案内された宿というか屋敷
「ここだ!」
九郎さんの案内でついた場所は宿っていうか屋敷だった。でかいな~。ん?何か音が聞こえる。
キーン、ガキン、ギギギギ、カキーン
金属を打ち合わせる音が聞こえる。九郎さんの案内のもと屋敷の庭にある訓練所へ向かった。そこには、
「はぁ!」
「くっ!は!」
赤髪の刀を持った青年と金髪の二本のナイフを持った少女が戦っていた。彼らの動きはとても速かった。数多の英霊を見ている俺でさえそう感じたのだった。九郎さんが二人に寄っていき、
「一旦止めろ!」
二人は九郎さんの声で飛び下がり武器を納めた。
「師匠。どうしたんですか?」
「ちっ!良いとこだったのにな。」
赤髪の青年は礼儀正しそうにしていたが金髪の少女は口が悪く態度も悪かった。
「なぁなに、客人だ。何日か共にいるのだ。自己紹介をしろ。」
「はい!わかりました。」
「ちっ!何故私がそんなことを。」
九郎さんの言葉に弟子らしき青年は元気良く返事をした。金髪の少女は言わずもがな。赤髪の青年がこちらに歩いてきて、
「星辰アドラー
「エヴァンジェリン・A・K・マグダウェルだ。吸血鬼だ。」
二人が挨拶した。マグダウェルさんは吸血鬼なのか。
『えっ!何故死徒が昼間にいるんだ?!』
何故かダヴィンチちゃんが騒ぎだした。
「何だ?この声は?お前か?」
「いえ、違います。この人です!」
俺は通信機から立体映像を出した。ダヴィンチちゃんが良く写っている。
「モナリザか?」
『おぉう!良くわかったね。そして私こそが万能の天才レオナルド・ダヴィンチだ!ダヴィンチちゃんって呼んでね!』
マグダウェルさんはダヴィンチちゃんの映像をじろじろ見て、
「無いな!」
『って!酷くないか!』
「すみません。僕もそう思います。」
『って!君もかい!?』
すみません。ダヴィンチちゃん、やっぱり俺もそう思います。それから俺達はお互いの情報を交換しあった。そして、
「僕達、模擬戦の途中だったんだ。またやり直すから後でね?」
リヒトは戦闘を行うと言い訓練所の方へ戻っていこうとした。
「待て!」
リヒトの前に霊体化していた李書文が現れた。オルタも一緒に、
「模擬戦を行うなら儂らと戦ってもらおう!」
「ああ。その通りだ!」
リヒトは九郎さんの方を向いた。九郎さんは頷き、
「本気で戦うなら
「わかりました。では、案内します。」
そして案内のもと闘技場に着いた。そして現在、リヒトと李書文が、マグダヴェルさんとオルタが向き合っている。そして九郎さんの、
「始め!」
という合図のもとまずマグダウェルさんとオルタの闘いが始まった。
エヴァVSオルタ
エヴァは二振りのナイフで軽やかにオルタを攻撃する。しかし、オルタの鎧に阻まれダメージがあまり入っていない。オルタは聖剣で叩き斬ろうとするがエヴァがナイフで受け流す。
「ここままでは、埒があかないな!」
「ふん!それでどうするのだ?」
「上げさせてもらう!」
エヴァはナイフを構え、
「創生せよ、天に描いた星辰をーー我らは煌めく流れ星!」
キュイーン
という音を響かせ、彼女は
「何!動きが変わった!」
「クハハハ!これが
マグダウェルは光を纏った瞬間からオルタを圧倒しだした。俺は孔明に尋ねた。
「孔明!あれ!知ってる?」
「知らん!何だ!あいつらは!魔術でもない何なんだ!」
俺達が混乱していると九郎さんが、
「あれは
「達?つまりまだいるのか!」
「リヒトのやつもこれに当たるからな。」
孔明は九郎さんの言葉に驚いていた。俺は九郎さんに、
「あの!
「すまんが俺も詳細は知らん。ただ言えるのは弟子いわく星の力を纏うということだ!」
星を纏う?つまり金星の力を使うイシュタルのようなものかな?違うな。イシュタルは星をぶつけるようなものだし、使い方かな。おっと!見逃していた。今はええっと、オルタが魔力放出を使いだしてマグダウェルさんと拮抗しているな。ん?マグダウェルさんが笑い出した?
「クハハハ!ハハハ!力を見せるに相応しい相手だ!見たいか?まぁ、見たくなくてもみせるがなぁ!」
マグダウェルさんは今度は長めの
「創生せよ、天に描いた星辰を―――我らは煌く流れ星」
「海神の求愛など、知らない、見えない、聞こえない。」
「無垢で可憐な少女の肢体に、男の欲はおもすぎる。」
「魅了しながら抱かれぬなど、魔女の怒りを買うだけなのに。あなたはそれにも気づかない。いつまで子供でいるつもり? 」
「並のように荒ぶる嫉妬――さあ、毒薬はたらされた。」
「心せよ、此れより汝は半人半魔。爛れて穢れた美の残骸、輝く浜辺は過去のもの。」
「悲劇を彩る渦潮として、船乗りたちを誘いましょうや。」
「ようこそ、涙の深海へ」
「
彼女の周りに水が漂う。重力など無視して、ここは地上とそんなことは知らないとばかりに水を操り出したのだ。オルタはこれを見て、
「ふん!そのような曲芸で私に勝とうと?ハッ!笑わせる!貴様の本気など私の聖剣で撃ち破ってくれるわ!」
そうしてオルタは剣を構え、
「卑王鉄槌、極光は反転する。光を呑め!」
黒い光が聖剣・・・聖剣?に集まるオルタは聖剣を上段に構え、
「
黒き光がエヴァに向かう、エヴァはそれを水をぶつける。ただの水では、押し負けるがこれは
「ハァァァ!」
「オォォォ!」
オルタの方が優勢となった。だが、
「まだだ!まだだ!私は光を掴むんだ!」
光の亡者へと近づいていくエヴァは意思の力で現界を突破していく、
「まだまだまだァ!私は!負けん!勝つのは私だ!」
「何だ!これは!なっ!」
オルタは光に包まれた。はっ!
「オルタ!」
俺は叫んだ!俺は彼女のもとへ向かおうとすると、九郎さんが肩を掴んだ。
「離してください!オルタが!」
「彼女は無事だ。ほら!」
九郎さんの言葉が終わらない内に光と共に気絶したオルタが現れた。
「緊急強制転移装置だ。致死レベルの攻撃を受けそうになると自動で回収する。模擬戦で一定の安全を約束するのは当然だ。」
九郎さんが何か言っていたけれど俺はオルタが心配でオルタを抱き締めていた。そこへ、
『先輩ー!オルタさんが心配なのはわかりますけど!離れてください!』
『デュフフフ、さすが!マスター。よくやりますなwww』
マシュの声でオルタから離れた。別の声が聞こえた感じはするが無視する。
「ちっ!あのマシュマロめ!邪魔をしよって!」
オルタが小声で何か言っていたが聞こえなかった。
ルビが変換できない。何故か。