MrサタンZ 真の英雄   作:寅好き

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大変ながらくお待たせしました。


決着、ボージャック編

「うっ!」

鬼の形相で迫り来るカーシの迫力と、漏れ出る桁外れの気に圧倒され、後退りをしそうになるが三方から迫られているためにどこにも行きようがない。

『お前はサタンをいじめて怪我させた。絶対に許さないぞ!!』

ボージャックに向けていた歩みを止めたカーシA、C、Dは声をダブらせて宣言する。

頭からは蒸気が吹き出し続け、体からは膨れ上がり続ける気が大気を、そして大地を揺るがし始めていた。

以前のカーシであれば苦しみ始めガリガリが既に現れていてもなんにもおかしくない憤りようである。

(なぜこの俺が、ヘラー一族最強の俺が…)

「こんなヤツに恐れを感じるんだ!!ふざけるんじゃ―グゲァッ!?」

ボージャックが怖じ気づいていた自分に腹をたて、怒りからカーシAに飛び掛かった時には既に、カーシの拳が深々とボージャックの顔面を抉っていた。

そのあまりにも強烈な余波により、目にも見えない速さで鮮血を撒き散らしながらボージャックは吹き飛んだ。

そのまま吹き飛び岩や岩盤に打ち付けられたならばどれだけ幸福であっただろうか…。

ボージャックが吹き飛んだ先にいたのはカーシC先程のでジャブのようにすうっと放たれたカーシCの拳が再びボージャックを襲う。

飛んできた勢いとカーシCのストレートが合わさりとてつもない破壊力になり、再び吹き飛ぶボージャック。そしてお決まりのように吹き飛んだ先にはカーシD…同じことが再びボージャックに起こる。

エンドレスリンチ。

三人のカーシがまるでキャッチボールをしているようである。

凄まじさからいったらカーシAが打ったボールをそのままカーシCが打ち、それをカーシDが打つといったまさに曲芸である。

だが、その光景も端から見たら三人のカーシが拳を付きだし突風を巻き起こしているようにしか見えない。

吹き飛ぶボージャックは既に目視できるスピードを遥かに越えていた。

Z戦士でも目視はキツく、気で探らなくてはならない状況である。

それが永遠に続くと思われた時であった。

「俺にもパスくれー。」

三人のカーシがいる更に上空からまるで戦場であるかを疑いたくなるぐらいののんびりした声が聞こえてきた。

「いくぞ~。トス。」

ちょうど声と同時にボージャックが飛んできたカーシAが両手でボージャックをトス、上空に舞い上がったボージャックにカーシBが

「アターーック!!」

と強烈なスパイクを見舞う。

ボージャックはそのまま超高速で地面に落下し打ち付けられた。

そのさまは、天津飯が嘗て悟空におみまいした配球拳や、ゴテンクスが魔人ブウ(悪)にピッコロとともにみまい、天界を粉々に破壊した技と酷似していた。

威力は段違いではあるが。

だが、ボージャックの地獄が終わることはない。

既に地上で待っていたカーシCDがボージャックが落ちて砂埃が舞うなかに入っていき、何かをし始めた。

中からは

『ブウブウブウブウブウブウブウブウブウブウ。』

という声と、打撃音が鳴り響く。

想像に難くない、カーシCDが二人でボージャックを袋叩きにしているようである。

それはまさにあるガキ大将が弱い者を砂煙を舞わせながらいじめているのと同意である。

それが延々と続き一時間が経過した…

『あ~あ…、やり過ぎちゃったな…、見ることは勿論、言葉に表すこともできない状態になっちゃったぞ。』

四人のカーシが嘗てボージャックであった物を囲んで見ている。

一様に冷や汗を流し不味かったなという顔をしている。

怒りに任せた結果がこれである。

既に放送コードを遥かに越えていて、モザイク必須な惨状である。

『ウ~ン、さすがにこれは御菓子にしても食べたくないぞ。』

四人のカーシは腕を組悩んでいると。

突然カーシAの腹が眩く光始める。

「おっ、ちょうどよかったぞ。」

膨らみ光る腹を持つカーシがポンと両手を叩いて笑顔になる。

「それ」

カーシAが掛け声をあげると腹に穴があき、中から

「ハアーーーッ!!!」

「勝つのは俺だーー!!!」

という叫び声とともに眩い黄色と青色が混じる気功波が飛び出したかと思うと、その気功波が見事に元ボージャックだった物を見事に消し去ったのだった。

そして地球の危機は再びカーシとサタンの活躍によりさることとなった。

しかし、問題はまだ残っていた。

「カーシ~。いいとこだったのによー。邪魔すんなよな。」

不機嫌な表情で文句をいう悟空と。

「貴様どういうつもりだ!!あのまま戦っていれば俺の勝ちだったんだぞ!!」

怒り狂うベジータである。

先程かめはめ波とファイナルフラッシュを撃ち合っていた時に突然壁に穴があきかめはめ波とファイナルフラッシュが吸い出され、勝負がうやむやになっていたことに対して両者は怒り心頭だったのだ。

「まあまあ、また全力で戦っても大丈夫な所を貸すし、俺も一緒に修行してやるから勘弁してくれ。」

とカーシが頭を下げて謝罪したことにより、悟空を味方につけ、二人でなんとかベジータを納めて場を終結させた。

事故が起こったとなっては色々と面倒なのでカーシが全ての挑戦者を倒し、優勝者なしとなった。

ただし裏では悟空とベジータに優勝賞金の半額が渡されたのであるが、それは知る人ぞ知る極秘の内容となった。

ボージャックの残骸処理費と戦いを妨害した慰謝料である。




次回はまだブウ編には入らずセル編後のようにその後の話をいれようと思います。
ビーデルと悟飯や3とか。
いったら時間稼ぎですが…。

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