数多の兵器に相対するように立つ金髪の軍人クリストファー・ヴァルゼライド。彼はその両手に刀を持ち、兵器に向かって特効した。彼の一刀により数体の兵器を両断する。
「うおおおぉぉぉーーーっ!」
もう片方の刀で兵器が切り裂かれる。それでもなお敵の戦力は増えるばかり、だが、彼はそれがどうしたとばかり前へ、前へ、突き進む。
この姿にアドラーの兵士達は自分も、自分も、というように各々が力を解放し始めた。
「「「「創生せよ、天に描いた星辰を――我らは煌めく流れ星 !」」」」
破壊しても破壊しても現れるあの兵器に比べればこちらは多勢に無勢と言ってもいい数。しかし、
一人があの刀を振ると、雷が降り注ぐ。他にも、輝く光球がいくつも放たれたり、周囲のものが凍ったり、原子まで分解されたりと、超常な事が起きている。
故にこの力を振るう彼らにとっては現在あの兵器は塵芥にすぎない物となった。
だが、この力を持つ彼らに恐れを抱かない乱入者達が現れたのだ。それが、
「「「見つけたぞ!この騒ぎの首謀者めぇ!我々正義の魔法使いが!成敗してやるぞ!」」」
この麻帆良を守っていると自称している者達だ。しかし、彼らは超鈴音の兵器達が減るまで出てこなかった。つまり、
「よく我々のために減らしてくれたな
手柄を取る気満々なのだ。だが、今回アドラー側の目的は違う。故にばらす。
「自称魔法使いの集団が出たぞぉ!奴等は自らの不祥事を周りの人間の同意無く記憶を強制に消す者達だぁ!奴等によって被害者が死んだら被害者の家族から被害者の記憶を消すくらいの外道達だ!総員!市民を守れぇ!」
一人の兵士が叫んだ。それを聞いていたわずかに残っていた市民達は怯えた。普段なら先程の言葉は真に受けないだろう。しかし、今は兵器の攻撃により人が死に、そして自分達が死ぬ。というところを助けてくれた兵士達の方が信頼出来ると無意識に判断したのだ。
「嘘だ。信じるな!」
魔法使いの一人が声をあげた。しかし、市民達には届かない。それどころか、
「いやぁぁぁ。助けてぇ!」
と怖がられる始末。彼らは呆然と立ち止まったのだ。底に聞こえる音?
バチバチ
電気の帯電する音が聞こえる。するとヴァルゼライドが何かに気付いたように、
「総員!防御体勢!」
ヴァルゼライドの言葉にアドラー兵士達が防御体勢を取る。魔法使い達は何が何だかわからない様子。そこに響き渡る男の声。
『神の雷霆はここにある!さぁ!御覧に入れよう!』
『
何処からか稲妻が放たれ魔法使い達を消し炭にした。アドラー方は防御体勢をとっていたため被害は最小限にすんだ。それでも負傷者はいる。
「あれを!」
一人の兵士が敵方の兵器の一体の上に立つ男に気付いた。
「貴様は誰だ。」
ヴァルゼライドの問いにその男は答える。
「ふはははは、私は雷電王ニコラ・テスラだ!ふはははは!」
ここに二人の