トライアングル・フリート   作:アンギュラ

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大変長らくお待たせいたしました。

今回はブリーフィング回並びに出撃迄をお送りします。


それではどうぞ。


前へ進む者達

 

   + + +

 

 

江田の報告を受けたシュルツは戦慄した。

 

 

 

 

「ムスペルヘイムだと!?馬鹿な!奴は今、地中海に居るんだぞ!まさか二番艦が存在していたと言うのか!?」

 

 

 

 

 

 

ウィルキア解放軍に取って、それ程までにムスペルヘイムと言う存在は忌むべき存在なのである。

 

 

 

艦の通常戦力ならば、ヴォルケンクラッツァーと双璧を成すとまで言われた超巨大航空戦艦リヴァイアサンの方が上だろう。

しかし、ムスペルヘイムには¨アノ武器¨が搭載されている。

 

 

【重力砲】それは着弾地点に超高密度の特異点を発生させ、特異点が引き起こす強大な引力によって周囲に有るもの全てを呑み込み圧壊させる最凶の兵器なのだ。

 

 

 

 

「不味いことになった……」

 

 

シュルツの表情は更に険しさを増す。

 

 

「艦長」

 

 

「博士……どうされましたか?」

 

 

「これをご覧ください」

 

 

 

 

博士に手渡された資料に目を通すシュルツの顔がみるみる青ざめていった。

 

 

「これは……」

 

 

「帝国から押収した機密文書です。先日、漸く暗号の解読が終了しました。それによると……」

 

 

 

 

 

   ▽ ▽ ▽

 

 

 

――ムスペルヘイム級は、ヴォルケンクラッツァー級をより安価に模倣し、且つ空母能力を実装することで、より機能性を重視した運用が可能であるとの目的で試作された可能性が高い艦である。

 

 

 

――しかしながらムスペルヘイム級、二番艦及び三番艦ヨトゥンヘイムとニブルヘイムの二隻に於ては、解放軍の台頭にて起動が間に合わない。

 

 

――よってペーターシュトラッサー級空母の取り外し、戦艦部分単体での運用を推奨する。

 

 

――解放軍撃滅にあっては今後遅滞戦闘を主とし、テュランヌス並びにリヴァイアサンの起動を優先するべきと進言する。

 

 

 

――ヴォルケンクラッツァーの起動は急務であり、実現すれば我が帝国は世界を隅々まで掌握するだろう

 

   ▽ ▽ ▽

 

 

 

 

「まるで悪夢だ……」

 

 

「同感です。形状が若干異なる為、厳密には二番艦や三番艦とは言い難いのですが。ヨトゥンヘイムを元にしているのが、¨ナハトシュトラール¨、ニブルヘイムを元にしているのが¨グロースシュトラール¨であると判明しています」

 

 

「ナギ少尉、至急ブリーフィングルームに各関係者を集めてくれ!あとヴェルナー達にもこの件の報告を!」

 

 

「はっ!了解しました!」

 

 

ナギは、急いで各艦の重要ポストに招集をかけた。

 

 

 

   + + +

 

ブリーフィングルーム

 

 

異世界艦隊のトップ達が集まってきた。各々の表情は硬い。

 

 

 

無理もない

 

 

 

 

過去にこの部屋に集合し、会合が開かれると言う事は大概悪い報せがある時なのだから。

 

 

 

そして今回もその例に洩れてはいない。

 

 

 

 

「――と言うわけです」

 

 

 

 

シュルツの説明に一同は驚愕した。

 

 

 

そこに最初に口を開いたのは群像だ。

 

 

 

 

「その計画には、他の超兵器も含まれているのですか?」

 

 

「ええ、たった今言った三隻の航空戦艦の他に、複数の超兵器の起動が計画が成された形跡があります」

 

 

「厄介ですね……話を聞くに¨超兵器の起動を試みる¨とありましたが、ウィルキア帝国は端から同型艦の超兵器を取得していたことになる。敵超兵器のデータは無いのですか?」

 

 

「残念ながら……データが有るのは、飽くまで起動して、我々と戦闘になった超兵器のみです」

 

 

「そうでしたか……シュルツ艦長の世界で、帝国が二番艦を起動させずにヴォルケンクラッツァーを起動させた理由は?」

 

 

「それは、私から」

 

 

 

 

博士が前へ進み出る。

 

 

 

 

「それは私達の世界での我々の行動に起因いていると思われます。恐らく帝国は、超兵器が異世界から転移してきた時点で侵攻の計画を立てたのでしょう。何せあれ程巨大な兵器群を、いつまでも自国に隠し通す事など不可能であり、それが諸外国に露呈すれば、大量破壊兵器の所持と言う他国がウィルキアに攻め入る大義名分を与えてしまいますし、強力な兵器が他国に渡ることにも成ります。そして、世界の主だった国々を抱き込んだ帝国は、二番艦やヴォルケンクラッツァーを時間をかけて起動を試みる予定だったのでしょう。故に私達の相手は、先に起動した超兵器を旗艦とした通常艦隊が大半でした。しかし、そこで帝国の誤算が起きた」

 

 

「成る程……シュルツ艦長が率いる解放軍の活躍ですね?」

 

 

「その通りです。各国の用心棒を勝手出て信頼を勝ち得、超兵器を次々と撃破した私達の活躍により、各国のレジスタンスが勢い付いて親帝国派が次々と投降または解放軍側に下りました。それにより、ヴォルケンクラッツァーが起動前に攻め込まれる事を危惧した帝国は、高出力航空戦艦の三隻の同型艦の起動を断念し、ヴォルケンクラッツァーの起動に早期着手した可能性は否定できません」

 

 

 

「では何故今回は起動出来たのでしょうか?」

 

 

 

 

博士は少し考えてから結論を出す。

 

 

 

「恐らく……ですが、この世界での空母の存在は正に脅威です。さらに言えば、この世界での航空支援が皆無である以上、ヴォルケンクラッツァー起動迄の時間を稼ぐには、航空戦力は敵にとって必要不可欠と言うことに成ります。故に、空母能力と戦艦の能力が同一に存在する航空戦艦の存在は超兵器にとって都合が良かった。ですがそこに私達の付け入る¨隙¨が有ると私は推測しています」

 

 

「隙……ですか?」

 

 

「はい。私達の世界で超兵器が空母を実装しなかったのは、各国にもある程度航空戦力があった事と、私達解放軍の進軍速度が速かった事に起因しています。故に敵は、空母などを実装し、調整を行う余裕がなかったのでしょう。今回は空母こそ実装してはいますが、実質戦艦級超兵器一隻に空母級超兵器二隻、即ち三隻分の超兵器機関を同調させることは、超兵器自身の暴走や自壊に繋がりかねません。しかし、空母級二隻の機関を切り、中央の戦艦級のみでエネルギーを同調し運用するためには、莫大なエネルギーを消費する重力砲の実装または使用は現実的ではありません。機動力が落ち、重力砲を使用してこないのだとしたら、警戒すべきは超巨大高速空母アルウスとムスペルヘイム級に実装されている超巨大二段空母ペーターシュトラッサー二隻から発艦してくるであろう、大量の航空機でしょう」

 

 

 

「成る程……横須賀で戦った時に敵が切り札を使用してこなかった理由が見えてきました」

 

 

 

「あの!ちょっと宜しいですか?」

 

 

明乃が手を挙げて立ち上がる。

 

 

「その理論は飽くまでもこの超兵器が二番艦や三番艦であった場合なら解ります。でも、この航空戦艦が横須賀を襲撃した超兵器だとしたら。大量破壊兵器を搭載し、使用可能になっていることは有り得ますよね?」

 

 

「それは……」

 

 

博士が一瞬眉を潜める。代わりにシュルツが、明乃の問いに答えた。

 

 

「確かに。これは飽くまで希望的観測に過ぎません。いくらムスペルヘイム級が強力だとは言え、小笠原諸島での戦いを鑑みれば、敵超兵器が¨たった二隻¨と言うことは考えにくい。例えあのムスペルヘイム級が横須賀を襲撃したネームシップだとしてもです。寧ろ、ハワイを襲撃した超兵器が潜航型だった事、小笠原で戦った航空戦艦近江に航空機型超兵器が搭載されていたことを思えば十中八九どちらか、若しくは両方が次の戦いで展開されることは間違いないでしょう。更に、先程も話した膨大な数の航空機を相手にとなれば、苦戦は必至になるかと」

 

 

「すみません……少し、楽観視していたようです」

 

 

博士が俯くと、シュルツは優しく笑顔をつくった。

 

 

「いえ。博士を責めているのでは有りませんよ。岬艦長の仰ったことは最もです。しかし、私も希望はゼロではないと考えています。理由は――」

 

 

 

「あの超兵器がネームシップではないからですね?」

 

 

明乃の呟きにシュルツが、頷いた。

 

 

「お気付きになっていましたか。そうです、横須賀の超兵器は空母部分が戦艦の真ん中から艦首にかけてを挟み込み、今回の超兵器は戦艦部の艦尾から艦首までの全てを挟み込んでいます。前者は、切り札である重力砲の発射を妨害されないよう艦首の防御を固める意味合いが強い、それは重力砲が戦況を左右しかねない兵装であるからに他ならないのですが、しかし後者は戦艦と空母双方が互いを防衛し合う意味合いが強い。それは、この世界が航空機による攻撃に脆弱であり、我々もパイロットを失えば、事実上超兵器との戦いに対して手詰まりなってしまうことから、敵が航空戦力を重視していることが伺えます。重力砲の発射が無ければ、勝機はあるでしょう」

 

 

 

「始まるんですね……いよいよ」

 

 

「はい、勝ちましょう。明日を……いや、未来を迎えるために!」

 

 

彼の言葉に、明乃と群像が同時に頷き、シュルツはそれを確認すると表情を引き締める。

 

 

 

「それでは各位、出撃準備……願います!」

 

 

一同は席を立ち、自艦へと駆けていく。

 

 

 

 

   + + +

 

 

ロシア連邦

 

 

広大且つ強大な国であり、あらゆる国と接していながら、不思議と多くの国々はロシアを隣国だとは思っていない。

 

 

 

それは日本に於いても例外では無かった。

 

 

 

 

ウラジオストクまでの距離は、狭い日本のさらに本州を縦断する距離よりも近いところにある国だと言うのに。

 

 

 

それは日本で隣国と言えば、まず中国や韓国のことを指すからだ。

 

 

 

また両国は長い歴史の中、日露戦争に端を発した領土問題や資源問題から、幾度となく戦火や不毛な交渉を繰り返し、敗戦した日本に対して彼の国が一貫とした強硬な態度を崩さなかった事による蟠りも手伝っているのだろう。

 

 

 

ある意味、手と手を交わす関係ではなく、銃弾が飛び交う関係と言えよう。

 

 

 

友好的な期間は皆無に等しく、敵対的だった期間が圧倒的に長いのだ。

 

 

ロシアと言う存在は日本だけでなく、世界中の政府関係者にも長年プレッシャーをかけ続けるものだった事は言うまでも無いだろう。

 

 

そんなロシアの第二の都市と言われるサンクト・ペテルブルク

 

 

 

 

そこにある政府の建物にいたのは、ロシア大統領ヨシフ・アリャドフだった。

 

中年の男性秘書が、深刻そうな顔をしながら、アリャドフに呟く。

 

 

「大統領。モスクワにてワシリー・ジャガーノフ首相の遺体が発見されたそうです……」

 

 

「そうか。私もまさか空からいきなり首都を襲撃してくるとは予想外だったが……」

 

 

 

 

ヨシフ・アリャドフは最初の襲撃当時、サンクト・ペテルブルクを訪れており、超兵器や航空機の襲撃を免れていた。

しかし、彼の留守を預かることとなった。首相のジャガーノフは、空襲を受けた大統領殿の瓦礫に埋もれ、命を落とすことになったのである。

 

 

 

自身の右腕たる人物を失う事にはなった訳だが、アリャドフの表情には失意の色は微塵も感じられない。

彼はその氷の表情とも言うべき無表情で、眈々と言い放つ。

 

 

「まぁ、アレも所詮は私の¨予備¨にすぎない。彼が大統領で私が首相であった時も、そして現在も、指示を出すのは私なのだからな」

 

 

 

 

アリャドフは、16年以上と言う長きの間、政権の座についてきた。

 

 

 

 

それは単に、彼の頭脳が優秀で有るからに他ならない訳であるのだが、それだけではロシアと言う国で頂点に立つことなど到底出来はしない。

 

彼を国のトップ足らしめている本当の理由は、その類い希なるカリスマ性と国内外におけるしたたかな政治運営、そして国内の自身の地位を脅かしかねない反対勢力を見つけて、拘束ないし粛清を謀る冷徹さに有ることは間違いなかった。

 

 

そんなアリャドフは、氷の瞳を秘書に向ける。

 

 

「ウラジオストクの件は人魚共には気づかれてはいないな?」

 

 

「は、はい。超兵器が現れて以来、何故か世界中の監視衛星の調子は良くありません。よって、他国にアノ件を気付かれる可能性は低いかと……ただ、念のために隠蔽工作は万全を期して進めているところであります」

 

 

「宜しい。ロシア出身者で構成されている以上、人魚の中にも我々側の人間は多いが、ここはバルト海を通じてキールと繋がっている。超兵器が彼の海に居座っているとはいえ、ブルーマーメイド連合本部に事態を気付かれる事は即ち、アメリカに付け入る隙をつくる事と同義だ。慎重に事を進めろ」

 

 

 

「は、はい!」

 

 

「残る問題は彼の海の超兵器のみ……か。人魚共を押さえ込んでくれた事は行幸だが、何せ今後の行動が読めない。今は異世界艦隊に出来るだけ早くキールに到達し、奴の目を釘付けにしてもらう必要があるな」

 

 

「その件ですが……」

 

 

秘書がアリャドフに一枚の資料を手渡す。

 

 

「これは……」

 

 

「はい。無人飛行船より撮影されたバルト海の超兵器です。無人飛行船はその後撃墜されましたが……」

 

 

資料の写真には、一隻の異様な艦の画像が載せられていた。

 

両舷にアングルドデッキを持ち、艦中央に大口径の主砲や光学兵器ジェネレーター、そして艦首に多数のミサイル発射装置を備えた、全通甲板式の航空戦艦。

 

 

 

その名は――

 

 

「【テュランヌス】……¨暴君¨か。ふふっ!成る程。それは上手い名だな。たった一隻で欧州の精鋭部隊を駆逐し、鎮座し続ける暴虐の王。それも話によれば、先の海戦で本体からの攻撃を一切行わず、大量の航空機を使っての迅速且つ一方的な殺戮を展開したとか。見事なものだ。まぁおかげで、此方の首都も被害を被った訳だが……」

 

 

「大統領……」

 

 

「案ずるな。航空機の戦力は一見魅力的だが、すぐに使えなければ意味がない。欲をかいては全てを失う。今は、人魚共と異世界艦隊の活躍に期待しよう。願わくば人魚と超兵器同士、互いに潰しあってくれると有り難いのだが」

 

 

 

 

 

アリャドフはそう言うと、一瞬だけ不敵に笑みを浮かべた。

 

 

 

   + + +

 

 

地中海

 

補給や工作を兼ねた艦、フンディンのブリーフィングルーム

 

 

「東進組より、超兵器の新たな情報が入りました。これから皆さんにお伝えしようと思います」

 

 

 

 

 

ヴェルナーが音頭をとった。

 

 

 

 

「大戦艦キリシマと重巡タカオの画像解析によって、敵超兵器の大まかな編成が判明しました。此方です」

 

 

 

 

 

一同が表示されたモニターに目を向ける。

 

 

 

「確かこの一隻は横須賀を襲った奴なんだろ?」

 

 

画像を指差した真冬の問いに、ヴェルナーは首を横に振る。

 

 

 

 

「いいえ、そうとは限りません。先程、大西洋上にムスペルヘイムとおぼしき超兵器が現れたと報告が入りました」

 

 

「そ、そんな……二番艦が存在していたと言うのですか!?」

 

 

 

 

もえかは、驚愕の事実に顔が青ざめる。

 

 

 

 

「実際は三番艦まで存在する可能性があります。更に、その他の超兵器についても複数の同型艦建造計画が判明しました。それで先程の画像解析の件に話を戻しますと。黒海から南下中の超兵器艦隊の大まかな編成が見えてきたのです」

 

 

 

「勿体ぶらずにとっとと言いやがれ」

 

 

 

真冬が苛立ったように唸る。険しい表情のヴェルナーは言葉を慎重に選びつつ続ける。

 

 

 

 

「まずこの超兵器艦隊には、三隻の超高速巡洋艦が展開しています。艦種は¨ヴィントシュトース級¨先の小笠原沖で対戦したシュトゥルムヴィント級のプロトタイプです。一番艦ヴィントシュトース、二番艦ヴィンディヒ、三番艦ルフトシュトローム。速力は63kt、主な武装は20.3cm砲、ミサイル発射機、多連装噴進砲、魚雷になります」

 

「ちっ、意外に速ぇな……それに誘導兵器のミサイルと魚雷が厄介だ。ちょこまかと動かれちゃ厄介だぜ。だが俺の弁天だってあんた等の改装で、60ktは出るぜ?」

 

 

「しかし、そのデータは楽観視出来ません」

 

 

「なんだと?」

 

 

「小笠原沖で対戦したシュトゥルムヴィントは、超兵器リストに載っていたデータはよりも大幅な改良を施されていたからです。接敵する際に、虚を突かれないようにする必要が有るでしょう」

 

 

 

「動きにくいな……で?あんたらが顔を青くする理由は、ムスペルヘイムの存在も有るだろうが、こいつがいる事が原因なんだろ?」

 

 

真冬が向けた視線の先に写る超兵器に、超兵器戦を経験した誰もが顔を曇らせた。

モニターには、一隻の巨大艦の姿が写し出されている。

その姿は、小笠原沖で異世界艦隊を恐怖に陥れた戦艦の姿があった。

 

 

 

 

超巨大双胴戦艦【播磨】

 

 

 

 

「播磨の同型艦ですが、名は【駿河】と名付けられているようです。真相は定かではありませんが、完全砲撃特化型の播磨と対になる存在として建造された可能性が高いとの事ですので、防御や迎撃、そして速射性に特化した艦である可能性はありますね。恐らく艦隊旗艦であるムスペルヘイム級の護衛を務めるために艦隊に組み込まれたのでしょう」

 

 

 

「艦種こそ違うが、編成その物は小笠原沖の時と、似たり寄ったりだな」

 

 

「でもジブラルタルからこっちに来てる超兵器もいるんでしょ?。そっちの情報はなにか無いわけ?」

 

 

 

 

楽観視するキリシマを余所に、タカオが疑問を投げ掛け、ヴェルナーは険しい表情のまま押し黙る。

 

 

そこへ筑波がヴェルナーの前へ進み出た。

 

 

 

 

「艦長。迂闊な臆測を防ぐために伏せておりましたが、此からの戦いを考えれば、覚悟決める上でもお話しておいた方が宜しいのではないですかな?」

 

 

「そうですね……解りました。お伝えいたします。先日ジブラルタル海峡を突破したと思われる超兵器ですが、恐らく超巨大双胴航空戦艦近江の同型艦と超高速巡洋戦艦級と思われる三隻が目撃されたとのことです」

 

 

 

「伏せてたって事は、その目撃情報は正確じゃねぇ可能性があるって事だよな?」

 

 

「ええ、なにせジブラルタルの観測所は、超兵器通過時に破壊され、残った生存者のおぼろげな情報によるものでしたから。更に我々も、つい先程まで同型艦の存在を疑ってはいませんでしたから。ですが今回判明した近江型の二番艦【尾張】と、元々量産されていたシュトゥルムヴィント級の二番艦と三番艦、【ヴィルベルヴィント】と【クラールヴィント】の三隻が増援に加われば、状況は絶望的になります。もしかしたら目撃されていない第三の超兵器の存在も疑わなければなりません」

 

 

「万事休す……か」

 

 

 

キリシマが、珍しく弱気な態度を見せる。

人類に対して無敵とも思える霧の彼女であっても、強力な兵器を凄まじい手数で撃ち込まれれば、ただでは済まない事を先の超兵器戦で実感していたからだった。

 

 

 

その時――

 

 

 

 

 

「てめぇら雁首揃えて弱気になってんじゃねぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

真冬の砲弾の様な罵声がブリーフィングルームに響き、一同の視線が彼女に集まる。

真冬は一同に構わず、立ち上がって吠えた。

 

 

 

 

 

 

「忘れてねぇか?俺たちが殺られちまえば世界が終わるんだぞ!?この世界だけじゃねぇ。超兵器が異世界に渡る力があんのなら、他の世界の連中だって危ねぇんだ!他人事じゃねぇんだぞ!?なら四の五の言わねぇで、打開策を打ち出すのがスジってもんだろうが!てめぇらいい加減腹を括りやがれ、大馬鹿野郎共!」

 

 

 

 

 

辺りが静まり返る。それを見てハッと我に帰ったように真冬が着席した。

 

 

 

 

 

 

「わ、悪りぃ……つい熱くなっちまって。だが俺はこんなとこで死ぬ為に来たんじゃねぇ。守りに来たんだ、未来って奴をな。だから――」

 

 

 

「解っています。打開策……ですよね。確かに希望が無いことは有りません。知名艦長、先の超兵器戦で最も厄介だと思った事は有りますか?」

 

 

 

 

「そ、そうですね。やはり航空機でしょうか。それに大型超兵器に気を取られがちですが、比較的小型の超高速艦が非常に厄介でした。此方も荒覇吐との対戦時に妨害を受けましたし……」

 

 

 

 

 

 

 

もえかの答えにヴェルナーは頷いた。

 

 

 

 

 

「そうです。距離のリーチを無視してあらゆる角度から対艦兵器を撃ってくる航空機の存在と、此方の機動力を削ぎに来る超高速艦の存在がまず邪魔に成ります。更に今回は、ジブラルタル方面から挟撃を仕掛けてくる尾張も自身の到着に先んじて航空機を発艦させてくる可能性がある」

 

 

 

「と、言うことは――」

 

 

 

「お察しの通りです。我々は、発艦してくるであろう航空機と超高速艦の各個撃破を優先する。次に、ヴィルベルヴィントとクラールヴィントを優先して撃破。残りは航空機が居ないムスペルヘイム級と尾張、駿河の三隻になります」

 

 

 

「その理論じゃあ次の標的は、旋回性の高い尾張ってとこか?」

 

 

「そうなりますね。ムスペルヘイム級と駿河は、欠点として比較的被弾面積が広く、小回りが利きにくい点がある。大口径砲の直撃に注意しながら他の超兵器を各個撃破し、あの二隻を囲い込んで撃沈する。今はこれしか手が有りません」

 

 

 

「フンディンを戦力外として。私とキリシマ、それにメアリースチュアートと弁天。計四隻で敵を少なくとも八隻と航空機……単純に倍以上の敵を相手にしなくちゃならないわ。何か個々の役割は有るわけ?」

 

 

 

「あなたの言うことは最もです重巡タカオ。今回の超兵器戦は実質時間との戦いに成ります。本来ならば、我々の航空機で敵航空機を相手に出来れば幸いなのですが、今回は敵の数が多い上に、合流されては更に勝算が薄くなる。よって、対空迎撃を蒼き鋼の対空レーザーに委ねます。そして我々の航空機が超高速艦の攻撃とその護衛にあてたい――以下がでしょうか?」

 

 

 

「確かに我々の対空迎撃能力は人類の比ではない。二隻をまるごと対空迎撃にとはちと大胆だがな」

 

 

「だけど空を片付けない事には、艦隊戦に集中出来ないわ。私はいい案だと思うけど?」

 

 

「ちょっと待て!」

 

 

 

 

真冬が話に割って入る。

 

 

 

 

「弁天の出番は無いのかよ。このままじゃただのお荷物だぜ?」

 

 

「宗谷艦長には、空母が艦隊に組み込まれた際の戦い方はあまり馴染みがないでしょうが、基本的に空母を含む艦隊を組む際は、空母がその中核を成します。それほどに航空機の役割が大きい事を意味しているのですが……その反面、防御や攻撃力に難が有ります。その為、他艦は空母の護衛を務める意味合いが強くなる。蒼き鋼のお二方にしても、半分は空母に殺到する航空機を減らしていただく意味もあるのですよ」

 

 

「俺にてめぇのお守りをしろってか?じゃあ、あの訓練は何だったんだよ!」

 

 

「いいですか宗谷艦長。訓練と実戦はまるで違います。弁天は、我々と蒼き鋼の技術で改装はされていますが、飽くまでこの世界の技術がベースになった艦です。人員構成にしても、この世界の人類で形成されているのですよ?岬艦長や知名艦長とは状況が違う。気持ちを早って飛び出せば、即沈んでしまいます。弁天はメアリースチュアートの護衛をしつつ超兵器と言う脅威を現実のものとして受け入れなければなりません。ご理解頂きたい」

 

 

 

 

 

 

ヴェルナーのいつになく冷徹な口調に真冬は思わず押し黙る。

重苦しい空気に耐えられなくなったのは平賀だった。

 

 

 

 

 

「あ、あのう……ブリーフィングはこれで以上ですか?」

 

 

 

 

 

 

「……ええ。それではブリーフィングを終了します。各員は、いつでも出撃できる準備を整えてください」

 

 

 

 

ヴェルナーはバツが悪そうに、低い声で場を解散させ、一同が散開するなか真冬とヴェルナーだけがその場に残る。

 

 

 

 

「これでいいのか?」

 

 

「……ええ。ですが結果的にあなたに嫌な役を押し付けてしまいました。本当に申し訳有りません」

 

 

「ちっ!湿気っぽい顔してんじゃねぇよ。それにな、俺はてめぇの事を出来る奴だと思ってんだぜ?それこそ海の向こうにいるあんた等の艦長位にな」

 

 

「いえ、私などは――」

 

 

「言わせてもらうが、そこがてめぇの悪いとこなんだよ。確かにてめぇの過去の事情は把握してる。でもな、もっと自分に自信を持ちやがれ。そうすりゃ見える景色も自ずと変わるぜ」

 

 

「宗谷艦長……」

 

 

「……で?この先どうする。この一芝居でいったい何が解るんだ?」

 

 

 

「先ずはどちらに、内通者が居るかが判明するでしょう。故にブリーフィングで具体的な作戦内容を話しました。」

 

 

「成る程な……内通が事実なら超兵器の動きに変化が出る。だがどうする?さっきの作戦内容は、事実上理想的なものだった。これ以上の作戦が有るってのか?」

 

 

 

「正直此れからは賭けに成ります。それ故に、我々が¨いつ超兵器と接敵¨するかが重要なんです」

 

 

 

「ん?直ぐにでも切り込むんじゃねぇのか?」

 

 

「ええ。超兵器と接触する間の僅かな時間を、出来るだけ有効に使います。その為の蒼き鋼です」

 

 

「知名達に、事実上の勝利の鍵を委ねる……か」

 

 

「はい」

 

 

ヴェルナーは艦橋から出撃の準備を整えるタカオとキリシマに視線を向けた。

 

 

(此方だけではない。先輩達の行動も此方の勝利に大きな影響を及ぼす。先輩……千早艦長、岬艦長。頼みます!)

 

 

 

「おい。どうした?」

 

 

「あ、いや……すみません少し考え事をしていて。れでは我々も航準備を整えましょう。時間が惜しい」

 

 

「ああ。宜しく頼むぜ」

 

 

自艦へと戻っていく真冬を見送るヴェルナーの表情は芳しくなかった。

 

 

 

それは実質、倍以上の敵戦力と超兵器戦の経験が浅い自戦力との戦いが、どの様な事態を生むのかが未知数であるからに他ならない。

 

そして何より、作戦の鍵が自艦ではなく、蒼き鋼や異世界艦隊の東進組に委ねる事への不甲斐なさも同時に感じていた。

 

 

 

 

『なに腑抜けた事言ってやがる!』

 

『俺はてめぇの事を出来る奴だと思ってんだぜ?』

 

 

「!」

 

ヴェルナーの脳裏に、真冬の叱咤激励がよぎる。

 

 

(そうだ、塞ぎ込んではいられない!先輩の意思を……人類の未来を守るんだ!)

 

 

ヴェルナーは目を見開き、艦橋にいる兵士達に指示を飛ばした。

 

 

「総員、対超兵器シフトへと移行!索敵を一層厳とし、いつでも万全の攻撃に移れるよう速やかに備えよ!」

 

 

(いつまでも尻の青い小童だと思っておったが……立派に成られた。ふふっ、若い者の成長を喜ばしいと思うようになるとは、歳をとったものだ。儂ももう少しだけこの方々達の成長を、そしてそれらが生み出す未来を見てみたくなってしもうたわい)

 

 

筑波は一瞬だけ表情を緩め、慌ただしく動き出す艦橋内を見渡した。

そして直ぐに表情を引き締めると、今自身の成すべき事するために動き出した。

 

 

   + + +

 

ペガサス艦橋内の動きは慌ただしくなっていた。

 

「ナギ少尉。乗員各員の準備はどうか?」

 

 

「はっ!総員戦闘配置につきました。各兵装、機関並びに通信機器に異常無し!何時でも出撃可能です!尚スキズブラズニルは、当海域にて待機となります」

 

 

「よし!401とはれかぜからの連絡があり次第出撃する!」

 

 

 

同刻 イ401ブリッジ

 

 

群像とイオナが座席に座る。

 

 

「僧、報告を」

 

 

「了解。重力子エンジン並びに火器管制システムオールグリーン。クラインフィールドの展開にも問題有りません。健一さんとハルナはセイランにて既に待機中」

 

 

「よし!それでだ――」

 

 

群像は隣に座っているイオナに顔を向けた。

 

 

「イオナ、大丈夫か?今回はヒュウガのサポートが無い。もし演算に負荷が掛かりすぎるようなら、此方でカバーする。遠慮なく言って欲しい」

 

 

「うん、大丈夫。今までもこうして乗り越えてきた……今回も同じ」

 

翡翠色の瞳を群像に向け、イオナはコクリと頷いた。

 

 

「でもよぅ。本当にこの面子で勝てんのか?ヒュウガも居ないし、ハルナだってセイランでの参戦だ。流石に俺達とイオナだけじゃ分が悪いぜ?」

 

 

「私も不安です……まるで、霧の大戦艦を相手にしているような、強い緊張を覚えてしまいますね」

 

 

 

 

杏平や静も、先の超兵器戦での事が頭を過り不安を隠せなかった。

 

 

 

それは、マスクで表情が見えない僧や、超兵器戦の経験がある江田、そして機関室のでブリッジの話を聞いているいおりにしても同じだった。

 

 

 

特にいおりは、かつて敵だった大戦艦ヒュウガとの戦いで重力子エンジンを限界まで使用し、熾烈な戦いを繰り広げた経験がある。

 

 

それ以降は、作戦を念入りに立てた事もあるが、重力子エンジンへの負担は比較的軽微であったが、此方の世界に来て以降、ハワイを除く横須賀や小笠原沖と、短期間に二度も重力子エンジンを酷使したのだ。それも各方面の関係者を交えた密度の濃い作戦立案や、メンタルモデルが新たに四人も加わっているのにも関わらずだ。

 

 

 

機関室で一人で過ごす孤独感も相まって、いおりは表情を曇らせ、震える左手をもう片方の手で押さえ付けた。

 

 

――その時である

 

 

 

 

「勝てる」

 

 

「???」

 

 

 

 

イオナの声が機関室に響き、いおりは思わずスピーカーに目を向け、群像を含めたブリッジ一同の視線もイオナに集まった。

 

 

 

 

彼女の表情はいつもと変わらない。

 

 

しかし、このような状況に於いても、焦りや不安を感じられない美しい翡翠色の瞳は、この戦いでの勝利を微塵も疑ってはいなかった。

 

 

このクルーや群像と共に有り続けるなら、必ず勝利は成ると……

 

 

 

故にイオナは続ける。

 

 

 

 

「群像、あなたは私達の世界で世の中に風穴を開ける為に戦いを続けてきた。きっと皆もそう。そしてそれを楽しんでいた。戦いが楽しいとは違う。未来を……私達霧や、人類達が手を取り合うそんな未来を自分達で作っていくことを楽しんでいた。それはこの世界に来てからも変わっていないと思う。だから――勝てる」

 

 

 

 

401の全員が目を見開いた。

 

 

 

「へへっ!やっぱイオナには敵わないなぁ~」

 

 

 

 

いおりは指で鼻を擦りながら目を細めて笑い、ブリッジにいる一同も笑顔を見せた。

 

 

 

 

「こうもはっきりと断言されてしまっては人類として立つ瀬がありませんね……艦長、命令を!」

 

 

 

 

 

群像は、回りを一度見回してからゆっくりと頷いた。

 

 

「此より我々は、バミューダ諸島周辺に展開する超兵器を撃沈し、欧州解放への足掛かりをつける。伊號401……出航準備完了!」

 

 

 

 

群像の号令と共に、401の重力子エンジンが稼働した。

 

 

 

   + + +

 

 

はれかぜの艦橋にメンバーが揃い、真白が全員配置に就いたことを明乃へと報告する。

 

 

それを聞いた明乃は一度頷き、伝声管を使って艦内各所に声を届けた。

 

 

 

 

「皆――聞いて欲しい。私達はこれから、欧州解放の前哨戦として、大西洋の解放を行うことになる。きっと、前みたいに厳しい戦いになると思うし、怪我だってしちゃうかもしれない。でも高出力の超兵器が眠りから覚めつつある今、もう一刻の猶予はないと思う。だから私達はブルーマーメイドとしてこれを退ける」

 

 

 

「……艦長」

 

 

真白は、全員に語りかける明乃をじっと見つめた。

 

 

「皆も覚悟はしていると思う。私もそう…でも思うんだ。世界で亡くなった超兵器に立ち向かった人達は、世界が救われたら、きっと英雄として称えられると思う。彼等の大切な人達の涙を踏み台にして。世界と個人、比べるまでもない事だから必要な死だって皆が言う。確かにそうなのかもしれない。でも……ね、その涙を当然であるかのような未来は間違ってる!たとえ世界の誰もが肯定しても、私だけは絶対に異を唱え続けたい!だから皆で明日を迎えようよ!【生きて】迎えようよ!」

 

 

 

 

艦内の誰もが、そんな明乃の強さや優しさを認めていた。そして自分達に死んで欲しくないと思っている彼女を決して失わせたくないとも。

 

そんな彼女達の深い絆に、最早不要な言葉は必要ない。

 

 

 

 

『主計班、弾薬の積み込み用意よし!派手にやっちゃって!』

 

『終わったらご馳走つくって皆でパーティーだね!』

 

『艦長、此方砲雷班。全ての兵器の用意よし!』

 

『全方位バッチリカバーするからね!』

 

『ズキューン!と撃っちゃうよ!』

 

 

『航海班、通信機器並びに各種索敵装置に異常無し!』

 

 

『万里小路の名に懸けて明日を掴んで見せますわ!』

 

 

『当該海域の潮流や地形は、異世界艦隊に通達済み。何時でも出撃オッケーぞな!』

 

 

『機関班、異常無しでぃ!じゃんじゃん暴れちまってくれて構わねぇよ!』

 

 

『メンタルモデルの皆さんに取り付けを手伝ってもらった新型推進装置のテストも完了しているわ。行きなさい艦長!』

 

 

『私だ。皆には心配をかけたな。もう大丈夫だ。医療の準備は整っているが、出来れば私の出番が無いことを切に祈る』

 

 

 

 

各所から、準備万端の一報が入る。

 

 

艦橋メンバーはそれに頷き、明乃へ顔を向けた。

 

 

 

 

「こ、怖いけど。今逃げたらもっと怖い事が起こるから」

 

 

「未来の為に撃って撃って撃っちゃうよ!」

 

 

「もう…目は慣れた。航空機はまかせて……」

 

 

「超兵器の情報は任せてください!」

 

 

そして最後に真白が明乃に近付いた。

 

 

「艦長。行きましょう!未来へ…一緒に!」

 

 

 

 

 

明乃は艦橋を見渡す。

 

誰もが自分を信じて笑顔を向けていた。

 

 

 

「皆――ありがとう!」

 

 

「まだ泣くのは早いですよ艦長。全ては――」

 

 

「うん。超兵器を止めてから……だね」

 

 

 

 

明乃は真白に笑顔で答えると表情を引き締め、艦長帽を目深に被り前を向く。

 

 

 

 

「つぐちゃん。シュルツ艦長にはれかぜの出航準備完了を伝えて!」

 

 

 

 

『了解!』

 

 

「総員。此よりはれかぜは、バミューダ諸島周辺に展開する超兵器と接敵。航空機やミサイルを警戒しつつ砲雷同時戦をてんかいして、異世界艦隊の援護に当たる!はれかぜ――出航!」

 

 

 

はれかぜを含めた、三つの世界の軍艦が動き出し、バミューダ諸島へと北上を始めた。

 

 

欧州解放賭けた、艦隊決戦が遂に幕を開ける。




お付き合い頂きありがとうございます。

良いところなのにリアル多忙と体調不良で思うように執筆が進まず、ご迷惑をお掛けしてました。

誠に恐縮ではございますが、9月前半迄は超繁忙期になりますので、投稿速度が低下しますことを始めにお断りさせていただきます。申し訳有りません。

次回からはいよいよ、大西洋解放編の超兵器戦に入ります。

次回まで今しばらくお待ちください。
それではまたいつか












とらふり!


真冬
「ガッハッハ!オラオラァ!そんなヤワな尻じゃ、世界なんて守りきれねぇぞぉ!オラァもう一丁だ!」


ヴェルナー
「い、イヤァ!先輩、助けてください!このままじゃ僕のお尻が軍人らしからぬモノになってしまいますよぉ~」


シュルツ
「………」


ヴェルナー
「そ、そんな……見捨てるなんて酷いです!わ、解りました!言ってやります!言ってやりますとも!先輩が過去にヤらかした歓楽街での伝説を――」


シュルツ
「真冬艦長……」


真冬
「おぅ!なんだ?」

ヴェルナー
(せ、先輩…やっぱり僕を助けてくれるんですね?)


シュルツ
「コイツの記憶が消し飛ぶ迄、思う存分やって下さい!ヴェルナーの尻は、貴女に預けます!」


ヴェルナー
(……へ?)

真冬
「ガッハッハ!そうこなくっちゃな!流石は話が早い!おぃ、覚悟しておけよ!今日は一日中、根性を注入してやるからな!」


ヴェルナー
「う、裏切り者ォォォォォ!あっ、真冬艦長――ちょ、ちょっと待っ……イヤアァァ!」


シュルツ
(自業自得だな……)
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