トライアングル・フリート   作:アンギュラ

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仕事の都合上書ける内にとおもい書きました。

またお付き合い下されば幸いです

今回は前半は戦闘回です

それではどうぞ




灼熱の邂逅     vs Unidentified ship

   + + +

 

 

光の中から現れた浮き港と潜水艦。

 

 

 

それらに巨大艦からの光の攻撃や艦砲や飛行兵器達が殺到する。

 

 

 

 

ズドォォォォォォン!!

 

 

 

 

轟音と共に爆煙が立ち込めて、それが晴れた時には¨傷1つ付いていない艦¨の姿があった。

 

 

そして浮き船付近から一隻の艦が発艦する。

 

 

なんとその姿は艦の先端に¨ドリル¨両舷に¨回転ソー¨を着けた姿をしていたのだ。

 

 

 

 

ドリル艦は通常艦艇ではあり得ない加速で発艦すると、飛行兵器に凄まじい数のミサイル 速射砲 機銃の弾のように小さい光の兵器を乱射し、主砲と思われる大型の兵器から視認するのも難しい高速の砲弾と、艦橋左右に設置してある見たこともない形状の兵器からイナズマのような光を巨大艦に向け発射した 。

 

ズドォォォォォォン!

 

 

先程のブルーマーメイドの攻撃にびくともしなかった巨大艦から轟音と共に煙が上がる。

 

攻撃は効いていた。

 

左舷側の飛行兵器を飛ばしてくる甲板はボコボコになりもはや役目を果たさない。

 

 

 

しかしながら致命打には至らなかった。左右にある艦が中央部へのダメージを防いでいるのだ。

 

 

 

 

ドリル艦は構わず猛攻を加え続ける。

 

 

 

すると突然、巨大艦の左側バルジの部分に立て続けになにかが着弾、まるで抉り取られたような不思議な穴が開く。

 

そこから大量の海水が船内に流れ込んでいる様子がわかった。

 

 

先程まで海上に居た潜水艦の姿が消えている。

あの攻撃はその潜水艦からのものだったらしい。

 

 

巨大艦は大量の海水の流入によって傾き始めるも、右舷側の艦に直ぐに注水して立て直して先程ドリル艦が放ったのと同様の超高速砲弾や主砲・ミサイル・あらゆる光の兵器・飛行兵器の射出等で応戦してくる。

 

 

ドリル艦は謎の障壁を展開し攻撃をいなすが、あの超高速砲だけは完全には威力を相殺出来ないらしく、その証拠に先程放ったイナズマ兵器があらぬ方向に放たれる。

 

 

恐らくは故障したのであろう。

 

 

だがドリル艦は、先程謎の潜水艦からの攻撃で穴が開いた箇所に狙いを定め尚も攻撃を続ける。

 

しかも無事な右舷側の甲板から随時発艦してくる飛行兵器を相手にしながらだ。

 

そして遂に巨大艦左側の艦が限界を迎える。

 

 

ズドォォォォォォン!

 

 

謎の艦から轟音と火柱が上がる。

 

だが驚くべき事に敵はまだ沈まず、傾いたまま攻撃を続行していた。

 

さらに

 

ガチャン………

 

なんと巨大艦は左舷側の艦を¨切り離し¨残りの艦だけで猛攻を続ける。

 

しかも余計なものを切り離したことでより小回りがきくようになり、先程よりも回避が正確になったのだ。

 

そして炎上した艦は、あれほどの攻撃を受け浮いているだけでも奇跡に近いわけだが、なんと回頭し速度を上げながらドリル艦に突撃を敢行、滅茶苦茶に砲弾を撒き散らしながらドリル艦に突っ込む炎上艦にドリル艦は回避運動を取らず、なんと増速し真正面からぶつかった。

 

ドリル艦はゴリゴリと耳障りな音をたて火花を散らしながら相手の艦首を削る。

 

直後、

 

ボォォォォォォォン!!

 

炎上艦は凄まじい大爆発を起こし消滅してしまった。

その凄まじい爆風は戦闘海域から10km離れた横須賀にもすさまじい暴風となって押し寄せた。

 

 

 

爆煙が収まると、そこには無惨にドリルが曲がり、そこら中真っ黒に焦げた無惨なドリル艦の姿があった。

 

 

だが驚くべきことに、ドリル艦は巨大艦への攻撃を続行。満身創痍の船体で使える兵装はすべて使って攻撃を再開したのだ。

 

 

 

その時、今度は右舷側から爆煙が上がり、そこには潜水艦からの攻撃と思われる穴がいくつも開いていた。

 

ドリル艦は先程同様に浸水箇所を中心に砲撃を再開し、それによって巨大艦右側の艦も爆発を起こして傾いて行く。

 

 

するとまたしても巨大艦は、炎上した艦を切り離した。

 

 

 

 

まるで¨トカゲの尻尾切り¨である。

 

 

 

炎上した右舷艦は増速しドリル艦に突撃する。しかし満身創痍のドリル艦に先程同様の超爆発を受けきることは出来ないだろう。

 

 

 

絶体絶命…。

 

 

 

 

その時だった。

突如海が割れ、その先にあの潜水艦の姿が…。

 

その姿は先程の姿とはまるで違い、なんと船体を¨展開¨しその中央部にある円形上の物にエネルギーを収束させていた。

 

 

 

炎上した巨大艦はミサイルや砲撃を撒き散らしながら必死で抵抗するが、割れた海から逃げることが出来ない。

 

そして

 

 

 

ブォォォォォォン!!!!!

 

けたたましい轟音と共に収束したエネルギーが放出され炎上艦に直撃。

 

 

炎上艦は爆発すらせず、エネルギーの奔流に巻き込まれ塵も残さず¨一瞬で消滅¨し、その余波で海はうねりを伴い荒れ狂っている。

 

しかし潜水艦もドリル艦も闘いをやめる気毛頭無いようだ。

 

 

残るはあの中央部の巨大艦を残すのみ。

 

 

 

 

 

しかし巨大艦は炎上した艦を囮にしていた。

左右の艦を切り離したことにより、身軽になった巨大艦はその巨体に似合わない高速で沖合へと逃走していたのだ。

 

 

波が落ち着くまでしばし状況は膠着し、その後その二隻は共に横須賀に進路を変える。

 

夜が更けていく横須賀は未だに炎に包まれ明るく、まるで灼熱の海と言うべき状態だった。

 

 

 

  

   + + + 

 

 

明乃は手の震えが止まらない。

 

 

海上での戦闘は、明乃が今まで経験してきた常識と言うものを根底から覆すものであったからだ。

 

 

もしあのような戦闘が繰り返されれば、世界が…いや、この星がもたないと思わせるには十分すぎる材料が揃っている。

 

 

すると、あの二隻が此方の港に向かって方向を変え迫ってくる。

 

 

 

「な、何をするつもりなの?」

 

 

彼女は恐れていた。

 

 

巨大艦を撃退してくれたとはいえ、逆に言えば自分達が手も足も出ないような相手を撃退出来るという事実は、同時にあの巨大艦と同等かそれ以上の戦力を保有している可能性があったからだ。

 

 

 

 

もしその戦力が自分達に向いたなら…。

今度こそ自分達は一人残らず灰塵に帰してしまうに違いない。

 

 

 

彼女はその事が怖くてたまらなかったのだ。

 

 

しかしながら、二隻はこれといって攻撃をするでもなく横須賀の港に接岸を開始する。

 

 

明乃は近くに居た皆に避難と救助の指示を出し、不明艦に近づく旨を伝えるが、もえか達の表情は当然険しいものとなる。

 

 

 

「ミケちゃん危ないよもし何かあったら…」

 

 

「そうだよミケ艦長、攻撃してきたらどうするの?」

 

 

 

「でももし敵意があるなら、さっきの巨大艦みたいに沖合から一方的に攻撃してくるはずでしょ?それに艦の人達は今回の事で何か知っていることが有るかもしれない。もしそうなら話を聞かなきゃ!」

 

 

 

「あっ!待って!」

 

 

「ミケちゃん!」

 

 

 

明乃の意思は思ったよりも堅く、彼女は不明艦の下へと駆け出してしまう。

 

 

 

 

 

「知名さんよぅ…流石にミケ艦長を一人で行かせるのは心配でぃ。あんたも付いていってくれねぇか?ここは俺たちで対応するからよ」

 

 

 

 

「うん、ありがとう柳原さん」

 

 

麻侖達に後を託し、もえかは明乃の後を追って行った。

 

 

 

 

 

   + + +

 

 

 

明乃は息を切らせて、不明艦のすぐ間近までやってくる。

 

艦艇にドリルが装着されているだけでも驚きなのだが、甲板には今まで見たこともないような形状の兵装が沢山搭載されていた。

 

 

しかし、先程の戦闘は余程激しいものだったのだろう。所々が破損し、黒焦げになっている箇所が幾つも見られており、掲げている旗は見たこともない紋章が記されている。

 

 

 

 

一方で潜水艦の方は軍艦とは思えないような蒼い塗装に、船体にはタトゥのような不思議な模様がある。

 

 

 

さらに特徴的なのは、甲板にある滑り台の様なものと艦橋付近にある円形のハッチだった。

 

 

 

2隻の艦艇を見た明乃は不安が込み上げる中、勇気を振り絞り不明艦に向かって叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

「此方はブルーマーメイドです!今回の事でお話を伺いたい。応答してくだい!お願いします!応答してください‼」

 

 

「ミケちゃん‼」

 

 

 

追いかけてきたもえかが、明乃を制する。

 

 

 

 

「軽率だよミケちゃん!もし攻撃されたら…」

 

 

彼女の言う事は尤もだろう。

 

 

見るからに過剰な武力を持った、目的も所属すら不明な戦闘艦に対して一人で相対するなど愚の骨頂でしかない。

 

 

しかし学生時代より、目の前に突き付けられた困難を見過ごす事など出来ないのもまた岬明乃の性格なのだ。

 

 

もえかが退避するよう彼女を説得しようとする中、突如不明艦二隻の扉やハッチが開きいて人が出てきて二人は思わず身構えた。

 

 

 

 

ドリル艦から出てきた艦長帽を被り、海軍独特の白い士官服を着た背の高い外国人風の男が口を開く。

 

 

 

 

「この度は災難でしたね。貴女はこの町の自警団か何かの方ですか?見たところ横須賀の様にも見えますが、我々が通信で呼び掛けても応答が得られませんでした。もしよろしければ、誰か政府の関係者の方に取り次いで頂き上陸の許可を頂きたいのですが…」

 

 

 

 

流暢な日本語が飛び出した事に彼女達はは少し驚くが、明乃はそれを出来るだけ表情に出さず、あくまで毅然とした対応を心掛ける。

 

まだ彼等の真意を計りかねていたからである。

 

 

 

 

「私はブルーマーメイドの隊員で岬明乃と言います。私の上司の方と連絡が取れればあるいはとは思いますが、今はこの状況ですので連絡は難しいかと…。まずは貴艦の所属と貴方のお名前を教えてください」

 

 

 

 

彼女の問いに対して、ドリル艦の男は攻撃的な素振りを見せる事なく素直に頷く。

 

 

 

「解りました。我々は¨ウィルキア共和国¨所属の解放軍¨超兵器¨遊撃部隊で通称【鋼鉄の艦隊】と呼ばれている部隊です。私はこの艦隊で艦長をしています。【ライナイト・シュルツ】と申します。この艦は¨ドリル戦艦シュペーア¨です」

 

 

 

(ウィルキア共和国?超兵器?ドリル戦艦?どれも聞いた事がない。ウソをついているのかな……)

 

 

もえかは警戒の表情を崩さず、シュルツの解答にまだ疑念を抱き続ける。

 

 

彼はその表情にチラリと目を向け、彼女の意図を察したのか言葉を紡いで行く。

 

 

 

 

「我々はウィルキア共和国解放軍は、あなた方の敵ではありません。その証拠と言っては何ですが、我々は今回襲撃を受けた市街地にいる民間人を救助する準備が有ります。今はこれしか出来ませんが、どうか信じて頂きたい」

 

 

 

シュルツは帽子を取り深々と頭を下げる。

 

 

彼の対応はとても丁寧であったし、明乃としてもいち早く町の人々の救助を優先したい気持ちは強かった。

 

だが事は、イチ隊員で判断するには余りにも大き過ぎたことは確かだろう。

 

 

 

 

「ありがとうございます。出来るだけ早くご協力頂けるよう善処します」

 

 

 

彼女は自分の気持ちを抑える。今は少しでも彼等から情報を引き出し、信用するに足るかどうか判断する材料が欲しいと考えたのだ。

 

 

 

故に彼女は視線を潜水艦から出てきた¨少年¨へと移す。

 

 

 

見た目は顔立ちの言い東洋人の顔で、黒いスーツのようなものを来ており、年齢は明乃達とさほど変わりないか、少し若いくらいであると推測した。

 

 

 

 

「そちらの方は?」

 

 

 

 

「我々は【蒼き艦隊】です。これは潜水艦【伊號401】。私は艦長の【千早群像】です。何故かは解りませんが、我々は¨突如¨としてここに来てしまい、状況が把握出来ていないのが現状なのです。¨軍務省¨の上陰龍二郎次官補に取り次ぎをお願いしたい。それと我々も微力ではありますが、民間人への救助に参加する用意はあります」

 

 

 

(蒼き艦隊?やはり聞いた事がない。それに日本に軍務省なんて組織は無いはずだし。日本人の様だけど本当に信用出来るの…?)

 

 

 

 

もえかは蒼き艦隊に関してもやはり懐疑的な気持ちに変化はない。

 

無理もなかった。

先程まで常識を遥かに超える戦闘を繰り広げていた艦艇の人間を、直ぐに信用しろと言う方がどうかしている。

 

 

 

だが意外な事に、ウィルキア所属であるシュルツも眉を潜め、何か思案しているように見えた。

 

 

その様子は、まるで明乃達と同様に彼等を信用していないのが見て取れる。

 

 

明乃は動揺を悟られぬ様、表情を崩さない事に努めた。

 

 

 

 

「解りました。不明な点も幾つかありましたが、情報の把握の為に話し合いの場は持ちたいと思いますので、少し待って頂けますか?」

 

 

 

 

「了解しました。我々も艦にて待機し、上陸の許可が降り次第、救助活動に入れるよう準備を整えますので、その時はご一報を頂ければと…」

 

 

 

「解りました。必ず…」

 

 

 

彼女と千早群像とのぎこちない会話のやり取りを終えた時、

 

 

 

 

 

「岬さん‼」

 

 

 

背後から声が聞こえる。明乃が振り向くとそこには見知った顔があった。

 

 

「シロ…ちゃん?」

 

 

 

 

 

  + + + 

 

数十分前

 

 

 

光の中から現れた艦隊と巨大艦との戦闘を目の当たりにした真白は、その場にへたりこんでいた。

 

これは夢だと思い、頬をつねるが痛みで顔が歪む。

 

 

 

残念ながら現実であった。

 

 

 

「なんなんだあれは…」

 

 

 

真白は頭がおかしくなりそうな衝動を抑え、挫いた足をかばいながら何とか立ち上がる。

 

 

 

「真白‼大丈夫?」

 

 

 

駆け寄ってきた真霜と真雪に、真白は何とか作ったぎこちない笑みを返す。

 

二人はそれを見て強ばった表情を崩すが、直ぐに表情を引き締める。

 

 

 

 

「私はこれから無事な隊員を集めて、負傷した隊員や市街地の民間人の救助を指揮する。母さんは?」

 

 

 

 

「私はこれから学園へ戻り被害状況を確認するわ。6年前の【RATtウィルス事件】【海上要塞奪取事件】とは違い、この案件は学校で処理できるレベルを遥かに越えている。生徒の身の安全も考えて一度自宅に返すことも検討します。それに学校の教員は、私も含めブルーマーメイドの予備役として登録されているし、何かの役に立てるかもしれないわ」

 

 

「そうしてもらえるとありがたいわ。それじゃぁ……」

 

 

 

 

 

 

真霜が言葉を言いかけた時、海上での動きに変化があった。

 

 

先程、巨大艦と戦闘をしていた二隻の不明艦がこちらに向かってきたのである。

 

 

 

「まさかまた襲撃!?」

 

 

 

 

「いえ、それは無いと思うわ、見る限り少し破損している様にも見えるし、さっきの爆発に巻き込まれてただで済むとは思えない。まして攻撃を仕掛けるきなら、これ程接近せずともあの艦なら可能でしょうし」

 

 

 

 

「もし乗組員がいるなら、事情を聞きたいわ。でも私は救助の指揮をとらねばならないし……」

 

 

 

 

「姉さん、私が行きます!」

 

 

 

「真白が!?無理よ!もし相手に敵意があったらどうするの?それにその足であそこまで行けるわけ無いでしょ?」

 

 

 

 

当然ながら、真白の提案は反対されてしまった。正当な理由なだけに彼女は何も言い返せず俯く彼女に、意外な言葉が飛んで来る。

 

 

 

 

「やらせてあげて真霜」

 

「母さん!?」

 

 

 

 

真霜は母の言葉に驚愕する、それは真白も同様だった。

 

 

 

 

 

 

「今は少しでも情報がほしいわ、それにその足じゃ救助の足手まといになる。適任だと思うけど?」

 

「でももし相手が攻撃してきたら…」

 

「そうねぇ護衛が居ればいいのだけれど……」

 

 

「宗谷室長!!ご無事ですか?」

 

 

 

 

 

 

彼女達が振り向くとそこには、負傷した者を担いで避難してきた隊員達だった。

 

その中に特徴的なタヌキのカチューシャをした女性がいる。

 

 

 

 

 

「福内さん!!無事だったのね!」

 

「はい、なんとか…しかし助かったのはここにいる50名程度です。あとの皆は…」

 

「そう…とにかく無事で何よりだわ」

 

 

 

 

 

真霜は表情を暗くするが直ぐに福内へ顔を向けた。

 

 

 

 

「そうだわ福内さんを護衛として真白に着けてはどう?今は少しでも事態を打開するヒントが必要よ」

 

 

 

 

 

真雪の言葉を受け真霜は少し思案し、顔を上げた。

 

 

 

 

 

「解ったわ…。福内さん、あなたは真白と共にあの不明艦に接触して事情を聞いてほしいの。大丈夫かしら?」

 

「はい……ですがもし攻撃されたらどうします?」

 

「室長権限で自衛での銃の携帯及び発砲を許可します」

 

「了解しました。では至急準備致します」

 

 

 

 

福内は敬礼を返し支度を始める。

 

そんな中、真霜が真白に近づき耳元に顔を寄せた。

 

 

 

 

 

「絶対無理しちゃダメよ。ちゃんと帰ってきて…。これは室長命令ではなく、あなたのお姉ちゃんとしてのお願い……」

 

 

 

 

状況が状況だけに、心配だったのだろう。

 

そう言う真霜の目には涙が溜まっていた。

 

 

 

「うん…」

 

 

 

 

真白はとぎこちない笑みで頷く。

 

 

 

 

「宗谷さん準備できたわ‼」

 

「はい、今行きます」

 

 

 

 

 

福内に呼ばれ挫いた足を懸命に引きずりながら進む真白を見て心配そうに見送った真霜であったが、直ぐに表情を引き締める。

 

 

 

「これより負傷した隊員や民間人の救助や消火作業に当たります。付いてきて!」

 

 

 

 

 

隊員達が真霜に敬礼を返す様子を見ながら真雪は一瞬目を細める。

 

 

 

 

(ホント、娘達は逞しく成長したわね……)

 

 

 

だが感傷に浸ったのもつかの間。

 

真雪は炎上を続ける基地や市街地を見渡して表情を険しくした。

 

 

 

 

 

(私もやることをやらなければ…)

 

 

 

彼女は学園へと歩きだす。

 

 

 

 

 

  + + +

 

 

背後に居たのは晴風時代の副長、宗谷真白だった。

 

足を挫いたのかおぼつかない足取りをしており、近くには福内も居た。二人の表情からも明らかにドリル艦や潜水艦を警戒している事がわかる。

 

 

「シロちゃ……あっ宗谷さん、福内さんも無事だったんですね?」

 

「うん、岬さんも無事でよかった。それよりそちらは?」

 

真白は無事だった明乃の様子をみて安堵した様だが、すぐ表情を鋭くして二隻の艦長の顔を向ける。

 

 

 

 

「あぁ、こちらは…」

 

「いえ、ここは我々から。私はウィルキア共和国所属の戦艦シュペーアの艦長のライナイト・シュルツです」

 

「蒼き艦隊の旗艦のイ401の艦長の千早群像です」

 

「私は、海上安全整備局安全監督室の秘書官補佐の宗谷真白です」

 

 

 

 

 

明乃の言動を制してシュルツと群像が答えた。

 

真白や福内は先程のもえかと同様に懐疑的な表情をしている。

 

 

 

 

「あっあの…シュルツ艦長と千早艦長は民間人の救助を支援してくださるそうです。上陸の許可を頂けますか?」

 

「私の一存では決められない。それに私はまだあなた方を完全に信用して居るわけではありませんから! 」

 

 

 

 

明乃がフォローするが真白はまだ彼等への疑いを晴らすことが出来ずにいるようだ。

 

 

 

 

 

「解りました。ですが、民間人の救助は時間との戦いです。もし不安でしたらボディチェックの実施や救出活動のあとに我々を拘束し、事情聴取しても構いません」

 

 

「私も同様です。ある意味状況の把握と我々の信用を得るにはこれしかないようですから」

 

 

 

 

真白はシュルツと群像の提案に少し悩み、それから携帯端末を取りだして真霜に連絡を取った。

 

事の顛末を伝えると、しばしの沈黙の後に上陸の許可が降りた。

 

 

「上陸許可の件感謝します。直ぐに現場に向かいますが案内してして頂けますか?」

 

「はい、私が案内します!」

 

「じゃあ蒼き艦隊の皆さんは私が!」

 

 

 

 

明乃ともえかは彼等の案内を勝手でる。

 

 

 

 

「「ありがとうございます」」

 

 

 

 

 

彼女達はタラップから降りてきた二人と握手をかわす。

 

その様子をみていた真白は思った。

 

 

 

(私は、もしかしたら歴史的な瞬間に立ち会っているのでは…)

 

 

 

三つの世界の点が今この瞬間に線で繋がり一つの形を作り出す。

 

 

平和な日常を取り戻していくために…

 




お付き合い頂きありがとうございます。

なんとか繋げられましたが、今後、キャラが増えたときにさばき切れるか不安です

次回からしばらく戦闘は無いかと思いますが、ご容赦下さい…。



それではまたいつか





















とらふり!


もえか
「もしかして私達は歴史的な瞬間に立ち会ったのかも…」


楓
「きちんと言葉が通じるのでしょうか?」


麻侖
「そんなときは、こうするんでぃ!コンニチハ…チキュウニヨウコソ…でぃ!」


もえか
「手で喉を震わせてもバリバリ日本語だよぅ…」
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