マグダウェルさんとオルタとの闘いで一騒動有ったけど次はリヒトと李書文が闘いだ。
「カカッ!お主との立ち会い。楽しみで仕方ないのう!」
「ええ、僕もです。強者と闘いは僕を更に強くする!」
両者とも戦意は充分だな。今度は孔明の、
「両者構え!始め!」
という宣言で始まった。
「では!行きます!」
「来ぉい!」
リヒトが李書文へ突っ込んだ。リヒトは刀に似た剣を持っていた。マグダウェルのナイフと似た装飾が付いていたことから彼も力が使えるのだろう。
「は!」
リヒトは刀を振りかざし断ち斬る。しかし、李書文は槍でそれを受け流す。李書文が槍による突きを繰り返すがリヒトはその槍を紙一重でかわしている。
「「ハァァァ!」」
ガキン
「カカッ!お主。よい剣ではないか!師が良かったのじゃろう!」
「ハハッ!そうだ!僕には勿体無い人だよ!」
彼らの会話に九郎さんは嬉しそうにそして恥ずかしそうにしていた。
彼らの闘いは動き出した。それは、
「カカッ!お主もあの小娘と同じことができるのじゃろう?儂にその力を見せてみろ!」
李書文のこの発言からである。俺は少し楽しみになっていた。英霊でもなく宝具も使えない。そして魔術師しでもマシュのようなデミサーヴァントでもない。彼を見ていると光のように眩しく見える。俺も!その領域に!
「マスター!それ以上はいけない!」
は!俺は何を考えていた。アルジュナのお陰で正気に戻った。
「マスターも男なのだから光に対する憧れはあるのでしょうが彼と同じようになれば英雄にはなれるかもしれませんが、いずれ他のものを失いますよ。ほら!彼が力を使うようです。気をしっかり持ってください。」
俺はアルジュナの助言のもとリヒトの方を見た。リヒトの刀から炎のようなものが薄く纏っているように見えた。まるでアルジュナやカルナの魔力放出(炎)のようだ!
「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 」
「愚かなり、無知蒙昧たる玉座の主よ。絶海の牢獄と、無限に続く迷宮で、我が心より希望と明日を略奪できると
「この
「融け墜ちていく飛翔さえ、恐れることは何もない」
「罪業を滅却すべく闇を斬り裂き、飛べ
「勝利の光に焦がされながら、遍く不浄へ裁きを下さん」
「我が墜落の暁に創世の火は訪れる」
「ゆえに邪悪なるもの、一切よ。ただ安らかに息絶えろ」
「
焔が彼の身体から出ている。眩しい。まるで太陽のようだ。
「マスター。まるで、ではありません。あれは小型の太陽そのものです。」
えっ!李書文は大丈夫なのかな?
「はっきりと言いましょう。無理です。英霊となれど太陽の熱を直に浴びれば消滅もあり得ましょう。私も英霊としての縛りが有る限り苦戦は必至です。」
アルジュナの説明を聞き、リヒトは凄いんだなと思っていると、
『なんじゃこりゃあ!』
通信でダヴィンチちゃんが声をあげた。
「どうしたの?ダヴィンチちゃん。」
『彼のバイタルを確認したところ、彼あの力の焔のダメージを受けているよ!』
「ええ!?」
『何の力かは解らないけど傷は回復している。だけど尋常じゃない痛みは受けている筈だ!なのにあの動きは何なんだ!』
リヒトの方を見ると
「我が槍は一撃必倒!神槍と呼ばれたこの槍に一切の矛盾なし!」
李書文は槍を構え、
「
李書文の槍は彼の心臓がある胸に一直線で向かった。だが、槍は溶けたのだ。穂先が溶け、柄が溶け、彼は手に熱が来る前に槍を離し飛び下がった。
「カカッ!ふむ。ランサーである儂の槍を破壊した時点で儂の敗けは決まっておる。降参じゃ。そのように我が槍をも溶かす焔ではなければ素手で挑みかかったものよ!」
李書文は孔明の方に向き合図した。
「勝者リヒト・ブリューゲル!」
この後俺達は屋敷で共に食事をいただきつつ、俺達の冒険譚を彼らに語った。
???
『あの者達、英霊といったか?技能は素晴らしい。尊敬に値する。故に彼らの技術を盗め!』
「ああ。わかっている。」
ここは焔に包まれた場所二人の男は焔を物ともせず話していた。
『この地に現れたという聖杯。それが我らを強くする。』
「どんな英霊でも僕達の糧としてやる。」
『そうだ!その意思だ!だからこそ!』
「そうだ!だからこそ!」
二人は声を合わせ、
『「勝利をこの手に掴むため!」』