転生したら戦闘力5のオッサン以上にモブだった件 作:大岡 ひじき
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「おまえは17号なんかじゃない!!
わたしたちは勝手に改造したドクター・ゲロを恨んでいたんだ!!
ドクター・ゲロ『さま』なんて、間違っても言わないよ!!」
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「今のオラじゃ、どうひっくり返ってもおめえには勝てねえ……だが1日待ってろ!!
必ずおめえをコテンパンに倒してみせる!!」
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「マリンは…セルに吸収された。
17号の吸収を阻止しようとして、一緒に…」
「バカなやつだ。
どうせ戦いの役には立たんのだから、大人しくしていればいいものを…クソッ!
…セルは異常なまでの強さだ。
はっきり言って誰も勝てない…オレはそう思う…」
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「バ…バカな…
き…貴様はベジータだろ!?ち…違うのか…!?」
「ちがうな…オレは…
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「父さんは間違っている!!
あいつを完全体にしてはいけないんだ!!
もしオレたちの力を上回ってしまったらどうするんですか!!」
「ふん…情けないヤツめ……。
どう強くなるのか見たいとは思わんのか」
「オレはそんなもの見たくない…!!
地獄のような未来はもうたくさんだ……」
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「では…武道大会を開いてやる…」
「ぶ…武道大会……?」
「十日後にしよう。大サービスだ。
せいぜい強くなって楽しませてくれ」
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「すごい構造よ、この人造人間。
ドクター・ゲロは、ろくなヤツじゃないけど天才だったのは確かね」
「へぇ……」
「それと、マリンの働いてる研究所と連絡が取れたわ。
あの子、1週間ほど前に研究室で倒れて入院中だったらしいの。
…で、その入院中の病院にセルが現れたみたい。
隠れていて無事だった事務員が、セルがマリンを連れ去るところを見ていたそうよ」
「マリンか…あいつも生き返らしてやんねえとな。
じゃ、サンキュー、ブルマ!
ドラゴンレーダー借りてくな!」
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「場外負けというのは…ルールから外そう。
わたしたちにはなんの意味もない」
「みんな、リングから離れろ─────っ!!!」
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「おめえの出番だぞ、悟飯!!」
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「…今、悟飯が何を思っているか判るか?
怒りなんかじゃない!!
なぜお父さんはボクがこんなに苦しんで死にそうなのに助けてくれないんだろう…ボクの命より、フェアな男らしい勝負の方が大切なんだろうか…と……
忘れるな!!実力はナンバーワンになっても、あいつはまだ子供だ…!!
やられてもいい!オレは行くぞ!」
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「もうとどめを?ふふ…まだ早いよお父さん。
あんなやつはもっと苦しめてやらなきゃ…」
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「やっぱどう考えてもこれしか…地球が助かる道は思い浮かばなかった…バイバイ、みんな…」
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「ここまでよくやったな悟飯。すごかったぞ!」
「お…お父さん…」
「母さんに、すまねえって言っといてくれ」
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「地球ごと消えてなくなれ!!」
「なんて事だ……!
こ、このオレがお荷物になるとは…!
す…すまなかったな…悟飯…」
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「か…完全にやられた……あいつら親子に…。
…く…くそ…カカロットめ……!!
あんな死に方しやがって…!
オレはもう…戦わん……」
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「セルに殺された人たちを、生き返らせてあげてください!」
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………………………………………。
「……おい、起きろ」
「…ほえ?………………んぎゃっ!?」
「…寝ぼけてるのか?
だからって恐竜みたいな声を出すなよ。
とにかく起きろ」
いやいやいや、なんぼ寝ぼけてても一瞬で目ェ覚ましますからこの状況。
目覚めたら超イケメンの顔が目の前にあるとかどこの乙女ゲーですか心臓に悪いわ。
てゆーか…え?
目覚めたら病衣姿で荒野。
目の前には黒髪長髪のイケメン少年。
あたりには他に人も居ず2人っきり。
「どうやらここは、オレたちがセルに飲み込まれた場所らしい。
そして何故かはわからないが、オレたちは生き返った。
…どういうことだろうな」
目の前にいる彼…17号さんは、明らかにアタシがこの状況を説明できる前提で話しかけてきてます。
そして多分、アタシはこの状況がなんなのか理解できています。
できてますけど…認めたくないです。
だって、だって多分今ここ、何もかもすべて終わってしまった後のお話ですもん。
『セルに殺された人たちを生き返らせて欲しい』
その願いが叶えられた。
セルに飲み込まれたアタシ達の、存在そのものが、その証明。
無念の内に散らされた命にとって、それは奇跡。
でもそれは、『この時空の物語』を知るアタシにとっては、絶対回避したいと思っていた事態が、すでに起きてしまった後である事の証明でもあって。
でも。でも。でも。
「聞こえてないのか………っ!?」
少し苛立ったようにアタシの肩を掴んだ17号さん、次の瞬間、驚いたような表情を浮かべました。
何かあったんでしょうか。
アタシは17号さんを見上げ、言葉を返そうとして…目から何か落ちるのを感じました。
なんで…涙?
アタシ、なんで泣いてるんだろう…?
認めてないのに。認めたくないのに。
違う。判ってるんだ。判ってしまった。
アタシは…なにも変えられなかった。
知っていたのに、助けられなかった。
助けたいのに、助けられなかった。
助けることだけ、考えていたのに。
悟空さんは…
やっぱり、生きる事を、諦めてしまったんだ。
気付けばアタシは子供みたいに、わあわあと声をあげて泣いていました。
たまたまその場にいただけの、少年の胸に縋って。
感想欄では、『セルに吸収されたら原作知識を知られる』的な予想が多かったのですが、そんな事もなく原作通りに話が進みました。劇中で説明する機会はまずないと思うのでここで説明させていただくと、これは『17号と同時に吸収されたから』というのを理由とさせていただきます。能力的な情報量は17号の分があまりにも膨大な為、所詮凡人のマリンの分は、その圧倒的な情報量に押しつぶされて消えてしまった、というところです。もっと簡単に言うなら、カレーと一緒に食べたら大抵のものは全部カレーの味になる、くらいのイメージで(笑)。まあ単独でスッポン吸収されてたらそんな展開もあり得たのかもしれませんが、単独だったら普通に生体エネルギーとして、針のほうで吸収されるだけでしょうからね。