え?今、2月だって?知ってますよ?(申し訳ないです)
それから、前話までのミスった設定はちゃっかり修正してあります。ご了承ください。
解体。
初期組の艦娘がこの世に降り立ってから数週間、彼女達の乗組妖精によって駆逐艦や軽巡洋艦など比較的小さな
その際にある妖精のミスで偶然できてしまった『艦娘の人間化』。
これが艦娘史上初の解体である。
艤装は分解され資材となり、艦娘の心と体は人間化され海上戦闘も入渠回復もできない年々歳をとる人となり...じゃあ、その艦娘の乗組妖精は?
そう、妖精は消えなかったのである。
この消えなかった妖精の末路が後の工廠などに陸上勤務をこなす専門妖精となった。
ちなみに艦娘を失った妖精のおおよその寿命は10年。
艦娘が艦娘として生きていればその間は老化しないが、母艦の艦娘を失うと約10年をかけて老化し、最後はパタッと倒れ消えてしまう。
また、人間化された艦娘も解体の際に艦娘として過ごした年月分老化する現象がおきる。
例えば、呂500が十数年の艦娘としての役目を終えて、解体・人間化した場合は一気に20代の容姿へと変貌する。
そして、その変貌後の姿は同じ名前の艦娘でも艦娘として過ごしてきた環境の違いによってかなり変わってくるのも解体の特徴。
また、解体は妖精のミスが原因でできるようなったのでその詳細は全く解明されていない。
* * * * *
ここは中央合同庁舎第8号館の地下。
日本国特別協議執行機関『
有明の胸に飛びつき、しばらくピーピー泣いていた厳原暁子はようやく正気を取り戻し、ヒックヒックしながらも話はじめる。
「誠の顔を見れて安心したわ。変わりなさそうね」
「ああ、暁子もそんだけ泣けるなら元気そうだな。眠そうだけど」
「えぇ、ほんとよ。あなたをここで仕事しながら待っていたら、17時間勤務になっちゃったわよ。先に家に帰って一寝入りさせてもらうわ」
「ああ、それがいい。用事が終わったら俺も帰るよ。ご飯も今晩は俺がつくろう」
「そう、たのしみにしてるわ♪」
この会話を聞いていた境や直江津事務長を始めとする組織の職員一同は『爆ぜろ、リア充。さっさとくっついちまえ』と誰もが心の中で考えていたが、当の有明は疎いという2文字では済まされないような鈍感男だし、暁子も最初は好意を有明に向けていたが、あまりの鈍感さに疲れてしまい、最近は親友という形でいいかな?と自分へ念じるようにしているらしい。
そんなこんなで、暁子が帰宅し司令室に静寂が訪れた。
と思ったのもつかの間、すぐに入れ違いで大物2人とそのお付きの人達がNDS司令室に入ってきた。
NDS職員達も一瞬でモードを切り替える。
大物の片方は海軍大将を表す、これでもかというサイズの金の太線1本と普通サイズの金太線3本、そして海桜の紋章をつけた袖章をもつ海軍の黒い冬服を着用した坊主の男性。
彼の名は『
日本軍の階級で最高位である大将の位を持ち、海軍十万五千人のトップ『海軍幕僚長』を務める人間だ。
一方、もう一人の大物は落ち着きを持ちながらもあからさまに高級感漂う上質なスーツを身につけている。
名は『
元日本空軍少佐にして、現私立大学特任教授。そして国会議員ではなく、民間人の身分で防衛大臣を務めている人物だ。
ちなみに頭部サイドは髪の毛が残っているけれど、頂点の方に行くにつれてハゲている。
金沢と岡田は仲が良く官僚や政治家達から『ハゲコンビ』と呼ばれてるとかなんとか。
彼らは司令室にいた有明を見つけると、手招きして有明を呼び寄せる。
有明も即座に反応し、金沢と岡田と共に司令室の奥にある小部屋へと移動した。
* * * * *
NDS司令室の奥には色々な部屋がある。
現場級職員が事務的な仕事をする部屋や、偉い人たちが密会をする部屋などなど。
有明、金沢海幕長、岡田防衛相はそんな奥にある部屋のひとつ、小会議室に入室した。
金沢と岡田が椅子につき、岡田が座っていいよと有明の近くの椅子に手を差し向けたので有明も着席する。
「海幕長、大臣。お久しぶりです。海軍大尉有明誠、ポーンペイでの任務を完了し本日帰国いたしました」
「うん有明君、変わりないようで何よりだよ」
最初に返答をした岡田防衛相は穏やかな口調だ。
次いで金沢海幕長も返答をする。
「有明、ご苦労だった。久しぶりのNDS出頭な上に、帰国直後で申し訳ないが、私と大臣は後にも仕事が溜まっていてね・・・今しか時間が取れんかった。早速本題に入らせてもらうよ」
「ええ。構いません」
「よろしい。では、これを見てくれ」
そう言いながら、金沢海幕長はひとつの紙切れを机の上に有明が見えるように置く。
「これは...ノートのコピーですか?内容は・・・艦娘の装備関係ですね」
「そうだ。これは警視庁公安部が最近押収したノートの1ページ。NDS経由で
「なるほど・・ロシアですか」
艦娘関係の情報は当然の事ながら、軍事機密であり民間や他国への情報発信はあくまでも表面上なデータのみだ。
これは日本の敵国となり得ない国が艦娘の情報を攻略し、深海棲艦と一緒になって攻めてくるのを防止するために必要不可欠。
日米軍事同盟を結んでいるアメリカとて例外ではない。
たが、太平洋を中心に広く世界で活動している深海棲艦に対抗できる
金沢海幕長は続けて有明に
「そこで、君にはこの情報の流出元を調査してくれ」
と命じた。
確かに有明は海軍軍人でありながら、艦娘の研究をする研究者として働いていた経験を持っている。
艦娘の情報については並の海軍軍人、並の艦娘司令官よりも詳しいので、適任と言えば適任だ。
岡田防衛相が続けて有明に話す。
「無論君はこの組織に制度上仕方なく、諜報員である『情報武官』として在籍しているが実際は専門外である事は把握している」
「そこで、今回はNDS専属S級エージェントを君の部下という体で派遣したい」
「S級の専属エージェントをですか⁉」
NDS専属エージェントとは文字通り特殊部隊員と同等がそれ以上の能力を持っていて、有明のように警察や軍・公安調査庁など特定の機関に籍を置きながらNDS構成員なるのではなく、NDSのみに籍を置く人間を指す。
彼らの任務は主に諜報と工作で、S級ともなると片手で数えられる人数しかいない。
金沢海幕長は真剣な表情で
「ことはそれだけ重大なんだ。現在までの調査ではグアム分基地の清水司令が一番怪しいことが分かっている。この任務、引き受けてくれるな?」
と有明に問いかけ
「もちろんです」
と有明も即答した。
その後の説明によると、エージェントが『ポーンペイ派遣隊とグアム分基地間の連絡官』に扮し有明の部下として派遣され、調査任務を担当。
どの情報を重点的に集めるかを決めたりや情報を分析する役割に有明が就くことになった。
金沢海幕長が有明に
「最後になにか質問はあるか?」
と聞き、有明は頷きながら
「幕僚長、ひとつだけ」
と質問をする。
「うむ、なんだ?」
「幕僚長に
「ナンノコトカナ?オジサンサッパリワカラナイ」
「ソウデスカー」
* * * * *
有明が退室した後の小会議室。
金沢海幕長と岡田防衛相がまだ退室せずに椅子にかけていた。
「有明君は君のお気に入りだそうじゃないか」
岡田防衛相はメガネ(老眼鏡)を拭きながら、金沢海幕長に聞いた。
「ええ、まあ。彼をNDSに入れたのは私ですからね」
「だが、海軍全体としては有明君を嫌うやつが多いと」
「そうですね」
「私は彼と顔を合わせるのは今回が2度目であまり彼の事をよく知らないのだが、大丈夫なのか?今回の任務。これで何もわかりませんでしたじゃ、大変なことになるぞ」
岡田防衛相の声色はかなり有明を信用していないものだったが、金沢海幕長は
「ご心配なく。彼ならやってくれますよ、我々の期待以上の成果を上げてきます」
と即答した。
* * * * *
『次は秋葉原です。都営新宿線、JR線、つくばエクスプレス線はお乗り換えです。The next stop is AKIHABARA. H-15・・・』
ポーンペイに持って行ったスーツケースに入っていた私服に着替えた有明は、制服をスーツケースに詰めて東京メトロ日比谷線で自宅へ向かう。
有明の自宅は世界有数の電気街で、世界一のサブカルの街、東京・秋葉原。万世橋を渡った先である千代田区神田須田町の4LDK賃貸マンションだ。
10階建ての10階に部屋があるので、エレベーターで移動し玄関のドアを開ける。
「ただいま〜」
「えっ・・・・司令官?」
そこにはバスタオルを手にした真っ裸の鈴谷がいた。
そう真っ裸。
生まれた時と同じ姿。
風呂上がりでプルんとした水分をもつ、つやつや肌。
流石、艦娘の中でもピチピチのギャルなだけある。
正直、めっちゃ美しいし、めっちゃエロい。
いやそんなことを考えてる場合ではない。
有明の停止した思考は徐々に回復しーーーー
「よし、鈴谷。落ち着こう。これは不可抗力の事故だ。示談をしようじゃないか」
と示談を持ちかけた。
「ーーーーーッッッ。マママっまた、まった見られた。これはもう司令官の脳天を機銃でぶち抜くしか・・・」
「え?ノウテン、ブチヌク?」
「とっ...とにかく、出ていってーー」
「いえす!,ma'am」
こうして、示談は失敗した上に異国の地から約1ヶ月ぶりに帰宅した有明は自分の家を追い出されたのである。
5分後・・・
玄関のドアがガチャっと開き、「入っていいわよ」と有明を迎え入れたのは厳原暁子だった。
今現在、リビングにいるのは有明、暁子、鈴谷の3人。
鈴谷はピンクのパジャマ姿でブスくれている。
「えっと・・・、鈴谷。さっきは悪かった。このとおり、謝る。申し訳なかった」
有明は頭を下げ謝罪したが、鈴谷はぷいっと頬を膨らまして返事をしようとしない。
こうなっては仕方がないと思った有明は、話を進めるべく疑問に思っていることを鈴谷に問うことにした。
「ところで、鈴谷。なんで俺の家にいるんだ?電のマンションにいたんじゃないのか?横浜の」
「・・・人間化した電ちゃんのお姉さんが神社の階段から落ちて入院したとかなんとかで、お見舞いしに青森まで出かけちゃって、ここに来れば大丈夫だからって地図と交通費を貰ったの。それで、いざ来てみれば知らない綺麗なお姉さん...暁子さんがいたの」
そこから先は暁子が話を引き継いだ
「さっきまで通り雨が降っていたのよ。それで鈴谷ちゃん、ずぶ濡れになっちゃって風邪ひいたら大変だから一緒にお風呂に入っていたの。でも、バスタオルのストックが脱衣所になくて...リビングに畳んだのがあるから取ってきてもらっていたら...誠が帰ってきたのよ」
「なるほど、そうだったのか」
ぷいっとしている鈴谷も、ダンマリをやめて有明に気になっている事を聞く
「ねぇ...司令官。ここは誰の家なの?表札がなかったけど。あと暁子さんって司令官の彼女なの?」
「うーん。じゃあ順番に答えようか」
有明はスマホで1枚の写真を開く。
「この部屋はな、友達4人でシェアハウスしてるマンションなんだ。これ、引っ越してきた時のパーティーの写真なんだが、これが暁子、そんでこっちが俺。あと男2人居るだろ?ここに写ってる4人で部屋を借りてるんだよ」
スマホをポケットにしまい、有明は話を続ける。
「それで、暁子は俺にとって友達以上恋人未満、つまりは親友なんだよ。まぁ出会った経緯とかは話が長くなるから機会があったら話すよ」
鈴谷はじゃあと質問を重ねる
「暁子さんは何者?初めて会うはずなのに、昔から知ってる人みたいな感覚なの・・・なんで?」
「私は街のお巡りさんよ♪」
有明がジト目をしながら『嘘をつくな』視線を暁子に向ける
「街のお巡りさんになりたかったの...けど、実際は警視庁公安部で社畜してるわ・・・ハハハ」
「そして、警察官になる前は・・・」
そう言って暁子は自室から紺色の帽子をもってくる。
旧海軍の略帽を模したその帽子は錨のマークがあしらわれている。
それを頭に被り、暁子はポーズを決めながらあの決め台詞を放った。
「 一人前のレディーとして扱ってよね! 」
声色も大人ぽっくなり、姿もすらっとした美人のお姉さんだが、この姿を前にすれば艦娘なら誰でもわかる。
鈴谷はぽかんとしながら・・・・
「暁ちゃん...!?」
と漏らした。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ルームメイトちゃんをここまでやっと書くことができました。(*´∀`)-3
次回更新分の書き始めは冬イベ攻略完了したらになりますので、かなり後になると思います。
みなさんの艦これ1期最終イベ、無事完了できるよう武運長久を陰ながらお祈りしております。
もちろん、質問、修正、感想、評価はいつでもお待ちしております。よろしくお願いします!