気を纏わせて身構えた彼女にジンオウガは噛みつき、しかし刀身が打ち鳴らされる牙を止めてしまう。

 奴はそのまま顔を上げ、ディオスソード改を握りしめている瑠璃ごと持ち上げてしまった。続けて首を振ってまるでぶら下がる子供を振り回すように一度横に振り、一気に彼女を放り投げてしまう。

 

「く、ぅう……!」

 

 何とか受け身をとったが強く地面に叩きつけられた衝撃を完全に殺しきれなかった。しかもジンオウガの背中がバチバチと電気を発し、それによって活性化した数匹の雷光虫が一つの雷弾となって背中から放出され、瑠璃へと向かって弧を描きながら迫っていく。

 何とか前へと転がると、さっきまで立っていた場所を雷光虫が通過していく。そうやって瑠璃を意識している間にトキシックジャベリンを突き入れていくと、今度は茉莉へと体側面を使ってぶつかってきた。

 これも気を纏って防御するが、しかし体を使っての体当たり……それもショルダータックルに近い攻撃だ。その衝撃は馬鹿にならないものの、何とかこれを堪えてまた反撃。

 だがジンオウガはそのトキシックジャベリンを打ち払うように、前足を振り払って茉莉のバランスを崩してきた。思わぬ反撃にトキシックジャベリンを持ち直したが、そこを狙ってもう一度ぶつかってくる。

 

「くっ……!?」

 

 肩でかちあげるようにぶつかってきたため茉莉の体が吹き飛んでしまう。盾で構える暇もなかった。気で身を守るぐらいしか出来なかったが、それでも一瞬体を襲った痛みは茉莉の体を侵す。

 それだけではなかった。吹き飛んだ茉莉に距離を詰めるように一歩前進すると、信じられない行動をとる。体を捻りながら後ろ足で地面を蹴り、片方の前足で体を支えながら宙に浮いたのだ。

 それに従って回転した尻尾が受け身を取った茉莉を側面から薙ぎ払い、彼女の体はまるでボールのように勢いよく宙を舞う。

 

「茉莉ぃッ!?」

 

 彼女の体は生えている樹まで吹き飛び、そして幹に叩きつけられて動かなくなってしまう。地面から数メートル離れたジンオウガの体は四肢に支えられて着地し、またしても雷光虫を集め始めて急速に発電しだす。

 それを止める暇なんてない。瑠璃は茉莉へと駆け寄っていった。

 

「茉莉、茉莉っ! しっかりしなさい!」

「…………ん、く……」

 

 意識が飛んでいたのは数秒だけだったらしい。瑠璃の声に反応して何とか起き上ったのだが、しかし痛む体は彼女の行動を制限する。

 

「ヴルルル……ヴォオオオォォォン」

 

 こうしている間もジンオウガはどんどん、どんどん雷光虫を集め続ける。今が一時撤退のチャンスか、と思ったが、その雷光虫たちが一気にジンオウガの背中に集結して凄まじい勢いで電力を発し始める。

 

「ヴォオオオオオオオオオオォォォォォンッッ!!」

 

 高らかに咆哮を上げたジンオウガの周囲にその電力の余波が放出される。同時に畳まれていた鋭利な甲殻が立てられ、甲殻に青い紋様らしきものが浮かび上がり、背中の毛が逆立っていく。

 ジンオウガの周囲に青白く光る雷光虫が飛び回り、バチバチと空気を弾けさせながら電気を放出していた。

 あれが、ジンオウガの本気?

 ブラキディオスが粘菌を更なる活性化をさせるならば、ジンオウガはその雷光虫の集まりによって高められた電力によって一気に本気になる。ぐるり、と二人へと向き直るとぐっと体勢を低くして疾走し始めた。

 向かってくる、という事実に瑠璃は舌打ちし、抱え上げていた茉莉を支えながら翼を広げて横に跳ぶ。さっきまでいた場所へと体全体でぶつかっており、インパクトの瞬間ジンオウガからまた電気が放出された。

 

「茉莉、このまま走って逃げ……っ、くぅ……!?」

 

 ジンオウガは逃げる二人をそのまま送り出すような真似は決してしなかった。

 完全に狩りに来ている。

 振り返りざまに背中から数匹の雷光中を放出してくる。それは集合体となって雷の弾を形成し、瑠璃達を追うように四つの弾となって放出される。バチバチと音を立てて迫ってくるそれを何とか躱していくが、続けてジンオウガが迫ってくる。

 

「こ、の……だったらこれでっ!」

 

 ポーチに手を伸ばし、こやし玉を取り出してジンオウガへと投擲する。それはジンオウガが顔を避けて躱したが、肩へと着弾してあの臭いが充満する。だがジンオウガはそれに顔をしかめるだけで、疾走速度を落とさないまま瑠璃へと飛びかかっていった。

 ディオスソード改を構えて何とか躱していったが、茉莉は体を押さえながら少しずつ離れていきつつ回復薬を取り出して口に含んだ。しかしそれで完全に治るという訳じゃない、その場しのぎにしかならない。

 だがそれでも切り抜けなければならない。

 殺る気になっているジンオウガという獣……いや、竜を前に瑠璃と茉莉はなんと小さな存在か。だがジンオウガはその小さな存在を相手に、本気になって叩き潰しにかかっている。

 茉莉が回復する時間を稼ぐため、瑠璃は歯噛みしながらディオスソード改を振るう事にした。だがそれを防ぐようにぐっと四肢に力を込めて瑠璃へとタックルを仕掛ける。その際やはり溜めている電気を高めて放出し、瑠璃へと体だけでなく電気まで襲い掛かる。

 一歩下がって何とか直撃は避けたが、放出される電気が体を撫でていく。ぞわぞわとした感覚と少し痛い感覚が同時に襲い掛かってくるが、歯噛みして堪えつつディオスソード改を振るう。

 先ほどから斬りつけている部分を狙ってやれば、甲殻を切り裂く刃から放出される粘菌が付着し、黄色く染まり始める。もう一振りして離れるが、それを追うようにジンオウガが振り返りつつ前足を叩き落してきた。

 一歩下がり、もう一撃振り下ろしてくるそれを横に避けつつ叩き落としたそれを切り払う。更にもう一撃くるのかと身構えるが、ジンオウガは二足で体を支えながら胸を逸らし、体全体で叩き潰してきた。

 そんなジンオウガから逃げ、もう一つのこやし玉を投げつけてやる。それは狙い通りジンオウガの顔面で炸裂し、奴の鼻にきつい臭いを充満させてやる。

 

「グルッ!?」

 

 その臭いに溜まらずジンオウガが呻いてしまう。顔を振って臭いを振り払おうとしたが、それでも鼻にくる臭いは消えてくれない。ぎろり、と瑠璃を睨んだジンオウガだったが、そのままエリア6に向かって走り出していった。

 この臭いから解放されたがっているらしい。その行動を狙ってぶつけたが、何とか成功したようだ。その事に胸をなでおろし、休んでいる茉莉へと駆け寄っていった。

 

「大丈夫? 何とか追い払ったけど……」

「……ええ、ありがとうございます」

「どこかまだ痛むところは?」

「いえ、特には。少し休めば問題ないですよ。装備も強化していますし、硬化薬グレートの事もありますからね。この時間を有効に使って休み、次の戦いに備えましょう」

 

 

 エリア6へと来たジンオウガは真っ直ぐに滝の方へと向かっていくと、流れ落ちる水を全身に被って体を震わせていく。付着した臭いを全部洗い流すように滝に打たれ続け、少しして体を震わせながら滝から離れる。

 少しだけ雷光虫が離れていったが、特に問題はない。もう一度集め直せばいいだけの事だ。歩けば小川が少しはねて水音を立ててしまうが、気にする事は何もない。

 さっきまでそこらでたむろしていたジャギィ達がジンオウガの姿を見た瞬間逃げていったのだ。本能から危険を感じてしまい、逃げていったらしい。だがこれはいつもの事だ。

 無双の狩人という異名は人族だけに通じるものではない。モンスター達の間でも本能から勝てない、と感じる程の威圧感がジンオウガから発せられるのだ。

 

「グルル……」

 

 小さく唸りながら先ほどの二人について思い返す。

 小さい存在、そして特に脅威を感じない存在。吹けば吹き飛ぶほどの存在だが、あれを潰せと主は言う。それに逆らう気はないので、言われた通りあの小さな二人を潰していくだけだ。

 大方今頃休んでいる頃合いなのだろうが、残念ながらジンオウガは二人を休ませる気など毛頭なかった。しかし相変わらず悠然と歩いてエリア5へと引き返していく。

 雷光虫もジンオウガの闘気に反応して相変わらず背中に集まって電気を発し、それがジンオウガの全身へとゆっくりと纏わり、その力を高めていく。

 まだまだ戦いは終わらない。

 一時的な休息すらも与えられず、二人の戦いは続行されるのだった。

 

 

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