集いし者たちと白き龍   作:流星彗

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57話

 

 

 ロアルドロス亜種が率いるルドロス達が、奴の指示に従って一気に突進。数で勝る彼らによる総力戦だが、檸檬がポーチに手を伸ばして取り出した閃光玉を投擲する。弾ける強い光を受けてルドロス達が悲鳴を上げた。

 まともに見てしまったルドロス達は動きを止め、しかしその影響を受けないルドロスの一部がルドロスの間をすり抜けて一気に距離を詰めてくる。

 前から、後ろから、横からだけでなく、下からも。これが水中の戦いだ。陸上ならば下からというのは地面に潜ってからの奇襲攻撃を持つモンスターによるが、水中は自分を支える土台がない。

 上にも逃げられるし下にも逃げられるが、それはモンスターからの攻撃も含まれる。そして水中で生きる事が可能なモンスターからすれば、縦横無尽に泳ぎ回って攻撃を仕掛けられる。更に言えば、小型モンスターという体躯を生かし、素早く動き回れるルドロスが集団戦を仕掛ければ、それは立派に脅威なものとしか感じられない。

 陸上ならば有利だが、水中ならば不利となる。この落差が恐ろしいのだ。

 

「くっ、檸檬、いけるか?」

「大丈夫、なんとか、なるよ……! っく」

 

 向かってくるルドロス達を迎撃するべく、剣モードから斧モードへと切り替えたハイランドグリーズを振り回して牽制しつつ攻撃する。リーチが長く、威力のある武器のため向かってくるルドロスが振り回されるハイランドグリーズによって自然と斬られ、倒れていく。

 例え耐えたとしても、その一撃の重さと注入される毒によって瀕死になりつつある。

 背中合わせになって檸檬がセクトウノベルデを構え、纏われた気の刃を放ってルドロスを迎撃。黄色いそれはセクトウノベルデに含まれている麻痺毒も若干存在し、斬られたルドロスが少しバランスを崩してしまう。

 体に侵入した麻痺毒の影響だろう。それによって隙を晒したところでもう一撃加える事で狩る。が、水中のルドロスの動きが速く、それなりの量の気刃が躱されている。

 

「グルル……!」

「……蓮華は原種、いけるか?」

「ええ、引き受けましょう。チャチャ、共を」

「ブ、オレニャマ?」

「はい。行きますよ」

「ブッブー! 気が早いニャ! 待つニャ、オレニャマを置いていくニャ!」

 

 蓮華がブラッドコフィンを手にしたままロアルドロスへと向かっていくと、慌ててチャチャがそれに続いていく。それを気配で感じ取ると、ブルーウイングを強く握りしめてロアルドロス亜種へと少し接近しながら「カヤンバ、来な。補佐よろしく」と背後にいるカヤンバに告げる。

 

「ンバ、ワガハイがアツく補佐してやるンバ!」

「ん、よろしく……っと、来るぜカヤンバ!」

「ギュルオオオォォォンッ!」

 

 吼えながらロアルドロス亜種がもう一度突進を仕掛けてくる。今度はそれを躱し、下からブルーウイングを斬り上げて反撃。火気を纏ったその一撃はロアルドロス亜種の腹を斬り、傷口を焼く。

 追撃するようにカヤンバが下から松明を投擲して援護。だがロアルドロス亜種は転進し、飛んでくる松明に気づいて尻尾を振って撃ち落とした。低く唸り、側面へと回り込んでくるが、ロアルドロス亜種が攻めてこない場合、ルドロス達が桐音とカヤンバへと襲ってくる。

 慌ててカヤンバが逃げるが、数匹躱しても一匹のルドロスの突進を受けて撥ね飛ばされ、ぐるぐると回転しながら落ちていく。しかし何とか体勢を立て直し、追撃を仕掛けてくるルドロスを躱しながら手にしている武器で殴りかかった。

 そうしつつちらりと将輝と檸檬の方へと視線を向けると、閃光玉の影響を受けずにいたルドロス達を処理し、今度は無防備になっているルドロス達の処理を行っている様子が見えた。

 

「ンバ、二人は問題ないようダバ。ワガハイもアツくやって……ンバッ!?」

「ギュオオオン!」

 

 桐音の援護をするために浮上しようとしたカヤンバではあったが、またしても別のルドロスが襲ってくる。小人である彼らにとって、ルドロスは体格の差によって防御して耐えきる事は出来ない。

 慌てて体を捻って突進を躱すが、別のルドロスが噛み付きにかかってくる。噛まれでもすればただではすまない。

 

「ンバッ、ファイアアアアアッ!」

 

 ランプの火の勢いを高め、威嚇するように吼えればその気迫と炎に怯むルドロス。周りのルドロス達も竦み、その隙にカヤンバが目の前まで迫ってきたルドロスの頭へと一撃叩き込み、フルスイングで頬を切り払って粘菌を爆発させる。

 続けて松明に火をつけて周りへと投擲して牽制しつつ攻撃し、「まずはオマエ達から殺ってやるンバ! 来るなら来いンバ! ワガハイの炎はそう簡単には消えはしないンバァ!」と熱く吼えてみせる。

 その熱い闘志に将輝も思わず笑みを浮かべざるを得ない。ランプのお面による影響ではあるが、あそこまで熱くなられればこちらとしても負けてはいられない。ルドロス達を斬り払い、また数匹沈んでいく死体を見回し、また接近してくるルドロスを剣モードにして受け流して尻尾を斬り落とす。それにもがけば背後から突き刺してとどめとする。

 

「おう、大丈夫か、檸檬?」

「……問題ないよ。でも、やっぱり数が多いね。蓮華さんの旋律でスタミナは問題ないけど、水中はやっぱり慣れないよ」

 

 蓮華はロアルドロスと戦いながらも一定のループでブラッドコフィンを振るっている。狩猟笛の粒子は四つまで蓄積され、更に振るえば古いものから消えて上書きされていく。そのため戦いの最中で狙った旋律で音を奏でようとするならば、大抵の使い手はある一定の決まった振り方をしていつでも奏でて支援できるようにする事が多い。

 蓮華はロアルドロスの頭を殴りながら、機を見て音を奏でて桐音達へと力を与えて支援も行っている。攻撃と支援を両立できる狩猟笛使いがいれば、それだけでもパーティは楽になれる。

 使い手が若干少ない狩猟笛ではあるが、蓮華ほどの使い手がいれば味方として心強いことこの上ない。しかも狩猟笛はハンマーと同じく鈍器。頭へと攻撃していけば眩暈状態へと陥らせる事が出来るし、そうでなくとも疲労を蓄積させる事も可能だ。

 しかもブラッドコフィンは麻痺毒を内包している。となれば、

 

「ギュ、ググ……ゴゴ、ゴ……!?」

 

 蓄積された麻痺毒によってロアルドロスが動きを止めてしまう。この好機を見逃すわけにはいかず、小タル爆弾を投擲して支援しているチャチャへと蓮華が指示を出す。

 

「チャチャ、ちゃちゃっとぶっ放してください」

「ニャ、了解ニャ。……ブブ、人の名前すらもネタにするとは、とんでもない奴ニャ」

 

 ぶつぶつと愚痴を言いながらもチャチャは大タル爆弾を作りだし、ロアルドロスへと投げつける。頭はまだ蓮華が何度も殴りつけて攻撃しているため、狙いどころは横っ腹だ。先ほど打ち上げた大タル爆弾によって吹き飛んだ部分をまたしても大タル爆弾が炸裂し、今度は鱗と共に肉も吹き飛び、大量に血が噴き出て海を赤く染めていく。

 悲鳴も麻痺毒による痙攣に掻き消され、ロアルドロスはただ攻撃を受け続けるしか出来ない。そんなロアルドロスへと容赦なく、チャチャはもう一発大タル爆弾を作り出す。しかしロアルドロスを救うべく、奴が率いていたルドロスの生き残りがチャチャへと突っ込んでいく。

 

「ブッ!?」

 

 背後から突撃されてチャチャが前へと回転しながら吹き飛び、その手から大タル爆弾が離れていく。そのまま下へと落下していくと、そこにはルドロスと戦っているカヤンバの姿があった。

 導火線には既に火がついており、もうすぐ爆発しそうになっているそれが大タル爆弾の重さによってどんどん沈んでいく。ルドロスを手にしている武器で振り払い、時に松明を投げつけているカヤンバはそれに気づき、「ンバッ!? なにやってるンバ、チャチャ!? ワガハイをキルする気かンバ!?」と怒りつつも、それが丁度ルドロスが数匹集まっているところの頭上だったため、火のついた松明を投げつけ、大タル爆弾を起爆させる。

 その爆風によってルドロスらが吹き飛び、周りのルドロスもその爆音に怯んでしまった。チャチャの小さなミスではあったが、それを利用してカヤンバは有利となる。バタバタと小さな足を素早く動かして竦み上がっているルドロスへと接近すると、粘菌の力が宿る武器を振り回して切り払っていく。

 

「ブッブー……やってくれたっチャ! これでも喰らうっチャ! ……あ、喰らうニャ!」

 

 口調が素に戻りかけているのに気付き、こっそりとネコの語尾へと切り替えながら小タル爆弾を作り上げて自分を撥ね飛ばしたルドロスへと投げつける。しかしそれは躱され、ルドロスの反撃として水の玉が吐き出された。

 それをやり過ごし、もう二発両手に作り上げて時間差で投げつけてやる。

 そうやって戦っている間も、蓮華がブラッドコフィンで殴り続け、十分に揺さぶられた事で麻痺毒による束縛から解放されたロアルドロスは、今度は眩暈状態で動けなくなってしまった。

 完全に蓮華の独壇場である。

 だが、そんな蓮華へと回り込んだのは桐音と戦っているはずのロアルドロス亜種だった。奴は桐音から離れたかと思うと、先ほどから気に食わない音を時折奏で続けている蓮華を標的とし、側面、下へと回り込んで急襲を仕掛ける。

 

「下から来るぞ、蓮華!」

「むむっ?」

 

 桐音の声と千里眼のスキルにより蓮華はブラッドコフィンを抱えて動けなくなっているロアルドロスへと肉薄する事でその場から離れる。刹那、勢いよく海上へと飛び出す勢いでロアルドロス亜種が通過していく。

 というか、本当に海上へと飛び出していき、勢いよく落下してそのままスクリューのようにきりもみ回転しながらロアルドロスを巻き込むかのように蓮華へと落下してくる。

 水流をも巻き込んで迫ってくるロアルドロス亜種から逃れるように横へと避けたが、水流の余波が蓮華を吹き飛ばしてバランスを崩してしまう。ロアルドロス亜種本体はというと、ロアルドロスのたてがみに接触し、奴を撥ね飛ばしてロアルドロスのバランスを崩してしまった。

 ロアルドロス亜種にとってロアルドロスは別の群れを率いるリーダーであり、仲間でもなんでもない。自分にとっての敵を潰す際に巻き込んだとしても何も問題などありはしなかった。

 

「ギュオオオオオン!」

 

 続けてロアルドロス亜種が吼えると、将輝達と戦っていたルドロス達が顔を上げ、一斉に浮上してくる。生き残っているのは十五前後か。ブルーウイングを構えた桐音がロアルドロス亜種へと接近しようとしたが、下から昇ってくるルドロス達によってそれは止められる。

 下から、あるいは側面から突進をしかけ、水の玉を撃ち出して攻撃をしてくるそれに舌打ちし、ブルーウイングを勢いよく薙ぎ払って気刃と炎を放出する事で打ち消した。それだけでなく、それに巻き込まれたルドロスが両断され、焼かれる事で仕留めてやる。

 

「数で攻められるってのは……嫌いだってんだよ!」

 

 愚痴を叫びつつもう一撃気刃を撃ち出し、ロアルドロス亜種を斬りに行くが、奴は素早く転進して回り込む事で回避する。が、その背後にいたロアルドロスのたてがみを切り裂き、ダメージを与えてしまった。

 本来の標的ではないが……まあ良しとしよう。

 回り込んできたロアルドロス亜種が突っ込んでくるのかと思いきや、奴は毒弾を連続して撃ち出してきた。ロアルドロス亜種のたてがみが紫色に染まっているのは、奴がそこに毒を溜めこんでいるためだ。

 全体的に毒々しい紫や、濁ったような薄い緑色の甲殻を持つのはその影響だろう。前方だけでなく少し斜めに逸れるように撃ち出される毒弾もあるが、その全てをブルーウイングを握っていない左手から撃ち出される気弾によって相殺。

 が、弾けた影響で拡散される毒霧によりロアルドロス亜種には接近できない。

 しかも霧によって視界が悪くなってしまっている。その隙をついてロアルドロス亜種が一気に突進を仕掛けてくる。それを気配で察知した桐音は逃げるようなことはせず、ブルーウイングの火の力を更に高めてロアルドロス亜種へと向かっていく。

 ここは水中。

 動きはロアルドロス亜種に分がある。体を横にくねらせながら水中を素早く動いて桐音を撥ね飛ばそうとするロアルドロス亜種を見据え、桐音は一瞬のタイミングを見計らって横にずれながらブルーウイングを勢いよく薙いだ。

 水流をも巻き込んだ力で彼女を撥ね飛ばす筈だったその交差は、その水流にも負けずにブルーウイングを振り抜いた桐音が勝った。たてがみから肩までかかる程の傷を刻み、その傷を焼き尽くしていく。

 それに呻き、ロアルドロス亜種がバランスを崩す。そこを狙ってセクトウノベルデを振るって気刃を放つ檸檬。その一撃で少しロアルドロス亜種の意識が、海を昇ってくる将輝と檸檬へと向けられ、しかしそこでカヤンバもまた援護するように松明を投擲。

 ロアルドロス亜種は小さく唸りながら桐音達を見回し、ルドロス達へと声を掛けて海上へとあがっていった。奴の後を追って昇っていくルドロス達。その先には先ほどまでいた陸、モガの森がある。

 水中戦ではなく陸上戦へと切り替えるつもりか? あるいは一旦引いて体勢を立て直すつもりか。

 何にせよ陸上ならばやりやすくなる。

 後を追うべく桐音が昇っていき、それに続くようにカヤンバも陸へ。

 

「原種はそっちに任せるよ!」

「はい、お任せを」

「手伝うぜ蓮華さん! おらぁっ!」

 

 抵抗するように暴れるロアルドロスの側面から斧モードにしたハイランドグリーズを突き出し、たてがみを縦に切り裂くように振り下ろす。反対側へと回り込みながらセクトウノベルデを振るい、蓮華に続くようにして麻痺毒を注入する檸檬。

 三人が集まるならばチャチャの爆弾は危険かと自分で判断したチャチャは、「オレニャマは桐音についてくニャ!」と一声かけて海上へ。

 次々と陸へとあがっていき、森の中へと入っていくロアルドロス亜種と奴に付き従うルドロスの生き残り。それを逃がさず、構えたブルーウイングを上段に構え、

 

「剣術が一、焔灼(えんじゃく)!」

 

 勢いよく振り下ろした刹那、刀身から放たれた気刃は赤く燃え上がる炎と化し、地面を割りながら一気に焼きつくす刃となる。切れ目とその周囲へと炎を撒き散らしながらロアルドロス亜種へと向かっていくが、奴はそれに気づいて横に向き直りながら素早くバックステップをした。

 林へと入り込む前に刃は消えるが、たったの一振りで三匹ほどのルドロスが切り裂かれ、焼かれて息絶えてしまっている。切り裂く刃が消えても、炎はその場に留まっている。その炎を挟んで桐音とロアルドロス亜種は睨み合い、ルドロス達はゆっくりと桐音を取り囲んでいく。

 その中で、海からチャチャとカヤンバが飛び出し、二匹もそれぞれ爆弾と武器を構える。

 

「周りの奴らは頼むぜ、お二人さん?」

「ブブ、任せるニャ」

「ンバ! ワガハイが焼き尽くしてやるンバ!」

 

 二匹に軽い指示を出すと桐音はブルーウイングを背中に戻し、ロアルドロス亜種へ向かって走り出す。ロアルドロス亜種も一鳴きすると桐音へと向かって走り出し、勢いをつけたかと思うと勢いよく跳躍して体を横回転させて体当たりを仕掛けていく。

 舌打ちして桐音は力強く地面を蹴り、ロアルドロス亜種よりも高く跳んでやり過ごし、それぞれ地面に降り立つと相手を睨み付けて振り返る。そうして連続して毒弾を撃ち出して牽制するが、やはり気弾によって相殺される。

 弾ける毒霧を吸わぬように桐音は回り込んでロアルドロス亜種の背後へと回り込んでいくが、その動きに気づいて勢いよく反転しながら桐音から距離を取る。そのまま一歩退きながら側面を向けつつ身構えたロアルドロス亜種。

 

(転がり、か)

 

 その動きは次の攻撃を推測できる動きだ。距離は離れているが、これくらいの距離はロアルドロス亜種の大きさや身体能力を考えてゼロにしてくるだろう。いざ、転がろうとしたところでチャチャが投げつけた小タル爆弾がロアルドロス亜種の眼前で爆発する。

 突然の攻撃にロアルドロス亜種は悲鳴を上げ、顔を振って爆風の痛みを振り払おうとしている。

 

「よくやった、チャチャ!」

 

 ルドロスへと投げつける小タル爆弾をいくつかばらまき、その内の一つがロアルドロス亜種へと向かっていったのだが、それによって隙を晒せたのだから良し。桐音はロアルドロス亜種へと踏み込みながらブルーウイングを抜刀して行く。

 が、もがいたロアルドロス亜種の前足が刃とぶつかり合い、ぎりぎりと音を立てて刃が肉へと届かず弾かれてしまう。ロアルドロス亜種の前足は硬い甲殻によって守られており、切れ味がいい武器でも当たり所が悪ければ弾かれてしまうだけの強度を持っている。

 偶然とはいえ、抜刀術のかかったブルーウイングの一撃を弾いてきた。それを感じ取ったロアルドロス亜種が勢いよく地面に倒れ伏すと、たてがみから漏れて出た毒ガスが周囲に放出される。

 

「……っ、く……!?」

 

 弾かれた影響で無防備となった桐音へと襲い掛かった毒ガス。吸い込まないように気をつけたとしても、微量の毒ガスが鼻から入り込んでくる。それだけでなく肌からも侵入してくるそれは着実に桐音を侵してきた。

 しかもこれは猛毒だった。一瞬の内に気持ち悪さがこみあげてきて吐きそうになってくる。

 一度距離を離す桐音ではあるが、ロアルドロス亜種はそれを逃さず毒弾を一発撃ってくる。それを横に転がって逃げるが、ロアルドロス亜種は狙ったかのように桐音へと向かって走り出し、また勢いをつけて跳躍する。今度は転がるのではなく全体重をかけて押し潰しにかかってきた。

 

「……チッ、はぁぁああッ!!」

 

 横にも後ろにも逃げられないならば、前へと突き進むしかない。猛毒が回って頭が鈍痛に襲われているが、それでも桐音はブルーウイングに手をかけてロアルドロス亜種を下から斬りかかった。

 低姿勢で強引に振り抜いたが、腹から尻尾の腹にまでかけて刃が通り、しかし背中に尻尾が叩きつけられて地面に倒れ伏せられる。同時にその手からブルーウイングが離れ、転がっていく。が、ロアルドロス亜種も腹を斬られた事で顔をしかめており、反撃しようとしても動けずにいた。

 周りのルドロスを全て討伐し終えたチャチャとカヤンバが桐音を助けるべく動き、チャチャが大タル爆弾を作り出してロアルドロス亜種へと接近していく。カヤンバが桐音へと向かっていき、桐音が解毒薬を飲めるように守る位置に回り込む。

 ロアルドロス亜種が振り返ったその瞬間、持っている大タル爆弾を顔面へと投げつけてやれば接触した刺激で爆発し、ロアルドロス亜種の角が吹き飛ばされてしまった。

 悲鳴が響き渡り、大きく仰け反ってそのままバランスを崩し、転倒して転がっていく。

 

「……げほ、ん、っく……よし、これで締めさせてもらうぜ。離れな、チャチャ!」

 

 こみあげてくる吐き気を何とか押さえつけ、額に浮いた脂汗を拭った桐音はブルーウイングを握りしめてもう一度上段に構える。解毒薬が効いているおかげで何とか立ち、構える事は出来ているが、万全ではない。しかしここでやらなければ戦いは終わらない。

 少々荒れている視界の奥で転倒したままもがいているロアルドロス亜種の首を狙い、気を高めていく。彼女の研ぎ澄まされた気に反応してブルーウイングの炎が活性化し、「火気、収束」と呟く事でその炎は更なる高みへと昇っていく。

 そうして収束した力を一気に開放し、

 

「剣術が一、焔灼!」

 

 振り下ろされた一撃によって、再び大地を割りながら気刃がロアルドロス亜種へと向かっていく。たてがみを切り裂き、焼き払うその一撃によって首が刎ね飛ばされるかと思われたのだが……たてがみで留められてその先へと刃は向かわなかった。

 ロアルドロス亜種の耐久力だけでなく、猛毒によって力が落ちた影響もあるだろう。仕留められるだけの一撃を撃ち出せなかったのだ。

 しかしそれによって致命傷に近しいところまで傷を与えたのは間違いない。切り裂かれ、焼かれた傷口は大きく、ロアルドロス亜種が呻いているのが見てとれる。それを見つめながら桐音は苦笑を浮かばせる。

 

「……耐えた、か。流石はG級クラスってな」

「G級ンバ!? アレが!?」

「ああ。ただ体が大きいだけじゃないよ。抜刀術込のあたいの一撃を前足の甲殻で受け止めてきたからね。上位ならあれすらも切り裂いているはずさ。それに纏う雰囲気も上位のものじゃなかった。G級じゃないかと疑える要素はいくらでもあった、さッ!」

 

 もう一撃振り上げて気刃を放ちながら納刀するが、ロアルドロス亜種は起き上って右前足で受け止めにかかる。しかしそれでも桐音の一撃はその硬い甲殻を軋ませ、小さく割る程の一撃を放っていた。

 苦悶の声を漏らしたロアルドロス亜種は桐音へと向き直り、ゆっくりと近づいて仕掛けるタイミングを窺っている。しかしたてがみとその奥にある首の傷が奴の動きを緩慢にさせていた。

 やはり効いているのだ。それでも奴が戦うのは己のプライド故か。

 流石はG級の群れのリーダーというだけはある。

 

「いいね。いい心がけだ。それでこそ、殺りがいがあるってもんさ!」

「ギュオオオオンッ!」

 

 もう一度両者は走り出し、ぶつかり合う。それをチャチャとカヤンバは支援するタイミングを窺いながら動くのだが、飛びかかり、突進を仕掛け、転がるという激しい動きを見せ出したロアルドロス亜種と、それに最低限の動きだけで躱しながらブルーウイングを振るう桐音の戦いに、手を出すタイミングを失ってしまった。

 そうしてぶつかり合った両者だが、終わりは突然にやってくる。

 桐音を撥ね飛ばすべく勢いをつけて転がったロアルドロス亜種だったが、その転がる距離を見切った桐音が一度バックステップをして距離を離し、着地した後に気を放出して急速に距離を詰める。

 転がった後に起き上って体勢を立て直したロアルドロス亜種はその急激な距離詰めに反応出来ず、驚きに目を見開くしかなかった。

 

「王手、だ。じゃあな、いい戦いだったよ」

 

 その速さをも乗せた抜刀斬り。燃え上がった蒼い刀身と気の刃による二重の一撃は、たてがみだけでなく首を斬り、頸動脈をも断ち切って致命傷を与える。しばらく呻くような乾いた声がその口から洩れていたが、やがて力尽きたように倒れ伏せる。

 そんなロアルドロス亜種を見つめ、一息ついてブルーウイングを納刀した桐音はその死体へと一礼する。

 流石はG級といったところだろう。少々舐めて掛かれば危険だった。ルドロス達を率いるその手腕、硬い甲殻、そして体を侵してきたあの猛毒。解毒薬が間に合わなければあのまま倒れ伏したままだったかもしれない。

 チャチャとカヤンバについてきてもらって正解だった。一人で戦っていればこうはならなかったかもしれない。

 

「一応剥ぎ取っていくか。あっちのロアルは上位クラス。あいつらでも問題ないだろうさ」

 

 辺りを見回して他にモンスターがいないことを確認し、桐音達は使える素材を剥ぎ取っていく。いつの間にか海の中にいたはずの彼らは移動していた。何やら大きな気配が離れていくような気がしたのだが、あれはロアルドロスが逃亡を図ったのだろうと推測したのだ。

 将輝達はそれを追っていったのだろう。彼らが向こうで討伐するならば、この素材を剥ぎ取れない可能性がある。ならば自分達だけで持てるだけ剥ぎ取っておくしかあるまい。

 桐音達は素材を選別し、剥ぎ取りナイフを素早く振るって剥ぎ取りを行った。

 

 一方、海の中で戦っていた将輝達だが、不利を悟ったロアルドロスが別の陸へと逃げていくのを追っていた。浜辺へと上がり、それからまだ逃げ続けるロアルドロス。将輝達も逃がさないようにマスクを取って走り、蓮華もさりげなくブラッドコフィンを振って粒子を出し、スタミナ減少無効の効果を奏でたあとに納刀して後を追う。

 入り江が狭まり、岩肌に挟まれた長い道を駆け抜けていくロアルドロスが止まる気配はない。完全に将輝達……いや、一人で自分を追い詰めていた蓮華に臆してしまっているようだ。

 そうして逃げた先は大きく広がる空間。周りは高い岩山に囲まれ、水場と地面が両立するエリアだ。入ってきて右手の奥には洞窟らしきエリアへと繋がる道が、対面の向こうには岩山を抜ける道が存在しているらしい。

 どうやら自分達は真っ直ぐに北上してきたようだった。

 蓮華が千里眼を使って他にモンスターがいないかを探ってみるが、周囲にモンスターの気配はなくなっている。

 

「ギュルルル……!」

 

 不意にロアルドロスが辺りを見回し、小さく唸ると反転して将輝達に向き直った。その行動に少し疑問を感じた蓮華だったが、将輝はロアルドロスのその行動を見て、「よぉやっと腹ぁ括ったみたいだのお。さんざん走らせおってからに、一気に仕留めさせてもらおうじゃねえか!」とハイランドグリーズを抜いて構える。どうやらロアルドロスが観念したのだと見たらしい。

 確かにそうだ。

 ここはもう水場から結構離れてしまっている。ロアルドロスにとってはあまり来たくない場所だろう。追い詰められたから戦うしかない、そういう心境に見える。

 だが何故だろうか。蓮華はそれだけではない何かがあるような気がしたのだが、将輝と檸檬がロアルドロスへと向かって走り出したため、意識を切り替えてブラッドコフィンを構える。

 まずは体力回復の効果を奏で、続けて防御力上昇を奏でる。最後に白、白と繋いで自己強化を施すと、強く地面を蹴って肩にブラッドコフィンを乗せて走り出す。ロアルドロスは既に両側に回り込んでいる将輝と檸檬を振り払うべく体を捻って尻尾を振り回しているようだが、距離を取って二人はやり過ごし、斬りかかっていく。

 檸檬は構えたセクトウノベルデで、大タル爆弾によって吹き飛んだ箇所を抉りこむように斬りかかっていく。それによって怯んだロアルドロスへとすっと身構え、

 

「すぅ……山茶花(さざんか)!」

 

 呼吸を整えて素早く傷口を抉りこむように三度の突きを繰り出す。刃が抜かれるたびに血が吹き出し、押し込まれればダメージを与えるだけでなく麻痺毒も注入されていく。

 反対側では構えたハイランドグリーズを振りおろし、突き出して剣モードへと変形した将輝が毒を注入しながら首を狙ってハイランドグリーズを振るっている。将輝としても毒を注入するだけでなく決定打を与える事を狙っているようだ。

 決着をつけるための一撃を狙う。それは狩りにおいて重要な事であり、急所を狙うのは定石だ。だがそれを感じ取ったロアルドロスもただでは殺されてはくれない。首を振って抵抗すると、その将輝を押し潰すべく転がっていくではないか。

 それを感じ取ったが、肉薄していたが故に逃げるには遅い。咄嗟に剣モードにしているハイランドグリーズを立てて防御するが、ミシミシと音を立てて軋むハイランドグリーズの様子に顔をしかめてしまう。

 蓮華の奏でてくれた旋律によって防御力が上昇しているが、それでも押し潰しに来るロアルドロスの重量が将輝にかかってくるものだからたまらない。

 だがそれを助けるべく蓮華と檸檬が斬りかかっていく。いや、蓮華の場合は殴りかかる、か。ブラッドコフィンを構えて転がったロアルドロスの頭めがけて振るい、頭を揺さぶってやる。

 同時にセクトウノベルデによって注入された麻痺毒とも影響を及ぼし合い、またしてもロアルドロスの足を止めてしまった。この好機を逃さず、ハイランドグリーズを構えなおしてロアルドロスの首を狙い、勢いよく突き出して抉りこんでやる。

 それだけでなくギミックを始動させてやれば、勢いよく粒子が先端へと収束していき、その度にハイランドグリーズが勢いよく震えて傷口を抉る形となる。

 

「だぁらっしゃぁぁあああッッ!!」

 

 そうして高まった粒子を解放させれば、傷口が勢いよく吹き飛ぶほどの一撃が叩き込まれる。強属性ビンによって高められた毒もまた一気に注がれた事でロアルドロスの肉が壊死し始め、ロアルドロスの呼気も乱れだした。

 しかしそれでもロアルドロスは抵抗する。麻痺毒に対する抗体が出来ているおかげで、属性解放突きの後にはもう麻痺毒から解放されていた。首から血を流し、たてがみを赤く染めながらも属性解放突きによる反動を堪える将輝へと噛みつきにかかり、将輝はハイランドグリーズの柄を咥えられる。

 そのまま勢いよく振り回され、反対側にいる檸檬の方へと放り投げてやる。ハイランドグリーズから手を離す事で将輝まで投げられる事はなかったが、ハイランドグリーズは遠く離れた所まで吹き飛ばされる。

 だが、それによってロアルドロスの向きが変わり、彼が刻んだ傷が檸檬の方へと向けられる形となった。それを好機とした檸檬がセクトウノベルデを構えつつ気を纏わせ、刃を伸ばすと構えを取る。

 

「奥義……百花繚乱!」

 

 首の傷を更に広げ、致命傷を与えるための剣術。

 桜花流が剣術奥義をここに。

 連続突きからの斬り下ろしに斬り上げ。セクトウノベルデが動くたびに血飛沫が舞い上がる。それはまるで花びらが舞い散るかのような光景だった。だが檸檬はそれを気に留めず、伸びた気刃とセクトウノベルデの刃にて一気にロアルドロスの首へと致命傷を与えていき、締めとして勢いよく体を捻りながら切り払った。

 刀身に付いた血を振り払うようにセクトウノベルデを振った時、ロアルドロスは力尽きたように倒れ伏した。どくどくと、とめどなくたてがみの奥、首から血を流し、地面に鮮血を広げていくロアルドロスが動く気配はもうない。

 討伐、成功だ。

 

 桐音が蓮華達に合流したのはそれからそう時間も経たない頃だった。ロアルドロス亜種の素材を十分に剥ぎ取り、気配を探って合流を果たし、倒れ伏しているロアルドロスから素材を剥ぎ取っている様子を見て小さく頷く。

 ルドロスの多さやロアルドロス亜種がG級ではないかという推測、と少し心配なところがあったが問題なくクエストを達成できたようで何よりだ。

 太陽はもうそろそろ沈みかけ、空を茜色に染め始める頃合い。予定通りといった時間の経過だろうか。

 

「亜種の素材は十分に剥ぎ取ってある。後で分配しようか」

「ありがとうございます。そちらは特に問題はなかったようで?」

「ああ。G級だったけど、何とかなったね。こいつらの補佐があっての討伐だったさ」

「G級!? それ、冗談じゃなく?」

「ん、冗談じゃないぜ。後で素材を確かめてみな。明らかに硬度が違うからさ」

 

 驚きの声を漏らす檸檬だが、桐音はにやりと笑って見せながらぽんぽん、とポーチを叩いた。モガの村にも最近G級クラスのモンスターが現れ出している、という事は伝わっている。

 だが小さな村という事もあってあまり縁のない話とばかり思っていたが、本当にモガの森は魔境だとしか言いようがない。よもやここにまでG級モンスターがやってくることになろうとは思いもしない。

 もし桐音がいなかったらどうなっていただろうか?

 自分達ではG級モンスターを討伐するのは難しい、というのは明らかだと将輝と檸檬は自己分析している。ハンターとして活動する期間はそれなりであり、上位ハンターとなって数年だが、まだ経験は少ない。装備も整っていないのでG級を相手にするのは難しいのは明らかだった。

 しかし桐音もG級ハンターではないのによく討伐できたものだと思う。かなりの実力者だという事はわかっているが、まさかこれほどとは。明日からの鍛錬も彼女の技術をより一層盗んでみようと意気込んでみる。

 そう思いながら素材を剥ぎ取り終えると、立ち上がって剥ぎ取りナイフをしまう。

 

「よし。じゃあ帰るかのお」

「ンバ。今日もいっぱい燃えたンバ」

「早く帰って肉食べたいっチャ」

「じゃあ夕食は肉多めにしよっか」

 

 そんな事を話しながら歩き出す一行だが、不意に蓮華が「待ってください」と呼び止める。一体どうしたのだろうか、とそれぞれ振り返るが、蓮華は神妙な顔で辺りを見回している。

 もしかして彼女の千里眼に何かが引っ掛かったのだろうか?

 ここに来てモンスターが?

 だとしたら一体どこから?

 桐音達も辺りを見回して警戒するが、桐音はうっすらと変化していく空気に感づき、「……これは」と呟いてブルーウイングにゆっくりと手を回す。そうして警戒した中、はっとした顔で蓮華がある一点を示した。

 それは――数十メートル離れた先の、地面。

 

「下から来ます!」

 

 そう叫んだ刹那、その地面が割れて勢いよく振り上げられた顔が現れる。濁った茶色の鱗に覆われ、小さな突起に覆われた体と尻尾を持ち、口が首近くまで裂けた顔を持つ巨大なる獣竜種。

 それを見た桐音が一瞬にして臨戦態勢に入り、背後にいる将輝達へと「逃げろッ!」と叫ぶ。

 地面から現れたそれは体に纏わりついた土や石を振り払うように体を震わせながら鼻を動かし、ぎろりと離れた所にいる桐音達を見つめ、空を仰いで辺りに響き渡る程の咆哮を上げる。

 瞬時に叩きつけられる暴虐的な殺気。飢えた獣の如き殺気によって檸檬は竦み上がり、その場に縫い付けられたように動けなくなってしまう。そんな彼女に気づき、将輝が「くっ、おおぉぉぉっ!」と掛け声を叫んで自らの体に喝を入れて無理やり体を動かし、檸檬の手を引いて抱き寄せつつ背中を屈めて背負い込み、海に向かって走り出す。

 続くようにしてチャチャとカヤンバも走り、桐音と蓮華は奴――イビルジョーを見つめたまま背後に下がっていく。

 すぐそこにはロアルドロスの死体がある。奴が腹を空かせているならば、こっちに喰らいついていくはずだ。だがもしもという時もあるため、奴から視線を外さずに下がっていくのだ。

 そうして、イビルジョーを警戒しながら下がっていくと、奴の視線は物言わぬ肉塊と化しているロアルドロスへと向けられた。離れていく獲物より、動かぬ獲物を選んだらしい。

 素材を剥ぎ取られている事で所々肉が露出しているそれへと勢いよく喰らいつき、肉を引き千切って咀嚼し始める。それを見届けた瞬間、二人は武器から手を離して勢いよく駆け出していく。

 向かう先は海。

 そこへと飛び込んで別のルートから村へと帰る算段だ。

 イビルジョーは確かに危険極まりない相手である。しかし奴は海までは追ってこない。泳げないからだろう。海へと飛び込んで逃げればほぼ逃げられる。マスクをつけて海へと飛び込み、西に向かって泳いでいく。

 イビルジョーが追ってくる気配はないが、どうやら噂に語られるイビルジョーがついにモガの森へと入り込んできたようだ。これに対処する方法は、ない。

 出来るのは奴が村に入らないように結界を張って村を守る事だけだ。イビルジョーを討伐できるハンターがいないならば、出来る事は逃げるか討伐依頼を他の拠点へと依頼することのみ。

 桐音と蓮華だけでは残念ながら奴に勝てるビジョンは見えない。

 だからこうして、逃げるしかないのだ。

 G級ロアルドロス亜種は何とかなるが、生物的な意味合いでイビルジョーの方が危険。これが生態系において上に立つ存在、恐暴竜イビルジョーである。

 

 村へと戻った桐音達はすかさず村長らに報告。村を中心とした周囲に竜を遠ざける効果を持つ結界を張り、イビルジョーが森を離れるまであまり村の外、森へと入らないように注意する事となった。

 奴が森から完全に離れていったのを確認したのは、それから二日後の出来事であった。

 その進路は北西。

 タンジアの港付近を北上していったようだった。

 

 

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