鎮守府のつくりかた   作:ななゆー

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まさかの半年ぶりです。ごめんなさい。
前回更新分までの矛盾点と設定を進行に影響ない程度で修正しました。ご了承ください。


2-2許さない…許さないんだから!

NDSーーー正式には日本国特別協議執行機関『国家防衛公安会議』。

それは内閣総理大臣・防衛大臣・国家公安委員長などの政治家。

防衛省・警察庁・法務省などの背広組と呼ばれるいわゆる官僚。

日本陸軍・海軍・空軍・海上保安庁・警備警察・公安調査庁などの上級士官や上級幹部。

そして、選び抜かれた各機関から少数の現場職員が所属し『表』の法律や組織では対処できない国家危機を『裏』で解決すべく、設立された秘匿組織。

無論、24年前から日本、そして世界を脅かしている『深海棲艦』の対処、解決手段の模索も国家防衛公安会議の使命のひとつとなっている。

 

 

   *   *   *   *   *

 

 

海軍が空軍からパイロットごとレンタル中の川崎製輸送機『C-1』。

人・物・艦娘を運ぶのに深海棲艦がはびこるこのご時世、大活躍中である。

そんな、C-1は有明達一行を乗せてグアム国際空港を離陸、厚木に向けて飛行していた。

『ポーン』という音と共に『シートベルトをしめよ(FASTEN YOUR SEAT BELT)』と書いてあるランプが消灯する。

「むー、座り心地悪いよー」

鈴谷はC-1の座り心地にご不満のようだ。

「たしかに、この椅子で三時間はキツイな」

「私は大丈夫なのです~サイズもピッタリだし」

有明は鈴谷に肯定するが、電はちがうらしい。

というのもこのC-1、本来3時間もの時間がかかる距離を人員輸送することを想定している輸送機ではないので、サイドに簡易的な椅子が電車のロングシートのように設置されているのがデフォルトだったが、海軍に貸し出された時に改装し、機体前半分に進行方向と同じ向きに補助席みたいなつくりの座席を設置して、後ろは郵便などの軽貨物が積載されている。

電が小さいから補助席がフィットするんだなと思った有明はつい、電と話してはいけないことランキングBEST1位と2位の『年齢』と『容姿』についていじってしまう。

「電は見た目は子供でも、頭脳は三s・・・」

と言いかけたが...電がそれを許すわけなく、阻止するためカシャっと拳銃を有明のこめかみに当てて有明の口を停止させる。

「・・・見た目が子供はまぁ、この際目をつぶってやるのです。頭脳が..なんといったです?」

「いっい電様?なぜ君はコルトガバメントなんて持ってるのかな?てかどこから出てきたのさ」

「しばらく兵装を使ってなかったから、点検のためにグアム分基地に預けてるのです。そしたら、グアム分基地の知り合いが護身用にって用意してくれたのです〜。そんなことより、脳天ぶち抜かれたくなかったら、さっさと答えるのですよ〜♪死にたい人はどこなのです~?」

「いやー、電様がこの世に降臨されたのは20と4年前の事ですので...降臨した当時の容姿年齢や精神年齢が若く見積もって8歳ぐらいだから、足すと30歳ぐらいになるかと...思ったのですが...なんか、すいませんでした」

電の目が怖い。瞳に光がないよ!

「いいですか?有明司令官さん。私はこの世界に来てまだ24年、だから24歳なのです。あいあむ・とうぇんてぃ・ふぉー・いあーず・おーるど。おーけー?」

「おっオーケー」

このやり取りを傍で見ていた鈴谷は自爆したのは有明だが、話を振った自分なので少々責任を感じていたが、それ以上に怖くて二人のほうを向くことができなかった。

それと、電には歳の話を振ってはいけないことを、心に刻んだのである。

 

 

   *   *   *   *   *

 

 

CAMEL502, Atsugi tower.(キャメル502、こちら厚木タワー。)Wind 200 at 3,(滑走路01に着陸を許可。) Cleared to land, Runway 01.(風は200方向から3ノット。)

Cleared to land, Runway 01. CAMEL502.(キャメル502、滑走路01へ着陸許可、了解。)

熟練のパイロット達の腕によって、C-1は厚木海軍飛行場に着陸した。

駐機場所に到着し、有明たち一行はクルーに礼を言いながら機体を降り、厚木の土を踏む。

「着いた~!久しぶりの日本~さっさとお家帰って今日はアニメとネトゲして寝る!」

有明は体をのばしながら、今日はぐうたらすると宣言した。

が、伸びを終えた彼の視界に一人の海軍士官が目に入る。

袖の階級章は太い金線と細い金線がひとつづつ。中尉であることを示している。

見た目は、有明より少し若い男性。

「有明班長~」

その男性が有明の名を呼びながら笑顔でこちらへ向かってきた。

だが、有明はそれを確認するや否や見事なフォームのスタンディング・スタートを決め、フルスロットルでダッシュし逃走を図った。

「悪い、境。今日は重要な予定(アニメ消化とネトゲ)があるから帰る。NDSには行かん」

そう、この海軍中尉は元有明の部下で、グアム分基地滞在時の有明宛に電話をかけてきた『境 淳之介』(さかい じゅんのすけ)中尉。

海軍の中でも珍しい、有明を慕う人物のひとりだ。

そして有明という人間とイロンナ意味で理解しあえる人間だ。

ちなみに有明が逃走するのは『上』の人も想定内で境はそれを阻止せよと『上』から命令されているので、やれやれと思いながらも有明を呼び止める為に、猛ダッシュの有明が聞こえる大きさの声で話しかける。

「班長ぉ~、幕僚長が有明が今日中に来なかったら、『私の権限で盆の3日間を出勤日にして、有明がビックサイトへ行けないようにする』って言ってました~」

「は?」

有明は逃走を一時中断し、境の声に耳を傾ける。

境も有明が話に予想通り食いついたので十数メートル離れている有明の元へ行き、話を続ける。

「ですから、幕僚長が『コミケの日をポーンペイですごしたいか?』とおっしゃっていました。意訳すれば」

「・・なんだって!?幕僚長は俺がオタクだって知らないはず。..だよな?そもそも、お堅くてサブカルとは無縁な幕僚長がコミケの存在を知っているとは考えられない。なぜだ・・なぜそんな恐ろしい事を幕僚長はおっしゃったんだ..まさか、貴様の入れ知恵か境?」

「いえ、本官もジャンルは違いますがコミケ戦士ですので、そんな惨いまねは流石にできませんよ」

「じゃあ、じゃあ、いったいなぜ幕僚長はそんな恐ろしいことをおっしゃったんだ...」

今日のアニメ&ネトゲとコミケ三日間は天秤にかけずとも、コミケのほうが有明にとって大切なのは明らかなので仕方なく有明は逃走を中止し、降参してNDSに出頭することとなった。

 

 

   *   *   *   *   *

 

ここは厚木基地の駐車場。

有明はここから境の回してきた車に乗り、NDS本部へと向ことになった。

出発する前に、有明は鈴谷と電に別れのあいさつをする。

「電、鈴谷。約1ヶ月もの間お疲れさん。俺はちょっくら残ってる仕事片付けてくるが、電と鈴谷は休暇のあいだの1週間、ゆっくり休んでくれ。1週間後から、またよろしく頼む」

「はいなのです」

「仕事、頑張ってね〜」

「そういえば、鈴谷は1週間どこで暮らすんだ?呉の艦娘寮は退去したんだろ?」

もともと艦娘学校の学生艦だった鈴谷は、学生や海軍で働く艦娘が生活を営むために港の近くに建設された『艦娘寮』に入居していたが、学校が呉なのに対して配属先が横須賀(もとい南の島)だったため、退去していた。

今の鈴谷は人間でいうところの住所不定者なのだ。

「それは大丈夫。電ちゃんが持ってる横浜のマンションに居候させてもらうことになってるよ」

「そうか、じゃあ電。鈴谷のことよろしくな。彼女はまだ、外界をあまり知らないだろうから」

「任されたのです〜」

境の「班長、そろそろ」という声に促され有明は車へ乗車。

車は厚木基地の門を抜けて、NDS本部施設のある永田町へと発進していった。

 

 

   *   *   *   *   *

 

 

東京都千代田区永田町。

国会議事堂や総理官邸などが立ち並ぶ文字通りの日本の中心街だ。

その中心街にそびえ立つ15階建てのビル『中央合同庁舎第8号館』に有明と境の目的地、NDS本部施設が設置されている。

だがこの本部施設、秘匿組織だけあってたどり着くには複雑な道順を辿らなければならないのだ。

まずは横のビル、『内閣府庁舎』の受付嬢(おばちゃん)笑顔(愛想笑い)で防衛省職員証を提示して一般受付を通過する。

この時注意しなければならないのは、忙しそうな雰囲気を醸し出しサクッと通過しなければいけないことだ。

ここでミスると受付嬢に「あら~、誠ちゃん久しぶり~元気にしてた~?」と引き止められ、30分ほど足止めをくらう。

だが、有明と境は何度もここに出入りしている。

いわばサクッと通るプロだ。

受付嬢があくびをかいた瞬間を狙って間髪入れずに通過していった。

ここを通過すると、連絡通路経由で第8号館に入館でき、次の難関『隠し扉』が待っている。

隠し扉は地下三階の『補助電気室』と呼ばれる非常用発電機が設置されている場所にある。

この補助電気室には政府に対するテロの標的になりかねない''内閣府の非常用発電機を守る''という()()で黒服の警察官3人が配置されている。

だが、実際はNDSの門番達なのだ。

境は彼らに半年毎に変わる本部へ入るための暗号を伝える。

「パンツはブリーフ派だ」

「そうですか、私もブリーフ派なんですよ。気が合いますね」

3人いる黒服のうちの1人がそういいながら、握手を求めてくる。

だが、何故か黒服は手にはめている手袋を()()()()()握手をもとめている。

一方、境は正装の白手袋外し、握手に応じる。

黒服が手袋を外さずに握手を求めて無礼に見えるかもしれないが、これでいいのだ。

黒服がはめているのは手袋ではなく、手袋型生体認証装置。毛細血管を読み取り本人かどうかを確認するシロモロだ。

握手を終えた黒服は有明たちをNDS構成員と確認、「お疲れさまです。あと、私本当はボクサーパンツ派なんです」と言い、隠し扉の鍵を開け中へと誘導する。

すかさず境も「お疲れさまです。私もボクサーです。ブリーフ派なんて、総理ぐらいですよ」と返事をしていた。

両者ともそこには謎のプライドがあったらしい。

ともあれ、隠し扉を過ぎたあとも『10桁のパスワードとIDカード認証が必要なエレベーター』や『顔をカメラで認証する長い廊下(不審者侵入時はここで毒ガスを浴びせる)』などの厳重なセキュリティを通過して、やっと現れるNDS本部の入口、木目調の大扉の前に有明たちはたどり着いた。

ここで彼らは制服をもう1度正し、粗相のないように気を配る。

総理や大臣などお偉いさんがたくさん居る(かもしれない)からだ。

「あっやべ。この前の電特製『南の島カレー』のこぼしたシミがワイシャツに付いたまんまだ。まぁ、上着着ればわかんないしいいか」

「相変わらず、適当ですね班長は」

「臨機応変な判断と言っておくれ。―――さぁ入るぞ」

「はい」

有明は自分の身長よりもかなり大きいドアをゆっくりと開けた。

 

 

   *   *   *   *   *

 

 

ドアの向こうには広い壁全面に並ぶモニター類がズラリと並び、半円卓の議場がそのモニターの向きに配置され、そのうしろにはエヴァの司令部のような構造をしているオペレーター達のデスクがひな壇形式で配置されている。

そのひな壇から、一人の男性が降りてきた。

歳は定年まじかという感じで、青い内閣府の作業着を着用している。

「情報武官有明大尉、艦娘研究班長境中尉。国家防衛公安会議への御足労、ありがとうございます。それから、有明大尉。お久しぶりでございます」

直江津(なおえつ)会議事務長、ご無沙汰してます」

「直江津さん、お疲れさまです」

有明と境はそれぞれ直江津に挨拶をする。

彼の役職は会議事務長。

この裏組織の事務の長を担当し、緊急時には司令部オペレーターの指揮を執るそこそこ偉い公務員だ。

「あぁっそういえば遅れましたが、有明大尉。大尉へのご昇進、誠におめでとうござす」

「いえいえ、こちらこそ。あまり、ここに顔を出さなかったものですから..それより、今日は海軍幕僚長の命で出頭したのですが、まだいらしていないのですか?」

「只今金沢(かなざわ)海軍幕僚長は防衛省のほうで来客対応中らしく、それが終わればこちらへいらっしゃると伺っております..それと、有明大尉・・・」

直江津は目線を半円卓の机の横にある、偉い人の部下達(現場級職員)が作業するの長机の方へ目むける。

「あ~、愛されてますね有明班長」

境もその方向をむき、机の上で書類を枕にして寝ている()()を見つけ有明にそう言う。

「別に、アレはただのルームメイトだから..愛されてるわけじゃねーし、あと今の艦娘研究班の班長はお前だって言ってるだろ、境」

有明はそう言いながらも自分の上着を脱ぎ、机と椅子で座りながら寝ている彼女にそっとかける―――――が、

彼女は「むにゃむにゃ・・・・・ぅぅうむにゃ?」

と起きてしまった。

「あっ起きちまったか?悪かったな、冷えると思ったんだが」

彼女は寝ぼけながら

「今...なんじ?...当直でここにずっといたから...感覚が...」

有明は腕時計をみながら

「今か?今は午後15時ぐらいだぞ。当直だったなら帰ればよかったのに」

と答える。

秘密組織NDSには当直制度が導入されており、各機関の比較的若い構成員が日替わりでいつ起きるかわからない有事に備えることになっている。

有明のセリフを聞いた直江津は『この鈍感野郎』と心に思いながら、有明にこう告げた。

「有明大尉、厳原暁子(いづはらきょうこ)警部補は大尉が厚木から直行すると知るらいなや、勤務時間が終了しても大尉のお帰りをこちらでずっと待っていらしたのですよ」

ようやく目がさめてきた彼女はそのセリフを聞いてハッとする。

「むにゃ?...ありあけ?・・・・誠っ!いつからいたの!?」

「いや、お前が起きた時にはもういたが...それより、髪がぐちゃぐちゃしてるぞ」

彼女はそう言われるとシャシャっと髪を整え、有明の方を向き真面目な顔で

「誠。なんで何も言わずに海外出張とかいくの!?私、帰って来なくて心配だったんだからね」

と有明に訴える。

さすがの鈍感有明も悪いと思い

「あぁ、悪かった。暁子。行く前に電話するの忘れてた」

と謝罪した。

暁子は有明の胸に飛びつき、胸の中で泣きつきながら、こう言うのであった。

「次ぎやったら、許さない…許さないんだから!―――――とぉっても心配したんだから」

 

 

 

 

 




更新遅れてすみません。
遅すぎて言葉もありません。
今年はすごくすごく忙しく、なかなか更新出来なかったことをお許しください。
次はそこそこ早く更新できる見込みでございます。
次回も読んでいただけたら、幸いです。
また11月から、高校生警察物の一次創作もはじめましたのでよかった読んであげてください。https://syosetu.org/novel/138776/



以下は私の一次創作『俺達の戦いはこれからもつづく。』第1話の後書きの再掲です。

ーーーーーーーーーー
☆遅れましたが『コミケ92』でさーくる*にじいろへお越しいただいた方。
ありがとうございました。処女本で右も左もわからず大変でしたが、同人誌製作は楽しかったです。
巻末四コマについてはpixiv掲載予定でしたが、都合により次回の巻末に回そうと考えています。
次回はキャラ中心に『暁』本をだそうかと思います。いつになるかはわかりませんが、決まり次第お知らせ予定です。
ーーーーー再掲ここまでーーーーー

夏コミで得た経験を生かして、カワイイ系の暁本を前回の金剛本よりもパワーアップして創作していくので、よろしくお願いします。

最後に評価、感想、誤字修正、疑問点質問等は大歓迎ですので、そちらもよろしくお願いします。
冬コミへ出陣される皆様、寒さに負けぬ様頑張ってください!

✩最後までお読みいただき、ありがとうございました2017/12/24 ななゆー
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