集いし者たちと白き龍   作:流星彗

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56話

 

 

 次の日の朝、朝食を食べ終えた瑠璃の様子が少しおかしい事に茉莉は気づいていた。何かを考えているかのような、そんな様子だった。一度宿へと戻った後も瑠璃は椅子に座ったまま天井を見上げて顔をしかめ続けている。

 十兵衛もそんな瑠璃を気にし、茉莉へと「どうかしたんスか?」と瑠璃を示して訊いている。しかし茉莉もどうしたのだろうか、と疑問に思っているところだ。昨日の今日で何かあったとするならば、思い浮かぶのはプルートの事。

 しかしそれに対して悩んでいる……というわけではないかもしれない。何となくではあるが双子である茉莉はそれが理由じゃない、という気がしていた。

 こうして悩んでいるのを見ているだけでは何も進まない。

 

「瑠璃? なにを悩んでいるんです?」

「んー…………よし! 行くか!」

「おぉっ……!?」

 

 少し驚いたような顔を見せる茉莉をよそに、瑠璃は勢いよく椅子から立ち上がり、部屋へと向かっていく。がさごそと何か漁るような音をしたかと思うと、ローブを纏って部屋から出てくる。そしてその手には小さなラベルが貼られたモドリ玉が握られていた。

 

「……どこ行くんです?」

「ちょっとポッケに飛んでいくわ」

「……それはまた突然ですねー。理由を聞いてみても?」

「姉さんに頼んで火竜剣を強化してもらうわ。このままじゃちょっと火力不足だろうし、海のモンスターは火属性に弱いやつが多いしね」

 

 火属性だけでなく雷属性に弱いものも多いが、先日入手したジンオウガの素材は茉莉が使用し、ラギアクルスもまた茉莉が使用した。雷属性の武器……王刀ライキリや雷刀ジンライの制作も考えたが、見送ったのだ。

 自分には火竜剣【火燐】があるし、雷属性の武器は茉莉が以前から考えていた一品だった。瑠璃は彼女へと譲ったと言ってもいい。しかし火竜剣【火燐】ではそろそろ限界が来てしまった事を瑠璃は考えたのだ。

 G級ラギアクルス。

 奴に対してなかなか決定打というか、ダメージを与えられなかった事が瑠璃は口惜しくてならなかった。自分の未熟さも相まって心を重くさせたのだ。

 武器のせいにしているわけではない。いや、それは言い訳だろう。でも……それでも、自分に今出来る事があるならば、それは撫子へと火竜剣【火燐】の強化を依頼する事ではないか、と結論付けたのだ。

 この部屋にあるランプへと別のモドリ玉のインプットをすると、瑠璃は茉莉と十兵衛へと振り返り、「じゃ、ちょっくら飛んでくるわね」と敬礼する。

 

「まあ、色々気になる事はありますが……撫子姉さんたちによろしく伝えてください」

「ん。じゃ」

 

 小さく頷きながら微笑を浮かべ、瑠璃はモドリ玉を叩きつける。緑色の煙に包まれた彼女の姿は消え去り、彼女は遠く離れたポッケ村へと転送されていった。それを見送った十兵衛は少し無言となり、しかし首を傾げて「撫子姉さん?」と呟く。

 

「ああ、撫子姉さんはうちの家の長女でして、鍛冶職人をしています」

「鍛冶職人、ッスか。……っていうか魔族で三人姉妹ッスか? 珍しいッスね」

「そうですねー。……両親曰く、愛ゆえに、だそうです」

「……それはそれは、仲のよろしいご両親で……」

 

 はは、と苦笑を浮かべる十兵衛。

 瑠璃がいなくなってしまったので今日のところは休日とする事となる。茉莉は読書をし、十兵衛も軽くボウガンのメンテナンスをし、持っている弾のチェックをして時間を潰す事になった。

 

 一方、モドリ玉の転送によってポッケ村の酒場に飛んできた瑠璃。ランプの傍に現れた彼女の姿を見た受付嬢、シェリーは少し驚いた顔で「あら? 瑠璃じゃない。突然どうしたの?」と声を掛ける。

 シェリー。彼女はこのポッケ村にあるギルド支部の中で一番の受付嬢であり、六年前……いや、それ以前からずっとここで働いている女性だ。瑠璃にとっては幼い頃からの知り合いであり、親しい人物である。

 

「ああ、ただいまシェリー。ちょっと姉さんに用があってね。急いでるからごめんね」

「そう。撫子さんなら今頃家にいると思うわ」

「ありがとう!」

 

 挨拶もそこそこに瑠璃は酒場を飛び出して実家へと向かって走っていく。今日も変わらず冷たい風が吹いており、ところどころ雪が積もっている。その中を駆け抜ければ彼女の姿に気づいた村人達が彼女へと声を掛けてくる。

 

「おお? 瑠璃ちゃんじゃないか。帰ったのかい?」

「ちょっとの間だけね!」

「相変わらず元気そうだねえ、瑠璃ちゃん! 安心したよ」

「どうもー! それがあたしの取り柄の一つだし」

 

 年配の人々が少し多いポッケ村。幼い頃からの顔見知りという事もあって、気さくに声を掛けてくれる。それに応えつつ家へと向かい、勢いよく扉を開けて中に入ると、

 

「ただいまー! 撫子姉さんいる?」

 

 と叫びながら奥へと進んでいく。すると少し物音を立てて奥から「ん~?」と気の抜けた声が聞こえてきた。扉を開けて出てきたのは少し高い身長をし、ばつぐんのプロポーションをシャツとジャージだけの服装をした女性。肩口を巻くようにタオルが掛けられており、軽くそれで汗を拭うと、瑠璃に気づくと「あれ~? 瑠璃ちゃんじゃない。どうしたの~?」と小首を傾げる。

 

「ただいま、姉さん。ちょっと頼みたいことがあって飛んできたんだけど」

「頼みたいこと? なにかな~?」

「これなんだけど」

 

 ローブから火竜剣【火燐】を取り出し、撫子へと手渡す。鞘から抜いて調子を確かめる撫子だったが、目的はこれの修理というわけではない。

 

「姉さん、これを強化する設計図はある?」

「あるよ~? ……ああ、もしかして強化?」

 

 それに頷く瑠璃。続けて今東方で起きている出来事と、先日の事を話すと撫子の目つきが少し変わってきた。まさか妹がG級のモンスターと遭遇し、戦ってきたとは思いもしなかったらしい。

 やがて話を聞き終えると小さく頷き、

 

「素材は亜種のものと鉱石、獄炎石とかを使用する事になるけど、あるのかな?」

「うん、あるわよ」

 

 亜種の素材も、獄炎石をはじめとする鉱石も入手している。鉱石も火山で採掘しているし問題はない。ざっと素材を並べると撫子はそれらを見回し、必要なものを回収していき、しかし少し足りないらしく目を伏せる。

 

「……紅玉、ないのかな?」

「……あたしのリオソウルシリーズと、茉莉のリオハートシリーズに使っちゃったわよ」

「あちゃー。火の力を高める一番の要因として、紅玉が必要なんだけどね。んん、しょうがない。わたしが持っているのを使おうか~」

「いいの?」

「うん、いいよ~。G級を相手にするかもしれないっていうなら、紅玉取りに行っている暇はないだろうしね~。これくらい、お安い御用だよ」

「……ありがと、姉さん」

 

 頭を下げる瑠璃に微笑みかけ、軽く頭を撫でてやる。そうして必要なものを持って奥の部屋へと移動していく。それに瑠璃もついていくと、むわっとした熱気が肌をなぶってきた。相変わらずここは暑い。火竜の因子のおかげでちょっと暖かいくらいか、としか感じられないが、作業中はこれ以上に暑い。

 そんな中、「あ、そうだ」と撫子が顔を上げ、

 

「他にいい素材入手したりしてない? 素材さえあればまた別の武器、作ってあげるよ~?」

「え、いいの?」

「うん、いいよ~。武器のレパートリーは多くあった方がいいしね~」

「そうね……じゃあ――――ん?」

 

 そこで瑠璃が部屋の一角にあるものを見つける。机の上にあったのはライトボウガンだった。それくらいならばまだいい。誰かの依頼を受けたのか、あるいは撫子がまた新しい武器の研究をしているのか、と思える。

 だがあれには覚えがあった。

 

「……姉さん、あれって……」

「ん? ああ、あれ? 彼女が来てたからね、ちょうど強化しているところなんだよ~。あ、ここに来る途中、彼女達に会った?」

「……彼女達って、まさか――」

 

 その時、入口の扉が開かれ、誰かがやって来た気配がした。続けて控えめに、「……呼ばれて来たけど」と声が聞こえてくる。少し低めの女性の声。クールで冷静さを感じさせるあの声には覚えがある。

 まさか、と部屋から出てみれば、そこに立っていたのは瑠璃の想像していた通りの女性が立っていた。

 

「あ、ああ……」

「…………ん?」

 

 彼女、優羅も瑠璃の姿に気づいたようで、きつめの赤い瞳が瑠璃を捉え、首を傾げてみせる。だが少しして思い出したらしい。「……ああ、双子の……姉の方か?」と口にしたところで、

 

「な、なんでここにいるわけぇーーーー!?」

 

 鍛冶屋に瑠璃の叫びが響き渡った。

 

 

 ○

 

 

 朝のモガの村。広場にて刃を振るい、打ち合わせる女性が二人。

 振るうはどちらも小太刀。刃は潰されているため斬られる事はないが、それでも彼女らがその気になれば潰れた刃だったとしても浅くは斬られるだろう。

 そしてその鍛錬はある意味本気が混ざっている。素早く振るわれる小太刀は相手の小太刀と打ち合わされ、二の太刀、三の太刀と続けられ、それが目にもとまらぬ速さで作られる剣戟となる。

 

「やるねえ、蓮華。このあたいについてこれるとは、かなり強くなったようじゃないか」

「ありがとうございます。あなたこそ、キレのある動きじゃないですか。これではいつ斬れ(・・)るかわからないですね」

「ああ、そうだねー。じゃあもっと楽しもうかー」

「……なにかツッコミを入れてくださいな」

 

 そんなやり取りをするだけの余裕が二人、桐音と蓮華にはあるらしい。傍から見れば凄まじい剣戟だが、当人たちにとってはあくまでもこれは鍛錬の一環。

 しかしあの桐音についていけるだけの実力が蓮華にあるとは。彼女も優れたハンターである事は見てとれる。見学しているのは赤城将輝と桜咲檸檬、そしてなぜかここにいるチャチャとカヤンバの二人。

 将輝と檸檬は剣士でもあるためあの二人の鍛錬を見て技術を見学し、目で盗み取るのだ。一見荒々しくもあるが、洗練された技術の下に成り立っている。あの領域に達したい。特に分家とはいえ剣士家系に生まれた檸檬からすれば、桐音達の領域を目指したいという気持ちが生まれるのは当然の事。

 さて、どうして桐音がここにいるのか。彼女らが鍛錬している間に触れる事にしよう。

 桐音がモガの村にやって来たのは数日前の事。ユクモ村を離れてから真っ直ぐ南下したのは武らしき人物が南を目指していたという話を聞いたためだ。またモガ村は蓮華の拠点という事もあり、彼女からも情報が得られるのではないかと思ったのだが、残念ながらそれは叶わなかった。

 それだけではなく、モガの村に帰ってくる際に劉飛燕が辻斬りによって殺された事を聞き、彼の死を悼む事となった。そしてその辻斬りについて訊いてみたが、女性だったと聞かされ武ではないことが分かった。

 しかし武もまたあの剣を目覚めさせようとするならば裏で行動するのは確かだ。その影を追おうとしたが、情報がない。でもこっち側に来ていることは間違いなく、実際にそれらしき人物が以前見かけられたという話もある。

 今はここでクエストを消費しつつ、機を見て行動していくこととなった。それに蓮華という昔の仲間もいる。彼女もハンターとしての顔だけではなく、もう一つの裏の顔がある。先日まではその裏の顔を使って東方の北、華国付近まで出ていったらしいが。

 そしてこの先の目的は変わらず、武の居所をつきとめ、殺す事にある。蓮華にその片棒を担いでもらう事になるが、蓮華は武との関係をある程度聞かされているので問題なかった。

 知らないのはそこで見学しているメンバーだけ。だが探し人がいる、という事だけは伝えてある。

 

「……よし。朝練はこれくらいにしておくかね」

「お疲れ様です」

 

 ぺこりと頭を下げ合って鍛錬は終了。

 揃って村へと戻り、料理屋で朝食を取る事になった。

 

 昼近くになってギルドの受付嬢を行っているアイシャの下へと向かい、今日届いているクエストを確認してみる事になる。

 

「あ、おはよーございまーす! 今日もいい天気ですねー」

「ああ、そうだね。いい狩り日和だよ」

「ですねー。これだけ気持ちのいい空の下、こんがり焼けた肉のお弁当を持って出かけていきたいですね」

「それじゃ狩りじゃなく遠足日和じゃないですかーやだー」

「では、クエストを選んでください」

 

 棒読み気味な蓮華のツッコミを総スルーし、アイシャは依頼書をカウンターに並べる。その様子にくいっと眼鏡を上げながらも視線を逸らし、どこか寂しそうな表情を見せるが、誰も気にしない。もう慣れてしまっている。

 スルーし放置するのもまた愛ゆえに、友情ゆえに。

 さて、並んでいる依頼書を見回してみるが、相変わらずというべきか量は少ない。

 あるのはガノトトス一頭の狩猟か、ロアルドロスとロアルドロス亜種の二頭狩猟だった。

 ガノトトスは別の拠点でも手を出せる場所だが、ロアルドロスはモガの森付近の海だった。ならばこちらに手を出すか、と相談し、こちらを行う事となる。

 挟撃の水獣。

 対象:ロアルドロス、ロアルドロス亜種。

 場所:モガの森。

 不安定。

 

 不安定なのはモガの森だからか。あそこはいつだって不安定。何がやってくるのかわからないし、来るのかどうかも分からない。安定期のように何事もなければ、突然思いもしない存在がやってくる事もある。

 相手は海をも行動範囲としているので水中装備も用意し、それぞれ装備を整えてモガの森へと足を踏み入れる事となった。

 メンバーは以下の四人。

 

 草薙桐音。

 装備はガンキンSシリーズにブルーウイング。以前ユクモ村でナルガクルガと戦った装備と変わらない出で立ちをしている。

 

 楊蓮華。

 装備はペッコSシリーズにブラッドコフィンという武器を手にしている。電怪竜ギギネブラ亜種の素材を使用して作られた狩猟笛だ。彼女はどうやら支援するように立ち回るようである。

 

 赤城将輝。

 装備はラングロSシリーズにハイランドグリーズ。装備に変化はなく、桐音と同じく前線に出て火力となるだけでなく毒を撃ち込んでいく作戦のようだ。

 

 桜咲檸檬。

 装備はネブラSシリーズにセクトウノベルデ。ブラッドコフィンと同じく麻痺毒を撃ち込める武器であり、二人揃って補助へと回る予定だ。

 

 それに加えて、アイルーフェイクを被ったチャチャとランプのお面を被ったカヤンバが同行している。

 全員が剣士であり、ガンナーがいないパーティとなったが問題はない。それぞれ前衛と遊撃が二人ずつなのでそれぞれ二手に分かれても問題ないくらいだ。なにせ相手は上位のロアルドロス。四人とも相手にし慣れたモンスターであり、油断さえしなければ一日……いや、数時間で討伐できる。

 ……何事もなければ、の話ではあるが。

 こんな噂が届いてきている。

 イビルジョーが南下してきているという噂だ。しかもご丁寧にこのモガの森に近しい所まで南下し、進路はそのまま南西を取っているとかいないとか。下手をすれば本当にモガの森にやってくる勢いらしい。

 ご丁寧にモガの村はいつだって不安定。もしイビルジョーが乱入してくるような事があれば、もちろん自分達の取る行動は一つしかない。

 退却。

 相手にしようなんて考えていない。即刻クエストは中止し、逃げるのみ。桐音と蓮華で少し厳しいだろう、という相手であり、将輝と檸檬にとっては絶対に勝てない相手。上位ハンターとはいえ、中堅的な相手をそれなりに相手にしているだけではイビルジョーには勝てない。

 実力や装備が整っていたとしても、イビルジョーが放つ生物的な暴虐性と捕食者としての気迫に飲み込まれればそれで終了だ。奴と戦いたければまずあの本能から来る恐怖に飲み込まれないだけの精神的な強さを必要とする。

 桐音のあの技術を使えばまだ戦えるんじゃないか?

 いや、それでもあの暴虐性を前にすれば桐音とて厳しい。オーラの技術は通用するだろうが、桐音といえども精神的な負荷は免れないのだ。

 だから、出会わない事を祈るしかない。

 四人は森を歩き、水場を探して進んでいく。ロアルドロスの通称は水獣。海竜種に属し、海や水辺の付近でルドロスの群れを率いて滞在しているモンスターだ。奴らの影を探そうと思ったら、まず水のある場所へと向かうのが一番。

 程なくして川へと辿り着く。北の山から流れてきた川は南にある海へと辿り着く。さて、ロアルドロスらはどっちにいるのだろうか。

 北へ川をさかのぼっていけば湖から流れてくる川とぶつかり合う地点がある。湖で群れを固めて滞在しているのか、あるいは今は海に出て魚を追いまわしているのか。

 そこでペッコSシリーズを身に着けている蓮華が目を閉じて意識を集中させる。

 これについているスキルは、広域化+2、探知、笛吹き名人、氷耐性弱化。この探知を護石の効果で千里眼へと強化させてあり、これによってロアルドロスとロアルドロス亜種の居所を探ろうというわけだ。

 

「…………見つけました。どうやら海の方にいるようで」

「どちらも?」

「ええ、どちらも」

 

 となれば進路は海に向けるとしよう。川に沿って南下していくとぽつぽつとルドロスの姿が見かけられるようになる。四人と二匹という大所帯でやってきた侵入者に気づくと、それぞれ威嚇の声を上げてきた。

 しかし相手は小型モンスター。ぶつけられる殺気はほどほどのものしかないため四人は臆すことなく武器へと手を回す。ルドロスの数は八匹程度。水中ならばまだしも陸上ならばそう恐れる事はない。

 

「戦いのスタートンバァッ! さあ、メラメラとヒートするンバ!」

 

 ランプのお面を被っているせいか、暑苦しい声を張り上げてカヤンバが走り出す。それに続くように「燃えてんなあ。俺も負けてらんねえぜ、おらぁっ!」とハイランドグリーズを抜いて将輝が走り出す。

 それを桐音と蓮華が見送り、少し遅れて檸檬とチャチャもルドロス達へと向かっていった。その中で蓮華はブラッドコフィンを取り出し、構えると何度か振り回していく。すると振られるたびに先端から色のついた粒子が放出され、柄へと蓄積され始める。

 技術の進歩により、狩猟笛の旋律ルールが変化したのだ。以前ならば狩猟笛の向きを決めて吹き鳴らす事で粒子が集まり、それらが決まった順番の下で効果が発揮される。

 しかし現在の狩猟笛は攻撃や空振りをした際に粒子が放出され、蓄積される。振った際の方向によって粒子が決まり、蓄積され、後に音を奏でることによって効果が発揮されるのだ。

 このルールが確立された事によって狩猟笛の旋律がやりやすくなったことにより、狩猟笛を使うハンターが増えているとかいないとか。

 

「さて、ちょっとした支援をしましょうか」

 

 ブラッドコフィンを振り、白、緑、青と粒子が柄へと蓄積されると口に含んで旋律を奏でる。少し不気味な叫びにも似た音が響けば、ルドロス達へと向かっていった将輝らの体に力が宿りだした。

 スタミナ減少無効。強走薬を飲んだ時と同じように、走り続けたとしてもあまり疲れにくくなる効果が発揮されたのだ。続けて白、青、青と振って音を奏でると、今度は全身の筋肉と装備が硬くなったような感覚に包まれる。

 防御力強化。守りの力を高める効果だ。

 音は不気味だし、狩猟笛自体の見た目も棺桶のようでこれまた不気味さを醸し出しているが、その効果は確かに仲間を支援する効果である。

 

「おらぁっ!」

 

 抜き放ったハイランドグリーズを振り下ろしてルドロスの頭を両断し、続けて薙ぎ払えば飛びかかってきたルドロス達を纏めて切り払う。カヤンバも手にしている武器を振り回してルドロスを攻撃し、するとルドロスの体に緑色の粘菌が付着してじくじくと繁殖しだす。

 続けざまにチャチャが「ニャムニャム……」と呟き、手に小タル爆弾を作り上げて投擲する。ルドロスに着弾すればそれは爆発を起こし、とどめとしてカヤンバが怯んだルドロスへと勢いよく跳躍して叩き落した。

 その勢いが強すぎたのか、あるいは小タル爆弾に触発されたか、一気に粘菌が爆発し、それが決め手となってルドロスが息絶える。

 この鮮やかな手並みに数匹のルドロスが竦み、それを見逃さずに檸檬がセクトウノベルデを抜いて側面から斬りかかる。威力の低い片手剣の狙い目は相手の急所か弱い部分。一息でルドロスの首へとセクトウノベルデを突き出し、切り払えば頸動脈を斬られた事で勢いよく首から出血する。

 悲鳴を上げるルドロスへともう一度セクトウノベルデで斬りかかり、尻尾を振って抵抗するのを盾で受け止め、とどめのもう一撃。堅実で基本に忠実な片手剣の攻めで仕留める。

 ものの数分でルドロスらを仕留めた将輝達を見守る桐音だったが、森から飛び出してきたルドロスに気づき、横目でそちらへと見やってブルーウイングを抜く。桐音を押し倒すべく飛びかかってくるルドルスの懐へと潜り込みながら抜刀。

 蒼い刀身はまさしくこれぞ両断というかのようにルドロスを真っ二つに斬り、分かれた体が地面に転がる事となった。

 

「女に押し倒される趣味はないってね。さて、次行こうか。位置は?」

「……近いですね。気配の大きさからして……原種かと思われます」

「亜種は?」

「そこから更に南、海に入っていると思われますね。なんかい(・・・・)い餌でも探しているんじゃないですか?」

 

 そこでくいっと眼鏡を上げながらどこかすまし顔をして見せる蓮華。話を聞いていた桐音がちらりとそのすまし顔を見つめ……、

 

「…………上手くできた、とか思ってないよな?」

「いえ、そんな事は」

 

 しれっと言い放つが、そのすまし顔が何よりも物語っている。これ以上ツッコミをいれるのもあれなのでこのままスルーする事にし、戻ってきた将輝達に位置を伝え、移動する事になった。

 その際、檸檬が蓮華が背負っているブラッドコフィンに目を向ける。

 見た目が赤い皮を使った棺桶にしか見えないため、少し怖々としたような表情を見せている。

 

「如何しましたか、檸檬?」

「いや……やっぱこれ、怖いなぁって。よくこれ振るっていられるよね、蓮華さん。ボクには少し無理ですよ、これ」

「怖いですか? 私としましては、これは結構お気に入りですが」

「……お気に入り、ですか」

「ええ。この見た目、奏でられる音……イイじゃないですか。まさにこの紡がれる旋律は――戦慄を与える、という感じがしましてね」

 

 表情に影がかかるように俯きながらドヤ顔を見せる蓮華だが、話を聞いていた檸檬の表情は少し強張ってしまう。しかし何とか持ち直し、

 

「いや、与えるのは戦慄じゃなくてボクらの気分が盛り上がるもので頼むよ……。敵に聴かせるならまだしも、狩猟笛によって奏でられる音を聴いて効果を受けるのは、ほとんど味方であるボクらなんだからさ」

 

 ともっともな事を言う。そんな少し緊張感がほぐれるようなやり取りをしながら海を目指して川を下っていけば、その先に黄色いもこもこのたてがみをした存在が見えてきた。

 桐音達は揃って木々に身を潜ませ、そのモンスターを睨み付ける。

 桐音にとっては以前に瑠璃達と共に戦った相手、水獣ロアルドロス。それがルドロスを数匹侍らせて川のほとりに佇んでいるのだ。実に平穏な空気に包まれている。

 しかしそれを今から壊しに行かせてもらう。二頭討伐は早急に片方を仕留めた方が楽になる。ロアルドロス程度の相手ならば、さっさとケリをつけられる。

 

「では、先陣は俺がつけさせてもらおうかのぉ。ええか、蓮華さん?」

「……いいですよ。檸檬、カヤンバがそれに続き、桐音さんとチャチャが周りのルドロスを払っていきましょうか」

「そして一度蓮華が旋律を奏で、ルドロス掃除に混ざると、それで行こうか」

「ニャ、オレニャマの爆弾でチャッチャと仕留めていくニャ」

「ンバンバ! セキネツの炎の一撃を味あわせてやるンバ、ファイアーッ!」

 

 暑苦しい叫びを挙げるカヤンバの声を皮切りに、背後に回り込むように将輝達が動いていき、背後から奇襲を仕掛けていく。突然の攻撃にロアルドロス達は驚き、その好機をついて先手を打つようにハイランドグリーズを振り回してルドロス達を蹴散らし、将輝が切り込んでいく。

 続くようにセクトウノベルデで初撃で散らなかったルドロスを仕留める檸檬と、ランプのお面に火をつけ、腰に提げているポーチから短い松明を取り出して先端に火を移して投擲していくカヤンバ。

 彼らを支援するべく檸檬はブラッドコフィンを奏で、チャチャはその旋律に乗って踊りを踊る。溜まった粒子が解放され、音に乗って将輝達へと力を与えていく。その効果は防御力上昇だ。

 それに続くように踊ったチャチャの力により、将輝達の筋力が上昇する。これは攻撃力上昇の効果。攻守ともに上昇するという支援を受け、群れを荒らす不届き者へと振り返るロアルドロス。

 唸り声を上げ、接近してくる将輝へと上半身を逸らすと一気に将輝を押し潰しにかかった。だが一歩退いて直撃を避け、反撃として一撃ハイランドグリーズを振り上げてやる。それはもこもこのたてがみを切り裂き、毒を注入する。ロアルドロスの部位の中でもやわらかさがあるそのたてがみは、ハイランドグリーズの一撃によって繊維が千切れ、ぱらぱらと地面に落ちていく。

 しかしこの程度の傷ではロアルドロスは怯まない。軽く首を引き、勢いをつけて側面から将輝へと噛みついていく。それに続くようにやってきたルドロスが圧縮された水の玉を吐きだし、将輝へと攻撃を仕掛ける。

 ただの水の玉と侮るなかれ。ルドロスが撃ち出してきたそれは質量があり、当たり所が悪ければ打ち身となるだけの痛みを与えてくる。四方から放たれたそれに将輝は一度退くが、わき腹に着弾したそれに小さくうめき声を上げてしまう。

 ラングロSシリーズは水耐性が低い。これは守るというより回避に優れた防具だ。スキルもそれに倣って回避性能が発現されている。防御するより躱す事を念頭に置いた防具といえよう。

 囲まれている将輝を助けるべく檸檬とカヤンバが動く。それに続くように桐音もブルーウイングを抜き、周りを囲んできているルドロス達を切り払っていく。燃え盛る炎を纏った気刃によって数匹のルドロスが纏めて吹き飛び、切り裂かれる。

 援護射撃をするようにチャチャが合流すると次々と小タル爆弾を取り出しては放り投げ、ルドロスやロアルドロスへと攻撃を仕掛けていく。

 小タル爆弾ではあるが、アイルーフェイクには爆弾強化の印が施されているため、その爆弾の威力が上がっている。仲間のルドロスや桐音の一撃、小タル爆弾の連撃によってロアルドロスが首を振って唸り声を上げる。

 ぎろりと将輝達を見回し、斬りかかってくるハイランドグリーズから避けるように背後へと下がっていき、ルドロス達へと指示するように吼えると、次々と川へと飛び込んでいく。撤退を選んだようだ。

 しかも向かう先が海。広い水中へと逃げる事で体勢を立て直し、有利へと運ぶ算段か。

 しかし逃がすわけにはいかない。

 

「待たんかい、ワレェ!」

 

 将輝がハイランドグリーズを背中に戻し、檸檬を引き連れて後を追っていく。続くようにカヤンバが駆け出し、桐音は一度周りを見回して蓮華とチャチャと共に走り出す。

 

「他に気配は?」

「ありませんよ。奴以外の侵入者の気配もなし。今のところは安全です」

「よし」

 

 ターゲット以外のモンスターはまだなし。まだ大丈夫だ。実質的にはこちらは六人のパーティを組んでいる。それだけでも十分なアドバンテージがあるといってもいい。

 やがて海へと出てくると、ロアルドロス達はその海へと入っていき、深い所まで潜っていく。完全に逃げの一手だ。このまま逃がすわけにはいかないので、桐音達は水中メガネをおろし、マスクを取り出し、水竜の守りをチェックしていざ海へ。

 

「グルル……?」

 

 ロアルドロスは水音に気づいて振り返る。あの敵たちがよもや海まで追いかけてくるとは思いもしなかったらしい。しかし水中なら水中でこちらに分がある事はロアルドロスにもわかっている。

 ルドロス達も振り返って威嚇するように唸り声を上げ、それぞれ分散して桐音達を取り囲みだした。

 将輝が先陣切って仕掛けていくが、ロアルドロスが粘着性のある白い玉を吐き出して牽制してくる。それは途中で弾け、その周囲に粘液を定着させる。素早く身を捻ってそれを回避したが、側面からルドロスが突進を仕掛けてきた。

 体をくねらせて水中で素早く接近してくるそれに今度は下へと逃げる。そこを狙って今度はロアルドロスが突進。舌打ちしてハイランドグリーズを剣モードへと切り替え、体を捻りながらそれに合わせて振り回し、横を通過していくその体を薙ぎ払っていく。

 しかしそれに堪える様子はない。

 素早く転進して背後からもう一撃、といこうとしたところで桐音が尻尾から一気に横っ腹へとブルーウイングを斬り上げていく。刃がロアルドロスを切り裂くたびに内包されている火属性の力が内部で燃え上がり、ロアルドロスへとダメージを与えていく。

 

「グギャァゥッ!?」

「檸檬と蓮華はルドロス達を止めろ! チャチャとカヤンバはそれぞれのチャンスで動きな!」

 

 桐音の指示に従って各人が動き出す。小型モンスターという体格を生かし、素早く縦横無尽に水中を泳ぐルドロス達の突然の奇襲をなくすため、小回りの利く檸檬と蓮華がそれぞれルドロス達を潰しに行く。

 片手剣というリーチの短さから水中ではこの武器は不利になりがちだが、檸檬は己の気をセクトウノベルデに纏わせる事で気の刃を作り、リーチを伸ばしていた。それだけでなく気刃を放つ事で遠距離からルドロスを斬りに行く。

 蓮華も白、白と粒子を溜めると旋律を奏で、自己強化を施すと素早く水を蹴って迫ってきたルドロスへと自分から接近し、すれ違いざまにその頭を殴り飛ばす。自己強化によって素早さが上がり、その速さを乗せた一撃だ。頭を強く揺さぶられた事でルドロスが体勢を崩して落下していき、檸檬がとどめとして気刃を放って首を斬られて絶命する。

 

「チャチャ、ここで花火をあげるンバ!」

「花火ぃ? 桐音がいるニャ! 影響があるニャ!」

「桐音なら問題ないンバ! オマエは投げつければいいンバ。ワガハイがファイアさせるンバ!」

「ブブ、そう言うならしっかりタイミングを合わせるニャ。……ニャムニャム、ッチャッバァァッ!」

 

 打ち合わせた手のひらから一気に大タル爆弾が生れ落ち、それを両手で抱えてロアルドロスへと接近していく。すでに導火線には火がついており、時間が来れば起爆される。それに気づいた桐音がロアルドロスの気を引くために奴の前まで上がっていき、顔を斬る。

 それによってロアルドロスは桐音へと意識が向き、彼女へと噛みつきにかかるがそれは届かない。チャチャが下からロアルドロスへと接近し、抱えた大タル爆弾を投擲する。

 水を切って一気に浮上していくそれはロアルドロスの尻尾へと届き、更に腹へ。そこでカヤンバが水中でも消えない特殊な火がついているランプへと松明を当て、浮上していく大タル爆弾へと投擲。その刺激を受けて大タル爆弾が大爆発を起こし、ロアルドロスの腹を爆風に包んだ。

 そのダメージにたまらずロアルドロスが怯んでしまう。その好機に桐音がもう一撃顔へとブルーウイングを叩き込み、将輝も合流して剣モードのハイランドグリーズを爆撃を受けた反対側の腹を切り裂き、作り上げた傷へと一気に刃を突き出し、ダメージと共に毒を注ぎ込む。

 が、ロアルドロスはそれでは折れない。一度距離を取るように下がると尻尾を叩きつけて反撃するが、それぞれ横に逸れて躱し、離された距離を詰める。しかしロアルドロスはまた素早く転進して将輝の側面へと回り込み、勢いよく前転して尻尾を叩き落した。

 

「ちっ、抵抗しおるのぉ! やっぱり水中じゃあ奴に分があるって事かよ」

「落ち着きな、将輝。取り乱せば深みにはまる」

 

 ハイランドグリーズで尻尾を受け止めながら愚痴を言えば、桐音がロアルドロスへと接近しながら将輝に忠告する。そのままもう一太刀入れようとしたところで、蓮華がルドロスを殴り飛ばしながら何かに気づいたように辺りを見回した。

 千里眼の効果により、モンスターの気配をより一層感知しやすくなっている。

 それによって感じっとったのは、複数の気配が急速に接近してくるものだった。

 

「ルドロスの群れが来襲! 同時に亜種の気配もあり!」

「ええっ!?」

 

 蓮華の報告に檸檬が驚きの声を漏らす。桐音と将輝も報告を聞き、気配を探ってみたところ、海の向こう、深海方面から急速に昇ってくる動きがある事を感じ取った。

 その先頭を往くのは、大きな気を持つ気配。これは間違いなく奴だった。

 視線を落としたその瞬間、奥から紫色の弾丸が飛来してくる。檸檬が慌てて盾を構えた時、そこへと着弾して弾ける。それに触れないように慌てて下がったところで、暗い世界から紫色のたてがみを持つ大きな影が檸檬を追って昇ってくる。

 

「くっ……!」

 

 盾を構えたままその突進を受け止め、弾き飛ばされる。それを追撃するようにルドロス達が次々と檸檬を撥ね飛ばしていき、檸檬は水中で無残に回転しながら体勢を崩されて落ちていく。

 

「檸檬ッ!?」

「将輝は檸檬のフォロー! チャチャ、カヤンバは牽制弾幕!」

 

 舌打ちした桐音が素早く指示を出しながら一度ロアルドロスから距離を取り、蓮華と合流する。将輝は落ちていく檸檬を救出するために急速に落下し、チャチャは小タル爆弾を、カヤンバは火をつけた松明をルドロス達へと一気に投擲していった。

 次々と小タル爆弾が爆発し、それを突き抜けて松明がルドロス達へと無差別に着弾する中、低く唸り声を上げたロアルドロス亜種がそれを突き抜けて突撃する。

 それをブルーウイングで受け止め、至近距離で桐音はロアルドロス亜種へと睨みを利かせた。殺気の篭った視線がぶつかり合い、ブルーウイングを振り上げて牽制し、内包されている火炎を発現させて切り払う。

 一太刀貰ってロアルドロス亜種が呻き、一度距離を取った。

 立ち泳ぎをするそのロアルドロス亜種を見つめ、桐音と蓮華が感じた事はこの一つ。

 

 大きい。

 

 残ったルドロス達を集めて侍らせるロアルドロスと比べてみればよくわかる体格の差。

 明らかに亜種の方が年季を重ね、成長しているという事がよくわかる。しかも纏っている気配もロアルドロスよりも上。

 これは、噂通りなのかもしれない。

 

「ちっ、一筋縄じゃいかなそうだねえ。ただでさえ集団戦は嫌いだっていうのにさ」

「しかしやらねばなりません。切り抜けなければ待ち受けるのは……Death、ですね」

 

 手にしているブラッドコフィンを軽く振りながら蓮華が神妙に言う。前門はルアルドロス亜種が率いる群れ、後門はロアルドロスが率いる小さくなった群れ。ルドロスの数はざっと見て合わせて三十近くか。総力戦になれば不利は明らか。

 更に言えば、ロアルドロス亜種も妙に格が上の気配あり。

 

(こいつぁ、戦いを楽しむ余裕はねえな。一気に片ぁ、つけてやるか)

 

 自分の流儀に反するし、将輝や檸檬を育てる余裕すらない。最初の内からあまり桐音が戦わなかったのはあの二人に経験を積ませる算段だったが、これは見送るしかあるまい。

 ブルーウイングに篭められている気を高め、自らの内に潜む一つの気を捻り出し、同調させていく。

 

「火気、収束」

 

 構えたブルーウイングに更なる力が宿り、赤い気の刃がブルーウイングを纏って第二の刃と化す。続くように蓮華がさりげなくブラッドコフィンを振る事で粒子を柄へと集めており、音を奏でる事で旋律の効果が桐音達へと届いていく。

 檸檬を救出した将輝もそれに気づき、体に染み込む癒しの力によって少しずつ活力が戻りだした。体を押さえる檸檬もその癒しの力によって痛みが和らぎだし、取り囲んでくるルドロスを見回す目にも力が入る。

 

「ギュオオオオオオオオオオオンッ!!」

 

 ロアルドロス亜種の咆哮が響き渡り、それを受けて一斉にルドロス達が突進を開始する。

 開幕の笛が鳴らされ、指揮官が吼え、小隊(チーム)(群れ)が今ここにぶつかり合う。

 

 

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