「ザンギャさん秘書モードもいいんですが、武道会場ではもう少し明るく…」
「出番ですよ」
「チャンピオンのミスターサタンであーる!サインは一人一枚までだぞ」
以前であれば表裏全く変わりがなかったサタンであったが、今では全てを知り、表と裏での使い分けをするようになっていた。
そしてサタンが天下一武道会会場でパフォーマンスをしていた時、会場前のエントリーコーナーにZ戦士が集まっていた。
「オッスみんなもう集まってたんか?」
「孫君が時間にルーズなだけよ」
いつもののんきな悟空の挨拶にこれまた慣れた感じでつっこみを入れるブルマである。
過去の世界では悟飯、悟天、チチを迎えにきて皆で向かった天下一武道会であったが、今回は悟空存命なので瞬間移動でやって来た悟空一家である。
「カカロットよ、今回はお前達一家には負けんからな!!」
「そうよ孫君、簡単に優勝できるとは思わないでね!」
ベジータとブルマの夫婦が堂々と宣戦布告した。
しかしこちらにも黙ってそれを受け止めない者が
「馬鹿いうでねえだ、悟空さや悟飯ちゃ、悟天ちゃには家の家計のために勝ってもらわなきゃならねえだ。死活問題だべ」
必死の形相である。
それもそうだ、悟飯、悟天はサイヤ人と地球人のハーフであり、食欲もある程度は抑えられるが、純粋なサイヤ人な悟空はそうではない。
働かない、稼がないの悟空のお陰で悟空一家の経済事情は破綻しかけていたなだ。
「お兄ちゃん、押されてたら挨拶できないよ。ほら」
「ああ、いつもながらすごくて押されちゃったよ、ありがとうトランクス君、お久しぶりです。悟空さん」
トランクスが影に隠れていた人物の手を引いてやって来た。そこにいたのは、未来のトランクスである。
「おっ久しぶりだな。未来は大丈夫なんか」
笑顔で話しかける悟空。以前あったのは天下一大武道会なのでかれこれ5年程たっている。
「はい。未来の復興も大分進んだので、母さんが未来で父さんに鍛えてもらってきたらといったので、それに自分の小さい時も見て見たくて」
トランクスは少年のトランクスの頭に手を置いて話す。少年のトランクスも満更ではない様子である。
「そういうことだ。トランクスも悟飯同様かなり鈍っていたが、鍛え直してやりかなり強くなったぞ。俺とトランクス二人で上位は総取りだ。フハハハハ」満足そうにそう宣言すると会場内に入っていった。
「トランクスが帰ってきてからずっと上機嫌なのよ。それに家のトランクスもお兄ちゃんができたって嬉しそうでね。ずっとお兄さんがいる悟天君のことを羨ましがっていたのよ」
悟空に小さく耳打ちすると、ブルマもベジータを追って会場内に入っていった。
「お兄ちゃん、それに悟天行こうぜ」
「そうだね行こうか」
「待ってよトランクス君」
少年トランクスと未来トランクス、そして悟天も続いて入っていく。
「お久しぶりです。ピッコロさん」
「悟飯か。大きくなったな。…悟飯その格好ででるのか?」
「格好いいでしょピッコロさん」
「…ああ」
悟飯とピッコロが談笑をし、
「オメエクリリンか!?髪あったんか!?それに18号と結婚したんか、ヒヤーおったまげたぞ」
「俺は剃ってただけだ、たまには遊びに来いよな」
「フン」
悟空、クリリン、18号も話始める。
「おいお前達。まだエントリー済ませてないだろ。早く済ませろよ!」
当事者ではないが焦ったヤムチャが声を掛けたことで皆我に帰りエントリーする運びとなった。
そしてそこで、少年の部ができたことを知り、大人の部がいいと駄々をこねるトランクスと悟天であったが、なんとか宥めてエントリーは済まされた。
――――
時間は流れて予選会場
「今回の予選はパンチングマシンで数値が高かった上位16名が本線会場に出ることになります。まずは参考として最高数値の記録139点を持ちます前回チャンピオンのミスターサタンにデモンストレーションをしてもらいます」
「ああ、任せておけ」
アナウンサーに促され堂々と威厳を漂わせながら現れるサタン。
「頑張れよーサタン」
「ご、悟空さん、やっぱりいるのね……」
悟空に声を掛けられ、小さくなるサタンである。
「とりゃあー!」
気を取り直したサタンがパンチを打ち込む、しかしここで意外なことが起こった。
サタンの腕が巨大な破壊音とともにパンチングマシンにめり込んだのだ。
「あれ~」
『…………』
サタン自身が驚きの声をあげ、会場は静まり返った。
「おっとサタン選手のパンチが凄すぎてパンチングマシンを破壊してしまいました。これは恐ろしい殺人パンチだ!」
サタンも修行をしていたので自身でも気づかないうちにかなりの力をつけていたのだった。
そして、このサタンのデモンストレーションを見た挑戦者達は恐れおののきかなりの数が減ったのだった。 そして、その後にパンチングマシンを粉々に破壊したベジータによってほとんどの挑戦者が棄権をし、予選はすんなり終わったのだった。
――――
同時刻
「なかなか見つからないな」
昨夜に用事があると言って飛び出したカーシが何かを探して飛び回っていた。
「ここら辺だと思ったんだがな」
いつもと違い少し焦りながらの捜索であった。
未来トランクスを介入させました。
皆さんはもうお気づきの方も多くいらっしゃると思いますが、このことが物語に大きな影響を与えます。