ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第013話:蒼き少女の想い 白い少年の評価

 

 自室に戻った太一がアグモンとくつろいでいると…

 

 コンコン…

 

太一

「開いてるぞ…」

 

セシリア

「…失礼します…」

 

マドカ

「入るぞ。」

 

アグモン

「いらっしゃ~い!」

 

 セシリアとマドカがやって来た

 

セシリア

「…その…一晩お邪魔いたします…」

 

太一

「ああ…ベッドはそっちを使ってくれ…」

 

セシリア

「…はい…」

 

 セシリアは空いているベッドに荷物を置くと、太一に向き直った

 

セシリア

「…あ、あの…八神さん…」

 

太一

「ん?」

 

セシリア

「…その…お、お礼を…まだ言っていませんでした………た、助けて頂いて…ありがとうございます!!!」

 

太一

「…気にするな…俺は自分のやるべき事をやっただけだ…」

 

セシリア

「そ、それでも感謝してます!!本当に…ありがとうございます!!」

 

太一

「…ならその言葉を素直に受け取っておこう…」

 

セシリア

「は、はい!!」///

 

マドカ

「…オルコット…お前何かあったのか?今までと態度がガラリと変わってるぞ?」

 

太一

「言われてみるとそうだな?…何かあったのか?」

 

セシリア

「い、いえ!…何もありません………あ、あの…皆さん…」

 

太一&アグモン&マドカ

「ん?」

 

セシリア

「わ、わたくしの事は…セシリアとお呼びください!」

 

太一

「…そうか…なら俺も太一でいい。」

 

アグモン

「僕はそのまま呼べばいいよ。」

 

マドカ

「私も名前でいいぞ。」

 

セシリア

「はい♪よろしくお願いします!太一様♪アグモンさん♪マドカさん♪」

 

太一&アグモン&マドカ

「………ん?」

 

 セシリアが3人の名前を呼ぶと太一達はそのまま固まってしまった

 一人だけ呼び方がおかしかったからだ

 

太一&アグモン&マドカ

「………太一…『様』?」

 

セシリア

「はい♪」

 

マドカ

「お前頭でも打ったのか?」

 

 太一を様付けするセシリアにマドカは頭を負傷したのかと失礼な事を聞いて来た

 

セシリア

「いえ、打ってませんが?」

 

マドカ

「なら何で太一兄さんを様付けしてるんだ?」

 

セシリア

「そ、それは…太一様が…」///

 

マドカ

「…お前まさか…太一兄さんに惚れたのか?」

 

太一&アグモン

「は?」

 

 頬を染めるセシリアの様子からマドカは理由が分かってしまい、本人の前で確認してしまった

 

セシリア

「………はい…その…お慕い申しております!!」///

 

太一

「………セシリア…お前さっきの話を聞いてなかったのか?俺は体こそ15歳だが中身は95のジジイだぞ?」

 

セシリア

「年は関係ありません!!わたくしは命を助けて頂いた太一様に感謝しております!その時の凛々しいお姿を見て…その…ひ、一目惚れをしたんです!!」

 

 必死に自分の気持ちを太一に伝えるセシリアだが…

 

太一

「………悪いが俺にはお前の気持ちに応える事は出来ない。」

 

セシリア

「え…」

 

 太一の答えはNOだった…

 

太一

「俺はこの世界の人間じゃ無い…【七大魔王】を倒せばこの世界から消えるかもしれない存在だ。そんな奴に惚れても実を結ぶ事は無いぞ?」

 

セシリア

「そんな…」

 

太一

「俺を慕ってくれるのは嬉しいがその想いは忘れろ。お前の為だ。」

 

 セシリアの告白をキッパリと断る太一…だが…セシリアも諦めろと言われそれをすんなり受け入れる訳も無かった

 

セシリア

「………あ!?」

 

 その時、セシリアはある事に気付いた

 

セシリア

「…ですが!」

 

太一

「ん?」

 

セシリア

「【七大魔王】を倒しても残る可能性はありますわよね?」

 

太一

「…それは…」

 

 それこそがセシリアが気付いた事だった

 【七大魔王】を倒せば太一はこの世界から消えるのかと問われれば…それは太一本人にすら分からない事なのだ

 

セシリア

「太一様にも分からないんですね?」

 

太一

「………そうだ…」

 

セシリア

「でしたら…わたくしは太一様が【七大魔王】を全て倒し、貴方の使命が終わるその時までこの想いを持ち続けます!!」

 

太一

「…セシリア…」

 

セシリア

「もし、太一様がこの世界に残り続けるのなら、もう一度わたくしはこの気持ちをお伝えします!その時こそお応えください!!」

 

 セシリアの真剣な眼差しを受け…

 

太一

「…分かった…」

 

 …太一の方が折れた

 

セシリア

「ありがとうございます♪」///

 

太一

「はぁ~…まさかこの年になって告白されるとはな…」

 

 セシリアの告白を受け太一は盛大な溜息をついた

 95歳の自分が異世界に来て生活している上に、80歳も年下の少女に好意を持たれるとは思ってもみなかったからだ

 

マドカ

「人生色々あるって事だろ。」

 

太一

「あり過ぎだろ…」

 

アグモン

「太一!」

 

太一

「…アグモン…」

 

アグモン

「…頑張ってね♪」

 

太一

「ア~グ~モ~ン~!!」

 

 他人事みたいに言うアグモンに太一は…

 

太一

「他人事みたいに言いやがって!!こうしてやる!!」

 

アグモン

「アダダダダダッ!!ゴメンゴメン!許して太一~~~…」

 

 アグモンの頭を拳で挟んでグリグリする太一…

 だが、その顔はまるで怒ってはおらず笑っていた…

 アグモンも痛がってはいるが笑っていた…

 

マドカ&セシリア

「………」

 

 マドカとセシリアはそんな二人を見て喧嘩をしているのではなく、ただじゃれ合っているだけだとすぐに分かった

 そんな二人をマドカとセシリアは羨望の眼差しで見つめていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「それにしても…お前も物好きな奴だな?ゾンビの様な俺に惚れるとは…」

 

 一頻りアグモンと戯れた後、太一はセシリアに聞いてきた

 

セシリア

「太一様!!そうやってご自分を卑下するのはやめて下さい!!」

 

太一

「はいはい、だが、俺よりも一夏の方がいいんじゃないのか?」

 

セシリア

「冗談でもよして下さい!わたくしは別に織斑さんに対しては特別な感情は持っておりません!それに一週間前のあの方を見る限り、頭で考えるより先に口が出る人みたいですし、自分で自分の首を絞めるような自滅男に着いて行ったらわたくしまで巻き込まれてしまいますわ!!」

 

 一夏に対してキツイ事を言うセシリアだが、彼女は隣に誰がいるのかをすっかり忘れていた…しかし…

 

マドカ

「………セシリア…私は一夏兄さんの実の妹なんだが…」

 

セシリア

「あ!?その…すみません…」

 

マドカ

「いや、実は私もお前の言う事に納得してしまっているんだ…」

 

セシリア

「え?」

 

 意外な事に一夏の実の妹であるマドカは怒るどころかセシリアに同意していた

 

マドカ

「あの時は私も太一兄さんの言ってる通りだと思ったからな…まさか自分で自分を腐っているなんて言うとは思わなかった…しかも言った本人がそれを分かってないとは…」

 

太一

「マドカ…アイツは昔からああなのか?」

 

マドカ

「分からん!…一夏兄さんと別れたのは物心ついた頃だったからな…」

 

太一

「…そうか………さて…どうするかな…」

 

セシリア

「…どう…とは?」

 

太一

「アイツを護衛するかどうかだ…」

 

セシリア

「え?」

 

マドカ

「太一兄さんは束から一夏兄さんの護衛を頼まれているんだ。」

 

セシリア

「護衛…」

 

太一

「理由は言わなくても分かるだろ?」

 

セシリア

「…世界でも二人しかいない男性操縦者だからですね?」

 

マドカ

「いや、太一兄さんは元々この世界の人間じゃ無いから、一夏兄さんが世界でただ一人の操縦者になる。」

 

セシリア

「なるほど…ですから織斑さんを守る為に…」

 

太一

「そうなんだが…束にはアイツを護衛するかどうかは俺の判断で決めさせて貰うと言っている。」

 

セシリア

「…その基準は何なんですか?」

 

太一

「アイツが自分の身を守れるかどうかだ。出来るなら放っておくつもりだったんだが…」

 

セシリア

「太一様は…織斑さんに自分の身を守れるだけの力が無いと見たんですね…」

 

 セシリアは太一の言い方から一夏には自衛するだけの力が無いと分かった

 

太一

「ああ…」

 

セシリア

「…その場合はどうされるんですか?」

 

マドカ

「太一兄さんが護衛しながら鍛えるそうだ。」

 

セシリア

「そうなのですか…あの…太一様…」

 

太一

「ん?」

 

セシリア

「その時はわたくしもご一緒してもよろしいでしょうか?わたくしも鍛えて欲しいんです!!」

 

太一

「構わないが?」

 

セシリア

「ありがとうございます♪」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 コンコン…

 

太一

「ん?」

 

 突然扉を叩く音がしたので、太一が出ると…

 

千冬

「少しいいか?」

 

 千冬がやって来た

 太一はそのまま千冬を中に入れるが、マドカは千冬の姿を見ると目つきが僅かではあるが鋭くなった

 太一とセシリアは気付かなかったが、千冬はそれに気付いていた

 

千冬

「………」

 

太一

「それで用件は?」

 

千冬

「あ、ああ…他の教師達への説明は束に説明させる事にした。その事を伝えに来た。」

 

マドカ

「そうですか…ならもう用は無いですね?出て行って下さい。」

 

千冬

「!?…ああ…」

 

 マドカに出て行けと言われ千冬は落ち込みながら部屋を出ようとしたが…

 その後のマドカの言葉で足を止めた

 

マドカ

「所で…太一兄さんから見て…一夏兄さんはどう見えた?」

 

太一

「弱い!!」

 

 太一は一夏への評価をたった一言で表した

 そして、その言葉に千冬が反応し、部屋から出ようとしたところを踵を返し戻って来た

 

千冬

「八神…さん…今のはどういう意味…ですか…」

 

 太一の正体を知ってしまった為か千冬も太一に対してさん付け、敬語で話し始めた

 

太一

「そのままの意味だ!それもアイツは、力は勿論だが力以上に精神…心が弱すぎる!」

 

マドカ

「心?」

 

太一

「アイツは自分を過大評価する傾向があると俺は見ている。一週間前の代表を決める時がまさにそうだ。」

 

 太一に言われ3人は一週間前の一夏の事を思い出していた

 確かに、あの時一夏はセシリアに喧嘩を売り相手の実力も分からずハンデをやると言って見下していた

 その後、太一に自分の暴言が矛盾している事を指摘され凹んでいたが…

 

マドカ&セシリア&千冬

「………。確かに!」

 

 それに千冬も含めた3人は同時に頷いた

 

太一

「そして今日の【リヴァイアモン】との戦いの時だ。」

 

千冬

「あの時の事か…確かにそうだな…」

 

マドカ

「【リヴァイアモン】との戦いって…あの時何があったんだ?」

 

太一

「実はな………」

 

 太一は【リヴァイアモン】と戦う前に起きた事をマドカとセシリアに話した

 

太一

「………と言った事があってな…」

 

マドカ

「私が管制室に着く前にそんな事があったのか…」

 

セシリア

「【リヴァイアモン】に…魔王に戦いを挑もうとするなんて…」

 

マドカ

「確かに精神が弱いな…【リヴァイアモン】との力の差も分からないなんて…」

 

千冬

(一夏…お前と言う奴は…実の妹にまで呆れられてるぞ…)

 

 千冬は内心、マドカにまで呆れられている弟に情けない気持ちになっていた

 

太一

「ああ、俺や織斑先生がいくら止めても自分も戦うと言って聞かなくてな…余りにもしつこかったから《ガルルキャノン》を撃ち込んで黙らせたんだが…」

 

セシリア

「《ガルルキャノン》って…あの大砲を撃ち込んだんですか!?」

 

太一

「そうだ。1割で撃ったらSEが0になってそのまま気絶してたな。」

 

セシリア

「本当に1割の威力で倒せたんですか…」

 

太一

「ああ、SEが0になるのは分かるが気絶までするとは思わなかった…いくら何でも脆過ぎる。」

 

マドカ&セシリア&千冬

「………」

 

千冬

「…確かにな…あの時は非常事態だから気づかなかったが…言われてみると、いくら至近距離で撃たれたとはいえ…たった一発で気絶するとは…」

 

マドカ

「…太一兄さん…力も弱いと言ってたが…そっちの理由を聞いてもいいか?」

 

太一

「…理由も何も………今日までのアイツを見るとな…」

 

セシリア

「何があったんですか?」

 

千冬

「何も無かったんだ…」

 

マドカ&セシリア

「へ?」

 

 セシリアの質問に太一に変わり千冬が答えた

 千冬の答えに二人は間の抜けた声を上げた

 

太一

「その通り。マドカ…その事で聞きたい事があるんだが…」

 

マドカ

「聞きたい事?」

 

太一

「試合が始まる前に一夏と篠ノ之の話を聞いてたんだが、篠ノ之がアイツのコーチをしていたらしいな?何故お前が教えなかったんだ?俺はお前が教えると思ってたんだが?」

 

マドカ

「…質問を質問で返すようで悪いがどんな話をしていたんだ?」

 

太一

「…剣道だけでISに関する事は何一つしてないらしい。ISは実機が無いから出来ないと篠ノ之は言っていたが…」

 

セシリア

「本当なんですか?」

 

千冬

「本当だ。私も聞いていたからな…」

 

太一

「ああ、アイツの練習を少し見に行ったが剣道をしている所しか見ていない。」

 

セシリア

「何を考えてますの…」

 

 セシリアもまさか今日の試合の為に剣道だけしかしてなかったとは思わなかった

 

マドカ

「アイツ!自分に任せろと言っておいて何だそれは!!」

 

太一

「それで何故なんだ?」

 

マドカ

「…最初は太一兄さんの言う通り私が教えようと思ってたんだ。一夏兄さんも私に頼んで来ていたしな。」

 

セシリア

「?…では何故篠ノ之さんが教えていたんですか?」

 

マドカ

「実は一週間前…あの後の昼休みの時なんだが………」

 

 マドカはその時の事を思い出しながら太一達に話し始めた

 

マドカ

「…私は兄さんと篠ノ之の3人で食事を取っていたんだが、その時に兄さんが私にコーチを頼んで来たんだ。ところがその時、上級生が一人やって来て自分が教えてやると言って来たんだ。」

 

太一

「…マドカ…話の途中で悪いが、その後の展開が何となく分かったんだが…」

 

マドカ

「多分それで合ってるよ。」

 

セシリア

「え?どう言う事ですの?」

 

千冬

「…そう言う事か…」

 

太一

「その上級生を追い返す為に、篠ノ之が束の名前を出して自分が教えると言ったんだろ?」

 

マドカ

「その通り。それでその上級生は引き下がったんだが、アイツはそのまま自分が教えると言い出したんだ。兄さんは私に頼んでいたのにだ。」

 

セシリア

「それなら何故マドカさんは引き下がったんですか?織斑さんはマドカさんに頼んでいるのですから本人の意思を尊重すればいいのでは?」

 

マドカ

「私もそう言ったんだ。だがあの馬鹿は兄さんを睨みつけて無理矢理自分に変えたんだ。」

 

セシリア

「強引ですわね。そこまでして織斑さんを独占したいのでしょうか?」

 

マドカ

「そんな所だろ。」

 

セシリア

「妹相手でもですか…随分と【傲慢】な方ですわね。」

 

マドカ

「全くだ!」

 

太一

「それで本人の意思と言ったからお前は引き下がった訳か…そして、その結果があの体たらくとはな…」

 

マドカ

「そうなるな。あの役立たずめ!まさか勉強すらしていなかったとは!!この一週間剣道しかしてなかったら弱いに決まってる!!」

 

 マドカは怒りの表情をしながら箒に悪態をついていた

 

太一

「確かにな…だが、一夏自身にも問題はある。」

 

マドカ&セシリア&千冬

「え?」

 

太一

「篠ノ之が剣道しか教えなかったからとは言え、それを当日になって文句を言うのもおかしい!篠ノ之が剣道しか教えない事には2,3日もすれば分かるはずだ。それならアイツは自分で勉強をすればいい。参考書も新しいのを貰っている訳だから勉強が出来無い訳じゃ無い。」

 

マドカ

「確かにそうだな…」

 

セシリア

「太一様の言う通りですわね…」

 

千冬

「箒にも問題はあるが、一夏自身も問題があった訳か…あの馬鹿者共が…」

 

太一

「そうだ!つまりアイツの体たらくはアイツ自身の自業自得でもある。この一週間で一夏は成長と呼べる事を何一つしていない。多少打たれ強くなったぐらいだ。」

 

セシリア

「殆ど役に立たないではないですか…」

 

太一

「そうだな…アイツは体、知識、そして精神…全てが低すぎる!!」

 

マドカ&セシリア&千冬

「………」

 

 マドカとセシリアは一夏の今日までの行動を聞いて呆れ果てていた

 

太一

「その中でも特に精神が弱い!【リヴァイアモン】に戦いを挑もうとした時点でアイツは馬鹿だと分かる!!自分より圧倒的な力を持つ者を前にして考え無しで突っ込もうとしたんだからな!!」

 

千冬

「八神…さん…それは何も悪い事ではないと思うんですが?」

 

太一

「確かに先生の言う事にも一理ある。だがそれは試合の場合だけだ。」

 

マドカ&セシリア&千冬

「試合…」

 

太一

「今日行われる予定だった試合なら俺は別に何も言うつもりは無い。一夏が突っ込もうが、返り討ちに会おうが、自滅しようが好きにすればいい…だが【リヴァイアモン】との戦いは命を懸けた戦い!敗れれば死ぬ事になる戦いだ!!時には退く事も必要な事だ!!!」

 

マドカ&セシリア&千冬

「………」

 

太一

「アイツはその違いが分かってない!!命知らずとも違う!!勇気と無謀の区別がつかないただの馬鹿だ!!」

 

マドカ

「…流石に言い過ぎな気もするが…太一兄さんがそう言うならそうなんだろうな………それで一夏兄さんをどう鍛えるんだ?」

 

太一

「…まずはアイツの実力を俺が直接計る。試合が普通に行われていればその手間も省けたんだがな…」

 

セシリア

「…すみません…」

 

太一

「別にお前を責めてる訳じゃ無い。それに…アイツの機体に関して少し気になる事があるしな…」

 

マドカ&セシリア&千冬

「気になる事?」

 

太一

「…束からの情報にあったんだが…アイツの機体…【零落白夜】が使えるらしい…」

 

マドカ&セシリア

「!?」

 

千冬

「【零落白夜】か…」

 

 太一の口にした【零落白夜】と言う言葉に二人は反応した

 千冬は太一が何を言わんとしているのかが分かった

 

太一

「同じ能力を使っていた織斑先生なら分かると思うが…詳細を見る限りあれはかなり危険の能力だ…アイツがその危険性に気付いているのかも確認する必要がある………とは言っても、多分と言うか絶対気づいてないだろうな…」

 

マドカ&セシリア

「………」

 

千冬

「…そうですね…」

 

 今迄の一夏の評価から、太一は【零落白夜】を一夏が使いこなせるとは思っていなかった

 千冬もそれに同意していた

 

太一

「まあ、後は明日の束の説明の後だな………そう言えば織斑先生…クラス代表はどうなるんだ?」

 

千冬

「明日、束の説明が終わった後HRで決めるつもり…です。」

 

セシリア

「織斑先生…わたくしは辞退します。…あの様な事をしてしまいましたから…」

 

千冬

「…分かった。なら一夏で決定だな。」

 

マドカ

「やはりそうなるか…太一兄さんじゃ強すぎて無理だからだろ?」

 

千冬

「…ああ…ココに来る前にクラス代表の事で少し話したんだが…他のクラスから八神さんは代表にしないでくれと頼まれた…」

 

太一

「そうか…まあ、俺もやるつもりは無いから丁度いい………それから織斑先生…俺に対して敬語とさん付けはやめろ。」

 

千冬

「い、いやしかし…そちらの方が年上だし…」

 

太一

「ココでの俺は15の子供だ。山田先生ならともかく、アンタが敬語で話すと周りから色々言われるし、俺の正体もバレるかもしれん。」

 

千冬

「…分かりまし…いや、分かった!」

 

太一

「それでいい!」

 

 その後は太一達は軽く話をした後、マドカと千冬は部屋から出て行き、この日を終えた

 




 <予告>

 リヴァイアモンとの戦いから一夜明けたIS学園

 セシリアに対する生徒達の反応は予想通りの物だった

 そして、生徒達を集め説明をする為に現れる束

 だが、束は生徒達に説明するだけでなくISとは何かを問いかけるのだった



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 束の問い掛け

 今、冒険が進化する!


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