転生したら戦闘力5のオッサン以上にモブだった件 作:大岡 ひじき
この先もやっちまいそうなので、この先はあまりお返事できないかと思います。
ご了承ください。
「い…今のは間違いなくフリーザだった…」
「フリーザを……あ、あっという間にバラバラに……」
「あんた達、よくあんなのが見えるわね…。
でも孫くんたらほんとにすごくなったわね〜。
また助かったじゃない!地球」
「悟空じゃないんだ…あいつ。
ス…超サイヤ人らしいんだが……」
皆さんの言葉に、近付いては見たもののブルマさん同様何にも見えていなかったアタシにも、状況ははっきり見えてきました。
どうやらミランクスさん、無事にこちらの時空にいらっしゃったようです!
これで悟空さんが帰ってきて、原作通り例の病気を発症しても、彼の持ってきた薬で助かる事ができます。
何せ今現在、ワクチンは相変わらず不足している上、特効薬の開発も進んでいないんですから。
よし、それさえ確認できれば、アタシはここに用はありません。
ここに来る前、飛ぶなと言ったベジータが最初に飛び出したのを皮切りに、他の戦士の皆さんも次々、ミランクスさんのいる方向に飛んでいきます。
最後にヤムチャさんがブルマさんを抱いて飛び立った後、飛べないアタシが取り残されましたが、はい無問題です。
今来た道を戻って、ブルマさんのヘリで待つことにしま………え?
ちょ、誰か戻って来た?
あれクリリンさんじゃない?
「ごめんなマリンちゃん、1人にしちゃって!
オレが連れてくから安心して!」
って…うん、ありがとうございますクリリンさん。
アナタが優しいのは判ってます。
でも今だけは、その優しさが逆に辛いです(滂沱)。
結局フェードアウトに失敗したアタシは、クリリンさんにおんぶされた状態で、皆さんと一緒にミランクスさんのところに向かうことになりました。
そーいや誰かに抱えられて飛ぶのこれで2回目ですねアタシ。
超サイヤ人化したミランクスさんの姿が確認できる距離まで来た時には、既に戦闘は終わっていました。
フリーザパパの肉体も彼らの宇宙船もエネルギー波で完全に破壊して、スーパー化を解いたミランクスさん、表情を緩めてこちらに向かって声をかけて来ます。
「これから孫悟空さんを出迎えに行きます!!
一緒に行きませんか──!!」
…うんうん、やっぱりミランクスさんは正統派爽やか系美少年です。
前世でよくTV放映されて、実家にいた頃は観るたびにあの世界での兄と熱い議論になっていた、アクション映画の主人公?を思い出します。
ってかそもそもタイムスリップによるパラレルワールド理論って、あの映画から始まった概念じゃなかったでしたっけ。
ひょっとしてアタシが知らなかっただけで実はミランクスさんってあの主人公がモデルだった!?
ああきっとそうだ。
今となっては調べようがないですけど、あの世界で『トランクス ジ◯ン・コナー」って検索してたらソレ系の話、普通に出て来たに違いないです。
全く関係ないけどあの映画の更に続編での同じキャラが、まったく別の俳優になってたのは100歩譲って許せるとしても、あの美少年がこうは成長しないだろ!というくらいイメージ変わっちゃったのには、コレどうよとメッチャつっこんだ記憶があります。
てゆーかあのシリーズ、第1作目のラストシーンが「未来は確定している」で、この主人公が登場する2作目のテーマが「未来は変えられる」になって、3作目でまた「未来は確定している」に戻っちゃったんで、結局何が言いたいのかわかんなくなっちゃってるんですよねえ…。
「…ん?どうしたマリンちゃん?
悪い、ひょっとして酔っちゃったか?」
「え?…い、いえ、大丈夫です」
…すいませんクリリンさん。
背負われて自分で移動しなくていい状況のせいか、今ものすごくどうでもいい事考えてました。
悟空さんが地球に帰還するまで3時間との事で、ミランクスさんに飲み物をいただいて待つ事になりました。
待ってる間ブルマさんが「あのふしぎな子とベジータが似てる」という、核心に迫る発言をしたのは、違う時空のとはいえやはり母親の勘なのでしょうか。
それに比べて父親の方はずっと彼を睨みつけたまま、あまつさえ、「気に入らないヤローだ」などと独りごちてます。
まあ、そのお陰で先程までのアタシへの疑念はベジータのアタマから綺麗さっぱり抜け落ちたようなのでもうそれでいいことにしときますけど。
それはそれとして、この人たちの誰も見ていない事ですが、アタシがこのあたりを漫画で見ていた時、ミランクスさんが「超サイヤ人は1人だけじゃない」とフリーザ様に告げたシーン、あの憎ったらしい表情だけはベジータそっくりだなと思ってました。
と、
「そろそろ到着する筈です」
と言ってミランクスさんが空を見上げたと同時に、戦士の皆さんが「気を感じる」と言い出し、更に空から隕石のような物体が落下して来るのが見えました。
皆さんと一緒に落下地点に駆け寄ると、クレーター状に抉れた地面と、その中心に丸い人工物が見えます。
それが小さく音を立てて蓋が開いたと思うと、中から見慣れたツンツン髪の男性が、ゆっくりと立ち上がって中から出て来ました。
…地球を発つ前に会った時は、結婚して子供もいるのに、どこか子供っぽさの抜けない風貌に見えていたのが、なんだか表情が引き締まって、大人っぽくなった気がするのはアタシの気のせいなんでしょうか?
「…あれ?なんでおめえたちがここに……?
どうやってオラのことがわかったんだ?」
そう、皆さん待ちに待った、孫悟空さんの帰還です!
よく考えたら感想欄でネタバレしたのみで、作中では一切の説明がなされていなかった事に、読み返して気付いたので、今更ですがここで説明。
少なくともマリンのいる時空に関しては、何故かモブに厳しい仕様の、歴史の修正力が常に働いています。
感想欄での皆さんが『モブ補正』と呼んでいる作用がこれで、簡単に言えば、原作ストーリーに「うぬごときにこの流れ変えさせはせぬわーー!!」って言われてる状況です…って全然簡単じゃねえわ。
うんまあ要するに、マリンは原作を知ってるのにその大筋を変える力はないんだと、解釈していただければ間違いないです。
所詮戦闘力3の女ですから。