もう一つの未来   作:蒲鉾侍

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勇者と魔人の共同戦線

古代の英雄 タピオン

1000年ほど前、南の銀河 コナッツ星にて魔術師の身勝手な行為により甦ったヒルデガーンを二つに切り裂き タピオン自身にヒルデガーンの上半身を。

共に戦った弟 ミノシアに下半身を封印しオルゴールの中に眠り 別々の銀河に流された。

 

しかし、そのヒルデガーンを我が手におさめ銀河を支配することを目論んだ魔導士ホイによりヒルデガーンの下半身は封印をとかれた。

まだ力が未熟だったミノシアの封印は弱かったようだ、ミノシアはホイによって殺されヒルデガーンの下半身はホイの体に封印された。

 

更にヒルデガーンの上半身が眠るオルゴールを手に入れた魔導士ホイだったがタピオンの力が“勇者として”完璧だったがためにそう易々とは封印はとかれなかった。

どうしたものかとホイは同じ魔導士のバビディに話を持ちかけた。

だが、ホイはバビディの部下達によって制圧されオルゴールは奪われた。

バビディの部下になりすまし、ホイはオルゴールを奪い返す計画を練った。

 

そして、魔人ブウの復活を成功させたバビディはブウの魔法魔術でオルゴールを鳴らさせる。

 

誰もが虜になるほどのメロディを奏でながら、オルゴールから 勇者タピオン が現れる。

 

ヒルデガーンではないとわかるとバビディは露骨に気持ちを落とすが、ブウはタピオンの中にいるヒルデガーンの気に気づき 魔法により更にヒルデガーンの上半身の封印をといた。

 

上半身しかないのかとバビディが困惑していると、ずっと様子を伺っていたホイが現れる。

バビディを見返すため、ホイはわざとヒルデガーンに殺された。

ホイの中に封印されていたヒルデガーンの下半身は宿主を失い、ヒルデガーンの上半身と一体化し ヒルデガーンの全身を作り上げる。

その力はトランクス達を圧倒した魔人ブウよりも更に強力であった。

 

魔人ブウは近くに倒れていたダーブラを吸収し、戦闘力を上げるヒルデガーンへと向かう。

タピオン自身の戦闘力はヒルデガーンには遠く及ばない…しかし、“勇者”としての優れた剣術と身体能力を加速させる魔術を使いブウ以上にヒルデガーンを足止めした。

 

ミスターポポがテレパシーで1日時間稼ぎをしろ との命令も現実に近づいていた時、ヒルデガーンに異変が起きた。

 

今まで、タピオンに一撃も与えていなかったが突然先を読んだかのようにタピオンに一撃を与えた。

予想だにしない攻撃を反らすことも出来ず、直接受け地面に叩きつけられる。

 

これでは、攻撃の主体が崩れてしまうと息が途切れ途切れなブウがタピオンを助けに向かう。

 

次の瞬間―――――

二人の動きが止まった。

 

驚愕のあまり二人は動けなかったのだ。

ヒルデガーンが突然、死んだように動かなくなったのだ。

本当に死んでしまったのではない、その証拠に気は少しも下がってはいない。

 

それどころか、“気は増加している”。

 

「脱皮だ……くそ…!今の内にたお────「逃げるぞ」

 

再び剣を構え直し、今にもヒルデガーンに攻撃を仕掛けようとするタピオンをいつの間にか戦闘形体からふとっちょに戻ったブウが舞空術でさらっていく。

 

「お前もわかってるはずだぞ、たとえ動いていないアイツを攻撃しても倒せないのは。それにあとちょっとで1日だ。テレパシーが言ってた強い戦士に任せよう」

 

「……たしかにそうだ……でも奴は脱皮をすれば更に強くなってしまうんだ」

 

ブウとタピオンはテレパシーの主 ミスターポポの気を探りあてひとまずその場所に避難することにした。

 

「そのときは、俺がどうにかする」

 

ブウは自分が復活させてしまったことを後悔し、いざとなれば自分の命をかけてヒルデガーンの暴走を止めるつもりのようだ。

 

「強い気が現れたぞ、こいつらがそうかもしれない

急ごう」

 

強大な気が二つ現れたことを察知し、ブウはスピードをあげ天界へ向かう。

 

 

──────天界。

 

「ふぅ……だいぶ強くなれた気がしますね」

 

シンが修行でボロボロになった自分の服とトランクスの服を魔法で元通りにしながら呟いた。

 

「はい、しかしヒルデガーンと予測できる気を感じた限り……あまり勝てる気はしません」

 

「頑張ってくれ。これ仙豆 カリンから預かってきた 9粒ある」

 

トランクスがヒルデガーンの圧倒的な気に弱音をもらし、気休め程度の数ではあるがポポが仙豆を渡す。

 

「とりあいず、一粒ずつ食べておきましょう 修行で消費していますから」

 

「そうですね………来たようです」

 

精神と時の部屋での過酷な修行で消耗した体力を仙豆で癒すと、神殿にタピオンを抱えたブウが降り立つ。

 

「お前たちか?昨日よりずっと強くなってる。でもそれじゃあ俺より弱い」

 

ブウが神殿を見渡し、ポポがテレパシーで言った戦士がこれなのかと少し落胆する。

 

「ちょうどいい、ブウ!俺達の本気とヒルデガーンの力を比べてみてくれ」

 

ヒルデガーンと直接戦ったブウに比べてもらうために一気にフルパワーにまで二人が気を解放する。

 

「まだ完全に使いこなせていませんが、これが神の気を使った今の私限界です」

 

「これが超サイヤ人を極めた…超サイヤ人3…!そして……界王拳ーーッ!」

 

シンの気は神の気によって感じ取れなくなり、ブウは困惑するが自分よりも強いことを確信する。

トランクスの見いだした超サイヤ人3 髪の毛は足元まで伸びそれでもブウを圧倒出来るほどの力を持っているにも関わらず界王拳により更に戦闘力を2倍にする。

 

「すごい、二人とも俺より全然強い……でもあいつの方が強い。俺とこのタピオンも加わっても勝てる可能性は少ない」

 

「そうか……ぐっ…やはり界王拳はキツいか…」

 

超サイヤ人3に界王拳を上乗せすることは体に負担が大きく10秒と持たずに膝をついてしまう。

仙豆をまた食べながら、ブウとタピオンに仙豆を投げる。

 

「それを食べれば、体力が回復する。ブウ…そしてタピオンさん…貴方もヒルデガーンを倒すのを手伝ってください」

 

トランクスは何故かタピオンの顔を見て少し悲しそうな顔をしたが、それに気づいたものはいなかった。

 

「では、私に掴まってください。瞬間移動で行きます」

 

シンの肩にブウ、タピオン、トランクスが手をおき4人は瞬間移動でヒルデガーンの眠る戦場へと向かった。

 

 

「どうしよう…こんなことになってるなんて」

 

4人を見送った後、チラリと下界に目を向けるとほとんどの自然が腐り枯れ変わり果てた地上を見てポポは青ざめた。

 

地球のエネルギーはヒルデガーンの元に吸い寄せられていた……。

 


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