ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ
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第030話:銀の標的と目的

 シャルルの正体が太一達にバレた次の日の放課後…

 いつもの様に太一達と訓練をしようとした一夏にシャルルが話しかけて来た

 

シャルル

「一夏…一緒に訓練しない?」

 

一夏

「オウいいぞ!」

 

 一夏は二つ返事でOKするとシャルルと一緒にアリーナに向かった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

一夏

「悪い遅くなった。」

 

シャルル

「!?」

 

 アリーナに着いた一夏が話かけた相手は…

 

太一

「ん?デュノアも一緒か?」

 

 太一とマドカ、セシリア、鈴の4人だった

 

シャルル

「い、一夏…や、八神君ともやるの?」

 

一夏

「ああ、俺は最近太一に教わってるんだ。」

 

シャルル

「そ、そうなんだ…(昨日あんな事言われた人と訓練するなんて…)」

 

 昨日の事があった為シャルルは今朝から太一とは関わらない様にしていた

 その為、太一と訓練するという事に抵抗を覚えていた

 

シャルル

(はぁ…面倒だな~…)

 

太一

「………。一夏、今日はデュノアと訓練しろ。」

 

一夏&シャルル

「え?」

 

太一

「俺はISの専門的な事は教えられん。デュノアに一度その辺りを詳しく教われ。」

 

一夏

「え、でも…ISの事なら俺だって勉強…」

 

太一

「俺が言ってるのは知識の事じゃない。ISの技術を学べと言ってるんだ。」

 

一夏

「…技術?」

 

太一

「例えば【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】の事だ。お前アレが出来るのか?」

 

一夏

「あ!…出来ない…」

 

太一

「それにお前は射撃武器を始めとした武器の特性を分かってるのか?いくら自分が剣しか使えないからって知っているかどうかだけでもかなりの違いが出るぞ。」

 

一夏

「…俺…その辺の事は何も分からない…」

 

太一

「だからその辺りの事をデュノアに学べと言ってるんだ。セシリアや鈴だとまずお前は理解出来ないだろうからな。分かったか?」

 

一夏

「…はい…じゃあシャルル、今日は頼む。」

 

シャルル

「う、うん!…分かったよ!(良かった…これなら面倒な事になりそうにないや…)」

 

太一

「それから一夏、まだ先になるがお前が【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】を覚えて実力も着いてきたら俺が戦法を一つ教えてやる。」

 

一夏

「戦法?そんな物があるのか?」

 

太一

「ああ、お前と【白式】にしか出来ない戦法を考えた。」

 

一夏

「俺と【白式】にしか…ど、どんな戦法なんだ!?」

 

太一

「今は言えん。実力も無い内にやればただの自爆になるからな。」

 

一夏

「じ、自爆!?」

 

太一

「分かったら少しでも早く実力をつけろ。」

 

一夏

「…オウ!」

 

太一

「それからもしこの戦法をお前が自分で思い付いたらその時は悪いが諦めてくれ。」

 

一夏

「オ、オウ…」

 

 こうして一夏は太一に言われた通りシャルルと訓練する事になった

 シャルルも、太一との訓練は抵抗があったので太一の提案は助かっていた

 だがこの時、シャルルは自分の中で起きた変化に気づいてはいなかった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 一夏がシャルルと離れた場所で訓練を始めると…

 

マドカ

「太一兄さん…デュノアと何かあったのか?」

 

 マドカが先程のやり取りの事を聞いて来た

 

太一

「ああ、昨日の夜にちょっとあってな…悪いが何があったかは教えられん。」

 

セシリア

「…そうですか…」

 

「ところで今のどういう事?私とセシリアの説明を一夏が理解出来ないって?」

 

太一

「ん?一夏にはセシリアの理論的な説明も鈴の勘に頼った説明も合わないと思ったんだよ。当然篠ノ之の擬音だらけの説明もな。」

 

マドカ

「なるほど!」

 

「なんか納得いかないわね…」

 

セシリア

「そうですわね…」

 

太一

「まあ一夏に合わないって言うだけだからそんなに気にするな。…俺達も始めるぞ。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「はい!!」

 

太一

「<デジタル・セレクト>…【モード:クレニアムモン】!!

 

 【クレニアムモン】を纏った太一はマドカ達と上空に飛び上がり訓練を始めた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 太一達が上空で訓練をしている頃…

 

シャルル

「え~っと…一夏…八神君が言ってたけど【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】が出来ないのはホント?」

 

一夏

「うっ…はい…」

 

シャルル

「そっか…(入学して1カ月以上経ってるのに使えないなんて…専用機を持ってる人ならとっくに出来てる筈なんだけど…今迄何してたんだろ?)」

 

 シャルルは一夏が【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】を使えない事に疑問を持った

 その理由は一夏に教えていた箒だった

 箒は訓練を買って出ていながらその実、1カ月以上もの間、全くと言っていいほど何も教えていなかったからだ

 その為、一夏は【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】を始めとしたIS特有の技術と呼ばれるものを何一つ使えないのだ

 ただし、それは教わろうとも覚えようともしなかった一夏にも原因があるので、半分はこの男の自業自得である

 

シャルル

「と、とりあえず今日は射撃武器の特性を教えるね。…【瞬時加速(イグニッション・ブースト)】のやり方はまた今度教えてあげるよ。」

 

一夏

「…お願いします…」

 

シャルル

「う、うん…じゃあ、僕の銃を貸すからこれで試しに撃ってみて。」

 

一夏

「分かった。」

 

 シャルルからライフルを借りると一夏はそれを使って射撃練習を始めた

 

シャルル

(はぁ~…自分で誘っておいて何だけど…まさかここまで何も知らないなんて思わなかったな~…こっちはこっちでかなり面倒そうだし…こんな事なら訓練なんて誘わなきゃよかったかな~…)

 

 シャルルは銃を撃つ一夏を見ながらそんな事を考えていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

.

 

 それから暫くしてシャルルは全弾撃ち終った一夏に銃の説明をしている時…

 

 ザワザワ…

 

シャルル

「ん?」

 

 突然周りが騒めきだした

 

一夏

「何だ?」

 

シャルル

「さあ?」

 

 二人は何事かと周りを見渡すと…

 

生徒1

「ねぇ、あれって…」

 

生徒2

「うそ、ドイツの新型?」

 

生徒3

「まだトライアル段階だって…」

 

 アリーナで訓練していた他の生徒達の人だかりがいた

 そして、そこにいたのはISを纏ったラウラだった 

 ラウラは周りには目もくれず一夏の下にまで来ると…

 

ラウラ

「織斑一夏、私と戦え!!」

 

 一夏に戦いを挑んで来た

 

一夏

「嫌だ、理由が無い。」

 

ラウラ

「貴様に無くても私にある!貴様がいなければ…教官が大会二連覇の偉業をなし遂げていたのは明白だ!だから、私は貴様を認めない!!」

 

 断る一夏にラウラは【第二回モンドグロッソ】の一件を持ち出してきた

 

一夏

「(やっぱりコイツが俺を目の敵にする理由はそれかよ!)…また今度な。トーナメントの時にでもしてくれ。」

 

ラウラ

「ならば戦わざるを得ないようにしてやる!!」

 

 それでも断る一夏に対してラウラは肩に装備されているレールカノンを一夏に向け無理矢理戦おうとした

 そしてラウラがそのまま砲撃した、その時…

 

 ドガアァァンッ!

 

一夏&シャルル&ラウラ

「!?」

 

 ラウラの撃った砲弾が何かによって防がれていた

 煙が晴れるとそこにあったのは…

 

一夏

「コレは…《アヴァロン》!?」

 

 【クレニアムモン】の盾…《魔楯アヴァロン》が一夏を守っていたのだ

 

ラウラ

「何のつもりだ!!」

 

 ラウラはすぐに上空を見上げ《アヴァロン》を投げつけてきた相手に叫んだ

 

太一

「お前こそ生徒達が集まっている場所でそんなものを撃つとは何を考えている?」

 

 《アヴァロン》を投げたのは当然その持ち主の太一だった

 太一は地上に降りると何故撃ったのか聞いて来た

 

ラウラ

「そいつが私の挑戦を断るからだ!」

 

 だがラウラの答えを聞いて太一は呆れた

 周りの事を考えずに撃った理由が余りにも自分勝手すぎたからだ

 しかも…

 

ラウラ

「だが丁度いい!お前にも用があった!八神太一、私と戦え!」

 

 今度は太一に戦いを挑んで来た

 

太一

「なぜ俺がお前と戦う必要がある?一夏と違って俺にはお前と接点が無い筈だが?」

 

 太一の言うとおり太一はラウラとは何の接点もなかった

 

ラウラ

「教官は貴様の方が自分より強いと言った!私は認めない!お前が教官に勝ったなど…あの方より強い者がいるなど…認めてたまるか!!!」

 

 だがその理由もこれまた身勝手な逆恨みだった

 そしてラウラは今にも太一に襲いかかろうとした時…

 

先生

『そこの生徒!何をしている!学年とクラス、名前を言いなさい!』

 

 騒ぎを聞きつけた教師が止めに入って来た

 

ラウラ

「ちっ!…邪魔が入ったか…」

 

 水を差されたせいかラウラはそのままISを解除するとアリーナから出て行った

 

「何よアイツ!」

 

セシリア

「勝手すぎますわ!」

 

マドカ

「全くだ!」

 

 ラウラがいなくなったので後ろにいたマドカ達が話しかけて来た

 

マドカ

「太一兄さん、アイツどうするんだ?あの様子じゃまた絡んでくるぞ?」

 

太一

「放っておけ。」

 

マドカ&セシリア&鈴

「え?」

 

 マドカ達はラウラが再び太一に絡んでくると懸念していたが、肝心の太一は放っておけと言って来た

 

「放っておけって…それでいいの?」

 

太一

「構わん。ああ言う手合いは相手にするとすぐに調子に乗る。」

 

セシリア

「そうかもしれませんが…」

 

太一

「それでも絡んでくるなら以前の一夏みたいに追い払うだけだ。」

 

一夏

「うぐっ!?」

 

 太一の一言に一夏は以前訓練中に襲い掛かった時の事を言われダメージを受けた

 

シャルル

「前に何かあったの?」

 

一夏

「…ちょっとな…悪いが聞かないでくれ…」

 

シャルル

「分かったよ。(面倒な内容かもしれないから深く聞かない方がいいな…)」

 

太一

「………(気のせいか?…コイツ…昨日と雰囲気が変わっているような…)」

 

 太一はシャルルの僅かな変化に気付いた

 だが、それがどのような変化かまではこの時は分からなかった

 

太一

「(まあ今はいいか…)よし!訓練を続けるぞ!」

 

 こうして太一達は再び訓練を再開した

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 この日の訓練を終えた太一はマドカ達と別れ気分転換を兼ねて学園内の敷地を散歩していた

 ちなみにマドカ達は太一の訓練によってボロボロにされ真っ直ぐ部屋に帰って行った

 そして日も沈みかけたので寮に戻ろうとした時…

 

「何故ですか!何故こんな所で教師など!!」

 

太一

「ん?あの声は…」

 

 突然聞こえた声のした方を向くと…

 

太一

(千冬とボーデヴィッヒ?)

 

 ラウラが千冬に詰め寄っている場面だった

 

太一

(俺や一夏に戦いを挑んで来たと思ったら今度は千冬か?忙しい奴だな…)

 

 太一はその場面を見て見当違いな事を考えていた

 

千冬

「何度も言わせるな。私には私の役目がある。…ただそれだけだ。」

 

ラウラ

「このような極東の地で何の役目があると言うのですか!!」

 

太一

(極東の地…セシリアも以前言ってたが…何で極東=日本になるんだ?極東の国なら他にもあるんだがな…と言うか極東は別に田舎って訳でも無い筈だが…う~ん…)

 

 などと、本当に見当違いな事を考えている太一だった

 

ラウラ

「お願いです教官!我がドイツで再びご指導を…ココでは貴方の能力は半分も生かされません!」

 

 太一がどうでもいい事に頭を悩ませている間もラウラの千冬への勧誘は続いていた

 

ラウラ

「この学園の生徒達はISをファッションか何かと勘違いしてます!」

 

千冬

「………」

 

ラウラ

「そのような者達に教官が時間を割かれるなど…」

 

千冬

「そこまでにしておけよ小娘!」

 

ラウラ

「!?」

 

千冬

「少し見ない間に随分偉くなったな?ISがファッションだと?確かにそうかもな。」

 

ラウラ

「わ、分かっているなら…」

 

千冬

「だがそれはお前も同じじゃないのか?」

 

ラウラ

「え…」

 

千冬

「15歳で選ばれた人間気取りをしているお前とどこが違う?」

 

ラウラ

「わ、私は…」

 

千冬

「私がココにいるのはお前の様な考えを正す為だ。話は終わりだ。さっさと寮に帰れ。」

 

ラウラ

「………くっ!」

 

 話を切り上げられたラウラは悔しそうな顔をしながら寮へと走って行った

 

千冬

「…はぁ…アイツにも困ったものだな…何であんな風になったんだ?」

 

 ラウラが見えなくなると千冬は溜息を吐いた

 

太一

「お前の指導に問題が合ったんじゃないのか?」

 

千冬

「八神!?お前何時からいたんだ!?」

 

 そこに隠れていた太一が出て来た

 突然現れた太一に千冬は驚いた事から太一が盗み聞きしていた事に気付いていなかったようだ

 

太一

「ボーデヴィッヒがお前に詰め寄った辺りからだ。」

 

千冬

「割と最初からだな…って!それより私の指導に問題があるとはどういう事だ!?」

 

太一

「そのままの意味だ。そうでなければお前以外をあそこまで見下すとは思えないが?」

 

千冬

「うっ!」

 

太一

「お前がどんな指導をしたのかは知らないが、あのままだとアイツは孤立して行く一方だぞ?」

 

千冬

「ううっ!」

 

太一

「それにお前、アイツに力の使い方を正しく教えたのか?」

 

千冬

「…い、一応は…」

 

太一

「教えていたなら何故あんな風になったんだ?俺の見た所、ボーデヴィッヒは力=強さと考えているみたいだが?」

 

千冬

「そ、それは…」

 

太一

「はぁ~…俺が入学初日に言った事を覚えてるか?力を正しく使う為には心構えが大事だと言っただろ?」

 

 視線を逸らし口籠る千冬を見て太一は深い溜息を吐いきながら話し始めた

 

千冬

「ううっ…」

 

太一

「力はただ使うだけでは暴力と同じだ。そこに正しい心を組み入れる事で本当の強さになる。今のボーデヴィッヒにはその心が無い。俺から見てアイツは力以外を信じない愚者に成り果てている。あれではいずれ力に飲み込まれて自滅するぞ?」

 

千冬

「…すみません…」

 

太一

「俺に謝っても意味は無いだろ?」

 

千冬

「…はい…」

 

太一

「それにお前、何かアイツに変な事を言ったんじゃないのか?アイツはお前を心酔しているがいくら何でも度が過ぎるぞ?さっきアイツが俺や一夏に喧嘩を売って来たのもお前の汚点を消す為だろうからな。」

 

千冬

「アイツそんな事をしたのか!?」

 

太一

「ああ、今回は事なきを得たが…あの様子じゃまた来るだろうな。」

 

千冬

「本当にすみません!」

 

太一

「…俺の方はいい。だが一夏に対してはお前の方で何とかしろ。一夏と篠ノ之だけでも面倒なのにボーデヴィッヒまで相手にしたらいくら俺でも身がもたんぞ?」

 

 流石の太一も一夏や箒並みに身勝手なラウラの行動には関わり合いにはなりたくなかった

 

千冬

「はい!私が撒いた種ですからアイツは私が何とかします!」

 

太一

「そうしてくれると助かる………それで何か心当たりはないか?」

 

千冬

「心当たりと言われても…私が訓練以外でアイツにした事と言えば………一夏やマドカの話を軽くしたくらいですが…」

 

太一

「一夏とマドカの話?………それが原因じゃないのか?」

 

千冬

「え?いやいや、ただ家族の話をしたぐらいであんな馬鹿な行動をする訳無いでしょう?もしそうだとしたらアイツは筋金入りの大馬鹿ですよ?」

 

太一

「…だといいがな…」

 

 千冬は太一の言う事を否定した

 だが太一は自分の予想が的外れとはどうしても思えなかった

 その予想は見事に的中した

 実際の所、ラウラは千冬の言う大馬鹿だったと後になって千冬は思い知る事になるのだった

 

千冬

「…あの…ところで八神さん…一つ聞きたい事が…」

 

太一

「ん?」

 

 千冬はいつの間にか太一に対してさん付けの敬語になっていた

 

千冬

「その…八神さんは心の強さと言うのをどうやって学んだんですか…」

 

 太一が心の強さをどうやって学んだのか聞いて来た

 

太一

「ん?それか…まあ俺の場合は【デジタルワールド】で旅をした時に学んだんだ。それが必要になった時もあったしな…」

 

千冬

「やはり子供の頃の旅で…」

 

太一

「尤も最初は間違えたけどな…」

 

千冬

「間違えたとは?」

 

太一

「以前お前に【リヴァイアモン】に挑もうとした一夏は勇気と無謀の区別が付いていないって言っただろ?アレと同じ事をした上に力の意味を理解せず、ボーデヴィッヒみたいに仲間達を見下しちまったんだよ。」

 

千冬

「な!貴方がそんな事を!?」

 

太一

「ああ、そのせいでアグモンを間違った進化をさせちまった…」

 

千冬

「間違った進化?」

 

太一

「アグモンの本来の完全体は【メタルグレイモン】だ。だが俺が間違えたせいでアンデット型デジモン【スカルグレイモン】に進化してしまった。」

 

千冬

「【スカル…グレイモン】!?」

 

太一

「【スカルグレイモン】は骨とコアのみの体に破壊本能しかないデジモンだ。進化した【スカルグレイモン】はエネルギーが尽きるまで周りを破壊し続け暴れまわっていた。」

 

千冬

「………」

 

太一

「その後は色々とあって本当の心の強さって奴を学んだ俺はアグモンを【メタルグレイモン】に進化させる事が出来たんだ。」

 

 太一の話を聞いて千冬は遂に言葉を失った

 自分に対して全くひるまず説教をする太一が一夏やラウラと同じような過ちを犯していた事に驚いた

 だが太一はそこから間違いを正し本当の強さと言うものを手に出来ていたのだ

 

太一

「尤もその後も俺は色々と悩んだり疑問を持ったりしてな…その度に自分なりの答えを出してきたんだ。」

 

千冬

「…それが…貴方の強さの元になったんですね…」

 

太一

「そんな大層な物じゃない。確かに最初は大変だったがその後はずっと自問自答を繰り返してきただけだからな。俺がやっていたのはそんな簡単な事だ。」

 

千冬

「………簡単…ですか…」

 

太一

「ああ、簡単だろ?最初に自覚さえ出来れば後はどうとでもなるからな。」

 

千冬

「………」

 

太一

「まあ、お前にも思う所はあるだろ。お前が今後どうするかは自分で決めるしかないんだからな。俺の今言った事は参考程度に覚えておけばいい。」

 

千冬

「!?…はい…」

 

太一

「俺はそろそろ部屋に戻る。…それから、俺が言っても説得力が無いかもしれないが余り思い詰めるなよ?」

 

 太一は最後にそう言うと寮に戻って行った

 一人残った千冬は…

 

千冬

「…簡単か…ハッ…ハハッ…何度も悩んで考えて答えを出してきた、か………そうだな…確かに簡単だ………なのに…何で…私は…そんな簡単な事にすら…気付かなかったんだ…改めようとしなかったんだ………何故…あんな事をしてしまったんだ…今までのうのうと生きて来たんだ…」

 

 千冬は太一がいなくなると予想通り思い詰めてしまった

 太一の話を聞いて今迄の自分の過ちとそれに向き合おうとしなかった自分を悔いていた

 11歳で自分の過ちをすぐに認め、改め、真っ直ぐに生きて来た太一と当時の太一よりも年上だったにも拘らず【白騎士事件】を起こし、道を踏み外した事にすら気付かずに生きて来た千冬

 その余りにも違い過ぎる生き様に千冬は打ちひしがれていた

 だからこそ太一の言葉が…特に『簡単』と言う言葉が心に突き刺さっていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そしてその日の夜…

 一夏とシャルルの部屋では…

 

一夏

「シャルル、ボディソープ切れてただろ?」

 

シャルル

「あ…」

 

一夏

「………へ?」

 

 一夏はシャワーを浴びていたシャルルの裸を見てその正体を知ってしまった

 その後、シャルルは先日太一達の時と同じように自分の事情を話した

 そして、太一に言われた事も話してしまった

 それを聞いた一夏は…

 

一夏

「太一の野郎おおおぉぉぉっ!!!」

 

 シャルルの話を聞いても同情すらしようとしない太一に怒りを燃やしていた

 

シャルル

「…一夏…」

 

一夏

「大丈夫だシャルル!!俺は太一とは違う!!お前の力になってやるから安心しろ!!」

 

シャルル

「う、うん…(八神君の言う通り本当に同情してくれた…)」

 

 シャルルは太一の言った通りの事をしている一夏に驚いていた

 




 <予告>

 シャルルの事情を互いに知った太一と一夏

 だが、シャルルに対して何もしようとしない太一に一夏は怒りのままに詰め寄って来た

 それに対して太一は自分では何もしようとしないシャルルに手を貸す気は無いと答えた

 そんな中アリーナではマドカ達3人の前にラウラが現れるのだった



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 相反する思い

 今、冒険が進化する!


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