戦争反対!な堕天使幹部   作:ブレイカー

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あれー?俺なに書いているんだろ?

もうひとつの作品の直しを考えていたはずなのにおかしいなー?

えっと、気の迷いにしか思えない作品ですけど読んでくれたら嬉しいです。はい。


最近部下の様子がおかしい/俺、堕天使幹部になりました

それは晴天の日の事だった。

近ごろコカビエルの様子がおかしいと思い俺……アザゼルが奴を尋問したのは。

 

以前の奴は荒れていた。

他の勢力に対して威嚇とも言える過激な発言や行動を起こしたり、俺に内緒で勝手に神器(セイクリッドギア)所有者に危ない実験を行っていた。

 

俺はそれが近々いらん騒動を起こすのではないかと危惧してそろそろコカビエルに警告をしようとしていた。

 

しかし、奴はいきなりその手の戦争を起こしかねない行動を止めた。まさに突然に、だ。

 

いや、それだけなら俺も奴を問い詰めようとはしなかった。気が変わったのだろう程度しか思わなかっただろう。

しかし、奴は何といきなり孤児院を建設して今まで実験材料としていた神器保有者を住ませ始め資金提供をして経営し始めたのだ。

 

その報告をシェムハザから聞いた時は思わず耳を疑ってしまったぜ。

 

だってあの戦争狂のコカビエルだぞ!?今まで何度外交問題すれすれの行動をおこして俺の胃を痛めさせられたことか分からねぇあいつがだぞ!?

 

信じれる訳ねぇだろ!!

 

それにシェムハザの報告では争い事一辺倒だった奴が近頃スタイルのいい堕天使の女を寝床に誘って一夜を共にしてハーレムを形成したらしい。当たり前の事だが、その女達も皆が皆合意の上で一夜を共にしたらしい。

 

……ありえねぇ!!何度でも言うがありえねぇ!!

 

奴は女よりも戦い。愛よりも力こそが一番という主義の男だ。そんな奴が合意の上で女を抱いた?信じられる訳ねぇだろうが!!

 

そんな訳で奴の経営している孤児院を訪れたのだが……

 

「院長先生!いっしょにあそぼー!!」

 

「あっ!ずるい!!先生は僕たちと一緒に遊ぶんだぞ!」

 

「違うわ!院長先生は私達とおままごとを一緒にするのよ!」

 

「はは。皆元気があっていいな。だけど喧嘩はしたら駄目だぞ。皆仲良く遊ばないなら先生も遊んでやんないぞー」

 

「え!それはダメだよ!!皆じゃんけんしよう!!代表で勝った奴の所から順に遊ぶようにしよう!」

 

『よっしゃあ!!ジャンケンポン!!』

 

……これは一体何の悪夢だ。

あのコカビエルが。人間や弱小の存在などゴミのようにしか見ていなかったコカビエルが。子供達に爽やかな笑顔で笑い、見守っている。

 

昔の行動を知っている者からしたら恐らく気を疑う事間違いなしの光景だ。

現に俺がそうなのだから間違いない。

 

「……あの?どちら様でございますか?」

 

「あん?」

 

コカビエルの変わりようにどうやら気が動転しすぎていたみたいだな。

後ろに来ていた下級堕天使の存在にまさかこの俺が気づかないとはな。

 

……ふむ。

黒髪の中々のボン・キュッ・ボンのねぇちゃんだな。成る程。こいつが最近コカビエルが囲った女の一人って訳か。美人で結構。

けっ!羨ましくなんかねぇからな!!

 

「ああ。すまねぇな。俺の名前はアザゼルってんだ」

 

「アザゼル?……アザゼル様!?こ、このようなところまで遠路遥々ご苦労様です!!す、すぐに、旦那さm……コカビエル様をお呼びします!!」

 

どうやらこいつは俺の顔を見てもすぐには気づかない程の下っぱの堕天使みたいだな。ある程度上なら俺の顔と名前を知ればすぐに誰か分かってそれなりの行動を起こすしよ。

それにしても、旦那様……ねぇ。あのコカビエルが変わったもんだ。仲がいいようで結構だよ!こんちくしょう!

 

「誰かと思えばアザゼルか。そのような殺気を振り撒くのは止めてもらおう」

 

「あ?」

 

気づけば先程まで子供と戯れていたコカビエルが俺の後ろに立っていた。

いかんいかん。今日はどうしても気が抜けてしまって仕方がねぇ。まさか一日に二回も背後をとられてしまうとはな。

 

「ああ。それはすまねぇな。どこかの誰かさんが今までに無いような行動をしているものでな。俺としては正直今すぐにでもその真意を確かめて、おかねぇと安心できないものだからよ」

 

「ふむ。どこの誰だろうな。堕天使の総督殿の平穏を壊そうとする者は。余程の者に違いない」

 

お前の事だよ!分かって言ってんだよな!いい加減殴るぞ!

 

「ちっ。それでコカビエル。どういうつもりだ?いきなり『お前が』孤児院を経営し始めるなんてよ?」

 

あえて『お前が』を強調してやった。これは先程の奴が言っていた余程の者がお前だよ!という意味も含んだ問いかけだ。

これで自分の言いなりにして兵隊にするつもりとかいったらこいつを殺す。この時の俺には、そんな覚悟も俺にはあった。

 

しかし、奴の答えは俺の予想の遥かに斜め上を飛んでいったのだ。

 

「子供は天使だからに決まっているだろ?」

 

「は?」

 

イマナンテイッタコイツ?

 

「全く。いいかアザゼル。子供は天使だ。汚い大人に将来なるかもしれんがそれは育てた親が悪かっただけだ。どんな子供も最初は純粋無垢な存在だ。しかし、世の中にはそんな子供(天使)を棄てる大人がいる。そんな大人に将来子供(天使)達がならないように子供(天使)達の面倒を見るのも俺達年長者の勤めであると俺は思っている」

 

「……」

 

「だからこそ俺はこの孤児院を経営することを決意した!将来有望な若き目を摘まない為にもな!アザゼルも捨てられた子供がいたらここに連れてきてくれ。少しでも立派な大人に育ててやりたい」

 

「え?あ、お、おう」

 

うん。まじで誰だこいつ?

別人?いやそれはねぇな。こいつのオーラは確かにコカビエルの物だ。長年苦労させられたとはいえ、一緒に戦ってきたんだそれは間違いない。

もしかしたら、何らかの事件があって改心したのかもしれないという考えもあることはあった。

だけどいきなり百八十度回転の思考はおかしすぎんだろ。

もはや元の戦争狂の思考なんて欠片も残ってねぇぞこいつ。

 

「……コカビエル最近変な物でも食ったか?」

 

「何を馬鹿なことを言っている。子供達と一緒に食べるんだ。そんな物を食べるわけがないだろ」

 

「頭を強く打ったとかは?」

 

「寧ろお前の頭を強く殴ってやりたい気分だ。大丈夫か?アザゼル?」

 

「お前にだけは言われたくねぇよ!」

 

ついに耐えきれずに言ってしまった。が、後悔はねぇ。

全く本当にどうしたんだこいつは。

……まさか!!

 

「おい、コカビエル。まさかとは思うがお前ロリコンに目覚めたなんて事はないだろうな!」

 

「は?何を馬鹿なことを言っている?私は普通に大人の女性が好きだが?先程お前が話していた堕天使のレイナーレとも昨晩一戦交えるぐらい普通の感性だが?」

 

「死ね!まじでお前死んでしまえ!!お前一人でいい思いしてんじゃねぇよ!!」

 

ちくしょう!あの胸に飛び込んで吸ったのか!吸ったのか!!お前!!!

最近俺はご無沙汰なんだぞ!!

 

……はぁ、もうどうでもいいか。

 

俺はクルリと踵を返した。

 

「うん?帰るのか?」

 

「ああ。お前が孤児院を建てるなんて今までの行動からしたらあり得なかったからその真意が知りたかっただけだ。どうやら悪意はねぇみたいだから帰るとするよ。ほれ、子供達と遊ぶんだろ?さっさと行ってやれよ」

 

本音は違うけどな!単にこの場にいると疲れるからだ。

 

「む。そうか。これからここに来るときには連絡をくれ。すぐに出迎える準備をしよう」

 

「ああ。分かったよ」

 

もう来ないとは思うけどな!!

 

この後念のために張りつかせていた密偵から一晩中喘ぎ声が聞こえてコカビエルに殺意が沸いたと報告され密偵には申し訳ない気持ちで一杯になるのは別の話。

 

あの野郎防音位しとけよ!子供の教育に悪いだろうが!

 

 

■■■■■■■■■

 

 

 

 

世間一般でいうところの憑依転生という言葉をご存じだろうか?

漫画やアニメといった創造物の原作キャラの一人に自分がなってしまう二次創作の定番ネタだ。

 

俺『‡※‡&♯【§♯』はどうやらその憑依転生をしてしまったみたいだ。

 

名前が聞き取れなかった?失礼どうやら俺の前世の名前は今世ではどうやら聞き取れないようになってるみたいだ。これも一つの世界の補正なのかもしれないな。

 

まぁそんなことはどうでもいい。問題は憑依した人物と世界だ。

 

世界の名前は『ハイスクールD×D』そして今世の俺の名前は『コカビエル』だそうだ。

 

さて、これでお分かりいただけだろうか?

俺に死亡フラグがビンビンに建っているであろうことが。

 

ハイスクールD×Dのコカビエルと言えば原作三巻で悪魔と戦争を起こそうと聖剣エクスカリバーを盗み、主人公勢に喧嘩を吹っ掛けた結果、当時その場にいたパワーインフレが全く起こっていないメンバー状態の主人公には殴られ、そこまで強化されていないライバルキャラには本気を出させることもできずにフルボッコにされコキュートスに封印されるあの人である。

 

予想になるのだがこの時まだパワーインフレは全く起こっていない筈なのでその時点でライバルキャラにフルボッコにされるコカビエルはそこまで力が無いものと想像できる。

さて、そんな人物に憑依した俺が二次創作のように憑依して俺Tueeeeeができるか?

 

うん。無理。戦争反対。平和が一番である。

 

よし。早速だが俺は俺のイメージの払拭に努めることにする。堕天使全体に俺は戦争狂というイメージが広がっているので先ずはそこを何とかしよう。

 

ふむ。……先ずは子供を利用しよう。幸いここにはコカビエルが神器の実験をしようと集められていた神器保有者の子供が数人いるから、未来への希望(俺のイメージの払拭と将来の盾とするため)に育て上げよう。

しかし、ただ育てるだけでは駄目だ。ちゃんと俺に従順にするためにきっちりと信頼感を子供達から得られるように育てなければなるまい。

 

そのためには優しい対応と衣食住の充実を確りとしなければな。面倒だが遊びにも付き合ってやらねばなるまい。

 

むむむ。衣と住はどうにかできるが食はどうしてもできないなぁ。前世ではどうしてもコンビニ弁当で済ますことが多かったし。

 

う~ん。どうしようか?栄養失調で病気にかかって死なれたら盾として利用できないしなぁ。

 

そこで俺はピンと思い付いた。

 

そうだ女性を雇おう(ハーレムを作ろう)

 

料理のできる女性を回りに囲えば俺は子供の面倒や食事を用意する必要がなくなり、女の方も給料を高くすればその金額に釣られてホイホイと寄ってくるだろうし、問題は無いだろう。そしてあわよくば前世で魔法使い(意味深)だった俺も卒業できるかもしれない。

うむ。いいこと尽くしだな!

 

そんなこんなで始めた孤児院経営。

 

最初は(コカビエル)が経営しているということで中々やろうという人が現れなかったが俺がスカウトした一巻で殺される筈の下級堕天使のレイナーレ達を雇い、一緒に過ごしていくうちに評価が俺の予想通りにいい方に変わっていった。

 

子供好きの堕天使幹部、とか昔好戦的だったのは子供を守るためだった、とか、あの人のアレとっても太くて気持ちいい、とか。

 

ふはははは。まさにこの世は俺の天下よ!まさか子供と一緒に戯れるだけでここまで状況が好転するとはな!今では嫁が三十人を越えてるし、その全てと良好的な関係も築けている。

噂に聞くアザゼルのようにハーレムを崩壊させるような愚かな事はしないのだよ!!

 

レイナーレ達を最初に雇った理由?黒髪巨乳の女性って俺の好みなんだよね。殺させるには惜しかったんだ。文句がある奴はかかってこい。最近ようやく慣れてきたコカビエルの力を使って相手してやるよ!!

 

しかし、残念なことに平和な時は続かない物と決まっていた。

 

堕天使総督(アザゼル)が俺の元を訪ねて来た。

 

キェェェェェ!?アザゼル!?ナンデ!?

 

俺が内心で驚愕しながら話を聞くとどうやら最近の俺が孤児院を建てた事に疑問を持っているらしい。

 

そりゃそうだ。今この屋敷にいる者のように前のコカビエルと付き合いが浅い者なら兎も角、アザゼルは三竦みの戦争をしている時よりも遥かに前の堕天使するよりも前の時代からの知り合いである。

疑問に思っても仕方がないよね?

 

とりあえず昔なんかの本で読んだことを適当に頭の中で文章として組み立て説明した。子供は純粋無垢な天使とか言ったが俺はロリコンではない。

 

ロ リ コ ン で は な い !!

 

大事な事なので強調して二回言った。

そこは納得してほしい。

 

後ついでに盾になりそうな子供がいたら是非ともうちに連れてきてくれとアザゼルにお願いした。盾はいくらあっても困ることはないからね!

 

それにしても最近アザゼルの平穏を脅かす者が現れたらしい。全くどこのどいつなのだろうな?堕天使の総督を狙うような愚か者は。

それでハルマゲドンやるとか言って幹部の俺が巻き込まれたらどうしてくれるんだろうか?

 

いや、その時はそいつを殺してやろう。アザゼルがな!!

俺に期待するな。中身はただの一般人だぞ。俺は。

 

よーし。今日も夜に女の子とイチャイチャして過ごすかな?はっはー!ハーレム最高だぜ!!

 

こうして喘ぎ声と共に俺の夜は更けていった。

 

因みにその時何者かが俺の部屋の様子を伺っている気配を感じたので敢えてそいつにだけ聞こえるように防音の結界に穴を開けて、興奮したのは別の話。

変態って言わないでね!!


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