「ふむ。ワーグナーまで出てきたのか。」
ある部屋で報告を聞いているのは二人一人はギルベルト・ハーヴェス。星辰アドラーの総帥でありもう一人の男の元配下。本人はまだ配下のつもりだが。
もう一人は此度英霊としてこの地に降臨した光の英雄。こことは別の時空で軍事帝国アドラーの総統にして護国の剣、クリストファー・ヴァルゼライド。
「で、どうするよ。総帥?」
此度報告している女性、長谷川千雨はギルベルトに尋ねた。
「待て、今さらだがワーグナーとは何だ?」
報告中無言だったヴァルゼライドが疑問を挙げた。するとギルベルトが、
「ふむ。そういえば閣下は彼らを知りませんでしたな。閣下、ファブニル・ダインスレイフはご存知ですか?」
「ああ。俺が潰した薬売買の組織の一人だな。」
「ご存知でしたか。しかし、そんな路傍の者まで覚えているとは流石閣下です。」
ギルベルトはヴァルゼライドにワーグナーの概要を説明した。
「そうか。ならば倒さねばならん。明日の希望を絶やさないためにも。」
「素晴らしいです。閣下。ダインスレイフは光の英雄に伐たれることを望んでいます。それに彼は光の亡者の素質持ちです。気合いと根性で何事も超えてきますよ。」
「ならば俺はそれを超えて行くのみ!」
このある意味で次元が違う会話を聞いている千雨は、
「(何だよこいつら頭イカれてんじゃねえか?戦闘時のリヒトとかもそうだがこれが総帥の言うのか光の亡者なのか。ちっ!ここにいりゃ私まで毒されそうだ。なら、)すみません、総帥。私はこれで失礼します。」
この部屋からの撤退を宣言した。ギルベルトは、
「ああ。すまないね。今日は休むといい。だが」
「まだ何か?」
「明日ここは戦場となるだろう。それで後はわかるね?」
彼が最後に言った言葉は彼女の想定したものとは違ったのだ。そして、
「諜報からの連絡だ。超鈴音は明日本格的に動くようだ。それとダインスレイフが此方に向かっているそうだ。明日にはこの地に到着するだろう。」
よりによって一般人とか関係ない危険な存在がこの地に入り込むことだった。
「待て!この地の神には連絡したのか!」
「何故かな?私たちの目的は人の力だけで繁栄するようなものだ。何故
「本気で言っているのか!」
彼女はこの地に何年も暮らしている。そして愛着がでているため、
「この地に居ることが出来るのは神の許可によるものだろう!」
この地の裏の人間の考えが無意識に根付いているのだ。
「神は超えねばならん。我らは彼の者を落としこの世界を我々の世界の二の舞にさせない為にも!」
「その通りです。先ずは、かの原子炉の制作者の一人を確実に処理しましょう。」
だからこそ、この二人の言動が信じられないのだ。
「くそぉ!なら!私からここの神に報告させていただきます!」
言葉に出してしまった。無言で出れば確率的に少しは無事だったのかもしれないが、
「では、止めさせていただこう。」
ザシュ
「てめぇ。」
ギルベルトは彼女を斬ったのだ。千雨は気を失った。
「ふむ。君の
混沌したいくさの始まりだ!
麻帆良の自称魔法使い共、魔術師+陰陽師(+神+英霊)、超鈴音+α、星辰奏者、カルデア+ロマン
確実に何処かは滅ぶがな。