もう一つの未来   作:蒲鉾侍

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なかなか、28巻が見つからなかった……。
原作沿いにすると難しい。


過去の世界にて

 

悟飯とトランクスは現在過去、つまり原作時空に来ていた。

それはまだ孫悟空が心臓病に倒れ、悪夢が訪れる前のこと。

二人はタイムマシンをホイポイカプセルに戻し、木陰に隠れて孫悟空の帰還を待っていた。

孫悟空は現在フリーザを撃破し、ヤードラット星で修行をつみ今日地球に帰ってくるのだ。

 

しかし、孫悟空に止めをさされなかったフリーザは体を半分以上機械化して更に自身と近い力を持つ父親 コルド大王を連れ地球に着陸した。

本来ならば、地球にフリーザやコルド大王を倒せる実力を持つのはいない。

 

"本来"なら。

 

地球人を殲滅しようと飛び立とうとするフリーザ軍の兵士達の前にトランクスと悟飯が立ち塞がる。

 

「お前たちにはここで死んでもらう」

 

「へへっ!戦闘力5の野郎が調子に──「はっ!」

 

スカウターでしか戦闘力を感知できない兵士達を呆れながら、気功波で消し去る。

 

「俺はフリーザをトランクスはもう一人の方を頼む」

 

「あなた達、意外とやるようですねぇ。私の部下になりませんか?」

 

兵士を蹴散らしながら、悟飯がフリーザ近づくと相手もこちらを見ながら問いかける。

 

「遠慮しておこう。フリーザ…あんたより、俺の方が強いからな 」

 

「ほう、貴方は私をご存知ですか。貴方が私より強い?面白いジョークですねぇ……しかし貴方どこかで見たような…?」

 

フリーザは悟飯の顔をじーっと見つめ、目を丸める。

 

「そうだろうな…俺は孫悟空の息子!孫悟飯の未来の姿だからだ!」

 

「なにっ!?──ぐはっ!?」

 

フリーザはナメック星での悟飯の姿を未来の悟飯に当てはめ、外見はあまり似てないものの、雰囲気は似ている。嘘ではない可能性が高い…そう判断し不意打ちをしようと身体を動かしたと同時。

悟飯の拳がフリーザの胸元を貫いた。

 

「じゃあなフリーザ…!」

 

「ぐあぁぁ!!」

 

悟飯は逆の手で気功波を打ち込み、フリーザを確実に消滅させる。

 

 

 

「さぁ、コルド大王お前も終わりだ」

 

悟飯がフリーザを消滅させたのを確認すると、コルド大王に向き直り 剣を引き抜く。

 

「ふっふっふ、私の今の状態は第一形態、変身をあと3回残している!」

 

「……だからどうした?」

 

「最終形態になれば貴様を簡単に始末できる!」

 

トランクスが剣を戻したのを見て、コルド大王は変身しようと気を溜めるが、そこでトランクスが言葉で遮る。

 

「これでもか?」

 

超サイヤ人へ変身し、コルドに質問するが既にコルドは腰を抜かし後退していく。

もともと、相手を変身させるつもりはなかったが超サイヤ人を見てどのような顔をするか見てみたかったのだ。

 

「はァ!!」

 

「ぐぬあぁ!!」

 

後退していくコルドに気効波を打ち、地獄へとおくる。

 

「よし、悟空さんの降りてくる場所に向かいましょう!」

 

「あぁ、みんなにも教えてあげた方がいいだろうな」

 

フリーザとコルドをそして兵士も含め、全てを倒した二人は遠くで観戦していたべジータやピッコロの元へ向かう。

 

「いまから、悟空さんを出迎えにいきます!一緒に来ませんか?」

 

べジータ達からすれば、名前も知らぬ青年二人が悟空の名前を出したことに驚き、戦いの中での戦闘力でもいまだに驚いている。

しかし、聴覚の優れているピッコロだけはフリーザと話でいた青年が孫悟飯だと言うことは聞こえていたがそれでも驚きを隠せない。

 

悟飯とトランクスはそんなことは知らず、ゆっくりと悟空の降りてくるはずの場所に向かう。

 

そして、トランクスはホイポイカプセルから冷蔵庫を出して飲み物を勧める。

 

トランクスと悟飯は自分達の正体を隠しながら、悟空が帰ってくるのを待つ。

 

 

「そろそろ来ます」

 

腕時計を確認しながら、空を見上げ気を探る。

すると、悟空の乗った一人用の宇宙船が着陸しようとする場所に向かう。

 

「悟空さん、お話しがあります」

 

トランクス達は悟空を呼び、少し距離の離れた場所に移動する。

 

「お話しをする前に……超サイヤ人になっていただけませんか?」

 

「わかった……これでいいのか?」

 

トランクスがそう言うと悟空は快く引き受け、超サイヤ人になる。

 

「では…俺"たち"も……ハッ!」

 

「ん……たち?」

 

トランクスが超サイヤ人へとなったことしか、知らさせていない悟空は目の前でトランクスと悟空のが超サイヤ人に変化したのを目を見開く。

 

「なっ、なにっ!?あっちの野郎もか!(くそっ!超サイヤ人が3人もだと…?ふざけやがって!)」

 

べジータは心の中で不満をためながら、様子を伺う。

 

「俺の名前はトランクス。20年後の未来からきたべジータさんと……ブルマさんの子供です。そしてこっちが……」

 

「いいっ!?そっちは……ま、まさか……悟飯け?」

 

「はいっ!父さん!」

 

「いいっ!?」

 

「なんだ?悟空のやつ、すごく驚いてるぞ」

 

信じられない事実を同時に言われて驚きを隠せないがなんとか冷静さを取り、気を少し開放する。

 

「ちょっと、すまねぇな……!」

 

「…!」

 

不意を突いてきた悟空の一撃を悟飯は手でキャッチする。

悟空はこれにかなり驚き、悟飯はニヤリと笑った。

 

「すごいですよ!父さん!以前の俺達よりも強いです!」

 

「いや……おめー強くなったんだな。悟飯」

 

そして三人は超サイヤ人を解き、未来であった人造人間の出来事を話し、心臓病への特効薬を渡す。

 

「三年後には出来れば、手伝いに来たいのですが生憎復旧工事で忙しい事もあって……これは置き土産とは言ってはなんですが……」

 

トランクスがそう言い、気を溜め始める。

それを感じて、悟空はすごいパワーだと思いながらも見守る。

 

「はぁぁっ!!……これは超サイヤ人の壁を越えた超サイヤ人、超サイヤ人2です!」

 

「す、すげぇ気だ…!わかった!それを目指して……いや、越えるつもりで修行する!」

 

悟空は明確な目標を見つけ、ピッコロ達は圧倒的なパワーに震え、べジータは怒りを覚えた。

 

3年後には人造人間……。

しかし、未来では更なる危機が待っていた……。

 


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