――人理継続保障機関――カルデア――
「それでは、先輩! 頑張って下さい!」
私はマシュの言葉に頷き、魔法陣の前で詠唱を始める。
素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。
四方の門は閉じ、
王冠より出で、
王国に至る三叉路は循環せよ
閉じよ(みたせ)。
閉じよ(みたせ)。
閉じよ(みたせ)。
閉じよ(みたせ)。
閉じよ(みたせ)。
繰り返すつどに五度
ただ、満たされる刻を破却する
―――――Anfang(セット)
――――――告げる
――――告げる
汝の身は我が下に、
我が命運は汝の剣に
聖杯の寄るべに従い、
この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者
汝三大の言霊を纏う七天
抑止の輪より来たれ、
天秤の守り手よ―――!
魔法陣から眩しい光と共に現れたのは……………………………
「………………せ、先輩」
………………マシュ。
私たちは顔を会わせた。
赤い帽子、赤い服、白い布袋、そして、トナカイ。
そこにいた人物の真名は、ほぼ見ただけで看破出来るだろう。
「ほほう! この儂を召喚せし、マスターはお主か……!? フォフォフォ! これは愉快! 愉快!」
高笑いをしている人物にマシュは質問をする。
「あのぅ、大変申し訳ありませんが……貴方はもしかして…………」
「ほう! 儂か! では、語ろう! 我が名は…………
サンタクロース! 今宵、ルーラーとして召喚されし者也!」
「サ、サンタクロース……」
確かにどう見ても、サンタクロース。
しかし…………
「な、何だか……イメージが違う様な気がします」
うん、そう。服の上からも分かるどこぞのローマに匹敵する程の筋肉質。(トナカイもまるで世○末覇者で出てくるような黒○号のような)一体、どう言うことなの!?
「フォフォフォ! 大方、人の良さそうな肥満体型なジジイでも想像しておったであろう!――しかし、それは甘い考え! よく考えてみよ! たった一晩で世界中のお子様どもにプレゼントを配るには、こんぐらい鍛え上げる必要があるんじゃぁぁぁぁ!!」
た、確かに必要……なのかな?
「そ、それでは、こちらの説明を…………」
「不要!」
「え?」
「儂が召喚された理由は既に把握しておるわ! ――人類史が焼却されては儂の存在意義がなくなるからのう」
流石、サンタクロース。よくご存じで……
「それでは、我々に協力を……」
「ただし!」
「はい!?」
「条件がある!」
じ、条件!?
「それは一体?」
その時、自動ドアが開いた。
「マスター。そろそろ、クリスマスの……………………」
あ、サンタオルタ。
「マスター……その者はもしや…………」
ああ、紹介するよ。こちらは…………
「フォフォフォ! ようやく会えたの黒いサンタクロースよ!」
へ?
「あの、その、どう言うことでしょうか?」
「我が望みはただ一つ! そこの黒いサンタクロースと戦うことだ!」
な、なんだってぇぇぇぇ!?
「最近、プレゼントを持っていくと『あれ? お姉ちゃんじゃないの? 色気ないな……』と妙にガッカリするお子様どもが増えてのう」
それ、ホントにお子様ですか? おっきいお子様って、オチじゃないですよね?
「そして、儂は考えた。儂のイメージを守るため、ここにいる黒いサンタクロースを倒すことにした!」
どうしてそうなった!?
「黒いサンタクロース! 貴様にサンタクロースファイトを申し込む! どちらが真のサンタクロース ザ サンタクロースが決めようではないか!」
サンタクロースファイトって、何――!?
「フフ。真のサンタクロースか……面白い! 受けてたとう!」
受けるの!?
「サンタクロースファイト!」
「レディ!」
「「ゴォォォォォォ!!!!」」
こうして、サンタクロースファイトの火蓋が切られた。
サンタクロース。
多分、ルーラーの条件は満たしていると思う。
どこぞのステゴロ聖女と同じ理屈で……。
ちなみにここのサンタクロースのイメージは東方○敗です。
トナカイは勿論、風○再起です。
こんなサンタクロースがいたら、いたで楽し………………うーん? 楽しいかな?