ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第021話:魔王覚醒!憤怒の罪デーモン!!

 

 一夏が太一に返り討ちにあってからクラス対抗戦当日…1回戦の組み合わせは…

 

 『1組代表・織斑一夏 対 2組代表・凰鈴音』

 

 …となっていた

 現在ピットでは一夏が【白式】を纏って準備をしていた

 そして、その場には前回注意されたにもかかわらず懲りずに箒がいる

 

一夏

「…いきなり鈴か…」

 

「情けないぞ一夏!何を怖気づいている!!」

 

一夏

「…箒…」

 

「この大会に勝って八神を見返してやるんだろ!!その為に今日まで特訓をしてきたんだぞ!!」

 

一夏

「…そうだな!!」

 

 一夏は太一に返り討ちにあった次の日から箒と猛特訓をしていた

 一夏は太一を見返す為に…

 箒は太一より自分の方が一夏の役に立つと太一と一夏に知らしめる為に…

 …ただし、それは二人から考えての猛特訓であり、太一から見れば生温いと言うレベルでしかなかった…

 

アナウンス

『織斑選手。アリーナに出てください。』

 

 試合を始める為、アナウンスに呼ばれる

 

一夏

「よし!…織斑一夏!【白式】行くぜ!!」

 

 気合を入れ、一夏はカタパルトから飛び立っていった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 カタパルトから飛び立った一夏はすでにアリーナで待っていた鈴の前に来た

 鈴は自分の専用機、第3世代型【甲龍(シェンロン)】を纏っていた

 

「逃げずによく来たわね!今謝れば少しは手を抜いてあげるわよ!!」

 

一夏

「手加減なんていらねえよ!(…それを言って以前太一に滅茶苦茶に言われたからな…)」

 

「何か言った?」

 

一夏

「何でもねえよ!!全力で来い!!」

 

「どうあっても謝る気は無いって事ね!!なら容赦しない!!この【甲龍(シェンロン)】で叩きのめしてあげるわ!!!」

 

アナウンス

『それでは両者…試合開始!!』

 

 試合の合図とともに鈴は近接武器の【双天牙月】を連結させ斬りかかった

 

 ガキイィィン!!

 

一夏

「くっ!」

 

 一夏はその攻撃を受け止めた

 

「ふぅん…初撃を防ぐなんてやるじゃない。」

 

一夏

「…どうも…」

 

「あ!…そうそう、あんたのそのISって千冬さんと同じ【零落白夜】が使えるらしいわね?」

 

一夏

「!?」

 

「確かにその【雪片】の【バリアー無効能力】は強力だわ。…でもね?【雪片】じゃなくても攻撃力の高いISなら絶対防御を超えて本体にダメージを与える事が出来るのよ!」

 

一夏

「え!?」

 

 鈴の言った事に一夏は驚いた

 自分だけでなく鈴もまた同じような事が出来ると言って来たからだ

 

「勿論この【甲龍(シェンロン)】もね!!…つまり…条件は互角って事よ!!!」

 

 だが、鈴は一夏と違い迷いなく仕掛けて行った

 

一夏

(くっ…捌きにくい!!一端距離を取って…)

 

 鈴の連続攻撃に防戦一方になった一夏は鈴から距離を取ろうと下がろうとしたが…

 

「甘い!!」

 

 ドウンッ!

 

 鈴は左右の浮遊ユニットに搭載されている武装【龍咆】を撃ち込んだ

 

一夏

「がっ!?」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 観客席で試合を観戦していた太一は隣にいるマドカとセシリアに先程の鈴の攻撃の事を聞いて来た

 

太一

「…何だ今のは?いきなり吹き飛ばされたように見えたが…」

 

セシリア

「あれは…衝撃砲ですわね…」

 

太一

「衝撃砲?」

 

マドカ

「空間に圧力をかける事で砲身を作り出し、それによって生まれた衝撃を撃ち出す第3世代兵装の一つだ。」

 

太一

「空間に圧力をかけるか…だから砲弾が見えなかったのか?」

 

セシリア

「その通りです。」

 

太一

「…見えない攻撃…今の一夏には厳しい攻撃だな…」

 

マドカ

「そうなのか?」

 

太一

「ああ、アイツは俺に返り討ちにあってから篠ノ之と特訓をしていたようだが…少し気になって見に行った事があるんだが…」

 

 太一はその時の一夏の特訓風景を思い出しながら答えた

 

太一

「俺から見れば特訓とも呼べない簡単な物だったな。あの程度じゃ対して強くはならんだろう。」

 

マドカ

「簡単って…」

 

セシリア

「…太一様の訓練を考えると何となくですが分かる気がします…」

 

マドカ

「…そうだな…」

 

 セシリアの言葉にマドカも同意した

 二人は今日まで太一にしごかれていたが、その内容は実戦さながら…と言うか実戦その物の模擬戦だった…

 そのお陰でこの二人の実力は格段に上がっていたが…そのかわり何度も死にかけたのだ

 

セシリア

「アレに比べればどんな訓練も霞んで見えますわ…」

 

マドカ

「…ははは…そうだな…何度死にかけた事か…」

 

 光の消えた目でそう言うセシリア…

 そして同じような目をしながら乾いた笑いを上げるマドカも同意していた

 だが…

 

太一

「あの程度で死にかけるとはまだまだだな。」

 

マドカ&セシリア

「あの程度!?」

 

 太一の一言に二人は揃って目を見開いて驚いた

 

太一

「当り前だろ?…何ならこの大会が終わった後はもう少しキツくしてやろうか?」

 

セシリア

「ち、ちなみにどのような感じに…」

 

太一

「…そうだな…【オメガモン】で言えば…まず《ガルルキャノン》を空砲から実弾に変える。威力はそうだな3割でいいか?1発喰らえば病院行きになる程度だな。後は《グレイソード》の剣速を倍ぐらいに上げるかな。どうだ?」

 

マドカ&セシリア

「勘弁してください!!」

 

 太一の訓練内容を聞いて二人は速攻で拒否した

 

マドカ

「私達の実力ではまだそれは早すぎる!!」

 

セシリア

「今の訓練で十分です!!」

 

太一

「そうか?なら今のままでやるか。」

 

マドカ&セシリア

「ほっ…」

 

 太一が諦めた事に二人は心の底から安堵していた

 ちなみに、太一達の周りにいた生徒達も今の話を聞いており、その内容に冷や汗を流していた

 

太一

「所でマドカ?」

 

マドカ

「な、何…」

 

太一

「俺がアイツを返り討ちにしてからなんだが…アイツはお前の所に訓練を頼みに来たか?」

 

マドカ

「え?…いや、来てないけど…」

 

太一

「セシリアは?」

 

セシリア

「わたくしもです。」

 

太一

「…そうか…」

 

マドカ

「それがどうかしたのか?」

 

太一

「いやな、アイツ何で篠ノ之と引き続き訓練をしていたのかと思ってな…」

 

セシリア

「どう言う事ですか?」

 

太一

「お前達も篠ノ之がまともな訓練が出来ないのは知ってるだろ?俺に断られたのならお前達のどちらかに頼むかと思ったんだが、声を掛けてもいないとはな…」

 

マドカ&セシリア

「あ~~~…」

 

太一

「まぁ俺もこの間アイツに言った事は普通に反省させる為だからお前達の所に行かなかったからって何も言う気はないが…俺が駄目なら普通は篠ノ之と続けるよりお前達のどちらかに頼むと思うんだがな?」

 

マドカ

「確かに…」

 

セシリア

「本当に何を考えてるんでしょう?」

 

太一

「…自分で聞いておいて何だが…分からん…」

 

 一夏の行動が結局分からない太一達だった

 

太一

「………ん?」

 

 それから少しして、話を終えて試合を見ていた太一が突然何かに気付いた

 

セシリア

「どうかしましたか?」

 

太一

「…あの衝撃砲…一夏でも攻略出来るかもしれないな。」

 

マドカ&セシリア

「え?」

 

太一

「凰の視線だ。アイツは衝撃砲を撃つ時に狙う場所を見ている。アレが囮でないなら攻略する事も可能だ。」

 

 太一に言われ二人は鈴の顔をよくみて見た

 確かに太一の言う通り鈴は【龍咆】を撃つ時に狙う場所を見ていた

 

マドカ

「…本当だな!」

 

太一

「もっとも、一夏がそれに気付いたとしてもまだ凰の方が実力は上だ。僅かに勝率が上がると言った程度だがな。」

 

 太一は今迄の攻防で鈴の方が実力は上と見ており、一夏では勝てないだろうと見ていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「ほらほらどうしたの?逃げてばかりじゃ勝てないわよ?」

 

一夏

「くそっ!!」

 

 一夏は鈴の放つ見えない砲弾に防戦一方となり更に追い詰められていた

 そんな中、突然鈴は攻撃の手を止めた

 

一夏

「?」

 

「どう一夏?…いい加減自分の否を認めて謝る気になった?」

 

一夏

「何言ってんだよ!何で俺が謝る必要があるんだ!勝手にキレたお前の方が悪いだろ!!」

 

 ブチッ!!

 

 一夏がそう言った瞬間何かが切れる音がアリーナ中に響き渡った

 

一夏

「何だ今の音?」

 

「…アンタは…アンタって奴は…一体何処まで…」

 

一夏

「り、鈴?」

 

「がああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――っ!!!!!」

 

 一夏の言動にとうとうキレてしまった鈴は大声で雄叫びを上げ始めた

 

「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ―――――――っ!!!!!」

 

 だが、次の瞬間、鈴の額に謎の紋章が現れた

 その光景に一夏は見覚えがあった

 

一夏

「…ま、まさか…」

 

 それはセシリアが【リヴァイアモン】へと姿を変えた一連の光景と全く同じだった

 紋章から溢れ出す黒とオレンジの光…光はそのまま鈴を包み込みセシリアの時と同じように卵の形…【デジタマ】へと姿を変えた

 

一夏

「う、嘘だ…鈴が………何で鈴が!?」

 

 鈴が【デジタマ】になってしまった事を信じられない一夏

 だが、そんな一夏の想いとは裏腹に鈴を取り込んだ【デジタマ】は【リヴァイアモン】の時のように膨らんでいった

 しかし、【リヴァイアモン】の時とは違いアリーナを内側から圧迫するほどの大きさにはならなかった

 そして…

 

 ピシッ!

 

一夏

「あ…ああ…」

 

 バリイイイィィィ―――ン!!!

 

 【デジタマ】が割れ、そこから出て来たのは…

 

『クククッ…人間…感謝するぞ!』

 

 その姿はワニの姿をしていた【リヴァイアモン】とは全く違っていた

 耳まで裂けているほどの大きな口…2本の長い角…異様に長い左腕…蝙蝠のような巨大な翼…

 正しく悪魔と呼ぶに相応しい姿だった

 

一夏

「り、鈴…」

 

『我が名は【デーモン】!!…【憤怒の魔王】…【デーモン】だ!!!』

 

 鈴を取り込み、現れたのは【憤怒】を司る第2の魔王…【デーモン】だった

 

デーモン

『ハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』

 

一夏

「り―――――――――――んっ!!!!!」

 

デーモン

『ハ―――――ッハハハハハハハハハハハハハッ!!!!!』

 

 鈴の名を叫ぶ一夏だが、そんな声も【デーモン】の笑い声に搔き消されていた

 




 <予告>

 第2の魔王…憤怒のデーモン

 デーモンの出現によって生徒達は混乱するが、アリーナから外へ出る為の扉がデーモンによってロックされてしまう

 更なる混乱にみまわれるアリーナで、太一はデーモンに対して新たな聖騎士で挑む

 神速の蒼き聖騎士と悪魔の王の戦いが今始まる



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 風の守護者!神速のアルフォースブイドラモン!!

 今、冒険が進化する!


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