今俺はブリテンにいる。最近、王妃と湖の騎士の話をよく聞く。因みにそのヒトヅマニアは今でも俺の前にいる。このブリテンにいる間にマーリンの友人になり円卓の騎士たちと顔見知り程度には知り合いだ。
「で?何で来たんだ?俺とお前あんまり接点ないだろう?」
「ここしかないのです!城では気まずいし、魔術師どのは何か胡散臭いし、落ち着けると言えばここしかないのです!」
「つーか。相談ならお前と同じヒトヅマニアであるトリスタンの所に行ったらどうだ?」
「彼は任務で今出ているので。それよりヒトヅマニアはやめてくれません?」
「そうか。事実だろ!ほら!これ食って早く出ていけ!」
そういって俺は簡単な菓子類を渡した。何故かこのヒトヅマニアは旨そうに食っていたが。彼が出ていって数日後、王妃と湖の騎士は国から追放された。
「あの~。」
「すまん。今作業中だ。少々待ってくれ!・・・でなんだ?」
「いえ、ランスロット卿が出ていく前にここで食べた菓子がおいしかったと言っていましたので気になって来ました。最近忙しく甘味でもいただけたらと思いまして。」
「あんた。明らかに疲れているって感じだしな。わかった。さっき作っていたのでよければほらよ!」
彼の前に羊羮を出した。
「これは?」
「いいから食べろ!」
「では!」
何かわからないらしく戸惑っていたが食べるように催促するとしぶしぶ口に入れた。
「うっ!美味い!あのこれで売っていただけますか?」
何か材料費の10倍ほどで大量に買い取って行った。因みにこの騎士ベディヴィエールというらしい。後日聞いたところ、政務をしている騎士や王と共に食べたらしい。それからちょくちょく買いに来る。そして暫く立ったある日、
「ここか?」
「はい。王よ。」
誰か来たようだ。そこにはベディヴィエールと少女がいた。髪型がにていたので、
「ベディヴィエールどうした?ん?そちらは妹さん?」
「いえ、こちらは我が王アーサーです。」
「紹介に預かったアーサーです。貴公が作った菓子はよくいだだいている。その菓子について感謝をと思ってな!」
「シュマさん?荷造りなどしてどうしたんです?」
「ああ、また旅に出ようかなと思ってな。元々旅をしていて一時ここに滞在して出ようと思っていたがちょっと長くいたからな。そろそろ出ようかと。」
「待ってく「待ってくれ!つまり貴公の菓子を食べれなくなると?」王?」
「そうなるが。」
「それは困る!なんなら城で雇おう。」
「仕える気はないんだけど。」
「王?確かに惜しいですけど引き留めるよりはまた来てくれるように頼む方がよろしいかと。」
「すまないがこちらに来てくれるか?」
アーサーに手を引かれ、
「私は女だ。」
「へー。」
「あまり驚いてないな。何故だ?」
「男装とかしてると言われても男はドレスを着ないし格好自体女じゃん。」
「えっ?」
「気づいてなかったのか?」
「これはマーリンが!ハッ!アイツ~!」
「で何をしたかったんだ?」
「秘密を共有で縛りたかった。けどあの私はどう思う?」
「何が?」
「女としてどう思う?」
「成長して出直せ!」
何かはっきり言ってやったら、
「成長したら貰ってもらいます。覚悟してください!」
そして彼女はベディヴィエールを伴って出ていった。彼女は自分が女であることを公表。成長するために成長するまで聖槍を主武装として使い始めた。
何年か経ち湖の精霊のいる湖の近くに二人の騎士がいるのが見えた。近くと、
「何奴?」
「お!ベディヴィエールじゃねぇか。久しぶり!」
「なんだシュマですか。お久しぶりです。」
「シュマだと!」
ベディヴィエールの隣にいた美女がこっちを向きつつ叫んだ。
「ベディヴィエール。この美人は誰だ?」
「この方は・・・」
「私だ。アーサーだ。しかし美人か。これは気があると言うことか?」
「えっ?マジで?変わりすぎだろ!」
「くっ!だが私はここで・・・終わりだろう。悔しいな。」
「王よ!」
「あ~!盛り上がっているところ悪いんだが、ギルからもらったものにこんなものがあるんだが?」
「それは?」
「これは勇義の魂具。ギルのやつが不老不死の俺のために用意した宝具だ。」
「シュマ。貴方不老不死だったのですか?」
「そうだがこれは英雄となったものが英霊の座へ召し上がられるとき英霊の座とは別に俺と勇義を交わしたやつの擬似的な座として登録するものだ。まあ、これがあれば共にいることは可能だがどうする?」
「やるに決まっている!」
「王よ。では私も。」
そして宝具に彼女らの魂を登録した。彼女は聖剣は返還した。この長き生に二人の連れが誕生した瞬間だった。