ちびノブ暴走の騒動は光の英雄達の手で終結した。だが、暴走により大会自体は中止。こんな騒動が起きたのだから学園祭自体が中止になってもおかしくないのだが、そこは魔法使いどもが何かしたようだ。
二人の光の英雄をモニター越しに観ている者達
「って!どうするネ!エジソン!なに普通に魔法とか口走ってるネ!」
エジソンの行いに超鈴音は荒ぶる。まぁそれはそのはず、只でさえイレギュラーが多すぎるなか計画外のことをしたからである。
「まぁまぁ。落ち着け。」
そこで彼女に話しかける一人の
「うわぁぁん、ゾォルケンさぁぁん。」
よく暴走するサーヴァントではなく、優しく慰めてくれる男の懐に抱きついた。
彼はポンポンと彼女の背中を優しく叩き、慰めた。
「えっぐ、もう似非中国人の真似とか無理だよ~!私はどうしたら~!」
彼は彼女を撫でながら、答えた。
「まぁなに、世間の目は魔法使いどもに向いている。今のうちに計画を進めよう。君の目的は魔法を世界にばらすことだろう?」
彼女は小さく頷いた。
「今回のことで中継を見ていた者や観客、選手はあの光の亡者どものおかげで超常現象が実際にあると言うことは理解できただろう。ならば、これを利用するべきだ。魔法を認識させるだけではなく危険だと言うことを世に知らせる先導者として歩むのだ。(貴様の行動が我らの利となる。故に、カルデアのマスターよ!知らず知らずの内にこの計画に助力してくれるのだろう?くっくっく。)」
村雨の屋敷
そこには、
カルデア陣営として藤丸立香とそのサーヴァントであるアルトリア・オルタ、李書文、孔明、アルジュナがおり、
星辰アドラーより、リヒト・ブリューゲル、エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル、普段は参加することのない長谷川千雨、そして総統であるギルベルト・ハーデスがいた。
この屋敷の主人である村雨九郎は席を外しているが、ここにさっきの騒動をリヒトと共に修めた男、クリストファー・ヴァルゼライドが座していたのだ。
そして、ギルベルトが立ち上がり、
「では、私から今回の事案に関して説明をしよう。今日開催された武道大会の予選にて、参加者のふるい落としの為の量産型の兵?が暴走の後、閣下とリヒトくんが鎮圧したと。簡単に言うならこれぐらいかな。質問はあるかな?」
立香が手をあげた。
「何かな?さっき彼のことを閣下って要ってましたよね。彼って英霊ですよね。」
ヴァルゼライドの方を気にしながら質問した。
「彼は私の上司だからね。この
「つまり平行世界で英雄に成ったと?」
ギルベルトは立香の疑問に対して答え、立香はさらに質問した。すると、
「その通りだ。俺はこの
とヴァルゼライドは答えた。それを聞き、
「素晴らしい。流石閣下。」
と言っているギルベルト。そして、うんうんと頷いているリヒト。
確かに、素晴らしい人だ。俺もそうありたいものだな。
「『マスター、飲まれてはいけません。』」
アルジュナ?
「『ええ。リヒト殿の時にも言いましたが飲まれてはいけません。貴方は彼らのようになる必要はありません。自分を犠牲にするのが前提の存在にはなってはいけません。』」
「『その通りだ。マスター。君は人理を救った者だ。彼らのように炎に向かって進み燃え尽きることを前提とするべきではない。』」
燃え尽きる?
「『そのまま意味だ。彼らの生き方はそういうものだと理解しろ。』」
まぁ俺は俺らしく進めばいいと?
「『そうです。貴方は貴方らしくそれだけでいいのです。今少しだけ離れて休んでください。』」
そうして俺は彼らに一言いって宛がわれた自室へ戻った。
『藤丸くん。少しいいかな。』
ホームズから連絡が来た。
『君に伝えたいことがあってね。』
伝えたいこと?
『この特異点の事だよ。大変なことがわかったんだ。』
大変な事?
『ああ。結論から言おう。この特異点は完全な修復自体は出来ないだろう!』
待って。どういう事?それじゃ、
『神秘が暴露された事実。英霊達の事など人々の記憶に残る事だね。英霊自体、召喚に関係なく存在しているのだから。』
『さらに言えばこれらの事には聖杯は関係ない。つまり、聖杯がなくとも起きていたかもしれないことだ。』
『だから、僕たちの目的は現地で再会したドクター・ロマンの保護?と聖杯の回収だ。これからの行動については君に委ねるよ!さっき言った二つを充たしていれば好きにやって大丈夫だからね。』