ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第058話:メタルグレイモンの遊覧飛行

太一

「………」

 

アグモン

「………釣れないね~…」

 

太一

「そうだな~…」

 

 釣りを始めてから二人は未だに一匹も釣れずにいた

 

アグモン

「お腹すいたな~…」

 

太一

「釣れたらそれがご飯になるんだがな~…仕方がない…少し早いが昼飯にするか?」

 

アグモン

「うん♪」

 

 魚が釣れればそれがそのままアグモンのご飯になるのだが、全く釣れないので二人は持参した昼飯を食べる事にした

 

太一

「さ~て…続きをするかな…」

 

アグモン

「今度こそ釣るぞ~!」

 

 食べ終わると二人は釣りを再開したのだが…

 

太一&アグモン

「…釣れないな~…」

 

 相変わらず釣れなかった… 

 

太一

「はぁ~………アグモン…釣れそうも無いし、退屈なら向こうに行くか?」

 

 太一は全く釣れないのでアグモンに退屈なら海水浴場に移動しようかと提案した

 だが…

 

アグモン

「僕は太一といるだけで十分楽しいよ♪」

 

太一

「フフッ、そうか…俺もアグモンといる時が一番好きだよ♪」

 

アグモン

「そっか~…フフフッ♪」

 

太一

「ハハハッ♪」

 

 やはりこの二人にとってお互いが一番大事であり、一緒にいるのが一番落ち着くのだった

 それから全く当たりの無い釣り糸を垂らしていると…

 

太一

「………どうしたマドカ?」

 

 太一は振り向く事も無く現れた人物の名前を呼んだ

 

マドカ

「…ちょっと、な…」

 

 そこにいたのは太一の言う通りマドカだった

 マドカは白のワンピースの水着を着ていた

 

アグモン

「どうしたの?折角の海なんだから皆と楽しんだら?」

 

マドカ

「その台詞…そのままお前達に返すぞ?」

 

太一

「ハハハッ…違いない。だが俺達はこれでいいんだよ。」

 

マドカ

「そうか…」

 

 そう言ってマドカは太一の隣に腰かけた

 

太一

「それで?」

 

マドカ

「え?」

 

太一

「何か相談があるんだろ?話くらいなら聞いてやる。」

 

マドカ

「…分かるのか?」

 

太一

「仮とは言えお前の兄だ。そのくらいは分かる。」

 

マドカ

「…そっか…」

 

 自分の気持ちを分かって話を振ってくれた太一にマドカは笑みを浮かべた

 

太一

「やはり一夏の事か?」

 

マドカ

「…それも分かるんだな…」

 

太一

「最近のアイツを見るとな…」

 

マドカ

「………」

 

 マドカの悩みとは一夏の事だった

 太一の言う通り最近の一夏の度重なる愚行にはマドカでなくとも頭を悩ませるには十分だった

 

太一

「…やはり原因は俺なんだろうな…」

 

マドカ

「え?」

 

太一

「俺と言うイレギュラーがこの世界に現れたせいで何かが狂ってしまったのかもな…」

 

マドカ

「なっ!?」

 

 太一は一夏の愚行の原因が自分だと考えていた

 自分が来たせいでこうなってしまったのではないのかと思っていたのだ

 これが一夏なら自分が悪いとは微塵も思わなかっただろう

 

太一

「説教したのが悪かったのか…それとも《ガルルキャノン》で撃ち落としたのが拙かったのか…だが、あの時はあれが最善だと思ったしな…」

 

 すると太一は一夏がおかしくなりだしたのが何時か考え始めた

 だが…

 

マドカ

「兄さんだけのせいじゃない!!!」

 

太一&アグモン

「!?」

 

 マドカが太一一人の責任ではないと叫んだ

 

マドカ

「確かに太一兄さんが原因だ!それは否定出来ない!でもあくまで原因の一つだ!!それに太一兄さんがこの世界に来る前から一夏兄さんは人として間違った事をしてきたんだ!!アレは一夏兄さん自身にも問題がある!!太一兄さんが全ての責任を取る必要は無いんだ!!!」

 

太一&アグモン

「………」

 

マドカ

「あ!ス、スマナイ…」

 

太一

「いや、そう言ってくれて嬉しいよ。」

 

マドカ

「………」

 

太一

「この際だ…言いたい事があるなら全部言うといい。溜め込みすぎるのは体に良くないぞ。」

 

マドカ

「………うん…」

 

 その後、マドカは今まで言えずにいた愚痴を吐き出すように話しだした

 そんなマドカの愚痴を太一もアグモンも黙って聞いてあげていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 それから暫くして溜め込んでいたものを全て吐き出したマドカはスッキリしたのか晴れやかな表情になっていた

 

太一

「スッキリしたか?」

 

マドカ

「うん!」

 

太一

「なら次は気分転換でもするか?」

 

マドカ

「え?」

 

太一

「ISを使わずに空を飛んでみないか?」

 

マドカ

「ISを使わず?」

 

 太一の突然の提案にマドカは首を傾げた

 だがすぐにその方法に気付きアグモンを見た

 

マドカ

「まさか!?」

 

 そして太一へと視線を戻すと太一はニヤリと口角をあげた

 

太一

「そのまさかだ。どうする?嫌ならやめるが?」

 

マドカ

「いや!!頼むよ兄さん♪アグモン♪」

 

 笑顔で頼んできたマドカに太一とアグモンは頷いた

 そして【デジヴァイス】を取り出すとアグモンに向けた

 

 [BGM:brave heart]

 

太一

「行くぞアグモン!進化だ!!」

 

 そして【デジヴァイス】が輝きだすと…

 

アグモン

「アグモン進化ぁぁぁっ!!グレイモン!!!

 

 グレイモンへと進化した

 そのまま【デジヴァイス】が再び輝くと…

 

グレイモン

「グレイモン超進化ぁぁぁっ!!メタルグレイモン!!!

 

 スカルグレイモンとは違うアグモンの本来の完全体…メタルグレイモンへと超進化した

 

マドカ

「コレが…本物のメタルグレイモン…」

 

 メタルグレイモンの姿にマドカは驚愕していた

 

メタルグレイモン

「さ、乗って。」

 

 そう言ってメタルグレイモンは左腕の《トライデントアーム》を地面に突き刺した

 マドカは頷くと太一と一緒に《トライデントアーム》を伝って肩の所まで登って行った

 二人が乗ると…

 

メタルグレイモン

「しっかり掴まってて!!」

 

マドカ

「わっ!?」

 

 メタルグレイモンが空へと飛び上がった

 ISではなくデジモンに乗って空を飛ぶ

 その初めての経験にマドカは感動していた

 その後、メタルグレイモンは周囲を旋回しながら飛んでいたのだが…太一達はある事を失念していた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ザワザワ…

 

 学園の生徒たちが遊んでいた海水浴場ではパニックが起きていた

 その理由は勿論…

 

シャルロット

「な、何アレ!?まさかデジモン!?」

 

セシリア

「アレは…メタルグレイモンさん!?」

 

 空を飛んでいるメタルグレイモンだった

 太一とアグモンのいた岩場は海水浴場から離れてはいたのだが太一がアグモンをグレイモン、メタルグレイモンへと進化させた光景はココからでも見えていたのだ

 

シャルロット

「メタルグレイモン!?やっぱりアレはデジモン!!」

 

ラウラ

「それなら早く太一に連絡を…」

 

「必要無いわ。メタルグレイモンはアグモンが進化したデジモンよ。」

 

ラウラ

「アレがアグモンだと!?どう言う事だ!!」

 

セシリア

「そのままの意味ですわ。あの姿はアグモンさんの完全体、メタルグレイモンと言います。」

 

シャルロット

「『完全体』?何なのそれ!?」

 

 『完全体』と言う単語にシャルロットやラウラは首を傾げた

 それは今のセシリアの説明を聞いた他の生徒達も同様だった

 実はデジモンについて束から公表された時、デジモンの生態については説明されなかった

 そしてそれは事前に千冬から説明されたシャルロットとラウラも同じであり、デジモンの進化について知っているのは太一から直接説明されたセシリアと鈴、後は教師の千冬と真耶のみだった

 

「え?あんた達千冬さんから説明されなかったの?」

 

シャルロット

「完全体なんて言葉は聞いてないけど…」

 

千冬

「そう言えばデジモンの生態については何も教えていなかったな…」

 

セシリア

「それなら知らなくて当然ですわね。」

 

「ってそんな事よりメタルグレイモンよ!太一の奴何考えてんのよ!!メタルグレイモンに進化させて何する気よ!!」

 

 鈴の言う通り事情を知らない彼女達からすれば太一の行動は全く分からないのだが…

 

ラウラ

「………ただ飛んでいるだけの様に見えるが…」

 

シャルロット

「そんなまさか…」

 

 実はラウラの言う通りだったりする

 

セシリア

「あら?」

 

ラウラ

「どうした?」

 

セシリア

「いえ、メタルグレイモンさんの肩に人影が見えた気が…」

 

シャルロット

「太一じゃ無いの?」

 

セシリア

「そうなんでしょうけど2人見えた気がして…」

 

「2人?太一の他にメタルグレイモンに乗ってる奴がいるって言うの?」

 

 セシリアが見たと言うもう一人の人影とはマドカの事である

 そのまま海水浴場はパニック状態となっていたが上空のメタルグレイモンはそんな事に全く気付かずゆっくりと飛んでいたのだった

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

太一

「…そろそろ降りるか?」

 

 一頻り飛んでいると太一がそう言って来た

 

マドカ

「…もうか?」

 

太一

「…いや、下がかなりヤバい事になっているみたいでな…」

 

マドカ

「え?」

 

 マドカはすぐに下を見た

 するとさっきまで自分がいた海水浴場で遊んでいた生徒達が上、と言うより自分達を見上げていた

 太一は途中から下がパニックになっている事に気付いていたが、マドカの気分転換の為、今まで黙っていたのだ

 

マドカ

「あ…」

 

太一

「分かってくれたか?」

 

マドカ

「…はい…」

 

 地上の状況を見てマドカも察した

 

太一

「悪いな…メタルグレイモン、あそこに降りてくれ。」

 

メタルグレイモン

「分かった。」

 

 太一はメタルグレイモンに自分達が釣りをしていた岩場では無く海水浴場に降りるように指示を出し地上に降下して行った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ズシィィィンッ!!

 

 メタルグレイモンが地上に降りて来るとその効果地点付近にいた生徒達は一目散に離れて行った

 そして誰もいなくなるのを確認するとメタルグレイモンは地上に降りて来た

 メタルグレイモンは乗せる時と同じように《トライデントアーム》を砂浜に突き刺すと太一とマドカが下りて来た

 2人の姿を見て…

 

千冬&一夏

「マ、マドカ!?」

 

 真っ先に反応したのがマドカの姉弟の千冬と一夏だった

 

マドカ

「ヨッ♪」

 

 驚く二人を尻目にマドカは陽気に手を挙げて返事をするのだった

 

「メタルグレイモンに乗ってたのってあんただったの!?」

 

マドカ

「そうだ。」

 

 すると鈴やセシリア達が詰め寄って来た

 

セシリア

「何故そんな事してたんですか!!」

 

マドカ

「今迄太一兄さんに愚痴を聞いて貰っていてな…そしたら兄さんが気分転換にメタルグレイモンに乗せてくれたんだ。」

 

「何よそれ~~~!いいな~~~!!」

 

 事情を聞き終わると鈴が羨ましがりだした

 

太一

「じゃあマドカ、俺達は元の場所に戻る。後は皆と遊んでろ。」

 

マドカ

「うん♪ありがとう兄さん♪」

 

 だが、そんな状況に太一は一切気にせずメタルグレイモンに再び乗ろうとしたのだが…

 

セシリア&鈴&シャルロット&ラウラ

「待って(下さい)(くれ)!!!」

 

太一

「な、何だ!?」

 

 セシリア達が太一の腕を掴んで止めた

 

セシリア&鈴&シャルロット&ラウラ

「私も乗せて下さい!!!」

 

 …と言って来た

 

太一&メタルグレイモン

「は?」

 

セシリア

「マドカさんだけズルいです!わたくしもメタルグレイモンさんに乗って空を飛びたいですわ!」

 

 セシリアの言葉に鈴達も頷いた

 要するにメタルグレイモンに乗って遊覧飛行をしていたマドカが羨ましかったので自分もやりたいと言い出したのだ

 

太一

「いや、俺達は戻って釣りの続きをしたいんだが…」

 

マドカ

「1匹も釣れないのにか?」

 

太一&メタルグレイモン

「ぐっ!?」

 

 釣りを再開しようとした二人にマドカが現在の釣果を暴露してきた

 釣りを始めて結構な時間が経つが二人は1匹も釣れていなかったのだ

 

「釣れない釣りをするぐらいなら私達をメタルグレイモンの空中散歩に連れてってよ!!」

 

セシリア

「それともマドカさんは良くてわたくし達は駄目なのですか!!」

 

太一

「いや、マドカは気分転換の為に乗せただけで…」

 

シャルロット

「だったら僕達もビーチボールとかには飽きて来たから気分転換したいよ!!」

 

太一

「これ以上メタルグレイモンで飛ぶのは…」

 

ラウラ

「アレだけ派手に飛び回っておいて今更何言ってるんだ!!」

 

太一

「うぐっ…」

 

 何とかメタルグレイモンによる遊覧飛行を回避しようとする太一だが、言い訳は全てセシリア達によって論破させられていきドンドン追い詰められていった

 その為、追い詰められた太一は…

 

太一

「…仕方無い………逃げるぞメタルグレイモン!!」

 

 メタルグレイモンと逃げ出そうとした

 だが…

 

全員

「逃がすかあああぁぁぁっ!!!」

 

太一

「ぬおぉぉぉっ!!」

 

メタルグレイモン

「た、太一!!!」

 

 逃げようとした太一にセシリア達が飛び掛かって上からのし掛かった

 しかも飛び掛かったのはセシリア達4人だけでなく全員で10人近い数が飛び掛かっていた

 その中にはキツネの着ぐるみを着た本音もいた

 

太一

「お、重いぃぃぃっ!!」

 

「女の子に向かって重いとは何よ!!」

 

全員(鈴以外)

「そうだそうだ!!」

 

太一

「こ、この状況なら誰だって言うぞ…」

 

 太一は見事に押し潰されていた

 メタルグレイモンは助けようとしたのだが、手がデカ過ぎる上に力も強すぎるので彼女達を掴んで持ち上げる訳にもいかなかった

 更に全員が水着の為、傷つける可能性もあった

 なのでメタルグレイモンは何も出来ずに手をこまねいていた

 そして潰された太一は…

 

太一

「わ、分かった…分かったから退いてくれ~~~…」

 

 下敷きにされた事で漸く観念した

 すると全員が退いた

 

太一

「はぁ~はぁ~…」

 

「………あのさ太一…ちょっと聞くけど…あんた私達が上に乗ってどう思った?」

 

太一

「どうって…今言っただろ?重いって…」

 

セシリア

「…それだけですか?」

 

太一

「他に何があるんだ?」

 

セシリア&鈴&シャルロット&ラウラ

「………」

 

 水着姿の自分達が上に乗ったと言うのに太一は全く反応していなかった

 これが一夏でもここまでされれば反応していた

 だが太一は無反応…それはつまり先程千冬が言っていた様に、太一は性欲の類が無いと言う事が当たっていると全員が考えた

 

太一

「?」

 

 一方、セシリア達の質問の意味が分からない太一だったが…

 

太一

「…もしかして…水着のお前達にのしかかられた俺が反応しない事を気にしてるのか?」

 

セシリア&鈴&シャルロット&ラウラ

「!?」

 

太一

「…もしそうなら悪い…どうも俺はそう言う反応が出来ないみたいでな…スマン…」

 

 途中でその理由に気付いた

 だが、太一はやはり千冬の言う通りの状態だった

 更に言えば歳の差の事もあって太一には彼女達が孫の様に見えていた

 その為、太一には勢いとは言え色仕掛けに近い事をしてきた彼女達に謝る事しか出来なかった

 

セシリア

「い、いえ、太一様が謝る必要はありません…」

 

太一

「スマンな………それでメタルグレイモンに乗りたいという事だが…」

 

 太一はもう一度謝ると話を本来の物に戻した

 

太一

「…先に言っておくがメタルグレイモンが了承しなかったら諦めろよ?」

 

 太一がそう言うと全員が頷いた

 メタルグレイモンに嫌がられてまで乗りたいとは誰も考えなかった

 

太一

「どうする?」

 

メタルグレイモン

「…まあいいけど…何人が乗りたいの?」

 

太一

「そうだな…なら…メタルグレイモンに乗りたい奴は挙手!!」

 

生徒達

「はい!!!」

 

 するとセシリア達を含めた太一に飛び掛かった生徒達の他にもかなりの数の生徒が手を挙げていた

 数は約30人に上っていた

 しかも…

 

太一

「何で教師のアンタまで手を挙げてるんだ…」

 

真耶

「だ、駄目ですか~…」

 

 教師の真耶まで手を挙げていた

 更に隣にいる千冬も手を挙げようとしていたのか途中で止まっていた

 

千冬

「………」///

 

 勿論太一はそれに気付いていたが千冬の体裁の為、見なかった振りをした

 

太一

「まあいいか…さて、大体30人ってところか…そうだな…乗れても一度に5人が精々だろうな…それ以上乗ると落ちかねんな…」

 

メタルグレイモン

「そうだね、僕もそのくらいが限界だと思うよ。」

 

 2人はそう結論付けると…

 

太一

「なら乗りたい奴は一列に並べ!」

 

全員

「は~~~い!」

 

 太一はメタルグレイモンに乗りたい生徒達を一列に並ばせたのだが…

 

太一

「…なんか増えてないか…」

 

 数が10人くらい増えていた

 

太一&メタルグレイモン

「はぁ…」

 

 その後、太一は並んだ生徒達を順番ずつにメタルグレイモンに乗せて飛んでいた

 太一は大丈夫だとは思うが上空で乗せた生徒がメタルグレイモンに何かするかもと考え、飛ぶ度に一緒に乗っていた

 そして地上ではメタルグレイモンで飛ぶ生徒達を列に並ばなかった生徒達が羨ましそうな目で見ていた

 彼女達は途中から並ぶなと太一に釘を刺されていたので見上げる事しか出来なかったのだ

 だが、それとは逆に太一とメタルグレイモンを険しい眼で睨んでいる生徒もいたが、誰もその事に気付く事は無かった…

 そして全員を乗せ終わる頃になると…

 

千冬

「…自由時間は終了だ!全員旅館に戻れ!!」

 

 千冬から遊び時間の終わりが告げられた

 生徒達は名残惜しそうに言われた通り旅館に戻って行った

 一方で、漸く遊覧飛行から解放されたメタルグレイモンはアグモンに戻ったのだが…

 

アグモン

「疲れた~…」

 

太一

「お疲れ様…ほら、おぶってやるよ。」

 

アグモン

「ありがと太一♪」

 

 クタクタになっていた

 そんなアグモンを太一はおぶって旅館に戻るのだった

 その途中で…

 

 グ~~~!

 

 アグモンの腹が鳴った

 

アグモン

「お腹すいた~…」

 

太一

「もうすぐ夕食だ。大盛にして貰う様に頼むからそれまで我慢していろ。」

 

アグモン

「は~い…」

 

 そんな会話をしながら二人は戻って行った

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 その後、旅館に戻った一同はまずは入浴時間という事で生徒達は旅館の温泉に入ろうとしたのだが…

 

セシリア

「アグモンさんも一緒に入りましょ♪」

 

 セシリア達がアグモンも一緒に入ろうと言い出した

 だが…

 

アグモン

「僕は太一と入るからいいよ…」

 

 アグモンは拒否した

 基本、デジモンには性別が無いとされているがアグモンはどちらかと言えば男である

 男だからと言ってデジモンのアグモンが人間の生徒達と温泉に入っても問題は無いと言えば無いのだが、その時の生徒達の目が尋常ではなかった

 一緒に入れば何をされるか分かったものでは無かったので、身の危険を感じたアグモンは断ったのだ

 尤もアグモンは太一と温泉には入らず部屋の備え付けの風呂に入っていた

 これは温泉で一夏に絡まれない様にする為だった

 その次は夕食時間となり、大広間に全生徒が集まっていた

 全員が好きな場所に座る中、太一の隣にはアグモンが座っており、二人の周囲にはセシリア、鈴、シャルロット、ラウラが座っており、更に本音はアグモンの隣に座っていた

 その一方で、太一達から離れた席に座っている一夏の隣にはマドカと箒が座っていた

 マドカは昼に太一に愚痴を聞いて貰ったお陰で楽しく食事を取っていた

 だが、箒は一夏と楽しく話すそんなマドカが気に入らないのか不機嫌な顔をしていた

 こうして臨海学校初日は終わりを迎えた…

 




 <予告>

 臨海学校2日目

 ISの装備試験が行われた

 その為、太一を始めとする専用機持ち達が集められたがそこには何故か箒も混じっていた

 そこに新しいDシリーズを持って再び現れる束

 束が持ってきた新型は誰の手に渡るのか?



 次回!!

 ISアドベンチャー 聖騎士伝説

 新たな力!孤狼(フェンリル)翼鳥(ドランザー)!!

 今、冒険が進化する!


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