コロモン登場による騒動の中、その日の夜、理事長室には理事長の轡木と太一、千冬、束、オータム、真耶の6人が集まっていた
集められた5人は今朝の説明会の最中に太一が気付いた疑問を聞かされた
千冬
「この学園に【七大魔王】を引き付ける何か、か…」
オータム
「言われてみりゃその通りだな?」
真耶
「で、でも、それは単なる偶然なんじゃ…」
轡木
「いえ、偶然にしては出来過ぎています。すでに7体の魔王のうち4体がこの学園に集まっています。八神さんの言う通りこの学園に奴等を引き付ける何かがあると考えた方が自然でしょう。」
束
「そうだね~…一人目のセシリアちゃんは初めからココに入学してたけどあの子はイギリス人だし、後から来た3人も中国、フランス、ドイツとIS学園のある日本とは違う国の人間だよ。それもこの3人は入学の後に立て続けにこの学園にやって来てる…こんなに都合よく魔王の宿主が集まるなんて確かにおかしいよ…」
真耶以外の4人は太一のこの疑問に同意した
そして真耶もああは言ったが本心では完全に否定出来ずにいた
太一
「それで何か心当たりはないか?」
オータム
「俺はねえな…」
真耶
「私もです…」
千冬
「私もだな…」
束
「束さんもだよ…」
轡木
「見当もつきません…」
5人には心当たりがなかった
太一
「そうか…」
真耶
「そ、それに残りの3体もこの学園に来ると決まった訳じゃ無いですし…」
太一
「…その事だが…今言ったIS学園に【七大魔王】が集まるのだとしたら5体目の宿主に心当たりがある…」
オータム
「何!?」
千冬
「誰だ!!」
太一
「それは………」
太一は5体目の魔王を宿すと考えていた人物の名前を口にした
それを聞いて…
束
「そ、そんな筈無いよ!!あの子が…あの…大罪なんて…」
束が否定してきた
だが…
オータム
「そうか?俺はピッタリだと思うけどな?」
束
「オーちゃん!?」
千冬
「そうだな…この学園の人間限定で言えば確かにアイツ以上の人間はいないな…」
束
「ちーちゃんまで!?」
否定する束に対し、オータムと千冬は太一の予想を否定しなかった
むしろその人物のこれまでの行動からそれ以外の人物が思い当たらなかった
束
「で、でも…でも…」
千冬
「束…お前の否定したい気持ちも分かるがお前自身も本当は気付いていたんじゃないのか?アイツも魔王の宿主だと?」
束
「!?…それは…」
千冬のその言葉を束は否定出来なかった
それは束自身も本心ではその魔王に選ばれたのはその人物しか思い当たらなかったのだ
太一
「もしアイツに宿っているのが奴だとしたら戦いは今まで以上に過酷なものになる。今迄の事から考えても戦いの場はこの学園になるだろう。そうなった時は俺とコロモンは奴を今までと同じように引き離すから生徒達の避難はお前達に任せる。デジモンの事を知らせた今なら今迄よりはスムーズにいくだろう。」
千冬
「分かった!」
太一
「それとあの馬鹿も止めておいてくれ。デジモンの存在を教えてもアイツの事だから絡んでくるのが目に見えている。」
千冬
「………はい…」
馬鹿とは言わずと知れた一夏である…
太一
「それから束、前から頼まれていた護衛の件だが…」
束
「あ、うん…」
太一
「アレは俺でも無理だ。」
太一は束から頼まれていた一夏の護衛にサジを投げてしまった
それを聞いた束は…
束
「…やっぱり無理?」
怒るどころかアッサリ受け入れてしまった
実は束もスコール同様オータムの愚痴を聞かされており、これでは太一でも無理だろうとすでに諦めていたのだ
太一
「ああ、人の話は聞かないし、自分勝手に動いてばかりだ…何より酷いのは現実を見ようとしないあの視野の狭さと自己中心的な思考だ…アイツは自分の考えこそが全て正しいと思い込んでいる…あれではこっちが何を言っても耳を貸さん…」
千冬
「………」
太一が匙を投げた理由に千冬は何も言えなかった
千冬自身も最近の一夏はそのように見えていたからだった
オータム
「だろうな…アイツは実際に痛い目に合わねえと理解しねえんじゃねえか?正直、それでも理解するか怪しいくらいだぞ?」
千冬
「………スマン…」
そんな千冬にはそれしか言えなかった
その時…
真耶
「…あの先輩…もしかしたら織斑君にも…その、【七大魔王】が…」
千冬
「!?」
真耶が一夏にも【七大魔王】が宿っているのかもしれないと言って来た
真耶の言葉に目を見開く千冬だが…
太一
「…それは無いと思うぞ?」
千冬
「え?」
太一が否定してきた
轡木
「何故ですか?織斑先生には失礼ですが私も彼なら条件を満たしていると思うのですが?」
太一
「確かに山田の言う通り一夏なら魔王の依り代としては申し分ないと思う。だがアイツに憑りつきそうな魔王は既に俺が倒している。残り3体の中でも一番可能性が高いのはアイツと同じ魔王だ。一夏とアイツを比べるならやはりアイツの方が上だと思う。」
オータム
「…そうだな…」
轡木
「成程…言われてみればそうですね…」
真耶
「すみませんでした先輩…勝手な事を言って…」
太一の話に納得した真耶はさっきの台詞を取り消し謝った
千冬
「いや、お前の言いたい事も分かる…最近のアイツを見ればそう言いたくもなるさ…」
最初は真耶の言った事に驚いた千冬だが、一夏の事を考えればそれも仕方ないと思い怒る事はしなかった
それは束も同じだったようで何も言う気は無かった
そんな中…
太一
(…さっきはああ言ったが確かに一夏は怪しいんだよな…少し気にかけておくか…)
真耶の言葉を否定しながらも内心では完全に否定出来ずにいた
太一
「まあ、そう言う訳で避難の方はこれからも頼む。それから最初に言ったIS学園と魔王の関係、何か気付いたら教えてくれ。」
全員
「はい(オウ)!!」
太一がそう締めくくるとこの日の話し合いはお開きとなった
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尚、束は数日の間はマドカ達の【Dシリーズ】とラウラ、シャルロットのISの調査を行う為、学園に滞在する事にして研究室の一つを貸してもらう事になった
束の滞在は学園の全員が一応は知っているのだが、束のいる研究室への出入りは厳しく制限されており、入れるのは太一とコロモン、千冬とオータムの4人だけとなっていた
そんな状況に…
箒
「何故私が会っては駄目なんだ!!私は実の妹だぞ!!」
箒は一夏と一緒に自分達は束の妹と知り合いだから会わせろと千冬達に喰ってかかったのだが会うだけの理由が無ければ駄目だと言われていた
千冬達が理由を聞いても二人は口籠んで言おうとしないのでそのまま追い返されるだけだった
但し、束から会いに来た場合は構わないと言われたので二人はそれを待つ事にしたのだったが肝心の束は研究に夢中なのでその可能性は低いのだがこの二人がそれを知ることは無かった
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更に太一の周囲でも変化が起きていた
ラウラとシャルロットまでが太一といる様になってしまった
ラウラは前回の一件で分かったのだがシャルロットの方はと言うと…
シャルロット
「八神君のお陰で僕もお父さんも救われたよ!本当にありがとう!!」
実は父親であるデュノア社長からの電話の後、部屋を出たシャルロットはもう一度父に電話し、会社で何があったのかを父から聞きだしていたのだ
そして父から会社を立て直す為の方法と元本妻達を検挙する為の資料を用意してくれたのが太一だったと聞かされたのだ
それを聞いたシャルロットは驚いていた
その後、束の公表の翌日、シャルロットは太一を呼び出し、会社を救ってくれた事の礼を言ったのだが肝心の太一は…
太一
「勘違いするな。俺はお前を助けたつもりは無い。偶々俺が目を付けた会社がお前の父の経営する会社だっただけだ。礼を言う必要は無い。この世界を立て直す為にあの会社を利用しているだけだ。」
お礼を言われる事はしていないと言うだけだった
シャルロット
「そうだとしても僕達は救われたんだ!本当に…ありがとう!!」
それでもシャルロットは太一に感謝をしていた
太一
「ならその礼で十分だ。それから言っておくが俺がお前の会社に手を貸すのはココまでだ。後はお前達次第だ。今迄の様に諦めて助けを求めても誰も手を貸す事は無いぞ!いいな!!」
シャルロット
「は、はい!!!」
シャルロットのお礼を受け取ると力を貸すのはこれが最初で最後だと言って太一はシャルロットに釘を刺しておいた
今迄の事を考えると何か問題が起きれば自分を頼ってくるかもしれないと太一は思った事からのものだった
【ベルフェモン】から解放された事で怠け癖が無くなったシャルロットもそれを理解したので力強く頷いた
その一方で…
一夏
「…そうか…アイツの仕業だったのか!!」
その光景を偶然一夏が見てしまっていた
そしてシャルロットの言葉から先日のデュノア社長の言っていた立役者が太一だと知り、怒りを露わにしていた
一夏から見てこの太一の行動は偉そうな事を言ってシャルロットを突き放しておいて救いの手を差し伸べたように見えていた
しかし、実際は一夏の想像と違い太一は本当にシャルロットを救う気が無かった
太一の言う通り偶然目に止まったのがデュノア社だったと言うだけだったのだ
だが、そんな事を知る由も無い一夏は…
一夏
「何が動くつもりが無いだ!!手を貸す気は無いだ!!偉そうな事を言ってカッコつけたかっただけじゃねえか!!」
太一と違いシャルロットにもデュノア社長からも軽蔑された自分とのあまりの違い過ぎる態度に【嫉妬】もしくは逆恨みに近い【怒り】を持っていた
一方、太一は…
太一
(はぁ…知られてしまったか…また面倒な事が起きそうだな…)
一夏が覗き見している事に太一は気付いており、今迄の一夏の行動から自分に絡んでくるだろうと予想し内心溜息を吐くのだった
そしてそれはその通りとなり新たな騒ぎの要因となるのだった…
<予告>
2体の七大魔王との戦いから始まった騒動も漸く落ち着いた
だが、一息つく太一に一夏は勝負を挑んできた
今迄の戦いで邪魔者扱いされてきた一夏は自分の力を太一や千冬達に知らしめようとしたのだ
未だに自分の力、相手との力の差を理解しようとしない一夏に太一は仕方無く相手をする事にしたのだった
次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》
決闘!太一VS一夏
今、冒険が進化する!