龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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1年ぶりです。本当にお待たせしました
詳しい話はあとがきにでも書こうと思うので今は本編どうぞ


37話 身代わり

「一刻も早く2人を診てもわないと…どこか診てくれる所は無いか?」

「知り合いに医者がいる。とにかく担いで連れて行こう」

「警察が張り込んでるのよ。堂々とは出て行けないわ」

「そんな事気にしてる状況じゃない。事が収まるまで待っていたら2人が死んじまうぞ!」

 

伊達が灰色スーツの男性を担ぎながら騒ぎ立てる。

 

「……桐生さんと伊達さんはその2人を連れてその医者の所へ。狭山さんは近付いてくる警察と合流して屋上来てください」

「竜也……?」

「ようは警察が2人の方まで網広げなきゃ良いんですよね、俺が残って振り切ります。全部撒いたらこっちから桐生さんに連絡します」

 

身体を少し伸ばしながら早口で説明する。

 

「それは無茶だ!サイレンの音からしてかなりの数が来てるぞ!」

 

伊達の言う通りサイレンは何重にも聞こえてくる。

 

「……分かった。こっちは任せたぞ」

「桐生!」

「どうせここに至って状況が変わる訳じゃない。なら竜也に任せて俺らは早く向かうべきだ」

「だが……!」

「伊達さん時間が無いです!早く行ってください!」

「クソ!捕まったら承知しないぞ!」

 

竜也と桐生の力説によりスーツの男性を担ぎ直し天野ビルから離れていく伊達。それに続いて桐生も続く。

 

「私が合流して説明する時間もあると思うから少しは時間あると思うけど……本気でその作戦が行けると思ってるの?」

「まず全員振り切って、この服捨てます。そしてこうすりゃ顔バレないはずですし」

 

フードを深く被るようにして薫の方をむく。口元は見えてしまっているが目元や鼻筋等は覗き込むようにしないと見えなくなっている。また声のトーンも普段より低くすることを心掛けて喋る。

 

「……その身体で出来るの?」

 

中に入ろうとする直前に薫が最後の確認をとる。時間が経っているとはいえ、先程の戦闘によるダメージが抜けきっているとは言えず身体の節々から痛みが伴う。

それでも何も言わずに手を上げ無事をアピールしながら階段を上がっていく。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

屋上にて一輝の偽物らしき人物が持ってた銃を死体に触れないようにして手に取り隣のビルを見つめる。

 

「(フード付きので丁度良かったな…んで無いとは思うけど桐生さんや伊達さんの指紋付いてたらヤダから持って……来たか)」

 

「警察だ!動くな!」

 

薫とスーツの男を先頭にゾロゾロと現れあっとゆう間に囲まれてしまう。出口の方からまだ足音がすることからまだまだ居るらしい。

 

「この付近の通報2件ともお前さんだな?ふざけた事しやがって」

「………」

 

当然竜也は答えず沈黙を貫く。その沈黙の間にも周りの警官たちは竜也を中心として扇形に広がりすぐ捕まえられる距離まで近付く。

近付いた後はスーツの男の指示を待ちながらも竜也から意識を離す事はしない。

 

「……そんなもんでいいのか?もっと近付けさせた方がいいぜ」

「何が言いてぇんだ?」

「こうゆうことだよ」

 

後ろを振り向き素早くビルから飛び降りる竜也。警官たちは驚き戸惑うがスーツの男だけは警官たちを押しのけすぐに下に降りた竜也の様子を見る。

そこには隣のビルの飛び出ているふち部分を片手だけで掴み空いている手でガラスを破り中に入っていく竜也の姿が見える。

 

「………隣のビルだ!早く追え!!」

 

スーツの男の怒声が響きまた騒々しい足音が鳴り響く。

 

「無人なのはラッキーだな」

 

すぐさまその階の非常口から駆け足で下へと降りる。

 

「居たぞ!非常階段だ!」

 

既に警官たちは下で待機していて降りてきた竜也を捕まえようと登ってくる。仕方なく上へと上り直すが通常の出入口から入ってきた警官たちで溢れ返っていた。

 

「(…!あんま警察相手じゃやりたくねぇんだけど……)」

 

腕を顔の前で交差させ頭から飛び降りる形で警官たちが待機する下へと進む。体勢が倒れたまま顔の前に置いていた腕2本で身体を支え逆立ちの体勢で蹴りを放ち続ける事で、警官が近寄れないようにする。

距離を取り回転力が落ちるまで待機する警官。わずか1m程しか離れていないであろう距離だがまだ回転している事を確認したら少し気を緩めたその一瞬の隙を竜也は見逃さなかった。

まだ回り続けている自分の身体に対して、反対方向に回転をかけるようにして遠心力で起き上がる。フードをすぐに被り直し慌てふためく警官の肩を踏み越えて包囲網を突破する。

 

「(腰痛った!でもとりあえず抜けた!このまま振り切る!!)」

 

後ろから警官の声が響くが無視して走り続ける。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「(っクソ建設現場まで行ければ勝ちだってのに!)」

 

細道や大胆な人混みに紛れるなどして七福通り西まで逃げていた竜也だったがヒルズ建設現場前の公園前に警官が居て入ることかできない。

 

「……なぁアンタ」

「あ?」

 

青いジャンバーを着てその下に緩くネクタイを締めている若い男性に声を掛けられる。

 

「服…ボロボロだけどどうしたんだい?」

「……ちょっと色々あって」

「さっき向こうの方でも“色々”あったみたいだけど?」

「……らしいな」

 

自分の正体を知っているのか不安になる竜也。フードは被ったままなので顔を見られてはいないと思うが安心はできない。

 

「あの公園に行きたいのか?」

「…ちょっとトイレに行きたくてね」

「なら行けばいい。それとも警官が居ると入れないのか?」

 

「(……やるしかねぇか)」

 

拳を握り目の前の男性を見つめる。

 

「沈黙って事はそうゆうことか。なら俺が退かしてきてやるよ。報酬は諭吉2枚な」

「は?どうゆう…おい!」

 

竜也の疑問を無視して公園前の警官へと向かっていく男性。すると警官はすぐに走り出して何処かに向かってしまった。

 

「ほらよ。退かしてきてやったぜ」

「アンタ…何もん?」

「さぁねぇ。それより早く俺に渡すもん渡してトイレ行ったら?早くしないと戻ってくるぜ」

 

これ以上何を聞いても無駄だと思った竜也は2万円を渡しすぐに公園へと入っていった。

~~??視点~~

「どうも」

 

無造作に渡された2万円を受け取り公園前のガードレールに寄りかかり煙草に火をつけ一服する。

 

「(さてと…後は適当に歩いて本部戻るか)」

 

吸い終わった煙草を捨て来た道を戻ろうとする男性。すると目の前に先程まで竜也を追い掛けていたスーツの男が現れる。

 

「お疲れ様です杉内さん。さっき通報があった事件の犯人もう捕まえたんですか?」

「さっきまで追いかけてた。間違いなくこの近辺に居るはずだ。何か知ってるんじゃねぇのか?」

「さぁ。全く分かんないですね」

「とぼけんじゃねぇ。この公園前にも配置してた奴は何処行った?」

「居たんですか?ならどっか行っちゃったみたいですね」

「……公園のトイレ全部調べろ!閉まってる個室だろうが女子トイレだろうが全部だ!!」

 

その男の命を皮切りに後ろにいた警官たちがなだれ込むが既に竜也は建設現場に入っており中に入るドアも閉じているためもう見つける事は出来ない。

 

「じゃあ自分は“警ら”を続けてくるので市民の平和を乱す犯人探しはよろしくお願いしますね」

「おい谷村!」

 

雑に頭を下げて後ろを振り返ることなく道を戻っていく。

 

「(さっきのアイツ…ただの犯人にしては服や身体全てボロボロだった。汚したにしてもあそこまでは行かないはず…一課としてはホシとなる人物をあげたいってことだろうけど…)」

 

「俺は巻き込まれた市民を捕まえる気は無いかな」

~~竜也視点~~

「ほれ、ただのジャージやけど無いよりはマシやろ」

「ありがとうございます。真島さん」

 

建設現場に入るとすぐさまビリーに声を掛けて地下にいる真島へと話を通してもらい奥の部屋まで進んでいく。

 

「そんで何があったらそんなボロボロになんねん」

「話すと長いすっけど……」

 

真島と別れたあとに起きた出来事を簡潔に伝える

 

「なるほどのぅ…ただでさえ近江だけでもしんどいっちゅうのにまた別の組織かいな」

「まぁ俺はあんま関わってないんで詳しい事は知らないですけどね」

「ほんであの亜門ってヤツにも狙われるとは黒ちゃんも大変やな」

「俺より真島さんのが狙われるべきだと思いますけど……まぁ狙ってくるってならそれはそれでいいですけどね」

「ほぉ…なんでや?」

「おかげさまで最近ちょっとずつ分かるようになってきたもんで…真島さんが桐生さんとかに固執する理由」

「ほぉ…したら聞こか。なんでやと思う?」

「強いヤツに狙われたり、強いヤツと殺り合う……それでしか味わえない一瞬……最高っす…!」

 

服を着替えながら竜也自身気付いていないが口元に軽い笑みを浮かべながら返事をする。

 

「ま、及第点やな…とりあえず今はそれでええやろ。それより…近江の動きには目ェ凝らしとき。今回の件、ただの東城会と近江の戦争じゃ終わらんで」

「……肝に銘じときます」

 

真島に感謝を伝えながら最後の言葉を染み込ませながら地上へと戻って行った。

 

「(危うくトリハダもんやったで……今はまだ大したもんでもないと思っとったけど……意外ともうすぐかもしれんな)」

 

竜也が居なくなり1人となった地下の奥にて真島の笑い声が地下に響き渡った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

「桐生さん、お疲れ様です。こっち全部終わりました」

 

河原を出て周りを警戒しながら桐生へと電話をかける。

 

『竜也か。今どこだ?』

「河原の方まで逃げてきて今は少し下行った駐車場の所です」

『成程…都合がいいな』

「何がですか?」

『まだ一輝達の治療も始まったばかりで病院にいてもすることも無いから【バンタム】で少し整理する事にしたんだ。そこで合流したい。1年前まで【バッカス】だった所だ。俺と伊達さんでもう話してるところもあるから合流でき次第、情報をまた共有しようと思う』

「了解です。なるべく急いでそっち向かいますね」

 

「(今もう向かってるだろうからさっさと向かうか)」




とりあえずここ1年の経緯としては2月に携帯紛失。書き慣れた端末紛失してモチベ低下→9月に無事戻ってきてそこから書いてたのですがどうしても納得出来ず何度も書き直しを繰り返してここまで書きました。
本当はもう少し書きたかったのですが今は待ってくれている方々の為にも早めに更新するべきだと思い区切りのいい所で止めました。

そして今回警察sideとして杉内さんと谷村君に出てもらいました
谷村君推しとしては警察関連のイベント起きたし丁度よく登場されるかという考えの元出させてもらいました。
(ただ、龍が如く時系列見ても谷村君が何時警察に入ったのかは描かれていなかったのでもしかしたら時系列に違和感が起きてしまうかもしれないのでもし違和感見つけた方居ましたら教えて貰えると幸いです)

最後に感想や誤字報告等もして頂き本当にありがとうございました。またこれから頑張っていきますのでよろしくお願いします

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