ISアドベンチャー 聖騎士伝説   作:イナビカリ

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第004話:ロイヤルナイツ

 

 束の突然の提案に対して太一は…

 

太一

「どういう事だ?いきなり協力するなんて?」

 

「そのままの意味だよ!君の言う通り束さんはISを兵器にしてしまった大罪人だよ!欠陥品を出していい気になっていた似非科学者だよ!」

 

太一

「いや…似非科学者何て言ってないけど…」

 

「束さんは現実を知らない世間知らずの我侭女だと言う事がよく分かったんだよ!」

 

太一

「だからそこまで言ってないって…」

 

 自分の事を卑下しまくっている束に困惑していた

 

「まあ、冗談は置いといて!…君に言われて改めて自分がやった事の重さがわかったんだよ…」

 

太一

「………」

 

「君の言う通り私がISを造ったせいでこの世界は腐っていくばかりだよ。このままじゃ、後100年もすればこの世界は滅びちゃうね。」

 

太一

「そうだな。」

 

 太一は束の言葉を否定しなかった

 それは、太一自身もこの世界がそのくらいの時間で滅びると考えていたからだった

 

太一

「それで?その滅びの原因を作った張本人はこれからどうするんだ?俺に協力して何をするつもりだ?」

 

「さっきも言ったでしょ…ISを完成させる!」

 

太一達

「!?」

 

「男女両方が使えて、宇宙に行く為のパワードスーツとして完成させる!…それが終わったら束さんは自首するよ。【白騎士事件】から始まったISによって起きた犠牲者の人達に謝罪する為にね。」

 

クロエ

「束様!?」

 

太一

「そうか…それがアンタの答えと覚悟か。」

 

「そうだよ!…けどその為には【七大魔王】を倒さないといけないんだよ!」

 

太一

「…確かにそうだが…」

 

「という訳でこれから協力するからね♪よろしくね、たっくん、アッくん♪」

 

太一

「たっくん!?」

 

アグモン

「アッくんって僕の事?」

 

「そ~だよ~♪」

 

スコール

「束はね、気に入った相手にはあだ名を付けて呼ぶのよ…」

 

太一

「ちょっと待て!俺は気に入られる様な事はしてないぞ!」

 

「何言ってるの?君は束さんに対してあれだけ言いたい放題言ったんだよ♪そんな人間は君が初めてだからだよ♪」

 

太一

「何でそれで気に入るんだよ!!」

 

「まあまあいいじゃん♪それでさ、束さんはずっと気になってる事があるんだよ。」

 

太一

「ん?」

 

「たっくんってISを持ってるよね?アッくんが出てきた機械がISの待機状態なんだよね?」

 

太一

「…目敏いな…そうだ。【イグドラシル】が用意してくれたものだ。」

 

「【イグドラシル】って…たっくんを生き返らせたデジモン達の世界の神様だよね?」

 

太一

「正確にはホストコンピュータだがな。まあ神とも呼ばれているから間違ってはいないが…」

 

「つまりたっくんの機体は神様が造った物って事だよね!!」

 

太一

「まあ…そうなるな…」

 

「それ見せて!!神様が造ったISがどんなものか知りたいんだよ!!」

 

スコール

「束、落ち着きなさい。」

 

「なに言ってんの皆だって見たいでしょ?神様お手製のISなんだよ!!」

 

オータム

「それは、まあ確かに…」

 

マドカ

「見たくないと言えば嘘になるが…」

 

「でしょ!だから皆もたっくんに頼んでよ!!」

 

 束の熱意に促されたのか、スコール達は顔を見合わせると…

 

スコール達

「お願いします。」

 

 声を揃えて太一にお願いした

 

太一

「…はぁ…分かった…見せればいいんだろ?」

 

 太一も観念して【デジヴァイス】を束に渡した

 

「ワ~~~イ♪ありがとたっくん♪それじゃ~早速調べるね~♪」

 

スコール

「一体どんな機体なのかしらね?」

 

 スコールの言葉に全員が頷いていた…

 

「フ~フッフフ~ン♪…何々…え~っと…名前は【ロイヤルナイツ】って言うんだ…スペックは~っと………え!?…な、にこれ………」

 

クロエ

「どうかなさいましたか」

 

 鼻歌交じりに解析していた束の態度が次第におかしくなっている事に気付いたクロエが訪ねると…

 

「…どうしたもこうしたもないよ…何なのコレ!!!」

 

 束は叫ぶと同時に端末を操作しISのデータを表示した

 だが、表示された機体のデータ数が全部で13機あったのだ

 

スコール

「何この数!?」

 

オータム

「全部で…13だと!?」

 

マドカ

「どういう事だ!?これは1機のISではないのか!?」

 

クロエ

「なんなんですかコレは!?」

 

太一

「…【ロイヤルナイツ】…デジタルワールドを守護する13体の聖騎士型デジモンによって結成された組織の総称だ。」

 

「機体と同じ名前の組織!?でもそれが何なの?」

 

太一

「【イグドラシル】は【七大魔王】に対抗する為、俺に【ロイヤルナイツ】の能力を持つISを与えた。姿・武装・技・能力…本物の【ロイヤルナイツ】と全く同じ機体をな。そして、この機体はその13体を使い分ける事が出来るんだ。」

 

スコール

「だから機体のデータ量がこんなにあるのね!?」

 

オータム

「1機で13通りの姿を持つって事かよ!?」

 

マドカ

「それも全てが全くの別物だ!?」

 

クロエ

「………束様!?…この機体のスペックは…」

 

「うん…この機体の性能は現在のどの機体をも遥かに上回ってるよ…束さんでもこれを超えた機体を造る事なんて出来ない。いや不可能だよ!」

 

オータム

「お前でも造れないのかよ!?」

 

スコール

「待って!この機体は本物の【ロイヤルナイツ】と全く同じって言ったわよね?」

 

「そうだよ…つまりデジモンの力はISを上回るって事だよ…」

 

マドカ

「じゃあ、アグモンも?」

 

アグモン

「う~ん…流石に成長期のこの姿じゃISには敵わないよ。進化すれば別だけどさ。」

 

束達

「進化?」

 

太一

「そう言えばまだデジモンの生態を説明してなかったな。」

 

 太一は束達にデジモンの生態、進化の段階に関して説明した

 

「………じゃあ、アッくんはその成長期って言う段階なんだね?」

 

アグモン

「そうだよ~♪」

 

スコール

「なら【ロイヤルナイツ】達は…」

 

オータム

「普通に考えれば進化の最終段階の究極体だな。」

 

太一

「生憎と究極体は12体だ。残りの1体はアーマー体と呼ばれる別の進化をしたデジモンだ。」

 

マドカ

「アーマー体?」

 

太一

「特定の成長期、成熟期のデジモンの中には【デジメンタル】と呼ばれる道具を使う事で進化出来るデジモンがいる。その進化をアーマー進化と言うんだ。」

 

クロエ

「アーマー進化………もしかして【七大魔王】にもそのアーマー体がいるんですか?」

 

太一

「いやいない。ただ、【傲慢】の魔王は完全体だ。他は究極体だけどな。」

 

マドカ

「1体だけ完全体がいるのか?」

 

太一

「ああ、だがその力は究極体に引けを取らない。完全体だからと言って舐めてかかると返り討ちに会うだろうな。」

 

マドカ

「そ、そうか…」

 

「13体の【ロイヤルナイツ】………【オメガモン】…【アルファモン】…【デュークモン】…【マグナモン】…【アルフォースブイドラモン】…【デュナスモン】…【ロードナイトモン】…【エグザモン】…【クレニアムモン】…【ドゥフトモン】…【スレイプモン】…【ジエスモン】…【ガンクゥモン】………どれも物凄い性能だよ…」

 

スコール

「…これが…【ロイヤルナイツ】…」

 

オータム

「なあ?他にもデジモンの組織みたいなものがあるのか?」

 

太一

「ん?ああ、他には【四聖獣】【四大竜】【三大天使】【十二神将(デーヴァ)】【十闘士】【オリンポス十二神】と言った奴等がいるな。」

 

「どんなデジモン達の組織なの?」

 

太一

「【四聖獣】は【四神】とも呼ばれている日本や中国に伝わる【朱雀】【青龍】【白虎】【玄武】のデジモン達の事だ。【十二神将(デーヴァ)】はその四体に仕える【干支】を模したデジモンだ。」

 

スコール

「【四神】に【干支】…他は?」

 

太一

「【四大竜】は三体の聖竜型デジモンと一体の邪竜型デジモンの総称だ。【三大天使】はその名の通り【熾天使】【智天使】【座天使】の三体の天使型デジモンの事だ。」

 

オータム

「なら【十闘士】ってのは?」

 

太一

「【古代デジタルワールド】に存在していたと言われる10体の究極体の事だ。それぞれが火・氷・風・土・木・光・闇・雷・鋼・水を1つずつ司る最初の究極体デジモン達の事だ。」

 

マドカ

「最初の究極体…そんなのまでいるのか…」

 

クロエ

「では【オリンポス十二神】と言うのは、もしかしてギリシャ神話の?」

 

太一

「そうだ。と言っても俺のいた世界には【四聖獣】しかそう言った奴等はいなかったがな。」

 

マドカ

「そうか…しかしデジモンと言うのは人間の世界の伝承や伝説に出てくる神や生物を模しているんだな。」

 

太一

「そうだな。他にも御伽噺なんかもあるな。」

 

クロエ

「御伽噺ですか?」

 

太一

「【西遊記】だ。【ゴクウモン】【サンゾモン】【チョ・ハッカイモン】【サゴモン】【キンカクモン】【ギンカクモン】【シャカモン】ってのがいる。」

 

「うわ~…まんま【西遊記】だね!?」

 

 それから太一達は【ロイヤルナイツ】の調査を続けていた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 調査も一通り終わると…

 

太一

「さて、どうやって【七大魔王】を探すかだな…」

 

アグモン

「そうだね~…」

 

スコール

「何か手掛かりは無いの?」

 

太一

「生憎と【イグドラシル】からは手掛かりになる様な事は聞いてないんだ。」

 

オータム

「…そうか…」

 

 太一はこの後どうするか悩んでいると…

 

「ねえたっくん。IS学園に入学してみない?」

 

 束がIS学園への入学を進めてきた

 

太一

「IS学園?何だそれ?」

 

クロエ

「その名の通りISを学ぶ為の学園です。そこには世界中から優秀な人材が集まりますし、世界でもトップクラスの情報量があります。」

 

太一

「そこで情報収集しろって事か?だがISの学校って事は女しかいないんだろ?男の俺が入れるものなのか?」

 

オータム

「それなら最近男でISを動かせる人間が一人見つかったんだよ。そいつはIS学園に強制入学する事になってるからそれに便乗してみたらどうだ?」

 

太一

「男の操縦者だと?」

 

スコール

「名前を織斑一夏………ここにいるマドカの双子の兄よ。」

 

太一

「何?」

 

マドカ

「そうだ…私のフルネームは織斑マドカ…織斑一夏とは双子の兄妹だ。」

 

「付け加えるなら今そこには二人の姉のちーちゃんがいるんだよ!」

 

太一

「ちーちゃん?」

 

「織斑千冬…束さんの幼馴染でいっくんとマドちゃんのお姉さんだよ♪」

 

オータム

「更に付け加えるなら織斑千冬は【モンドグロッソ】って言うISの世界大会を剣1本で制した初代優勝者だ。優勝者には【ブリュンヒルデ】って称号が与えられるんだよ。」

 

太一

「【ブリュンヒルデ】か………そこで何をしてるんだ?」

 

マドカ

「私と同じテロリストの癖に教師をしている。自分の尻拭いさえ出来ない駄姉だ!」

 

太一

「駄姉?それにテロリスト?」

 

スコール

「そう言えばまだ言ってなかったわね。私達が所属していた【亡国機業(ファントム・タスク)】は所謂テロ組織なのよ。」

 

太一

「テロ組織!?」

 

スコール

「マドカはちょっと事情があってね。この子の両親は織斑千冬と織斑一夏の二人を捨てて、マドカだけを連れて海外に逃げたのよ。」

 

オータム

「その両親は事故ですでに死んでいる。残されたマドカをスコールが拾って【亡国機業(ファントム・タスク)】に入れたんだよ。」

 

マドカ

「私の事はいい…スコールやオータムには拾ってくれて感謝しているし【亡国機業(ファントム・タスク)】に入った事も後悔はしていない。」

 

太一

「そうか…それでテロリストって言うのは?」

 

マドカ

「あの女が【白騎士】の正体だ!…お前の言う腐った世界を作った張本人の片割れだ。」

 

太一

「そう言う事か………それで、その【白騎士】は今の世界をどう思ってるんだ?」

 

マドカ

「さあな…反省してるのかさえ分からん!」

 

スコール

「まあ、もう一人の片割れは貴方のお陰で反省したみたいだけど…」

 

 スコールの言葉に全員の視線が束に集まった

 

「………すみません………それでどうかなたっくん?行ってみない?」

 

太一

「………本音は?」

 

 太一は束の提案に裏がある事を読んでいた

 

「やっぱり分かっちゃうか………いっくんを…守ってほしいの………あそこはいっくん以外女しかいない…女尊男卑に染まった奴等も沢山いる…そんな奴等から守ってほしいの…」

 

太一

「…そいつは自分の身も守れない奴なのか?」

 

「え?…それは…分かんない…」

 

太一

「そうか…そいつを守るかどうかは実際会ってからだな…」

 

「それじゃあ!?」

 

太一

「ああ、行こう…だがどうやって入るんだ?」

 

「束さんがちーちゃんに推薦状を出しておくよ。二人目が見つかったって知れば簡単に入れてくれるだろうし。」

 

太一

「分かった。それから織斑一夏の護衛だが、そいつを見極めてから決めさせてもらうぞ。」

 

「…ちなみにどんな基準で決めるの?」

 

太一

「自分の身を守れるだけの力があるかだ。弱いなら護衛しながらしごいてやる。」

 

「うん、それでいいよ。」

 

太一

「それから、【七大魔王】が現れた場合はそっちを優先させてもらうからな。もし邪魔するようなら誰であろうと叩き潰す!!織斑一夏やお前の妹であってもだ。」

 

「分かったよ。後、マドちゃんとオーちゃんもIS学園に行ってね♪」

 

マドカ&オータム

「は?」

 

「二人にはたっくんのサポートをお願いするよ。」

 

オータム

「ちょっと待て!?俺は学生って年じゃないぞ!!」

 

「分かってるよ。だから研修生って事で入って貰うんだよ。マドちゃんは普通に学生として入ってね♪」

 

マドカ

「…つまりあの馬鹿姉と会うって事か…」

 

「………そうなるね…マドちゃん…やっぱりちーちゃんを許せないの?」

 

マドカ

「当り前だ!!あの女がお前と一緒にやった事は決して許される事じゃない!!アイツが罪を償うまで私は決して許しはしない!!!」

 

「…そう…」

 

マドカ

「学園に行くのは了承する。だが、一つ条件がある!」

 

「条件?」

 

マドカ

「私を八神太一の妹として入学させろ!」

 

束&太一

「え?」

 

マドカ

「さっき言ったようにアイツが罪を償うまで私はアイツを許さん!その時までアイツと同じ織斑の姓を名乗るつもりは無い!!」

 

「マドちゃん………分かったよ…たっくんもいいかな?」

 

太一

「俺は構わないが…本当にいいのか?」

 

マドカ

「ああ!お前には悪いが八神の姓を貸してくれ!」

 

太一

「…分かった…ならこれからお前は『八神マドカ』だ。いいな?」

 

マドカ

「モチロン!よろしく頼むぞ…『兄さん』!」

 

 こうして太一は入学までの数日間、束達からISに関する知識を叩きこまれる日々を送る事になった

 




 <予告>

 七大魔王の情報を探す為、IS学園に入学する事になった太一

 そこで出会うのは世界最強と呼ばれた女性・織斑千冬

 もう一人の男性操縦者・織斑一夏

 太一の女だらけの学園生活が始まる



 次回!《ISアドベンチャー 聖騎士伝説》

 IS学園

 今、冒険が進化する!


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