「やっとこの日がきたな。おらもう朝からワクワクしっぱなしだぞ。」
「悟空さもうちょっと落ち着くだ。」
なにやらソワソワと挙動不審の行動を会場の門の前でする悟空をたしなめるチチ。
ワクワクする悟空に朝早くから起こされ瞬間移動で会場にやってきた悟空一家。ただ開門5時間前ということで人もまばらにしかいない状態である。
「起こされた俺の身にもなってくれよ。」
クリリンの気を経由して会場に行くことにしたために二次被害的に朝早く起こされ引きづられるように会場に連れてこられたのである。
「チッもう来てやがるとはな、俺が1番のりだと思ったんだがな。」
「悟空さん、悟飯さん、チチさん、クリリンさん。おはようございます。」
ベジータとともにやってきたトランクスが律儀に場にいる全ての者に挨拶をしている。悪態をつくベジータとトランクスは全く親子とは思えない状態である。
「もう待ってよベジータ。あ孫君にみんなおはよう。」
ベジータが現れてから数分経ちエアカーで現れるブルマ。
「もう聞いてよ孫君、ベジータったら昨日からソワソワしっぱなしで今日なんて一睡もしてないのよ。」
ブルマは開口一番ベジータの悪口を同意してほしくて悟空に伝えるブルマ。
「フン、サイヤ人なら皆そうなる。ならない方がおかしいんだ。」
ベジータはさも当然のようにいい放つ。
((僕(俺)はそうではなかったけど))
半サイヤ人のトランクスと悟飯はそんなことなかったと心の中で思うのだった。
そんなこんなでもうすでに半数以上のZ戦士が会場5時間前という時間であるのに集まってしまったのだ。
――――
所変わって壊れることにはならなかった界王星
「北の界王起きろ大変なことになったぞ。」
「なんだ五月蝿いな今何時だと思ってるんだ。」
朝早くに北の界王の元にやってきた南の界王。その焦りようは普通ではないために北の界王も嫌々目を覚ました。
「早く言え南の界王。」
「気をしっかり持って聞けよ。なんとあのヘラー一族の封印が解けたんだ。」
南の界王の言葉に北の界王は絶句した。
「ウホッウホッ。」
バブルス君は平常運転であるが。
「なんであの封印が解けたんだ。まだまだ解ける時ではないだろう。」
気を取り直した北の界王は南の界王の肩を揺さぶりながら尋ねる。
北の界王も南の界王の焦りが伝播したように顔を青くしながら焦っている。
「落ち着け、なんでもな、約二ヶ月ほど前に突如とてつもない気弾が我々が封印した星の近くを通り過ぎた。その時に結界が破壊されたんだ。
そしてその気の発信源はなんと、お前の管轄のである地球だったんだ。そういうことで責任とれよ北の界王。」
呆然とし、身動き一つしない北の界王を尻目に南の界王は去っていった。
そう今回の騒動はセルを消し去る時にカーシが放った気弾の影響であった。
サタンはどうあってもボージャック一味に合う運命にあったのだ。
――――
ボージャック一味はすでに地球にたどり着いていた。
そんなことはつゆとも知らず天下一大武道大会は始まるのであった。
会場が開いた時にはピッコロや天津飯、そして観戦にきた亀仙人、チャオズ、ウーロン悟空達一向にも加わっていた。
ヤムチャはまだ加わっていなかった。
「ついに俺の時代がやってきたな。一億も温泉巡りも俺のものだ。」
悟空達がいることには気づいていないがヤムチャもしっかりとエントリーしていた。
――――
「カーシさん、お願いします。ビーデルのことも」
「ああ分かったぞ。」
サタンの控え室ではサタン、カーシ、ビーデルが集まっていた。
「じゃあいくぞ。」
カーシは何かの構えをとる、そして
「四身の拳」
カーシが呟くとカーシが四人に増殖していた。
「へっ?」
「幻覚?」
サタンとビーデルの目の前で増えたカーシ、カーシが行ったのは天津飯が天下一武道会でおこなった四身の拳であり、映像を見て得た技であった。
「起きろサタン、これでもう大丈夫だぞ。あとは」
カーシは急に腹の肉を一摘まみ手に取る。
するとその肉はプルプルと動きだし10センチメートルほどのカーシとなる。
「ビーデルこいつを肌身離さず持っていろ。小さいが色々助けてくれるからな。」
カーシは小さなカーシを笑顔でビーデルに手渡す。
「わあ、可愛い。うんしっかり持ってるね。」
カーシは満足げにビーデルの行動を見てから、「行ってくる」と一言(四人いるので四言といっても言いが)
いうと所定のステージに向かっていった。
悟空一向、サタン一向共に準備が整った。
ついに天下一大武道大会が開催される。
第一ステージ、約二百人の腕自慢の猛者達を八つの舞台に分けてのバトルロイヤルとなった。
第一ステージ 悟空
第二ステージ
ベジータ
第三ステージ
ピッコロ
第四ステージ
悟飯
第5ステージ
トランクス
第6ステージ
クリリン
第7ステージ
天津飯
第8ステージ
ヤムチャ
ビーデル+小さなカーシ
上手く分かれたとZ戦士は喜んでいたが、全てはカーシの能力で振り分けられたものであった。
おまけ
「どういうことだよ。なんで悟空達がいるんだ。」
頭を抱えてヤムチャはしばし悶絶していたが決心した。
「悟空達がいないのは幸先いいぞ。もう素人にも手加減なんかしないぞ。俺の幸せのためにも。」
次回
ヤムチャ対ビーデル