転生したら戦闘力5のオッサン以上にモブだった件 作:大岡 ひじき
悟天くんが生まれた頃のお話。
※適当に会話を繋げただけの散漫な文章ですので、大変読みにくいかと思われます。
素人作品にもある程度のクオリティを求める方は、ブラウザバックでスルーして下さいね。
「……ぐはっ!
お、おおう…心臓撃ち抜かれました。
やだもう可愛い可愛い可愛い〜〜〜っ!!」
チチさんが抱っこしているまだ2ヶ月ほどの赤ちゃんを見て、思わずアタシは悶えました。
だって、ほんとに可愛いんですもん。
「こんな可愛い赤ちゃん、アタシ初めて見ました!」
「何言ってるだ。
赤ん坊はみんな可愛いもんだべ」
呆れたように言いながらも嬉しそうなチチさんにも和みます。
…この人が一年近く前に夫を亡くしているなんて、この笑顔を見て誰が思うでしょうか。
正直、この子を見て一番最初に思ったことは、辛うじて口には出しませんでしたが、言ってたら空気ぶち壊すところでした。
…悟空さんにそっくり、だなんて。
「この子は特別です!ああ〜、このほっぺなんて、つきたてのお餅みたい…!
ぐぬおぉぉ……さ、触りたい」
「…マリンおばさん目が危ないです。
悟天やっと寝たところなんで諦めてください」
アタシが手をワキワキし始めたのを見て危険を察知したのか、悟飯さんがチチさんの腕から、慣れた手つきで赤ちゃんを抱き上げます。
いいお兄ちゃんなんですね。
まだ10歳なのに、しっかりしすぎだとは思いますが。
あ、ちなみに『マリンおばさん』は、以前ブルマさんが何かの折に言った『マリンは孫くんの妹だから』という冗談をベースにしたあだ名みたいなもんです。
勿論、今は赤ちゃんの『悟天』さんにも、いずれはそう呼んでもらおうと思います。
「…仕方ありません。
悟飯さん、代わりに触らせてください」
赤ちゃんの肌には及ばずとも、まだまだ少年の悟飯さんのつややかなぷりぷりほっぺに…手を伸ばしたら逃げられました。くっ…!
「けどな、結局なんだかんだで、自分の子が一番可愛いもんだべ」
お土産に持ってきたうちの地元の有名店の焼き菓子と、チチさん手作りの揚げ菓子を広げ、チチさんの入れてくれたお茶を楽しみながら、2人で他愛のない会話に花を咲かせます。
悟飯さんは最近はベビーベッドのそばで勉強するのがマイブームだそうで、お昼寝中の悟天さんについていてくれるそうです。
お菓子は確保してありますから、あとでお茶と一緒に持っていきましょう。
脳を使うには糖分が必要です。
「そんなもんなんでしょうか」
「んだ。マリンさもそのうちわかるようになるべ」
そうですか。
結婚してまだ3ヶ月ほど、子供なんてまだまだと思っているアタシには、全然ピンときていませんが。
「それより、結婚式に行けなくて悪かっただなぁ」
「そんなこと!
臨月の妊婦さんを遠いところから、無理矢理出席させるわけにいかないじゃありませんか。
何があるかわからないですし。
むしろ、出席していただける状況になるまで、式をずらせなかった力量不足が申し訳ないくらいで」
「あはは、何言ってるだよ〜。
そんなに待たせたら旦那さんが可哀想でねえか」
…やはりよそ様もそう見るんですか。
そう、実はアタシの結婚、決まってからはトントン拍子に話は進んだんですけど、その中で唯一揉めたのが式の日取りでした。
交際期間がない状態からプロポーズされたわけだし、アタシ的には婚約期間は長く取ってもいいと思ってたんで、
『交際期間1年と婚約期間1年くらいを基準とするなら、結婚するのは2年後くらい?』
と漠然と思っていた事を口にしたところ17号さんに、
「そんなに待たせるつもりか!?」
と怒られまして。
てゆーか、プロポーズの時に知ったことですが、アタシと彼の『付き合っている』の定義には、どうやら大きな隔たりがあったようで、交際期間がないままプロポーズされたと思ってるのはアタシだけで、彼の意識では休みのたびに一緒に出かけたりするのは、立派に交際している状態だったらしいのです。
アタシの中では毎度毎度、『◯◯に行くから付き合え』と一方的に呼び出されて、いつも断る前に電話を切られてただけなんですが、彼の中ではデートだったみたいです。
このひと友達居ないんだと思ってました。
ちなみに、
「あれが付き合ってる状態じゃなければ、おまえの『付き合ってる』の基準はどこからなんだ」
と聞かれたので、
「どっちかから告白して、された方がOKしたら」
という、至極まっとうな意見を述べたらアタマ抱えられたんですが、アタシ間違ってませんよね?
結局知り合ってほぼ1年未満で結婚式まで挙げちゃったわけですけど、どう考えても短いですよね!?
それ言うならお義姉さんの18号さんは、セル戦後すぐにクリリンさんと一緒に暮らし始めたのも、展開早っ!と驚きましたけど。
…つまりそうか、展開早いのは血筋なのか。
ちなみに結婚式に来てくれた2人と花嫁控え室で会った時、主役のアタシそっちのけでメッチャ2人の世界に入ってたの、今も心に残ってます。
『…このドレス、あいつが選んだんだろ。
ふふ、わかるよ。弟の考えそうな事くらい。
んー、でも、いいねぇ。すっごくキレイ。
…いいなあ……(うっとり)』
『…身内だけの、こじんまりしたやつで良ければ、おれたちも式、挙げようか?
18号さんのドレス姿、おれも見たいし』
『えっ!?ば、馬鹿っ!そんなつもりじゃ…あの、でも、嬉しい、かな……』
…超絶美少女のうっすらピンクに染まった頬とか思い出しただけで砂糖吐けそうですけど。
てゆーかやはり女の子なら一度は抱くウェディングドレスに対する憧れ、口に出して言えなかったお義姉さんの乙女心を瞬時に察する、クリリンさんの彼氏力高過ぎです。
ちなみにお2人の結婚式ですが来月に決定しまして、アタシと夫も出席する予定になっております。
次に会う時にはクリリンさんを『お義兄さん』と呼ぶ事になりますね。
「旦那さんといえば、ブルマさはベジータを、旦那さんとしてメディアに紹介してただな?」
「ええ。あの戦いの後から一緒に暮らし始めてたみたいですけど、この間のカプセルコーポレーションの新作発表会でのパーティーで、正式に披露したみたいですね」
ちなみに一緒に暮らす事はベジータさんの方から言い出したらしいです。
『あのガキ、オレが居ない未来であれだけ強くなったんだ。
オレが戦い方を教えてやれば、もっと強くなるに決まってる』
なんて言いかたをされたと、ブルマさんが怒ってました。
…正確には、怒りながらも嬉しそうでしたけど。
『…愛してると、強く思ったことはなかった筈なんだけどね。
孫くんがいなくなった後で、泣きそうな顔であたしのところに戻ってきたあいつの顔見たら、こいつにだけは絶対いなくなって欲しくないって、すごく思ったのよ。
…見てなさいよ!今は息子目的でも、最終的には絶対、あたしに惚れさせてやるんだから!』
そう言って苦笑いして、ほんの少し頬を赤らめたブルマさんは、そろそろ付き合い長いアタシが初めて見るくらい本当に綺麗でした。
まあ、ベジータさんも同じこと思ったから、ブルマさんのところに戻ってきたんだと思うんですけどね。
本気で息子だけが目的なら、勝手に攫うくらい平気でしますよあの男。
「そのパーティーで、トランクスさんもお披露目されたそうで。
あの子ベースはブルマさん似ですけど、目だけ間違いなくベジータさんそっくりですからね。
世間的な夫婦認定、完了でしょう。
ブルマさんの計画通りってやつです」
「違いねえべ。ブルマさ、恐ぇだなぁ。
さすがのベジータももう逃げらんねえべな」
「まあ、あの場に足を運んだ時点でもう逃げる気はなさそうですけどね」
あの性格のひとが、大人しくブルマさんに腕組まれるままでいるって事実だけで。
というか、アタシが17号さんのプロポーズを受ける前に、偶然荒野で会って話した時、ブルマさんの気持ちを受け入れた事、否定しませんでしたからね。
『オレもまったく考えなかったわけじゃない』
むしろ考えすぎるくらい考えちゃってたから、完全に受け入れるまでに時間がかかってたんでしょう。
もっとも現時点で完全にそんな自分に折り合いがついた訳ではないでしょうし、どこか危うい部分を残している気がしなくもないですが。
「そうそう、トランクスさんは、もう自分であちこち歩き回ってるそうですね。
言葉は遅いみたいですけど」
「1歳半の子なら、そんなもんでねえか?
言葉は、喋る必要がないと遅くなるだよ。
あそこんちは大人が多くて、きっと色々先回りして世話を焼いてるんだべ。
つまり、要求を言葉にする必要がねえだ。
そのうち喋り出すから心配ねえだよ」
「なるほど…あと、大人しくしてるなと思ってると、大抵ろくなことはしてないらしいです」
「それは血筋だべ(キッパリ)。
うちの悟飯ちゃんは大人しかっただからなぁ」
「さいですか…」
割とチチさんは親バカだと思います。
まあ自慢したくなる気持ちはわかりますが。
「そういえば、アタシがチチさんの妊娠を悟飯さんから聞いた頃、チチさん自身は気がついてなかったって、本当ですか?」
「そうなんだべ!なんであの子が先に気付いたのか、今でも不思議だよ〜」
その件は本人にも、なんでわかったのかよくわからないらしくて、でも間違いないと思ったのだと言ってました。
『でもマリンおばさんだってそう言ったら、生まれるのはお父さんそっくりの男の子だって言ってたじゃないですか。
ボクはいるって思っただけで、そこまではわからなかったのに、当たりましたよね?
なんでわかったんですか?』
…確かに、あの件はアタシだって、なんで判ったのか説明できません。
判った、というよりは『知ってた』感じだったから、ひょっとしたら未だに思い出せない記憶の中にあった知識かもしれないです。
悟飯さんのそれとは微妙に違う気がします。
「子供にはそういう能力があるとは、時々聞きますけど…」
「それはもっと小さい子の話だべ。
悟飯ちゃんくらいの子だと、あんまり聞かねえ話だなぁ」
確かに。そう考えると、やはり不思議です。
「それはそれとして、マリンさ。
今日は茶ばっかりであんまり食べてねえだな?」
「あ…ごめんなさい。
ここのところ忙しかったせいか、あまり胃の調子が良くなくて」
先日行われた学会の資料をまとめる為、その前一週間近く研究室に泊まり込んだりもしており、ちょっと生活が不規則になっていました。
…アタシ、新婚の筈なんですけどね。
旦那様が女の仕事に理解のある人でよかったです。
「あんれま。そういう事は言ってくれねえと。
そんだら、もっと胃に優しいもん出したのに」
「いやいや、そこまで大した事じゃないですから。
この後一週間休み取ってるんで、ゆっくり休めば大丈夫だと思います」
そうでなければこんな時間は取れてません。
「そうけ?ちゃんと大事にするだぞ?
続くようならちゃんとお医者様に見てもらうだぞ?」
「ええ、判ってますよ。
一応これでも、パンデミックを未然に防いだ動物学者なんですから」
「その病気に自分も罹ったけどな」
「それ言わないでくださいよ〜〜!」
そしてアタシ達のガールズトークは、とりとめもなく続くのです。
そろそろ悟飯さんにお菓子を持って行こうと思っていたら、向こうからやってきました。
「お疲れ様、悟飯ちゃん。
悟天はまだ眠ってるだか?」
「うん、ぐっすり。
泣き出したら判るように、ドアは開けてきたから大丈夫だと思うよ」
そう言って微笑む悟飯さんをお茶会に招き入れる為に椅子を引いてあげると、ありがとうと言って悟飯さんが、その椅子に腰掛け…ようとしてそのまま止まりました。
「……ん?どうかしましたか、悟飯さん?」
なんでしょう。悟飯さんの視線が、アタシのお腹に向いているような。
「…そっか。なんか感じが違うと思ってたら、これ赤ちゃんの気だったんだ」
「は?」
「マリンおばさん、赤ちゃん居ますよ、お腹に」
唐突な爆弾発言に、その場の空気が固まりました。
子供の言うことと流すことができるわけありません。
このひと前例の持ち主ですからね!
☆☆☆
「…それで、結果は」
「……陽性でした。明日病院に行って、きちんと検査を受けてきます」
「オレも一緒に行く」
「…助かります」
よその赤ちゃんに悶えていた日に自分の妊娠発覚しました。
しかもこの半年後、もうすぐ4歳になる男女の双子を夫が連れてきて、自分の子を産む前にお母さんになるのですが、その事をこの時のアタシはまだ知りません。
息抜きに小話を投稿してみました。