MrサタンZ 真の英雄   作:寅好き

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なかなか案がまとまらなくて更新遅れました、申し訳ないです。


目覚めた力、超3覚醒!

「こんにちは、悟空さん、悟飯君。」

カーシの背に乗りやって来たビーデルが挨拶する。

「おう、ビーデルとカーシじゃねえか、オッス」

「こんにちは、ビーデルさん、カーシさん。」

親子二人でビーデルとカーシに挨拶するが、ここまでかけはなれた挨拶をする親子もないだろう。

最初はビーデルもこのように挨拶され戸惑っていたが、慣れとは大したものでもう全く気にならなくなっていた。

「悟飯君、今日は一緒に勉強することになっていたわよね、行きましょ。」

ビーデルはビーデルの元にやって来た悟飯の手を取り宙に浮く。

「えっ!ビーデルさん舞空術使えたの?」

驚く悟飯にしてやったりという顔をしてビーデルは嬉しそうに答える。

「どう驚いた?カーシさんに教えてもらったんだ。

なんたって私はミスターサタンの娘なんですからね。」

自信満々に話すビーデルには悪いと思いながらも、悟飯は聞いてしまった。

「サタンさんは、舞空術使えたっけ?」

そう今までサタンが舞空術を使った所など誰も見たことがなかった。

悟飯は意識を失っていたがボージャック戦でも空から落ちてきたということもあった。

「あはは、カーシさんが言うにはパパは気のコントロールが雑だがらできないんだって。」

ビーデルは苦笑いしながら続けて話す。

「それに今は修行どころじゃないの。

仕事に目覚めたザンギャさんに仕事場に監禁されちゃって……」

「あはは…、そうなんだ。」

ザンギャに監禁されるサタンの姿が容易に想像できて悟飯も苦笑いするしかなかった。

ドラゴンボールの世界の女性はチチにしろ、ブルマにしろ、18号にしろ、皆総じて強かった…宇宙最強の戦闘民族サイヤ人を越えるほどに…

と話ながら悟飯とビーデルは家に向かって行った。

 

「カーシ今日も頼むぞ。」

「おう、いくぞ。」

二人は上空へあがっていく。

悟空は超2になり、黄金のオーラにスパークを纏わせた状態になり、カーシは気を解放した。

「いくぞカーシ!」

 

「来い悟空!」

上空で二人はぶつかりあった。

武道会以来、ビーデルとカーシはたびたび悟空一家の元を訪れ、ビーデルは悟飯と、カーシは悟空とといったように親交を深めていっていた。

 

一時間後

 

「おらワクワクしっぱなしだぞ、こんなつええヤツと全力で戦えてよお。

もう嬉しくてたまんねえんだ。」

悟空は満面の笑顔でカーシに心境を吐露する。「でもよ、カーシおめえまだまだ力はそんなもんじゃねえだろ?

拳をあわせっから分かるんだ。」

悟空に図星を当てられカーシは肯定も否定もしなかった。

「おらもカーシの本気と戦ってみてえな、もっとわくわくすんだろうな。」

悟空は少し悔しそうな顔をすると、再度気をあげ始める。

しかし、先ほどとは違った現象が起き始めた。

悟空の気がとてつもない速度で上がり始めたのだ、そしてそれだけではない、黄金のオーラが激しくなり、ツンツンと尖った髪が伸び始め、まるで針ネズミのように、そして眉がなくなっていた。

「お、おらはどうしちまったんだ?」

その変化に一番驚いていたのは本人であった。カーシは(おっついに3になったか)と冷静にその状況を見つめていた。

サイヤ人として戦うことへの喜び、力への渇望この二点が悟空を超3へ導いたのだ。

ただし、超3へ至るために越えるべき戦闘力を悟空が備えていたことが前提条件となっていたが。

「ヒャッホウ!!やったぞ、おらはまた壁をのりこえたぞ。

超化をさらに越えた超化を更に越えたぞ!!」

悟空があの極悪面で喜び勇む姿をカーシは

「やっぱり怖いかおだ、喜んでいるようにも思えない。」

と苦笑いを浮かべて見ていた。

悟空だけでなく、もう一人驚愕しているものがいた。

そう西の都のカプセルコーポレーションに居を構える男ベジータだ。

「ど、どういうことだ。

バカデカイ気が突如現れたと思ったら、カカロットの気じゃねえか。

なぜここまでの気をやつが持っているんだ。

大会ではほぼ互角、いや俺の方が少し勝っていたのに。

クソッタレ!確かめにいくしかねえ!!」

いてもたってもいられずベジータは悟空の元に飛び出していった。

――――

「よおし、だんだんこの形態にもなれてきたぞ。

もう一回戦いくぞカーシ」

悟空が普段通りの準備運動をし、練習再開をカーシに告げる。

しかし、カーシは首を振り、視線を更に上空に向けた。

その視線の先には額に青筋を浮かべたベジータが怒りの形相で佇んでいた。

突如ベジータが怒鳴った。

「カカロット、貴様その姿はどういうことだ!!」

悟空に対して凄まじい勢いで怒鳴り続けるベジータ、

「おい、ベジータ落ち着けって。

全て話してやっからよ。」

悟空はまあまあとベジータを宥めようとするがまるで効果はない、いやさらにベジータを激昂させた。

「落ち着いていられるか!!

どうしてお前はそんなに力をつけたんだ!

なぜこの俺より一歩先には進むんだ!」

ベジータの心からの叫びであった。

悟空はそのベジータの嘆きを黙って受け止めていたが、ついに口を開いた。

「おっし、ベジータおらと戦わねえか。」

 

悟空からのいきなりの提案にベジータは少し驚くが、すぐに了承する。

「ああいいぜ、ぶっ殺してやる。」

怒気を孕ませ話すベジータに悟空は更なる提案をする。

「ちょっと待てよ。

殺し合いじゃねえぞ。

サイヤ人らしく戦いを楽しもうじゃねえか。

今までの戦いは殺るか、殺られるかだったが、今回は楽しもうってことだ。」

サイヤ人の原点に帰り戦おう。サイヤ人の王子であるベジータに悟空は語りかけた。

「いいだろう。今回だけはお前の提案に乗ってやろう。」

渋々ながらベジータは認めた。

そして、超3悟空と超2ベジータのサイヤ人の原点である戦いを楽しむ戦いが始まった。

力の差はあったが共に全力を出しきった。

「はあはあ、久しぶりに戦ったが、やはり戦いはいいもんだ。」

戦う前は不満を述べ続けていたベジータであったが、やはり純粋なサイヤ人である。

戦いが始まるとその戦いを楽しんでいた。

「だが、俺もお前と同じいや、サイヤ人の王子としてお前を越えなくてはならん。

どうすれば俺は強くなれるんだ。」

ベジータの独白を聞いていた悟空は密かに笑みを浮かべ、ベジータにいい放った。

「ベジータ力を解放しろ!!」

「なんだか分からんが、やってやるぜ、ハアアアッッ!!」

あの時の、目覚めた時の悟空のように、ベジータの気は限界を遥かに越えて高まり続ける。

それと同時に黄金のオーラが輝き、髪が伸び始め、眉が抜け落ちた。

「こ、これは!?」

呆然と自分の変化に驚いているベジータに悟空が話しかける。

「それが限界を更に越えた姿、超3だ。

おめえも戦いに喜びを感じて、力を欲したからサイヤ人の眠っていた部分が起こされたんだ。」

悟空がベジータに言うがベジータは全く聞いていなかった。

「ハハハハハ。俺は最強の力を手にいれたんだ!

いくぞカカロットーー!!」

「しょうがねえな。こいベジーターー!!」

悟空とベジータはその後も喜びを感じながら戦い続けた。

しかし、その代償は大きく、パオズ山の大部分が戦いの余波で消失していた。




最初は悲しみから超3へとしようと思ったんですが、超1が負の感情である怒り、超2がどちらにも位置しない平常心ときたのでならば超3は正の感情の喜と楽にしました。
ドラゴンボールのファンの人や豊富な知識を保有した方には大変な不満や反論を持たれるかもしれませんが、何卒寛容にお願いします。

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