以前、「次回は私のリアル世界での都合上、更新は三月末になるかと思いますがどうぞよろしくお願いします」とか言ったな。
――――あれは嘘だ!!
冗談です。更新遅れました。謝罪と言い訳は後書に書いたんで、とりあえず本編をどうぞ。
「ナニカイイノコシタイコトハアルデス?」
鈴谷の絶叫のあと、すぐに憲兵電が駆けつけ有明は即御用となった。
そして電による裁判が開廷して、最初に言い渡された言葉がこれである。
「開廷の言葉が遺言を聞いている件について説明願いたい」
「I am the lawナノデス」
「うぉー三権分立してねぇー」
裁判構図はこうだ。
被告人の有明誠。罪状わいせつ行為。
裁判長兼憲兵兼検察兼立法府兼行政(法務省・刑執行)の駆逐艦電。
先ほど女の子の辱めについは『女の敵』として死刑に処すると立法府の電が制定し、検察の電は死刑を求刑している。
そして、被害者兼あまりにも有明が可哀そうだったので弁護人となったのが航巡鈴谷。
「あのぉーさっきのは私が足滑ったのがわるかったんで無罪ってことには..」
「ならないのです」
もはや被害者の意思すらこの裁判には反映されないようだ。
鈴谷も何を言ったらよくわからなくなり、訪れた静寂。
それを打ち破るように有明が意を決っして発言を求めた。
「電裁判長っ!」
「発言を許可するのです」
「・・・この場をお借りして謝罪します!事故とはいえ、申し訳ありませんでしたっ」
有明は鈴谷の前で土下座をした。
いきなりの土下座に鈴谷は困惑する。
しかし
「有明ちゃーん?ちょっと頭が高いのではないです?土下座はもう少し地面に頭を擦り付けるものだと思うのです~」
と電は容赦無い。
「はっはっ電様~」
と電に言われた通りに地面に頭を擦りつける有明。
もはや被害者なのに鈴谷は2人の空気に付いていけず、「あぅぅ..」と置いてきぼりになっていた。
* * * * *
暦上では『弥生』に突入して二週間ほどが経過した。
「ちゅんちゅんちゅん」と海の鳥・ゆりかもめがさえずりだしたある日の朝。
ポーンペン先遣隊仮官舎兼仮庁舎のバスに設置されていたFAXも「ピーヒャラヒャラヒャラ、ピー」とさえずっていた。
電が透かさず印刷された紙をFAXからむしり取り、通信暗号の解読を始める。
情報化が進んだ現代においても、ポーンペイ島では予算と大人の都合でネットワーク機器が『パナソニック製家庭用ファクシミリ付電話機』のみなので重要連絡は暗号文化されたFAXで送られてくるのだ。
「えーっと何々なのです? ツウタツ・ブガイヒ.... いや、私たち以外誰も住んでいない無人島に部外秘とか言われても困るのです。漏らす所が無いのです」
「ふぁ~、おはよう、電。
時刻は午前七時。有明が起床して電にFAXの内容を確認する。
「おはようなのです。今、解読中なのです」
「そういえば、この島に来てもう二週間近くなるな~。暖かいし、深海棲艦の襲撃は最初の1回だけだったからさ、環境的には文句ないんだけど...ネットないからネトゲできないし、TVも見れないし、持ってきた機材でできる仕事はほぼ全てやりきっちゃたからさ、日本に帰りてーな」
「.....うん、これで良しなのです。司令官、復号できたのです。どうやら、明後日お迎えがくるそうなのです」
「おっそうか。どれどれ」
通達(部外秘)
発:横須賀鎮守府、宛:ポーンペイ島先遣隊々長有明海軍大尉
明後日ヒトマル・マルマルに貴隊撤収のため、潜水艦そうりゅうを派遣する。
調査活動を終了し貴官は隊員とともに撤収して、そうりゅうにてグアム分基地へ出頭せよ。
以上。
「.....日本に帰れねーのかよ!」
「ドンマイなのです~」
* * * * *
そんなこんなで有明達ポーンペイ島先遣隊一行は苫小牧率いるそうりゅうでグアムへと向かった。
潜水艦は基本船酔いしないはずなのに、道中では有明が“また”船酔いしたらしい。
現地に到着し、そうりゅうを離艦した有明と苫小牧は海辺でお互いに敬礼を交わしながら別れの挨拶をしていた。
「わが隊に協力いただきありがとうございました。苫小牧中佐」
「いや、これも任務だ。気にするな、有明大尉。それに、君は噂以上に面白かったよ。特に海軍々人なのに船酔いする所なんかね。次回もポーンペイ島まで送ってやる..と言いたいところなんだが....来月から二番艦のうんりゅうが就役する関係で、本艦も本格的な運用が始まる。忙しくなりそうなんで、どうやらそれは無理そうだ」
「そうですか。苫小牧中佐とお会いできないのは残念ですが、任務頑張ってください。武運長久をお祈りします」
「こちらこそ、貴官の任務遂行を陰ながら応援する」
バシッと互いに敬礼し、先遣隊一行はそうりゅうを背に桟橋から庁舎に向かう。
この時みたいにたまに見せる、
* * * * *
アメリカ合衆国グアム島。
1944年の大東亜戦争終結まで日本軍の占領下にあったが、日米講和条約締結により
それからは『リゾート地』として島の美しさを売りに観光業で栄えていたが、二十四年前の深海棲艦襲撃によりグアム政府は国家非常事態を宣言。
全島民に対し島外避難の指示したのでグアムは一時無人島となった。
その後日本の艦娘によって周辺海域は万全とは言えないが安定化され、現在はアメリカ海軍グアム基地に日本海軍グアム分基地が設置されて、対深海棲艦戦の現状整備されている最前線基地となっている。
* * * * *
「お待ちしていました。有明大尉、電さん、鈴谷さん」
有明たちを出迎えに来た艦娘を見て、電は驚く。
「あっ..あなたはあの吹雪ちゃんではないのです?」
「はいっ!!そうです。お久しぶりです、電ちゃん」
「電、知り合いかい?」
「はいなのです。この子は私と同じ『初期組』の吹雪ちゃんです!まぁ正確には吹雪改二ちゃんなのです」
「有明大尉、鈴谷ちゃん。初めまして。特型駆逐艦の1番艦、吹雪です。よろしくお願いします!」
「ポーンペイ先遣隊々長の有明だ。君の事は書類では見かけたことがあるのだが...会うのは初めてだな。よろしく頼む」
「同じくポーンペイ先遣隊、旗艦の鈴谷だよ。よろしくね」
「あれっ?でも、吹雪ちゃんは軍令部勤務じゃなかったのです?」
「電ちゃん...それ大昔の言い方だよ。今は海軍幕僚監部っ。たしかに海幕勤務だったんだけど、こっちが人手不足になってて、秘書官補助として期間限定で派遣されてるの」
「そうだったのですか~。何はともあれ、久しぶりに吹雪ちゃんに会えて電、嬉しいのです!」
「私も~。あとで、時間がある時に間宮に行ってお話しよね~」
「おっここには間宮があるのか!」
「はいっ先月新設されたばかりの店舗なんで、内装もオシャレでいい雰囲気ですよ」
「そうか~、ぜひ後で行ってみよう。鈴谷も一緒に行くか?今日は奢るぞ」
有明は『間宮』というワードを耳にして少しハイテンションになっていた。
なぜなら、ここ一か月近く無人島か、海の下の潜水艦だったので和菓子にあまりありついていないどころか、人が食べ物を作ってくれて、ゆっくり雑談ができる『外食店』に足を運んでなかったからだ。
「えっいいの?うん、行く!」
「では、先に仕事を済ませなければいけませんね。皆さんの今後のスケジュールについて説明します」
そう言いながら、吹雪はクリップボードに挟んである書類を読み上げる。
「まず、有明大尉ですが分基地司令がお呼びです。この後、私と一緒に司令室までお越しください」
「了解した」
「電ちゃんと鈴谷ちゃんは最初に入渠・点検を行い、庁舎に作業場所を用意したので、そこでポーンペイの報告書を完成させて防衛省に送信してください」
「はーい」「了解なのです」
「今晩はこの基地の宿泊所にそれぞれ個室を用意したのでそこに泊まってもらって、明日の朝に厚木行のC-1が出るのでそれに搭乗してもらう流れになります。何か不明点ありますか?」
「いや、大丈夫だ」
「それでは、有明大尉。司令室へ向かいましょう」
「わかった。じゃあ、電、鈴谷。また後でな。報告書よろしく頼む」
「わかったのです」「また後でねー」
* * * * *
有明は吹雪の案内で司令室まで向かい、吹雪は司令室の扉をノックする。
トントン。
「司令、吹雪です。有明大尉をお連れしました」
「ごくろう、通せ」
「はい」
「有明大尉入ります」
有明が入室すると、グアム分基地司令は執務机の椅子に座り、入り口とは反対側の海を眺めていたが、それをやめてゆっくり入口側に振り替える。
「久しぶりだな、有明主席。いや、今は有明大尉だったな」
「貴様はッ..いや、失礼した。貴官は清水神人次席..だな?」
「そうだ。今は次席ではなく、海軍中佐、清水神人グアム分基地司令だがな」
清水神人———有明と海軍大学校の同期で、有明を嫌う人間の一人。
そんな彼が有明に突き付けた言葉は
「これからはお前の上司になる。よろしく」
だった。
更新遅れまして、すみません。
リアル世界が思いの外忙しく、提出を迫られた書類を「寝過ごしました!」で一週間通すほど忙しかった三月です。
今回の話までが『第一章』だったのですが、予告していた『ルームメイト』の登場は私がリアル世界で忙しく、話が進まなかったので次章に回させてください。
次回はここまでの『総集編』という名の用語集を投稿予定です。(22日ぐらいまでにはなんとか...)
私も...いや、書いてる私がこんがらがってきたので(;´・ω・)、設定を整理しようと思います。
それでは、新生活が始まったり、春イベに備えたりで大変な『卯月』だと思いますが、皆さんお身体にはお気を付けて。
最後はこれで締めたいと思います。
「鈴谷改二実装やったぜ。」