トライアングル・フリート   作:アンギュラ

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お疲れ様です。

第一章も折り返しに入りました。

戦争と平和の間で揺れる。三世界の面々の描写はかなり難しいのですが。
何卒おつきあい頂ければ幸いです。

それではどうぞ


砲煙の幕開け  …Unidentified ship

   

   + + +

 

 

広島 ブルーマーメイド呉基地

 

 

 

 

「よっしゃぁぁぁ!やったる!ここでやらなぁ女が廃るんならぁ!」

 

 

 

 

 

ドスの効いた野太い声と巻き舌で、納沙幸子は海に向かって啖呵を切る。

 

 

 

晴風時代の記録員である彼女は、卓越した情報処理能力で艦橋メンバーをサポートし続けた縁の下の力持ちであった。

 

 

ひとしきり海に叫ぶと幸子は基地に歩き出す。

 

中に入ると、晴風メンバーの呉基地配属組が揃っていた。

 

 

 

 

「来るのか?いよいよ」

 

「おにぎりもお汁粉も準備出来てるよ!」

 

「全方位準備完了です!」

 

「ホント、久し振りにみなぎるぞな!」

 

「世紀の絵が書けるッスよぉ!」

 

 

 

 

幸子に向けられる女性達が目を輝かせて口々に抱負を言う。

 

幸子はその表情を見てニヒルな、笑みを浮かべで芝居がかった声で叫ぶ。

 

 

 

 

「カチコミだぁぁ!待ってろぉぉ超兵器ぃぃ!今、目に物見せちゃるけぇのぅ!ガッハッハッハッ!」

 

 

 

 

周りの皆がドン引きする中、幸子の一人芝居の高笑いはしばらく続いた。

 

 

   + + +

 

 

瀬戸内海

 

硫黄島を出発した三世界の艦隊は、明乃の仲間達のいる呉を目指す。

 

 

先導ははれかぜが担当する。

 

地盤沈下ににより、地形が変化した日本周辺では、複雑な潮流や浅瀬に点在する岩礁で非常に船舶が座礁しやすくなっていた。

 

 

特に瀬戸内海は、毎年座礁事故が多発する日本有数の難所であり、大型艦を所有する異世界艦隊は、ブルーマーメイドのナビ無しでは進むことが出来なかった。

 

スキズブラズニルのブリーフィングルームにいたシュルツは、ナギ少尉から渡された資料に目を通している。

 

 

 

 

 

(ふむ…今日中には佐世保に到着し、晴風クルーを全員揃えておきたい所だな…)

 

 

 

ガチャ

 

扉が開きシュルツが振り向く。

 

 

「どうされましたか?宗谷室長」

 

「はい、先日ハワイが超兵器とおぼしき艦艇に襲撃され壊滅的被害を受けたとの報告が入りました」

 

「何ですって!?それで敵はどうしたのです?」

 

「ハワイの港湾施設や市街地を蹂躙した艦艇は、アメリカの太平洋艦隊と衝突した模様。艦隊はその後消息を絶ちました…」

 

 

「そうですか…。で?ハワイからの報告に敵の艦種に関して何か情報は有りましたか?」

 

「はい、恐らくですがこれらではないかと…」

 

 

 

 

真霜は、ウィルキア艦隊から提供された超兵器リストを取り出し指をさす。

 

 

 

「………。」

 

 

 

 

「シュルツ艦長?」

 

険しさを増したシュルツの表情を真霜が心配そうに覗きこんだ。

 

 

 

 

「いえ、失礼しました。少しぼーっとしていて…。解りました。こちらも準備にかかります。蒼き艦隊へは此方から連絡しておきます。はれかぜへは…?」

 

 

「ええ、今は無駄に混乱させたくない。もう少しだけ臥せておいた方が言いかもしれません。ただ呉に到着後、岬艦長と知名艦長、宗谷副長には報告を入れておきます」

 

 

 

「宜しくお願いします」

 

 

 

 

真霜は会釈をすると、部屋を後にした。

 

 

シュルツは険しい表情のまま、窓の外の景色に目を向ける。

 

 

 

その遥か彼方にいるであろう敵を睨み付けるかのように。

 

「来るのか…【ハリマ】【アラハバキ】」

 

 

   + + +

 

 

 

呉基地

 

はれかぜとスキズブラズニルは呉基地に入港する。

 

 

 

明乃達が、タラップから降りると見覚えのある女性達が、既に整列し待っていた。

 

先頭にいた、ベレー帽を被った女性が前へ進み出て敬礼をする。

 

 

「お疲れ様ですはれかぜ艦長!呉基地へようこそ!納沙幸子以下12名、準備は整っております。乗艦許可を頂けますか?」

 

 

「了解!乗艦を許可します。久しぶりだねココちゃん!」

 

 

「はい~。艦長とはれかぜ2世の為にこの納沙幸子、全力でサポートします!」

 

 

 

 

 

明乃と彼女は両手で握手を交わす。

そこへ真白も降りてきてメンバーの確認をし始めた。

 

 

 

 

「納沙幸子・杵崎ほまれ・青木百々・小笠原光・武田美千留・日置順子・野間マチコ・勝田聡子・内田まゆみ・若狭麗緒・駿河留奈・松永理都子、これで全員か?」

 

 

そこで、幸子と真白の目が合う。

 

 

幸子は嬉しそうに目を輝かせ、対する真白はジト目で少し後ずさるが、すかさず幸子が真白の腕に絡み付いて来た。

 

 

「逢いたかったです!む・ね・た・にさん!」

 

 

「や、やめろ!くっつくな、こんな人の多い所で……」

 

 

「良いじゃないですか!折角の再開なんですし。あっ、そうだ!久し振りに夜どうです?二人きりで……」

 

 

「ば、バカ!勘違いされるような事を言うんじゃない!」

 

 

「シロちゃん…。ココちゃんとそうだったんだね…」

 

「ち、違います!これは学生時代に部屋で見ていた。仁義の無いビデオの観賞会のことです!」

 

「そ、そうだよね。ビックリしちゃった…あっ!そうだシロちゃん!このあと宗谷室長から話があるんだって。」

 

 

 

「そ、そうでしたか。では早速参りましょう。皆は荷物を部屋にまとめて、出航準備をするように。以上解散!」

 

 

 

 

幸子の発言に既に振り回されている真白に明乃が助け船を出し、彼女は空かさずそれに乗る。

真白は、幸子の腕を振り払って逃げるように走り去り、その様子を幸子は残念そうに見送った。

 

 

   + + +

 

 

スキズブラズニル

 

ブリーフィングルーム

 

 

 

明乃と真白、そしてもえかはブリーフィングルームの扉を開けた。

中には真霜は神妙な面持ちで、座っている。

 

 

 

「揃ったわね」

 

「はい、なんでしょうか宗谷室長」

 

 

 

 

真霜は頷き、口を開いた。

 

 

 

 

「早速だけど本題に入るわ。事を急がねばならない事態になりそうよ」

 

 

「まさか!」

 

 

「そのまさかよ。超兵器の一団が日本へ向かってくる可能性が出てきたの」

 

 

「何故わかるんです?」

 

「昨日、ハワイが襲撃されたわ。被害は甚大よ」

 

「そんな……」

 

 

「ハワイ基地の生き残りの隊員の話によれば、超兵器の向かった方角からして日本か、もしくは南シナ海付近に接近する可能性が高い。シュルツ艦長は、まもなく偵察機を発進させ、超兵器の居どころを探るつもりのようね」

 

 

「それで、どの様な超兵器なのですか?」

 

「偵察機の報告待ちだけど、恐らくは…」

 

 

 

真霜は手元にある超兵器リストを 3人に見せた。

 

 

 

「少なくとも4隻が確認されているわ。同型艦もいるから確定では無いけど。少なくともこの、【超巨大双胴戦艦級】一隻と【超巨大ドリル戦艦級】1隻は確定だと思う」

 

 

「出雲やシュペーアの大型版と考えて宜しいですか?」

 

 

 

「スペックの詳細は納沙さんに送ってあるから確認して頂戴。でも大きさは¨500mを越えている¨と考えていいわね」

 

 

「500m!?」

 

 

「ええ、超兵器級では比較的平均的なサイズの様だけど、とても巨大よ」

 

 

「そんな…いくらなんでも」

 

 

「ショックを受けている暇は無いわ。速やかに出航準備を成しなさい。今日中には佐世保に到着してクルーを全員集め、艦の操作の習熟に努めなければならない。良いわね?」

 

 

「解りました……」

 

 

真霜がブリーフィングルームから去って行き、残された3人は不安な表情を浮かべていた。

 

 

明乃は恐怖心を押さえ付け、真白に指示を出す。

 

 

 

 

「シロちゃん…至急出航準備を。あと呉組の皆に装備について説明をして、いつでも使えるように各担当の長に通達して…」

 

 

 

「了解しました…」

 

 

「ミケちゃん…大丈夫?」

 

 

「うん…今私が揺らいだら皆が死ぬ。進まなきゃ…」

 

「そうだね…」

 

 

 

3人は暗い表情のまま部屋を後にした。

 

 

 

   + + +

 

 

 

空母メアリースチュアート

 

 

「いいか、無理はするな。超兵器を捕捉し、艦種や進路を特定し次第、速やかに帰投しろ。」

 

 

シュルツは、偵察隊に指示を出す。

 

 

 

ヒュウガの量産した、いつでも通信が可能にな量子通信機を搭載した偵察機は次々に発進し、みるみるうちに空の彼方へと消えていった。

 

 

シュルツは険しい表情を崩していない。

 

 

 

(胸騒ぎがする。セオリー通りに行けば、けして撃破出来ない相手ではないが…。敵が無人と言うのも気になる。虚を突かれなければいいがな…)

 

 

シュルツは艦長帽を深くかぶり、スキズブラズニルへと戻った。

 

 

   + + +

 

 

 

一同は関門海峡を通過している。

 

地盤沈下の影響で以前より幅は広いが、瀬戸内海よりも潮流が速く複雑な為、通過の際は水先案内人の同乗が未だに義務付けられている海域でもある。

 

 

 

センサー類や機動性が、卓越している蒼き艦隊は除外するとしても、超大型ドック艦のスキズブラズニルは、真霜とはれかぜのナビゲートにより、海峡を抜け東シナ海へと進む。

 

 

 

 

   

 

道中、はれかぜ艦橋では幸子が先程までの様子とはうって変わっての真剣な面持ちで、超兵器に関する情報を手の空いたメンバーと明乃と真白に解説していた。

 

 

 

 

 

「今回、相手にするであろう超兵器はまず超巨大ドリル戦艦級です。データ上では、艦首のドリルラムと艦側の回転ソーでの格闘戦を得意としています。尚敵速は45ktを越える高速艦です」

 

 

「500m越える巨大でそんな速度を出せるなんて…」

 

 

 

「それだけではありません。主砲に406mmのガトリング砲・多弾頭ミサイル・高出力光学兵器を搭載しており、遠近両方の戦闘力が高く、隙がない戦闘艦です。特に406mmのガトリング砲は1分間に50発以上を発射能力を有している点は押さえておくべき脅威でしょう」

 

 

「406mmって長門の主砲と同じクラスだな。それを1分間に50発とは…ほとんど化け物言わざるを得ないが」

 

 

 

 

「もう1隻は、超巨大双胴戦艦級、広大な甲板上に大口径の砲やミサイル・噴進砲を多数装備しています。最も脅威なのはやはり砲撃でしょう。50.8cm砲を8基24門と副砲20.3cm砲を10基30門で、敵速は35ktと意外に速いです。」

 

 

「注意すべき相手の戦術は、やはり規格外の主砲によるアウトレンジ砲撃か?」

 

 

「それもありますが、忘れてはならないのは播磨の防御能力でしょう。分厚い50cm砲防御装甲と双胴と言う性質上、仮に私達の兵装を一点に集中させても装甲を抜くのは容易ではありませんね」

 

 

「今の所打つ手は無いように見えるが、弱点はあるのか?」

 

 

 

真白の質問に、幸子は端末に視線を少し写して、コホンと咳払いをする。

 

 

 

 

 

「まずは甲板です。双胴であるため必然的に甲板の面積が広くなりますよね?ましてや超兵器級ともなれば尚更です。比較的装甲が薄い甲板に多く被弾させることが出来れば、私達の戦力でもある程度は戦えるはずですがまだ優位とは言えません」

 

 

「防御重力場か……」

 

 

「はい、しかし超兵器級の発する防御重力場は極めて強力ですが限界はあります」

 

 

「限界?」

 

 

「そうです。資料によれば、防御重力場は喫水下には浮力や安定性の関係上、発生させる事に制限があるようです。ただ私達の兵装で超兵器級の装甲を抜くのは困難ですから、これは無視しても良いでしょう。それでもう一つの方法ですが…」

 

 

 

皆が食い入る様に幸子の言葉に耳を傾ける。

 

 

「防御重力場にしても電磁防壁にしても、発生させるには大きなエネルギーが必要です。しかし、超兵器機関と言えど高出力兵器と防御障壁を同時に使用続ければ、エネルギーの供給が間に合わなくなり、障壁や装填速度などに影響が出てしまうのです。ですから、一度大型の蓄電池にエネルギーを溜め込み、そこから障壁をつくる力を供給するものと思われます。ですから絶え間なく攻撃を続け、障壁を展開させ続ければ、いずれ蓄電池のエネルギーが切れ、超兵器機関への負担が増大し弱体化。そしてその隙に飽和攻撃を仕掛ける。これが最も現実的でしょう。」

「成る程な。しかしその弱点は、我々も同じ事…そうだろう?」

 

 

「残念ながら…更に防御重力場はこちらが受ける攻撃のベクトル方向を外側に向けるという性質上、砲撃の瞬間に重力が作動していると弾道に狂いが生じてしまいますからね。それは副長達が硫黄島で実際に経験しているとは思いますが」

 

 

「確かにな…」

 

 

 

 

硫黄島演習での1日目、航空機の迎撃や砲撃戦でも、弾の弾道を調節するのにかなり手間取ってしまったのは、防御重力場の発する力場に志摩が対応するのに苦戦を強いられたからでもあったのだ。

 

 

更に防御重力場には、質量が大きすぎるものや、超高速の物体に対しては、弾道を殺しきれないと言う弱点もある。

 

はれかぜメンバーの練度の問題も有るため、課題は山積していた。

 

 

「とにかく今は佐世保の皆と合流することが先決だね」

 

 

 

明乃は努めて明るい顔で言うと海へ視線を向けた。

 

 

東シナ海へ抜けたはれかぜ一行は足早に佐世保へと向かう。

 

 

 

   + + +

 

 

 

超兵器偵察隊は、2班に別れて行動している。

 

第1班はカロリン諸島周辺を、2班は小笠原諸島から直線的にハワイに向かう航路付近を中心に超兵器を探していた。

 

 

 

 

『シュヴァルベリーダーよりシュパッツリーダー、カロリン諸島付近に超兵器ノイズ無し…。そちらはどうか?』

 

『シュパッツリーダー、此方も異常無し。進路を少し南寄りにして捜索する』

 

 

『シュヴァルベリーダー了解』

 

 

 

 

第1班シュヴァルベ隊隊長のモーリス・カーペントは溜め息をつく。

 

 

 

(手掛かり無しか…人の出入りの多いというトラック諸島を中心に探したが。本当に此方に来ているのか?)

 

 

 

 

シュヴァルベ隊は進路を北寄りに替える。

一方2班のシュパッツ隊隊長、一宮寿秀も同様に超兵器を見つけられずにいた。

 

 

 

 

「シュパッツリーダーより各機へ15分して見つからない場合はシュヴァルベ隊と合流して帰投する。」

 

 

『こ…シュ…ツ1…解…』

 

 

 

 

突如、通信にノイズが入り上手く聞き取れなくなる。

 

 

 

(まさか…)

 

 

 

レーダーに視線を移した一宮は、そこに巨大なノイズを見る。

 

 

 

「まずい…こちらシュパッツリーダー。各機量子通信に切り替えろ!奴等だ!」

 

 

 

『こちらシュパッツ1感度良好』

 

 

 

通信不良に疑問をもった一宮が、蒼き艦隊から提供された量子通信機に切り替え、クリアになった他の機体からも続々と感度良好の返答が返ってくる。

 

 

 

 

「了解、これより我々はシュヴァルベ隊に連絡を入れた後に敵の偵察に入る。対空兵器にいつでも対応出来るようにしておけ!」

 

『『了解!』』

 

 

 

 

現場に一気に緊張が走る。

 

 

 

 

 

「シュパッツリーダーよりシュヴァルベリーダー。」

 

 

『量子通信を使用ということは、どうやらそちらがアタリか?』

 

 

 

「ああ…これより超兵器に接近、艦種の特定に入る。手が回らないのでそちらに口頭でそちらに情報を伝える。その情報をスキズブラズニルに伝えて欲しい」

 

 

『了解。健闘を祈る。我々も直にそちらに向かい援護する。無理はするなよ』

 

 

 

「了解した。援護を感謝する」

 

 

 

通信を終了すると一宮は、深く息を吸いノイズの中心へと旋回して行く。

 

 

 

   + + +

 

 

 

 

スキズブラズニル

 

ブリーフィングルームにはシュルツだけではなく、真霜・ブラウン博士・ヒュウガも同席していた。

 

 

 

突然慌ただしく扉が開くと、息を切らせたナギが入ってきた。

 

 

「シュルツ艦長!」

 

「どうしたナギ少尉」

 

 

「はい、先程一宮一等空尉が超兵器を発見しました!」

 

 

「何!?それで超兵器の艦種はわかったか?」

 

 

「はい、それが…」

 

 

「どうした?」

 

 

「こちらになります。」

 

 

「なんだと!?」

 

 

シュルツの切迫した表情に真霜は不安を隠す事が出来ない。

 

 

 

 

 

 

「シュルツ艦長?」

 

 

「宗谷室長。事を急がねばならないやもしれません。」

 

 

「と言うと?」

 

 

「はい、今回相手にしなければならない超兵器は全部で¨4隻¨になりました。」

 

 

「4隻ですって?」

 

 

「ええ、双胴戦艦【播磨】とドリル戦艦【荒覇吐級】1隻は変わりません。その他に超高速巡洋戦艦【シュトゥルムヴィント級】1隻と超巨大双胴航空戦艦【近江】がいることが判明しました。」

 

 

シュルツの言葉に、ブラウン博士の顔が青ざめてゆく。

 

 

それに構わず真霜は問う。

 

 

「3隻はあなた方の艦の大型版と考えれば何とかイメージが湧きますが、シュトゥルムヴィント級とはなんなのですか?」

 

 

「端的に言えば、100kt以上て航行する巡洋戦艦です」

 

「100kt!?そんなバカな…」

 

 

「残念ながら事実です。敵は超兵器としては小型であり量産型ではありますが、それでも長門型と同程度の船体に、30cmを越える主砲や魚雷・ミサイルや光学兵器を搭載、更に高速でも小回りの利く厄介な相手です」

 

 

「そんな…」

 

 

「ショックを受けている暇はありません。至急対策を練りましょう。その為にはまず佐世保に急がなければ…」

 

 

 

一同が頷き、慌ただしく関係各所に連絡を入れる。

 

 

 

決戦の時は刻一刻と迫っていた。

 

 

 

   + + +

 

 

 

佐世保基地

 

杵崎あかね・和住媛萌

宇田慧・姫路果代子

等松美海・伊勢桜良

広田空・山下秀子

黒木洋美

 

そして知床鈴は佐世保の港に待機していた。

 

皆一様に不安や苛立ちを含んだ顔をしている中、特に知床鈴については既に泣き出していた。

 

 

 

 

「うぅ…未知の相手と戦闘なんて怖いよ~もし何かあったら…」

 

 

「リンちゃん元気だして。私どら焼作ったの。甘いものを食べると気分が落ち着くよ」

 

 

「うぅ…でも太るのも怖い…」

 

 

 

鈴はあかねから貰ったどら焼を涙をこぼしながらほうばる。

 

 

 

一方の洋美は、苛立ちを含んだ顔をしている。

 

命令を受けたとは言え、なぜ自分達が死地へと赴かねばならないのか、疑問を懐いているのだ。

 

 

「あっ、きたよ!」

 

 

 

あかねが指を指す方向に、はれかぜと後に続くスキズブラズニルの姿を見ることが出来た。

皆が飛び出し、久しぶりの再会を待ちわびる。

 

 

   + + +

 

 

佐世保にたどり着く明乃達一行は、久しぶりの晴風メンバーの再会に期待を寄せながらタラップを降りる。

 

 

杵崎姉妹は再会をよろこび、美海は狂喜して、マチコに飛び付いとおり、各々がそれぞれの再会を喜んだ。

 

 

 

そして明乃や真白もタラップを降り皆と再会を果たした。

 

 

 

「あっ、クロちゃん久しぶりだ…きゃ!」

 

 

パンッ!

 

 

 

いきなり洋美が明乃を平手打ち喰らわせる。

 

さらに…。

 

 

パンッ!

 

 

もう一発を反対の頬に打ち込み、慌てて止めに入った真白の手を振り払い、彼女の胸ぐら掴みあげて自らの額を明乃の額にぶつけて怒声を浴びせた。

 

 

「あんた、自分が何やってるか分かってる!?自分で勝手に参戦決めて、私達を危険な戦いに巻き込んでさっ!きっとこの中にも行きたくないとか、命令だから仕方がないとか考えてる人とかいるよ!それに、日本を飛び出て討伐?その間に日本は手薄じゃない。あんた昔から何も変わってないよ!身内を見捨てて飛び出して、目の前の事ばっかりで、残される人の気持ちを微塵も考えちゃいない!どうなのよ!何とか言ってみなさいよっ!」

 

 

 

突然の展開に周りが静まり返る。

 

 

 

よろけながら立ち上がった明乃が顔をあげる。

 

 

「………。」

 

 

 

「…っ!?」

 

 

 

怒りに満ちた洋美の顔がみるみる焦りの表情に変わっていく。

 

明乃の表情は涙で滲んだ目を大きく開き、悲しさと寂しさが入り交じり、そして何より有無を言わせない圧力を秘めた表情をしていたからだ。

 

 

 

洋美は腰を抜かさぬよう踏ん張るのが精一杯だった。

 

 

 

 

明乃は洋美から視線を外し後ろを向き、今まで聞いたことのない低い声で皆に語りかける。

 

 

 

 

「わかった¨黒木さん¨あなたは来なくていい…皆も聞いて。今回の戦い、私は誰も死なせるわけには行かない。そんな気持ちで艦に乗れば、確実に皆死ぬ。はれかぜの皆だけじゃない。この国の人も世界の皆も大切な人もみんなみんな…。私は見たから。横須賀で…炎に巻かれる人を、体が穴だらけになって倒れる人を、子供だっていた…。それにブルマーの仲間だっていっぱいいっぱい死んだ。誰かも解らない位グチャグチャになって…それでもアレは攻撃を止めない。私、あの時思ったの。私じゃ守れないし敵わない、逃げられないし死ぬしかないって。でも私は、アレを打ち破るれるかもしれない力を異世界のウィルキアや蒼き艦隊の皆のように、犠牲を何より嫌う仲間から貰ったの。だから私は行く。待っていても待つのは死だけだから…。一時間だけあげる。その間に艦に乗るか乗らないか決めて」

 

 

「一時間って…」

 

「時間がない…さっき連絡が入ったの。超兵器4隻が日本へ向かってるって。明日の早朝には出航、早ければ昼前には接敵する。準備や訓練を急がなくちゃいけない。良く考えて…別に責めたりはしない。でもこれだけは言わせて。皆を巻き込んだ事は、確かに私の独善かもしれない。でも仮に残っても、逆に一緒でも、皆を絶対に死なせない!艦長だから…家族だから…」

 

 

明乃は1度も皆に顔を向けることなく、艦橋へ戻っていった。

 

皆頭を下げて黙り込む。洋美もばつが悪そうな顔をして立ちすくんでいた。

 

一同はこの一時間をとても長く感じることとなる。

 

 

 

   + + +

 

 

佐世保基地内

 

明乃以外の晴風メンバーが全員おり、部屋には重苦しい沈黙が支配している。

 

その沈黙を破るように、芽依と志摩が席を立った。

 

 

 

「んじゃ、私達行くわ!」

 

「うぃ…行く」

 

 

それに続いて、真白・麻侖・楓・鶫・美甘・幸子も席を立つ。

 

その様子を見た洋美は思わず叫んでいた。

 

 

 

「ちょっと待って!皆ちゃんと考えたの?死んじゃうかも知れないんだよ!?」

 

 

「考えたさ…もう答えは決まってる」

 

「宗谷さん!」

 

 

洋美は真白に食い下がる。

 

真白は他の皆を先に行かせると部屋に残った。

 

 

良く見ると麻侖も入り口に寄りかかって残っている。

 

 

「艦長を戦場に担ぎ上げたのは私達なんだ…」

 

「なっ…」

 

 

「正確には私の姉だがな…艦長はあの性格だが、6年前の経験経て、ブルマーの中でも戦闘に関しては抜きん出た才能があると上は判断しているらしい。その選抜にはもちろん私達も含まれている」

 

 

「……。」

 

 

「だが艦長は反対だった。死ぬかもしれない戦場に、家族だと言っていた私達を連れていけないと最後までね…。それで一人で抱え込んだ末に単身で行こうとしてたんだ。」

 

 

「一人でなんて…無茶よ!」

 

 

「そう、それを知った私達は出発の日に艦長の下に押し掛け、連れていくよう頼んだ。もちろん艦長は泣いて反対したよ。でも私達は付いてきた。艦長をあんな化け物に一人で向かわせやしない!って」

 

 

 

「それによクロちゃん…実際に超兵器を見たあの日から、俺は夢に見ちまうんだ。横須賀で倒れた人達の顔をな…そしてその顔が途中からクロちゃん達の顔に変わりやがる。そこで目が覚めるんだ。実際あそこで異世界の連中が現れなきゃ、今頃は日本中であんな事が起きていたんだろうな…俺はそんなの耐えられねんでぃ!だから、行く。いや、行かなきゃなれねんでぃ!」

 

「麻侖、でも…」

 

 

 

「艦長言ってただろ?無理強いはしねぇって…俺も同じ意見だな。半端な気持ちで行っても死ぬだけだ」

 

 

「宗谷さんや麻侖も強いからそんなことが言えるのよ。私には、決められない…」

 

 

 

「だから、艦長は黒木さんを連れていけないと言ったのさ。でもそうやって生き死にを冷静に考えられる事は、悪い事じゃないと思う。他の皆も良く考えて欲しい」

 

 

 

 

真白はそれだけ言うと、先に立ち去ってしまう。

 

 

「クロちゃん…さっきの艦長どう思った?」

 

 

「どう思ったって…なんか苦しそうな…」

 

 

「そう、艦長はそんな顔をする奴じゃなかった…どんな苦境でも笑って俺たちに希望をくれる人だったんだ。でも、硫黄島での演習以降は見ての通り、心が鋼になっちまってる。それじゃ行けねぇんだ!だって俺達ゃ傭兵や軍人じゃねぇ、ブルマーなんだから!」

 

 

「!」

 

洋美をはじめ一同が目を見開き麻侖を見つめる。

 

 

 

 

「超兵器と¨戦う¨じゃねぇ。超兵器から皆を¨守る¨だろうが!それに戦いが終わった後に、この海を守るのはブルマーだ。このままじゃ艦長のブルマーとしての心は間違いなく死んじまう。あの人の心に血を通わせられるのは俺達仲間だけだ。【ブルーマーメイドの岬明乃】を失わせちゃならねぇ、だから行く!テメェらもよく考えておけ。人間として、そしてブルマーとしての在り方ってやつを。」

 

 

そう言うと麻侖も立ち去る。

 

 

 

【人間として、ブルマーとしての自分の在り方】

 

残りの時間は少ない。

 

 

 

だが一同は先ほどの様に狼狽えたりはせず、しっかりと自分の考えと向き合っていた。

 

 

 

 

   + + +

 

 

 

はれかぜの艦首で海を見ている明乃の表情は硬い。

 

そんななつもりは無かったが、先ほどはつい語気を強めてしまった事に激しい罪悪感を感じていた。

 

もしかすると、最後になるかもしれない会話でするような内容ではなかったとも思っている。

 

しかし、彼女に後悔は無かった。

 

 

大切な家族をむざむざ死なせる訳には行かないのだから。

 

 

「艦長!」

 

 

 

彼女が振り向いた先に横須賀組と幸子がいた。

 

やはり皆は来なかったかと明乃が思ったその時、艦橋裏から続々とメンバーが集まってきた。

 

 

「艦長~」

 

「リンちゃん」

 

「わ、私も行くよ!凄く怖い…怖いけど、大切な人を失う怖さと比べたら全然苦じゃないよ…」

 

鈴は涙をこぼしながら言う、そしてもう一人前に出てきた人物がいる。

 

 

黒木洋美であった。

 

 

 

「岬さん…私達も連れていって欲しい。海のを守るブルーマーメイドとして、そしてあなたの仲間として……」

 

 

「クロちゃん…」

 

「か、勘違いしないで!私は、逃げてるみたいに思われたくないだけよ!それに、ついて行くとは言ったけど1つ条件がある。」

 

 

 

「条件?」

 

 

「忘れないで欲しいの、私達は¨家族¨だって事。そして、私達皆にも岬さんの事、¨家族¨だって思わせて欲しい。だからこの戦いを終わらせて!誰一人も欠けることなく!」

 

 

明乃は、洋美をまっすぐ見る。

 

 

そして頷いて手を差し出し、二人は固く握手を交わす。

 

 

 

それを見た真白が、明乃の前に進み出た。

 

 

 

 

 

「艦長、副長宗谷真白以下30名全員集合しました。ご命令を!」

 

 

明乃は全員の顔をゆっくり見渡した。

そして宣言する。

 

 

「これより私達は、人類を滅ぼさんとする超兵器から人々を守り通す為の任を負う。厳しい戦いになるかもしれないけど、絶対に生き残って、人類とそして私達の未来を掴みとろう!総員、これより時間の許す限り、艦の習熟運転に努める!出航用意!」

 

全員が明乃に敬礼を返し、持ち場につく。

 

 

はれかぜは、習熟運転の後、弾薬補給と休息をとり、明日には日本に接近してくるであろう超兵器艦隊との決戦に入る。

 

 

   + + +

 

 

太平洋

 

超兵器艦隊

 

高速な超兵器の中では比較的鈍足な双胴戦艦【播磨】は、その巨体で波を掻き分け進む。

先頭はシュトゥルムヴィント、それに荒覇吐・近江が続く。

 

播磨は艦隊の最も後方にいた。

 

 

播磨が不意に速度を緩め、他の3隻もそれに習って速度を落とす。

 

 

播磨は、その巨大な主砲の1つを回転させ、仰角を上に向ける。

 

そして、

 

 

ドォォォォン!

 

 

一発の砲弾を発射。

 

その凄まじい轟音と衝撃波に海に白波が立つ。

 

 

その発砲を合図に、超兵器艦隊は陣形を組む。

 

播磨を中心にして前方の左右にシュトゥルムヴィントと荒覇吐、後方に近江という陣形であった。

 

播磨は主砲を旋回させ、海の彼方にいるであろう宿敵に向けてもう一度発砲した。

 

 

 

まるで《早ク来イ》と挑発するかのように…。

 

 

   + + +

 

 

夕方

 

スキズブラズニルに帰投した偵察部隊の報告を受け、シュルツは険しい表情で海を見つめている。

 

 

(相手は無人だ。対話による戦闘回避は不可能…開戦が迫る!)

 

 

「艦長!」

 

 

「ナギ少尉か…シュペーアの修復具合はどうだ?」

 

 

「芳しく有りません…なにせ北極海からの連戦でしたから」

 

 

「そうか。明日は出雲とペガサスで出る。ペガサスの指揮をヴェルナーと筑波大尉に預けると伝えてくれ。」

 

 

「はっ!ですが此方の指揮は?」

 

 

「副長には、ブラウン博士についてもらう。出雲の方が超兵器と接近する可能性が高いからな。間近で観察することで、今回の超兵器復活について、何か糸口が見つかるやもしれん」

 

 

「重ねて了解致ししました。艦長、いよいよですね…」

 

 

「ああ、厳しい戦いになる。この一戦が今後の展開を占う事なるだろう。よろしく頼むナギ少尉」

 

 

「もちろん。艦長についていきます!どこまでも…」

 

 

ナギはニコッと笑い敬礼をすると去っていった。

 

 

「来るか播磨…【東洋の魔神】よ!」

 

 

 

シュルツは再び海を睨む。

 

幾多の戦場を乗り越えた彼であっても、今回ばかりは不安を抱えずにはいられなかった。

 

 

   + + +

 

 

 

「群像?」

 

 

イオナが群像に話し掛ける。

 

 

「イオナか、いよいよ戦闘だな」

 

「…うん。やっぱり不安?」

 

 

「不安が無いと言えば嘘になるな。シュルツ艦長曰く、超兵器の目的は支配ではなく破壊だ。君達霧の者とは違う」

 

 

「でも兵器なのは一緒」

 

 

「それはどうかな?君達は、命令の下に戦う兵器だ。逆を言えば命令以外破壊行為はしないとも言えるし、メンタルモデルを持ったことで対話や和解が可能だ。だが、超兵器は違う。ただ目の前にある目標を完膚なきまでに破壊する。そこに一切の対話を差し挟む余地がない。もはや君達とは別物だろう」

 

 

「………」

 

「どうした?イオナ」

 

「群像がそこまで言うのは珍しい」

 

 

「そうか?まぁ…そうかもな。17年前の大海戦以降は際立った大規模な犠牲は少ない。ましてや霧が陸上への攻撃をしない以上、陸の人にとって人の死は身近ではなかった。俺もその一人さ。でも俺は、横須賀で倒れた人達を見た。初めて、兵器による悲劇を見た気がしたよ…」

 

 

「…群像」

 

 

「心配するな。君は俺の艦だ。俺と君が一緒にいる限り、きっと未来は開ける。よろしく頼む」

 

 

「…うん。頼まれた」

 

 

 

 

群像はイオナに笑顔を向け、それから海に視線を向けた。

 

日は沈み、海は闇に包まれ、打ち付ける波の音だけが聞こえた。

 

明日には開戦を迎えるとは思えない。穏やかで優しい音だった。

 

 

   + + +

 

翌朝

出雲艦橋

 

 

「シュルツ艦長」

 

「ナギ少尉か。超兵器の様子はどうか?」

 

 

「はい、偵察部隊の情報によれば、超兵器は北上を続け、昼過ぎには小笠原諸島に到達すると思われます」

 

「狙いは東京か?我々を引き付けるには絶好だな。量子通信の配備は?」

 

「完了です」

 

「よし、通信を繋げ」

 

 

「はっ」

 

ナギは通信を繋ぐ。

 

 

 

『全艦に通達。我々は超兵器艦隊討伐に向け、これより小笠原諸島へ出発する。各艦傍受了解か?』

 

 

『タカオ傍受了解!』

『キリシマ傍受了解!』

『イ401傍受了解!』

『ペガサス傍受了解!』

『はれかぜ傍受了解!』

 

 

『傍受確認。それでは出航、各艦の健闘を祈る。以上通信終わり』

 

 

 

 

三世界艦隊が佐世保を出航する。

 

あと7時間後には超兵器との戦闘が開始される事に誰もが言い知れない不安と緊張を抱えていた。

 

 

   + + +

 

 

太平洋

 

 

超兵器艦隊達は速度を上げる。

 

近江の甲板には多数の航空機が控えていた。

 

 

他の超兵器もまるで準備運動をするかのように、兵装の展開や砲の旋回を行う。

 

開戦は間近に迫っていた。

 

 

   + + +

 

 

小笠原諸島近海

 

探知能力が他艦を遥かに上回る401は、いち早く超兵器の反応を検知していた。

 

 

『401から出雲へ、南東に超兵器と思われる反応を検知!』

 

 

『了解、まもなく視界に入るだろう。各艦警戒を怠るな!』

 

はれかぜの目とも言える野間マチコは眼鏡を外し、通信にあった方角を睨む。

 

 

「!?あれは…超兵器か?超兵器を視認!まさか、この距離で見えるなんて…凄まじいデカさだ!」

 

 

マチコからの伝声管からの声に一同に緊張が走る。

 

じっと見つめる遥か前方に、明乃はそれらしき姿を見つける。

 

嫌な汗が頬を伝った。

 

 

 

彼女だけではない。

 

 

 

 

誰しもが呼吸が速くなり、心臓の鼓動が大きくなる。

 

 

 

口の中が渇き、不快な汗で肌がべたつく。

 

 

 

すると、海の彼方がピカッと光った。

 

 

 

『超兵器発砲した模様!』

 

 

マチコからの声に、一同が驚愕した。

 

 

「あんな離れたところから?バカな!」

 

 

真白は顔が青ざめる。

 

彼女達の恐怖はまだ始まったばかりだった。

 

 

   + + +

 

播磨は立ち止まり、他の超兵器もあわせて止まった。

 

 

 

遥か前方に自分達より小さい艦がいくつか見える。

 

播磨は主砲を動かし、仰角を合わせ、そして…。

 

ドォォォォン!

 

 

轟音と共に主砲を発射した。

 

それが合図かのように、次々と超兵器達が動き出す。

 

荒覇吐は、艦首のドリルと艦側のソーを起動させ、シュトゥルムヴィントは、艦尾のスラスターを起動させて艦とは思えない加速で一気に前へ出る。

 

 

近江も、夥しい航空機を発艦させてきた。

 

 

三世界艦隊と超兵器艦隊との人智を越える戦いが今、切って落とされたのであった。




おつきあい頂きありがとうございます。

次回は、いよいよ超兵器メインです。

どうぞ温かく見守って下さい。

それではまたいつか。


とらふり!

幸子
「こん時ゃ誰も知らんかった。まさかあんなことになろうとは…」


「ひぃ~!縁起でもないから止めてよぅ~」
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