艦これ海上戦記譚~明け空告げる、海をゆく~   作:PlusⅨ

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第三話・守護るッ(`・ω・´)!

高速航行すること三十分。やがて通報のあった貨物船が水平線上に現れた。全長200メートル程の大型船だ。

 さらに接近した頃、オオカミさんも食堂の片づけを終えて艦橋へと上がってきた。彼女は貨物船を見ると、すぐにウィングに出て、そこに設置されている高倍率望遠鏡を覗いた。

「マストに球形形象物が二つ並んで掲げられているわ。運転不自由船の形象物で間違いないわね」

 

「船名は視認できるか?」

「えっと、舞鶴丸よ」

「了解。国際VHFで呼びかけを行う」

 俺は国際無線の受話器を手に取る。

「舞鶴丸、舞鶴丸、こちらは貴船の後方2海里を航行中の駆逐艦・漣です。感度ありましたら応答願います」

 オープン回線で呼びかけると、すぐに応答がきた。

『こちら舞鶴丸、感度良好です。どうぞ』

「こちらも良好です。回線6チャンネルに変更お願いします」

『6チャンネル了解しました』

 相手の了解を確認し、俺はオープン回線から指定回線に切り替える。すぐに向こうからの声が入った。

『こちら舞鶴丸です。感度ありますか』

「こちら漣、感度良好です。貴船の運転不自由船の信号を確認しました。現在の進路では深海棲艦の出現海域に入る恐れがあります。針路変更は可能ですか?」

『舵機室で火災が発生してしまいまして操舵不能状態です。しかし火災はすでに鎮火していますし、修理も部品交換だけで済みそうですから、間もなく復旧できると思います』

「それはよかった。しかし危険海域へ近づいているのは確かですので、修理完了まで本艦が護衛につきます。現在の速力を維持して下さい」

『助かりました。ありがとうございます!』

 俺は交話を終了し、漣に指示を出す。

「このまま舞鶴丸を追い越して前方2000に出る。幸い大した被害ではなさそうだが油断はできないぞ。対空、対水上見張りを厳となせ」

「了解」

 漣が真剣な表情と声で答えた。

「なんだ、緊張しているのか?」

「失礼しちゃいますね。緊張じゃなくて真面目モードなだけですぅ」

「そうか、悪かった」

 漣に謝り、俺も真面目モードに表情を引き締める。

 舞鶴丸の故障は間もなく直るとはいえ、それでも深海棲艦を呼び寄せる要素が発生している事には変わりない。

 いったい深海棲艦と言うのはどういう手段を用いているのかは不明だが、故障した船などを正確に嗅ぎつけ、襲いかかってくる。しかも今の舞鶴丸は奴らに自分から向かっているのだから、正に格好の餌そのものだ。

 と、そこへ。

「ご主人様、空中哨戒機から秘匿通信を受信しました!」

「内容は!?」

「こちらへ向かう敵の編隊を捕捉。その数30!」

「くっ、駆逐艦一隻で相手するにはギリギリだな」

「・・・ご主人様」

「なんだ?」

「いざとなれば、この艦を盾にします。それくらいのことは、とっくに覚悟完了ですよ、ご主人様」

 漣は前方を見つめたまま、躊躇わずにそう答えた。

 見た目は能天気な面白少女だが、その胸の内には、間違いなく鍛えられた軍人としての気概と誇りを持っている。そう思わせる横顔だった。

「よし、わかった。例え敵が空母だろうと戦艦だろうと、俺たちでこの船を守るんだ!」

「はいっ! ・・・っと勢い込んだはいいですけど、どうやら基地航空隊の方が先に敵と接触したみたいですね」

 漣は多目的スクリーンに、哨戒機から送られてきたデータをもとにした戦況図を表示した。

 西から、深海棲艦の空母が放った敵飛翔体三十機が十五機ずつの二個編隊に分かれ東へと向かって飛行してくる。

 一方、東側からは味方の戦闘機四機が、二機ずつ二個編隊で、敵に相対していた。

 哨戒機は早期警戒能力も持っている。その大出力レーダーは敵飛翔体のステルス能力を無力化して存在を明らかにし、味方戦闘機を有利な位置へと誘導する。

 双方の距離はまだ80海里以上も離れていたが、それはすぐに狭まっていった。敵の二個編隊の内、片方が上昇、もう片方が高度を下げる。おそらく上昇した方は護衛戦闘機、下降したのが攻撃機だ。

 それに合わせ味方戦闘機も二手に別れた。上昇した側の方が先に味方の射程距離に入る。互いに真正面からの反航態勢。

 味方戦闘機二機が長距離ミサイルをそれぞれ八発ずつ、計十六発を発射。

 数分後、ミサイルが敵編隊に到達。命中九、不明七、敵機残り六。

 お互いに急接近、そのまま正面からすれ違う。そのすれ違いざまに味方は敵を二機、撃墜していた。敵機残り四機。

 敵機は反転して格闘戦に持ちこもうとするが、味方はそのまま出力を上げ敵機を大きく引き離す。

 そして後方から追いすがる敵機に対し、反転して相対することもなくそのままの態勢でミサイルを発射。

 ミサイルは前方に飛び出した後、急旋回して後方の敵機を撃墜した。

 一方下降した敵編隊に向かった味方戦闘機も、目標を射程内に収めるや否や、こちらも二機十六発のミサイルを発射。約半数を撃墜した。

 敵の残った半数はさらに高度を落とし、海面スレスレの超低空を飛行。

 しかし高度三万メートル上空から戦場を見下ろす哨戒機はそれを見逃さない。

 強力なパルスドップラーレーダーにより敵機の位置を正確に捕捉し続け、味方機を最適な攻撃位置へ誘導。味方機のミサイルにより攻撃機は全機撃墜された。

 味方の損害はゼロ。時間にして五分足らずの戦闘だった。

 哨戒機から「制空権を確保した」との通報が入る。

「あの~、ご主人様(;´∀`)」

「うん、まあ、言いたいことはわかる(;^ω^)」

 もう全部アイツらだけでいいんじゃないかな。思わずそう口走りたくなってしまう。

 キルレシオ13対1っていう時点で予想はしていたけど、この完勝ぶりを目の当たりにすると、凄いとかいう以前に、ただただ呆気にとられてしまう。

 だいたい俺たち水上艦艇が全力で突っ走っても数時間はかかる距離をわずか数分で飛びぬけ、さらに遠距離からミサイルで一方的にボコった挙句に、ついに格闘戦かと思ったら振り向きもせずに真後ろの敵を撃墜とか、ちょいとチート染みてませんかね。

 まあ、航空機は航空機、水上艦艇には水上艦艇のそれぞれ長所短所、役割があって、お互いそれらを補い合ってこそ真価を発揮できるというのは理解している。

 理解はしているけれど、なんだかなあ、もう。

 自分たちの存在意義を疑いたくなるような戦闘を見せつけられて、少しナーバスな気持ちになってしまう。

 そんな俺たちの雰囲気を察したのか、オオカミさんが声をかけてきた。

「こらこら、味方の奮戦に感謝するどころか、へこんでどうするのよ」

「いや、そうだよな。うん、漣、基地航空隊に感謝の電文を送っといてくれ」

「へーい(-ω-)/」

「気持ちは理解できるけど」とオオカミさん。「航空隊も無敵ってわけじゃないわよ。今回はジャミングを受けなかったから終始アドバンテージを取れたけど、これで敵に戦艦や重巡がいたら大規模ジャミングかけられて、哨戒機一機じゃ管制しきれなかったわ。そうなるとこっちも戦艦や重巡、空母の支援は必須だし、それを護衛するために軽巡と駆逐には頑張ってもらわないといけないんだから」

「なるほど、なるほど。元重巡にそう言われると説得力あるな」

「よーし、漣、なんだか元気出てきましたよ~」

「でしょう。その意気よ!」と、オオカミさんもガッツポーズで気合を入れつつ、「ところで舞鶴丸のマストから運転不自由船の形象物が降ろされたわ。どうやら修理が完了したみたいね」

「おう、早いな」

 せっかく気合を入れなおしたのに、もう護衛任務は終わりらしい。

 いや、何事もないのが一番だけどさ。

 国際無線から舞鶴丸が呼び掛けてきた。

『修理完了しました。どうもご迷惑をおかけして申し訳ございません』

「いえいえ、これが仕事ですから気になさらずに」

『では私たちはこれで失礼します。ご安航を』

「はい、ご安航を」

 舞鶴丸は深海棲艦出現予測エリアへ接近する前にさっさと針路を変更して遠ざかっていった。

 水平線に消えていく船影を、安堵半分、拍子抜け半分の気持ちで眺める俺に、漣が問いかけてくる。

「これからどうします。ご主人様?」

「ま、このまま目撃地点付近を哨戒しつつ僚艦と合流だな。五月雨だったか、もうすぐこっちの海域に入る時間じゃなかったか」

「そういやそうですね。・・・と噂をすれば影ってやつですね。その五月雨から通信ですよ」

 多目的スクリーンが切り替わり、そこに一人の少女が現れた。

 外見年齢は漣と同程度だろうか。長いストレートの髪と白い制服がよく似合う娘だった。

『こちら南方第二警備艦隊の五月雨です。漣さん、応答願います』

「こちら漣、感度良好。救援感謝です(`・ω・´)ゞ」

『ご無事のようですね、よかったぁ。艦隊が全滅して、鎮守府も壊滅したとお聞きしたので心配していたんです』

 五月雨はそう言って、安どのため息を吐いた。きっと本気で心配してくれたのだろう、目元に涙まで浮いている。

 なんというか、素直で良い子なんだろうなぁ、と思いつつ、

 しかし、

「ご主人さま」と漣。「全滅とか壊滅とか、なんだか話がデカくなってませんかねぇ」

「いや、間違っちゃいないぞ。ただ人死にまでは出てないけどな」

「確かに」とオオカミさんも頷く。「この状態で敵の残党が近海にいるって、端から見たらヤバい状況よね」

「別に私たちも油断しているつもりは無いですけどね」と漣。

「そうだな」と俺。

 五月雨も目元の涙を拭いながら、

『みんなご無事なら、それはそれで良いんです。私が勝手に心配していただけですから。ところで司令はいらっしゃいますか?』

「はいよ」と、俺はモニターカメラの前に立つ。

 すると五月雨は、

『あれ?』

 と目をしばたたかせて俺の顔をじっと見つめてきた。

 なんだなんだ、俺の顔になにか付いているのか。

 それとも見惚れてしまうくらいの二枚目だとでも言うのか。もしかしてそうなのか。

 いや自慢するわけじゃないが、実は自分でも顔立ちは結構整っている方だと思っていた。

 確かに身分証の写真はあまり男前じゃなかったが、あれは写真写りが悪いせいだ。だいたい証明写真でイケメンに写る人間なんてそうそう居ないだろう。

 だから結論として五月雨は俺に見惚れている可能性が高いという訳だ。

 ならばここはひとつニコリとほほ笑んであげるのが女性に対する礼儀というものだ。

 するとイケメン度の上がった俺に、五月雨はポッと頬を赤らめて恥ずかしそうに目を逸らすに違いない。いわゆるニコポ現象というやつだ。

 という訳で早速、

「どうしたんだい、五月雨。俺の顔に何かついているのかい?」

 ニコリとほほ笑んでそう問いかけると、五月雨はハッとして、

『あ、失礼しました。海尾大佐ですね。前任の方はどうしたのかと思って。本日交代だったことを忘れてました。すみませんっ!』

「あ、そういうことね・・・」

 慌てて頭を下げた五月雨に、俺は勘違いに恥ずかしくなって顔を赤くしながら目を逸らした。

 逸らした先で、漣と目が合う。

「ちなみにご主人様、口の端にカレーついてます」

「え、それ、まじで?」

「うん、まじまじ」

「おい、なんでもっと早く言ってくれないんだよ!?」

「いつ気づくか、いつかなぁ~って、ずっと待ってたんですけどねぇ」

「てめえ、このやろ、ちくしょう!」

「まさかそのままニコリと笑って“何かついてるかい?”とか、マジウケルwww」

「やめろ、やめろぉぉぉ!?」

 勘違いどころか生涯引きずるレベルの生き恥だよコレ。

 やばい、海に飛び込んでしまいたい。

『だ、大丈夫です』と、五月雨『私、そこまで気づいていませんでしたからっ!』

「うん、フォローありがとうね・・・(ノД`)」

 でもね五月雨ちゃん、それもう君も気づいてるってことだよね、当然だけどさ。

 あー死にたい。

 でも任務中だし、これでも司令だから頑張るしかない。

 俺は目元の涙と口元のカレーを拭いながらスクリーンに向き直った。

「今日付けで南西警備艦隊司令に着任した海尾大佐だ。よろしく頼む」

『はい、白露型六番艦、駆逐艦・五月雨です。これより如月、木曾とともに海尾司令の指揮下に入ります。以後の行動の指示をお願いします』

「了解だ。これから暗号で緯度経度を送る。そこで合流しよう。その後は哨戒機と協力して敵残存勢力を捜索。発見次第、これを撃破する。よろしく頼む」

『はい、お任せくださいっ』

 五月雨は元気よく敬礼し、スクリーンから消えた。

 それから二時間後、俺たちは指定した海域で五月雨たち三隻と合流した。

 漣を先頭に五月雨、如月、木曾の順に単縦列で陣形を組んだのち、俺は各艦に、作戦会議を行うので漣に集まるよう指示を出す。

 集まる、といっても実際に艦娘たちが自分の船体を降りてこっちに来るわけじゃない。艦娘たちがコミュニケーションツールとして使用するマスコットアイコンドールを漣の艦橋に表示させただけだ。

 という訳で、いま俺の前には可愛らしい三等身ちびキャラが三体並び、俺たちを見上げていた。

『五月雨以下三艦、揃いました』

 と、五月雨がちびっと敬礼する。

 堂々としているはずだが、どことなく背伸びをしたような、初々しさを感じる敬礼だった。清楚な雰囲気はそのままに、愛くるしさが三割り増しぐらいになっている。

『私は如月』隣の栗色の髪の少女が名乗った。『睦月型駆逐艦の艦娘、如月。よろしくお願いね』

 如月は何やら蠱惑的な雰囲気を漂わせた艦娘だった。可愛らしさが前面に出るドール体でこれなら、ご本人はどれほどのモノやら。

 その隣のドールにも目を向ける。

『5500トン型の軽巡洋艦、球磨型の木曾だ。よろしくな』

「あ、ああ、よろしく」

 ワイルドなショートカットの髪形に、右目の眼帯、さらにマント装備という強者間溢れる外見に思わず気圧されそうになる。

 そうか、彼女が巷で有名なオッパイのついたイケメンこと“キャプテン・キッソー”か。合流時、艦橋ウィングに立っていた姿を双眼鏡で見たけれど、遠目からでもわかるイケメン振りだった。

 後でサイン貰っておこうかな。

 とりあえず艦隊が揃ったので、俺はこれからの行動計画を皆に示達する。

「現状、深海棲艦の主力である空母艦載機は、その大多数が基地航空隊によって無力化されたと思われる。現海域の制空権は確保され、後は潜伏中の深海棲艦艦隊を索敵、見つけ次第撃破する。これが基本方針だ。ここまでで質問は?」

質問がない事を確認し、俺は続ける。

「敵の位置だが、最後の目撃地点及び艦載機の襲来方向から推測して、現時点で最も確率が高いのが、ここだ」

 俺は海域図の一部を示し、そしてそこに海流のデータを重ね合わせる。

「この海域の海流は北東へ2ノットの速度で流れている。深海棲艦が海中に潜伏している場合、この海流に乗っているはずだ。我々もこの海流に沿って哨戒を行う。というわけで、質問タイム」

『はい』と、五月雨が挙手。『北東に流れているってことは、このまま行けば私たちの警備区に入るということですね』

「そのとおり。このまま何事もなく隣まで行けば、そこでこの臨時艦隊は解散。あとはそっちの司令にお任せするよ」

『あら、それじゃ短い付き合いなのね』と、如月。『せっかくだから、ウチの鎮守府にいらっしゃらない? お近づきになりましょうよ』

 う~ん、そうしたいのは山々なんだけどなぁ。

『おいおい』と、木曾。『無茶を言うなよ。それをするとコッチの担当海域が空っぽになっちまうだろ。なあ?』

 木曾に言葉を投げかけられ、俺は頷いた。

「本当なら手土産でも持って礼を言いに行く立場だが、あいにく今はそんな余裕なくてなぁ。まあ、余裕あるならこうして増援も頼んでいない訳だけど」

『気にしないで下さい』と、五月雨。『困ったときはお互い様です。私たちも以前の南西警備艦隊の皆様にはよく手伝ってもらいましたし、ここは私たちにお任せくださいね。一生懸命、頑張ります!』

 五月雨が再度、敬礼。その仕草に思わずほっこりとする。

 ん~、可愛い。なんだかこの子って天然っぽいよね。漣と違ってわざとらしさが無い。

 そんなことを考えていたら、漣が声をかけてきた。

「ご主人様」

「ん、どした?」

「声に出てます」

「・・・どの辺から?」

「“ん~可愛い”から、全部」

 おう、マジか。なんてこった、またやっちまった。

 冷や汗をかきながら五月雨ドールに視線を戻すと、案の定、その頬が真っ赤に染まっていた。

『あ、あの可愛いとか、その嬉しいけれど、困ります!』

『あらぁ、そうよねぇ。うちの提督が嫉妬しちゃうものねぇ』

『ったく、どこもかしこも色恋沙汰か。・・・これ以上この話題が続くようなら、俺は先にログアウトさせてもらうぜ』

「いやいや待ってくれ。誤解だ――という訳じゃないけど、セクハラするつもりは無いから勘弁してくれ」

『せ、セクハラなんて風には捉えていませんので、大丈夫です!』

『ちなみに海尾大佐、私の方はどう思われているんですの?』

「はい、せくしいーだと思います」

 しまった、即答してしまった。

『まぁ、大胆ね♡ でも嬉しいわ。ありがとう』

 如月は平然と返してくれたが、木曾や漣は完全にドン引いていた。二人からの視線が痛い。

 じゃあ残るオオカミさんはというと、こちらはなんと期待の眼差しで俺を見ていた。

 いや、期待の眼差しとかそんな可愛いものじゃなく、思いっきりカモンカモンと手招きして、俺の発言を求めている。

 なんだよ、そんなに俺に口説いてほしいのか。よし分かった、ちょっと待てよ。

「えっと・・・料理上手な女性って、とっても魅力的だと思います」

「ありきたりね」と、オオカミさんからも冷たい視線を頂いてしまった。

『もうちょっと何か言ってあげた方が良いと思います』

『女の子はね、ただ褒めてくれたらそれで良いって訳じゃないのよ?』

 五月雨と如月からも駄目出しをされた。

 しかし彼女だけは違った。

『けど、俺は飯の美味い奴は良いと思うけどな。戦場から帰ったとき、家で温かくて美味い料理を作って待っていてくれる奴が居るのは、きっと幸せだ』

 どこか遠くを見て哀愁を漂わせながら呟く木曾は、三等身ドールのくせに俺でも見惚れるくらいのイケメンだった。

 でもね、

「キッソーさん、言う側目線で発言してませんか(;´・ω・)」と漣。

 うん、そうだよね。

「あとご主人様、わざとらしくて悪うございましたねぇ」

 あ、やっぱりそこも聞かれていたか。

「でも可愛いって意味だぞ! 五月雨とは違う魅力って意味だからな! 誤解すんなよ!?」

「可愛いってのはわかってますよ。でも、わざととか作ってるつもりなんかないですからね。これでも素ですよ。天然ちゃんですよ」

「マジか( ゚Д゚)」

「嘘です(;^ω^)」

 苦笑しながら否定した漣に、ちょっとだけ安堵する。

 もしネタじゃなく本気で“ご主人様♪”とか呼ばれていたんだったら、これからどうコイツと付き合って行けばいいのか本気で悩むところだった。

 結局、作戦会議はこんな感じでグダグダとした世間話に移行したが、それでも彼女たち艦娘は陣形を崩すことなく、整然と俺が指示した針路に向けて航行を行っていたのだった。

 

 

 

 

 

軽巡一隻と駆逐艦三隻の艦隊が一列になって、どんぶらこっこと海を行く。あれから特に何が起こるわけでもなく、海はいたって平穏なまま時間だけが過ぎていった。

 

「夕飯は何にする? カレーライス以外のものを作っても良いわよ」

 

カレーうどんとか、とオオカミさん。結局カレーじゃ無いか、というツッコミ待ちなのかも知れないけれど、正直、別に嫌でもなんでも無い。

 

「漣的には三食カレーライスでも全然いけますよ〜(・∀・)b」

 

「まさに主食だな。カレーがここまで愛されていると知ったらインド人もビックリだろう」

 

「(ノ・ω・)ノインドジンヲミギヘ」

 

「ニホンジンヲヒダリヘヽ(・ω・ヽ)」

 

「二人して何をやっているの?」

 

「「(=・ω・)ノ日印友好ヽ(・ω・=)」」

 

「楽しそうね、あなた達。じゃあせっかくだからインド風にナンでも焼いてみようかしら」

 

 

と、オオカミさんが腕をふるって大量のナンを焼いてくれた。

 

「他の娘達の分も、もちろんあるわよ〜」

 

との事なので、木曾に搭載されている無人偵察機を飛ばしてカレーとナンを回収し、各艦に配ってもらった。

 

夕食の用意が整ったとの連絡を受け、漣と連れ立って食堂へ降りると、配膳の終わったテーブルの上に、五月雨、如月、木曾のアイコンドールも表示されていた。

 

五月雨と如月のドールの前にはカレー皿も表示されていて、哨戒当直艦の木曾以外は夕食の時間であることを示していた。

 

ちなみに表示されているカレー皿の中身がナンに変わっている辺り、なかなか芸が細かい。

 

俺が席に着いたのを見計らって、みんなで手を合わせる。

 

「「「『『いただきます』』」」」

 

カレーには昼と同じくカツも添えてある。ライスのカツカレーならお馴染みだけど、ナンのカツカレーは珍しいかも知れない。

 

ナンでカツを挟んで、カレーに浸して食べる。変則的カツカレーサンドイッチといった風情だ。カツカレーサンドとかお目にかかったことは無いけれど、きっと美味いに違いない。だってこのカツカレーナンが美味いのだから。

 

「『『パクパク(*´ω`)(*´ω`*)(´ω`*)ウマウマ』』」

 

もちろん木曾以外の三人娘も満面の笑みでナンをパクついていて、作ったオオカミさんも満足気だ。

 

「あら、司令。もう食べ終えたの? お代わりならまだまだあるわ。ほら、焼きたてよ!」

 

気前よく焼きたてホヤホヤのナンが目の前に追加される。それをアチアチと指で摘み上げて、ちぎり取り、カレーに浸してかぶりつく。

 

俺のその様子を見て、如月さんが「うふふ」と笑った。

 

『提督、男らしい食べっぷりね。素敵だわぁ』

 

「ん、そ、そう? けど、食べているところを褒められると少し恥ずかしいな」

 

『男の人の豪快な食べ方って、見ていて気持ちの良いものなんですよ。ねえ、五月雨ちゃんもそう思わない?』

 

『え? えっと、どうなんでしょう』

 

『うふふ〜、わからないフリしちゃって。五月雨ちゃんだって、提督がお食事中はいつもジッと見つめているじゃないの』

 

『ふぇっ!? 如月さん何で知ってーーあ、えっと、その』

 

赤くなってわたわたな五月雨ちゃん。

 

え、俺こんな可愛い子にいつも見つめられていたの? どうしよう、俺も照れちゃうなあ。

 

「ご主人様の事じゃなくて、お隣の司令の事ですよ( ̄ω ̄)」

 

「知ってます( ̄∇ ̄)ユメミタッテイイジャネーカ」

 

「( ̄ω ̄)カンチガイハズーイ」

 

「( ̄∇ ̄)ウルセーバーカ」

 

しかしガツガツ喰ってる姿なんか見て本当に魅力的に思えるものかね。隣にいる漣なんて俺以上にガツガツ喰らっているけれど、その姿は正直いって・・・

 

・・・あれ? 意外と可愛いかも?

 

と言っても女性的な魅力とかそういう方向性ではなくて、子供が食事を全力で楽しんでいる姿的な意味での可愛い、だ。

 

俺でさえそう思えるのだから、料理を作ったオオカミさんなんかは、もう母性愛に溢れた笑顔で漣のことを見つめている。

 

人妻オオカミさん。

 

そんな姿をふと想像したら、思った以上にがっつりハマって、ちょっとキュンとした。嫁力の高いこの女性と温かな家庭を築く。うん、アリです。実にアリです!

 

俺はさりげなく彼女の左手の薬指に視線を向けた。そこには指輪は無い。嵌めていた跡も無さそうだ。案外、これはチャンスかも知れない。

 

よし決めたぞ。俺、この航海から帰ったら彼女に告白するんだーー

 

『も、もう如月さん、からかわないでください! 私、別に提督とそういう関係って訳じゃ・・・』

 

『このカレーを作ってあげたら、提督はきっと喜ぶわよ』

 

『そうでしょうか。あの人、もうちょっと甘めの方が好みで・・・あ!?』

 

『やっぱり敵わないわねぇ』

 

『ち、違うんです! これは、その、えと、わ、私は初期艦だったから!』

 

『ふふ〜、羨ましい。私も早くそんな人と出逢いたいわぁ。ねえ、南方の提督さん、そう思いません?』

 

如月さんがそう言って、にこりと微笑みかけてくる。そんな風に言われたら首をブンブンと縦に振るしかない。帰ったら是非とも貴女の手料理を食べて見たいものです。そんな気持ちにさせられてしまう。

 

しかし笑顔ひとつでこんな気持ちになってしまうとは、まさか、これこそがニコポってやつなのか!?

 

「とか思ってんですよ、このご主人(ノ・ω・)ヒソヒソ」

 

「腰の軽そうなところが、少し不安かしらね」

 

さらっと心の声を読んでるんじゃねーよ。何でそんなに的確なんだよ。

 

「そりゃ、そんだけ鼻の下を伸ばしてりゃ誰だってわかりますって。それと、またカレーが口についてますよ」

 

むむむ。紙ナプキンで口元を拭うついでに鼻の下を覆い隠す。如月ドールがニコニコと俺を見つめる横で、木曾ドールが半ば呆れたような視線を向けていた。

 

やだ、恥ずい。このまま顔を両手で覆ってテーブルの下に隠れてしまおうかとも思ったところで、ふと、別の疑問が湧いて出た。

 

「なあ、漣」

 

「なんですか腰の軽いご主人様?」

 

「腰軽言うな。それよりも今更だけど、他の子たちにも俺の様子が見えているんだよな?」

 

「本当に今更ですね。そうですけど、何か?」

 

「もしかして俺のアイコンドールも他艦に表示されているのか?」

 

「そんなの当然じゃ無いですか。あれ? 言ってませんでしたっけ?」

 

「聞いとらん。そもそも俺は自分のアイコンドールなんて設定した事は無いぞ」

 

どういう風に表示されているのか気になる。

 

「んじゃ、私たちのぶんも表示しておきますね」

 

ピコンと電子音が鳴って、テーブル上に三体のアイコンドールが追加された。一つは漣本人のものだ。三頭身ディフォルメになっても印象があまり変わらない辺りコイツらしいと言える。

 

もう一体はオオカミさんだった。

 

「懐かしいわね。これ、私が現役時代に作ったドールよ」

 

「艦隊司令部の共有データベースに過去のアイコンデータが残されていたので、猫娘ちゃんが探して来てくれたんですよ〜」

 

へえ、これが若かりし頃のオオカミさんか。と言ってもそんなに見た目は変わってないけれど。それでもキリッとして精悍ながら大人の女性としての余裕を感じさせる姿だった。

 

そして残る一体。これが俺用のアイコンドールか。

 

この海軍の制服姿にTの字が突き刺さっている、コレが。

 

そう、制服の襟元にTが刺さっているというかニョッキリ生えているというか、つまり首から上がただのTなのだ。Tってのはアレか。提督のTか。

 

「俺だけ適当すぎるだろ!?」

 

「だってデータ無かったですし」

 

「だからってディフォルト設定がT字ヘッドとか、やっつけ仕事にも程があるだろ。これじゃ表情どころか首と顔の区別すらつかないぞ」

 

「かと言って今から全部作っていたんじゃ時間も手間もかかり過ぎるんで無理無理ムリのカタツムリですよ」

 

「じゃあせめて他の顔は無いのか」

 

「えーっと」

 

パッと顔が、Tから提に切り替わった。

 

「文字しか無いんかい」

 

「なんなら顔写真でも貼り付けておきましょうか」

 

それはやだなぁ。身分証の顔写真とかもそうだけど、こういうのは男前に写った試しがない。

 

そんな事を話しているうちに、五月雨がさっさと食事を終え、木曾と哨戒当直を交代した。単縦陣の先頭を走っていた木曾が最後尾へと回り込み、彼女のアイコンドールが食事中に切り替わる。

 

『さて、俺も頂くとするか。・・・あぁ、いい香りだ。これなら何枚でもイケそうな気がするぜ』

 

木曾が合掌し、そして落ち着いた様子で食べ始める。アイコンドール越しとはいえその食べっぷりを見ていると、先ほどの如月の言葉も何となく納得できそうな気がして来た。

 

何というか、イケメンって何をやってもイケメンなんだなぁ、と思わされてしまう。男としてなんだか悔しい。でもカッコよくて、思わずときめいちゃう。どうしよう、俺、男なのにっ!

 

・・・って、木曾は女性だった。という事はつまり俺のときめきは倫理的にも生物学的にも全く問題はないという事だ。あ〜良かった。

 

『おい、如月、どうした。さっきから俺の顔をジッと見てさ。俺の顔に何かついているのか?』

 

『ん〜、ついているといえば、ついているわ。口元にカレーが少し』

 

『アイコンドールで手を伸ばされても拭けやしねえよ。自分でやる』

 

『実際に隣に居られないのが残念ね。でも、そうやって貴女が時々見せる油断したところ、私、結構好きよ』

 

『何を言ってんだか』

 

フッと軽くあしらいながら食事を続ける木曾と、それを穏やかな目で見つめる如月。

 

何だろう、この入り込む隙のない感じは。それに同じく口元にカレーを付けても、こうまで反応に差があるものかね。ウチの秘書艦なんか力いっぱいバカにしてくれやがりましたよ。

 

「そりゃそうですよ。ただしイケメンに限るってやつです」

 

また人の心を読んで漣が言う。そのことにはもう今更突っ込まない。それよりも、

 

「俺だってイケメンだ!」

 

「自分で言いますか、そういうこと。そもそも、イケメンは嫌いだ、とか言ってませんでしたっけ?」

 

「そんな昔の話は忘れた」

 

「都合のいい性格してますね〜」

 

「お前ほどじゃねえよ」

 

「そう言われると照れますね」

 

「褒めてねえよ。・・・いや、ある意味では褒めているのか」

 

俺達がそんなやりとりを交わしている傍で、オオカミさんがくすくすと笑った。

 

「あなた達って、仲が良いわよね」

 

「そう見えますかね?」

 

「良いコンビよ。二人はいつからの付き合いなの?」

 

オオカミさんの質問に、俺は漣と目を合わせる。

 

「知り合ってどれくらい経ったっけ?」

 

「そうですね〜。そろそろ十時間ってところじゃないですか?」

 

今朝方、海岸で行き倒れていた所を介抱されて以来の付き合いだから、そんなものだろう。

 

「いやいやいや、ちょっと待って」とオオカミさん。「もしかしてあなた達、今日出会ったばかりだって言うの!?」

 

「もしかしても何もその通り」

 

「・・・てっきり数年来の付き合いかと思っていたわよ。だって、お互いに対して全然遠慮がないのだもの」

 

遠慮ねえ。コイツと顔を合わせて最初のやりとりがボケとツッコミだった時点で、遠慮なんてものは介在する余地はなかったと思う。

 

と言うか、そもそも漣は誰かに遠慮なんてするような性質なのだろうか。

 

「失礼な。漣はこう見えても、結構シャイな性格なんですからね」

 

「嘘を言うな、嘘を」

 

「(・ω・)」

 

何だその形容し難い表情。

 

『なあ』と木曾。『お前ら初対面なのに、ご主人様とか言っているのか』

 

「ドール越しでも君達が引いた表情をしているのがわかるよ。むしろ、今までその疑問が出て来なかったのが不思議だ」

 

『当たり前のようにそう呼んでいたから、ちょっと訊くに訊けなくてな・・・』

 

「お気遣いどうも。別に俺の趣味とかじゃないから誤解しないでくれ。たんコイツの悪ノリに付き合っているだけだ」

 

漣を指差すと、彼女がポツリと呟いた。

 

「・・・もしかして、実は迷惑だったりしますか(´・ω・`)」

 

その不安の混じった声と表情に、俺は少し驚いた。

 

意外と気にしていたのか。

 

「・・・いや、まあ、そこまで嫌ってわけじゃ無い」

 

「(*´ω`*)」

 

全く、あからさまにホッとした顔を見せやがって。無遠慮の塊みたいな態度を取っている癖に、案外、他人の顔色を見ているのかも知れない。

 

つまり、コイツがこんな態度を取っていたのは、俺の態度がそうさせていたという事だ。という事は、俺が真面目に堅物な態度を取っていれば、漣も相応の態度をとるのかも知れない。

 

「・・・」

 

「どうしました、ご主人様?」

 

「んー、そのまんまでも良いかな、と思って」

 

「はい?」

 

「何でもない。気にするな」

 

そう言って漣の頭をポンポンと軽く撫でてやると、彼女はちょっと戸惑った顔をしたが、すぐにニヘラっと表情を緩めた。

 

『ふふ、優しいわね、ご主人様♡』

 

ニコニコと如月さん。あなたの声で「ご主人様」とか言われると背中がゾクゾクしちゃいますよ。

 

『五月雨ちゃんも、帰ったらあの人に言ってあげたら?』

 

『な、何を言ってあげるっていうんですか!?』

 

『あら、決まってるじゃない。それとも、あ・な・た、の方が喜ぶかしら?』

 

『そ、そうでしょうか。喜んで・・・で、でも無理です! 恥ずかしいですよぉ!』

 

『うふふ〜』

 

お隣の鎮守府も仲がよろしいようで。

 

実はさっきから漣とオオカミさんが、五月雨ちゃんを見る目つきが格好の獲物を見つけたものに変わっていたりして、お隣の鎮守府の人間関係を聞き出す機会を虎視眈々と狙っていたりする。

 

「ねえ、五月雨ちゃん」

 

と、オオカミさんが猫なで声で語りかける。

 

狼が虎の目で猫なで声とかもはや訳が分からないが、どれも肉食獣であることには変わりない。

 

「あなた、お隣の提督とどこまで進んでいるの? お姉さん興味あるなぁ」

 

やはりオオカミさんは狼だ。遠回りする事なくいきなり本題に噛み付いてきた。五月雨ちゃんがそれに反撃できるはずもなく、

 

『どどどどこまでとか、ななななにをををを!?』

 

パニックに陥ったように見せかけて、これは質問の意味がわかりませんよという初歩的な逃げだ。

 

さらに、

 

『わ、私、今は哨戒当直中ですから! そういう話は後にして下さい!』

 

「ほう、後でとな( ̄∀ ̄)」

 

漣とオオカミさんが悪い笑みを浮かべた。ついでに如月さんとも素早くアイコンタクトをかわしたのも俺は見逃さなかった。ちなみに木曾さんは我関せずを決め込んでカレーを黙々と食べている。

 

「ご主人様」

 

「はいよ」

 

「哨戒当直艦の繰り上げ交代を進言します」

 

『えっ!?』と五月雨ちゃん。

 

だが、言質はとられてしまっているのだよ。それにぶっちゃけ俺も興味あるし。だから、ゴメンね。

 

「許可する」

 

『えぇー!?』

 

「ほらほらサミちゃん、ちゃっちゃと交代しますよ〜」

 

『うわああん、なんでぇ。木曾さん、如月さんからも何とか言って下さいよぉ』

 

『このカレー美味いな』

 

『木曾さん、無視しないで!?』

 

『取り敢えず、抱き合ってたところまでは見たことあるわ』

 

『如月さああん!!??』

 

ほうほう、これはなかなか面白い恋バナが聴けそうだ。オオカミさんなんか、すでに口元の涎を手で拭っている。

 

「ふふ・・・この娘、美味しそうなラブコメの匂いがするわ。期待で口の中がもう甘々よ」

 

つまり食後のデザートって事ですね。わかります。

 

五月雨ちゃんが強引に当直艦を交代させられ、単縦列の最後尾に回り込む。位置的には木曾の後ろだ。合わせたようにアイコンドールも木曾の背中に逃げ隠れた。

 

「ふっふっふ」とオオカミさん。「五月雨ちゃん、逃げても無駄よ。根掘り葉掘り隅々まで色々と聞き出してあげるわ!」

 

『黙秘権を行使します!』

 

震えながら強がる五月雨ちゃん可愛い。でも、残念ながら今の彼女は孤立無援だ。

 

『そうねえ、先ずは去年のバレンタインデー辺りから話そうかしら』

 

『うわああん、如月さんの裏切り者ぉぉ!』

 

『カレー美味え』

 

あー、楽し。

 

そんな訳で隣の鎮守府事情なんかを色々と聞かせてもらった訳だが、それについての詳細はまた別の場所で語ってもらうとして・・・

 

・・・なんやかんやとあってまた少し時間が経った頃、三度、艦隊司令部から敵艦発見の報が俺たちにもたらされたのだった。




次回予告

 海原に緊急警報が響き渡る。助けを求める船がある。

 君がやらねば誰がやる。私がやらねば誰がやる。

 たとえ普段はおちゃらけても、やるときゃやるのが、艦娘魂!

「第四話・今度こそ守護るッ(`・ω・´)!」

「とか言って、またカレー食ってだべるだけじゃありませんよね?」

「・・・(^_^;)」

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