戦い終わって日が暮れて。
やっとこさ鎮守府へ帰港した俺たちを美人が出迎えてくれた。
「お帰りなさいませ、三人ともお疲れ様でした」
そう言って黒髪ロングに理知的なメガネが魅力的なその女性は、俺たちに穏やかな笑みを向けた。
「え、誰この美人、付き合ってください(いったい君は誰なんだ?)」
「ご主人様、逆です、逆(-_-)/~~~ピシー!ピシー!」
「ぶれない人ねえ」
呆れる漣とオオカミさんを余所に、美人な彼女は(^―^* )フフ♪とたおやかに笑った。
「美人だなんて褒めて頂きありがとうございます。この姿のモデルとなった大淀さんも喜ぶと思いますよ」
「モデル?」
「ええ、これ、立体映像ですから」
そう言って彼女は、どこからともなく猫を取り出して、両手でぶら下げて見せた。ユルいデザインで、すっとぼけた顔をしながら彼女の胸の前で吊られているニャンコには見覚えがある。
「もしかして、猫娘なのか!?」
「はい、ご明察。ちなみにこの姿は軽巡艦娘の大淀さんをモデルにしているんです。もちろん、本人からもちゃんと許可を頂いていますよ。妹ができたみたいって喜んでくださって、名前まで頂いちゃいました」
「名前ねえ。大淀の妹分ってことは、あれか、計画だけで未竣工の二番艦があったよな。確か“仁淀”といったかな」
「惜しいですね」
「惜しい?」
「“仁淀”は既に別のAIが先に名乗っちゃったんですよ。南方のAIったら、ほんと図々しいんだから、もう」
「お、おう(;´・ω・)」
「なので、仕方ないんで私、こう名乗ることにしました」
にゃーん、と手元の猫が空中へと飛び出して、その場でクルリと宙返りした。その姿にまたノイズが混じり、猫耳カチューシャへと変化する。
そのカチューシャが彼女の頭にスチャッと装着された。
「改めましてこんばんは。私、業務支援用AIのUN-A、通称“ニャン淀”です。どうぞよろしくお願いしますにゃん♪」
あざとくにゃんこポーズの猫娘改めニャン淀。ピコピコ動く猫耳に加え尻尾まで生えてた。あざとい、実にあざとい。
なんか俺の傍らで漣がわなわなしてる。
「知的美人と萌えの両立・・・こ、これはキャラ被りの予感Σ(°Д°)」
「一ミリ足りとも被ってないから安心しろ。ていうか張り合うな」
「ちょっと待って」とオオカミさん。「大淀の外見で猫耳がアリなら、もしかして私にもまだワンチャンある・・・?」
「無いから、やめなさい」
まぁワンコスタイルならアリかもしれないけれど。
いや、二人とも本当は似合うかもしれないよ。でも部下がみんな揃ってケモミミ付けてるとか、そんな鎮守府を他人に見られたら何を言われるか分かったもんじゃない。
ただでさえ「ドリル戦艦が~」とかのたまってしまったせいで頭が可哀想な人扱いされているのに、その上、部下にケモナー趣味を強要してると誤解された日にゃ、俺の評判なんて深海の奥底に沈没してサルベージ不可となること必定じゃねーか。
そんな保身全開な俺の思惑を余所に、ニャン淀が、「それはそれとして」と話を続けた。
「みなさん、本当にお疲れさまでした。特に提督におかれてましては顔が可笑しい――いえ、おいたわしいことになっているようで」
プッと吹き出しかけたのを慌てて堪えるニャン淀。無意識に笑いだすとか高性能すぎるだろこのAI。ちくしょうめ。
そりゃまあ俺の顔面は絆創膏だらけ、しかもウサギ柄のファンシーなやつがいっぱい貼られているから仕方ないけどさ。
ニャン淀がわざとらしく咳払いして続けた。
「失礼しました。医務官が待機していますので念のため検査を受けてきてください。それで異常が無いようであれば、私室の準備が整っておりますから、ごゆっくりお休みくださいね」
「ああ、そうさせてもらうよ」
もう色々と疲れた。ここへ帰港するまでにも報告書の作成やら、漣の船体の修復手続きやらで全然休まる暇もなかったし、正直、体力的にも限界だった。
けれど帰港するまでに頑張ったおかげで、急ぎで処理すべき業務はあらかた終わっているし、さらに幸いなことに今日は華の金曜日だ。週末はゆっくり休んで、週明けから仕事に取り掛かるとしよう。
俺は皆にそう告げて、その場は解散となったのだった。
で、それからちょうど二十四時間後の深夜過ぎ。
俺と漣とオオカミさんの三人は、町の居酒屋に居た。
「それでは、新生警備艦隊の初出撃と無事の生還を祝って、かんぱ~い!」
(*’▽’)ノ∪ うぇ~~い ∪ヽ(’▽’ *)
俺の音頭に合わせて、漣、オオカミさん、さらに店に居合わせていた十人以上の客たちが一斉にグラスを掲げた。
手元のグラスに入った泡盛を一息で飲み干した途端、見知らぬおっちゃんが泡盛の一升瓶を抱えてやってくる。
「さすが提督さん、良い飲みっぷりだねえ。ささ、もう一杯」
「こりゃこりゃ、どうもどうも。おっととと」
「ささ、ぐいっと、ぐい~っと」
「ぐい~(´ω`)ノ ∪」
うぇっぷ、ぐぇっほ、げほげほ。思いっきりむせ返ってしまった。流石に十数杯目にもなって、まだこのペースを維持しろというのは無理がある。
さっきの乾杯の音頭ではあたかも宴会の始まりのようなことを言ったが、実は同じ言葉を三回ぐらい繰り返していた。
この島の風習とでもいうのか、酒の席では前口上を述べてから飲まなくちゃいけないらしい。おかげでお酌される度に定期的にアイサツを求められ、その都度思いつくままに喋ってきたけれど、いい加減もうネタも切れてきたので仕方ないから振り出しに戻ったというところだ。
だけど、同じ口上を繰り返したからと言って別に苦情もツッコミも出なかった。つまるところ内容はどうでもよかったらしい。というか人の話を聞いてないだけかも知らんが。
「かんぱぁぁ~~い」
(*’▽’)ノ∪ うぇ~~い ∪ヽ(’▽’ *)
今度はオオカミさんが音頭を取ってビールを大ジョッキで一気飲みした。口上は、早く結婚した~いとか言っていたような気がするけれど、よく覚えていない。つまり俺も他人の話なんか全然聞いちゃいなかったという事だ。うぇ~い。
そういや、そもそも、この店自体が何件目だっけ。
帰港した翌日、昼までぐっすりと寝こけた後、三人そろって町に繰り出して約束通りショッピングと南国スイーツ食い倒れにいそしんだ。もちろん経費は全て俺持ち。やばかった。今日一日だけで俺の通帳残高が五分の一くらいぶっ飛んだ。
提督という立場は結構な高給取りだけど、つまるところ、こういう出費も考慮しての給与設定なのかもしれない。部下の信頼を得るにしても先立つものが必要って訳だ。人の上に立つってのは金がかかるものなんだなぁ。
で、夕飯ついでに居酒屋に入って、そのままアルコールも入れて、んで地元の人たちと意気投合して、二件目に誘われて、そこで別の地元民と知り合って、知り合いが知り合いを呼んで、誘われるままに三件目、四件目と梯子酒と相成った次第。
色んな人たちと出会って、名刺交換もいっぱいした気がするけれど、どんな人たちが居たっけかな。
「ごしゅいんさま~、さざにゃみ、もうだめぽ(´Д⊂)」
漣が酔いつぶれて、胡坐をかいた俺のひざ上にぽてんと倒れ込む。
「撫でて(*´ω`)」
「へいへい」
片手で漣の頭を撫でながら、もう片手で自分の懐から名刺入れを取り出す。どれどれ、どんな人が居たかなっと。
なになに? 漁業組合の組合長さんに、町の商工会会長、さらに市議会議員の名刺多数に加えて市長さんまでいた。それだけじゃなく、○○会社社長とか支店長とかいっぱい出てくる。というか、この(有)金剛会系霧島組代表取締役って名刺は何ですか。怖すぎるんですけお!?
まずい。やばい。この名刺の人たちのこと全然覚えちゃいねえ。もしこの人たちに失礼なことしたり醜態さらしたりしてたら、俺の社会的人生はお終いだ。もっとも、記憶がない時点で手遅れかも知らんが。
誰が誰やら顔さえ覚えていないのがいけない。もしかしたらまだこの店に居る人かもしれんのだ。例えば、つい今しがたまで隣で飲んでいたハゲのおっちゃんが市長さんもしくは議員さんという可能性だってある。だって議員バッチらしいの付けてたし。
どうしよう、俺、あの人のハゲ頭ぺしぺし叩いちまったよ。「このハゲ―(笑)」とか言ってさ。おっちゃんも笑ってくれてたけど、絶対ダメなパターンだよコレ。
駄目なパターンといえば、今、オオカミさんが黒髪ショートカットヘアにメガネをかけた女性客に絡んでるけど、あれ絶対やばい、止めなきゃやばい。
だってその人、白スーツに赤いネクタイって格好してるもん。それに眼鏡の奥の眼光がただものじゃないもん。あれ修羅場を何度も潜り抜けてきた者の眼光だよ、絶対そうだよ、だからオオカミさんその人に馴れ馴れしく絡まないで、インテリヤ〇ザとか怒らせたら一番ヤバい人種なんだよ、俺の人生が社会的にどころか物理的に終わっちゃうよ!?
あ、やばい。オオカミさんが姐御を無理やりカラオケに誘いやがった。デュエット強要とか、それってセクハラになるんだぞ。訴えられたらどうすんだ。
・・・って、あれ? 姐御も意外と乗り気? マイクチェックまでするあたり乗り気どころか本気じゃないか。
というか、もしかしてあの二人って知り合い同士なの?
あ、やっぱりそうなの。なんだ、心配して損したぁ。
あ~よかった。安心したらまた飲みたくなってきた。よし飲もう。おい、漣、飲むぞ。って、駄目か。俺の膝枕でグースカ寝てやがる。
たく、可愛い寝顔しやがって。ねえ社長さんもそう思うでしょう。え、市長さん? またまたぁ、そんなタコみたいな頭してよく言いますよ。タコ社長でしょ、うひゃひゃひゃ、飲みましょ飲みみゃしょかんぱ~~い・・・・・・・
・・・・・・再び目覚めたとき、俺たちは公園に居た。穏やかな海を臨む小高い丘の上にあるベンチに、三人並んで腰かけていた。
俺を中心に、右側にオオカミさんが俺にもたれかかりながら眠っている。俺の肩に彼女が頭を乗せているので、その寝顔が間近にあった。俺の鼻腔に彼女の香りが漂ってくる。
うん、酒臭え。
左側には漣が居た。居酒屋で酔いつぶれたときと同じく、俺の膝枕でくーくーと寝息を立てていた。
俺は水平線に視線を巡らせる。ここは東向きなのだろう。空はうっすらと青みを帯びて星々の瞬きをその色の中に溶け込ませ、眼下に広がる海の果てと空の境目である水平線を浮かび上がらせていた。
海は鏡のように穏やかだった。風が無いのだ。こんな時期に外でのんきに酔いつぶれていられたのも、そのおかげだろう。俺は腕時計を見る。もう夜明けも近い時刻だ。
静かな朝だった。
しばし寝起きのぼんやりとした頭のまま、徐々に明るくなっていく海を眺めていると、不意に、俺の懐で何かが小刻みに震えだした。
震えていたのは、内ポケットにしまっていた携帯端末だった。音声着信だ。取り出して画面を確認する。そこに表示されていた着信相手の名前を見て、俺は軽い驚きを覚えた。
【海尾 守】
兄貴だ。随分と久しぶりな相手だ。向こうから連絡を取ってくるなんて珍しい。
「もしもし、兄貴? 珍しいな、ていうか、こんな朝早くから何の用だ?」
『朝早く? 何を言っているんだ。もう夜じゃ・・・あ~、そうか、“そういう時間軸に居るお前”に繋がったのか』
「は? 何言ってんだ?」
『気にするな。それより確かお前、提督になったらしいな』
「おう、そうだよ。すげえだろ。大佐にまで昇進したぜ。カッコカリだけど」
『カッコカリ? なんだそれ、聞いたことないな。・・・いや、こうして繋がった以上、近いうちにこっちも“そうなる”のだろうな』
「さっきから何をぶつぶつ独り言を呟いているんだよ。気持ち悪いぞ。酔ってるのか」
『酔っているのはお前だろう。口振りでわかる。泥酔しているな。そっちは朝らしいが、つまり朝まで飲んでいたという事か。なんて奴だ。ちょっとは自重しろ』
「久しぶりに連絡してきたと思ったら、説教かよ。俺はてっきり提督への着任祝いだと思ったぜ。がっかりだ」
『着任祝いも理由の半分くらいはある』
「もう半分が説教か」
『アドバイスだよ。説教についてはオプションだ』
「やなオプションだな。まあいい。じゃあアドバスとやらを拝聴いたしましょう。よろしく、先輩」
『ドリル戦艦のことは気にするな』
「わかった・・・って、はぁっ!?」
なんであの戦艦のことを知っているんだよ、と聞き返す前に、兄貴は続けた。
『あれは味方じゃないが、少なくとも敵でもない。俺のところではそうだった。だから、こうして繋がった以上、“お前のところもそうなる”はずだ』
「言っていることがさっぱりわからない。俺がまだ酔っているのか、それとも兄貴も酔っているのか?」
『よくわかったな。俺も実は晩酌しながら話しているところだ』
「おい」
『こっちも色々と遭ったんだ。その上、違う時間軸上にいるお前とコンタクトを取れとか言われて、素面じゃやっていられなくてな。でもまさか本当につながるとは思わなかった。・・・・・・なぁ、お前は本当に、あの活流なのか。酒に酔って聞こえている幻聴じゃないのか?』
「兄貴こそ、俺の幻聴じゃないのか。もう訳が分からない。頭が痛いよ。二日酔いだけが原因じゃない。この通話のせいだ。後でかけなおすから、もう切ってもいいか?」
『かけなおしても、それはもう別の俺だ。今の俺とは繋がらないだろう』
「昨日の自分は、明日の自分とは違う。なんだか哲学的だなぁ。・・・切るぞ」
『事態はメタ次元の領域に及びつつあることがこれで証明されてしまった訳だ。・・・いや、聞き流してくれていい。お終いにしよう。おやすみ、って、そっちは朝だったな』
「もうひと眠りするさ。じゃあな。白雪義姉さんにもよろしく言っておいてくれ」
『しらゆきねえさん・・・ああ、そうか、お前のところの俺はそうなのか。しかし、これだといったいどうなるんだ。つながった以上“そうなる”のか? それとも不確定要素が増えてしまうのか? まずいな、このままだと、またややこしいことに―――』
「おやすみ」
言い捨てて、通話を切断する。いったい何だったのやら。首をひねりつつ俺は大あくびをかました。
空はすっかり明るくなっていた。水兵線の一画が白く輝き、そこから太陽がゆっくりと姿を現し始める。
暁の水平線を眺めながら、俺はまだぼんやりとしていた。両脇の二人も、まだ寝息を立てて眠っている。俺が耳元でこんなにも話しこんでいたというのに、神経が太いというかなんというか。
手に握りしめていた携帯端末を仕舞おうとしたとき、俺は、ふとあることに気が付いた。
「・・・・・・っ!?」
端末の電源が、落ちていた。充電切れだ。起動ボタンを押しても、ウンともスンとも言わない。
そうだ、そうだった。俺はあることを思い出した。
充電は、ずっと落ちていた。深夜、居酒屋で飲んでいた時から、ずっと。
(じゃあ、俺は何を使って、誰と通話していたんだ・・・!?)
ぞっ、と背筋が寒くなった。
と、そのとき、俺の両脇で突然、大きな音が鳴り響いた。
「うわっ!?」
「はにゃΣ(゚Д゚)」
「んにゃ!? んにゃー( ゚Д゚)」
三人そろってベンチから飛び上がりかける。
だが、何のことは無い。この音の正体は、二人が所有している携帯端末から鳴り響いたものだった。
「わ、びっくりした。何かと思ったら着信ですか」
「こんな朝早くから誰かしら。あら、ニャン淀だわ」
「私のもそうですね。同時通話みたいです。ご主人様のは?」
「電源が落ちている」
「そうでしたね」
二人が通話を始める横で、俺は自分の端末を握り締めながら、記憶に残る兄貴との会話を思い出していた。
(ドリル戦艦のことは気にするな。・・・これしか言ってねえ)
これのどこがアドバイスだよ。そう思っていた俺の耳に、ニャン淀の金切り声が響き渡った。
『皆さん、いったいどこにいるんですかぁぁぁ!!』
キーンと耳鳴りがする程の音量だった。離れている俺でさえこれなのだから、耳元で叫ばれた漣とオオカミさん思わず端末を投げ出しかけていた。
「ニャン淀ちゃん、いったいなんなの(>_<)」
『なんなのじゃありませんよ。官舎の管理人さんから、朝になっても三人とも帰ってこないって連絡があって、心配していたんですからね。提督に至っては電話さえ繋がらないですし、まったくもう。・・・それで、どこにいるんですか』
「え~っと、公園(;^ω^)」
『まさか三人そろって野宿とかじゃないですよね』
「そのまさかかなぁ」
『海軍軍人ともあろう立場の人間が酔いつぶれて野宿とか何を考えているんですかぁぁ! 三人ともすぐに戻ってきなさい! お説教です!』
「わ、私はもう艦娘じゃなくて、ただの調理のお姉さんだし、見逃して・・・」
『駄目です。軍属とはいえ貴女も海軍の立派な一員です。海軍の品位とは何かという事をまとめて叩き込んであげるので、覚悟してください』
「「「げぇぇぇ」」」
重なった俺たちの悲鳴が、青い南国の空の下で響き渡った。その頭上を海鳥たちが飛び交い、そのまま朝陽きらめく海上へと飛び去って行く。
ここは南西諸島の一つにある、小さな鎮守府と、そこに属する艦娘艦隊。そこに着任早々に巻き起こった今回の戦いと、そして目覚め前の浅い夢にも似た兄との会話の本当の意味を俺が知るのは、もう少し、後の話である・・・・・・
ついでに、飲み会で迷惑をかけた市長さんを始め関係各所に菓子折りを持って土下座しに行くことになると知るのも、もう少し後の話である・・・・・・
――了――
次回予告
海原を眼下に見下ろし、機械仕掛けの鳥たちが群れを成して飛んでいく。
基地航空隊・第二無人航空機戦隊。通称“二航戦”を率いる若き指揮官、多門丸 歩と、彼を支える航空母艦・飛竜。
とはいえ彼は空に居て、彼女は海から見上げるばかり。飛竜の想いは届かずに、多門丸は今日も雛鳥たちを率いて空を征く。
果たして、彼女の想いは、彼に追いつけるのか。
第三章~飛龍の恋~「第十九話・AI殺し多門丸!」
多門「ちょっと待て、いきなり物騒なタイトルをつけるな。風評被害だ」
飛竜「え~、カッコいいのに」