どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い
<< 前の話 次の話 >>

37 / 67
これで十三歳編のラストです。

今日だけで、4回の投稿。
これが覇王の力か。


自分の発言には責任を持ちましょう

か、身体が痛い。

喉がイガイガする。

 

今日は体調最悪だな。

そう思って俺が目を覚ました場所は、家の廊下だった。

 

…………。

 

……?

 

……何でこんな所で寝てんだ俺?

そりゃ身体も痛くなるよ。

 

昨日何があった?

 

…………。

 

……!

 

そういや曹操達を招待したんだった。

そんで、料理を振る舞って、酒を飲んで、……。

 

……その後どうしたんだっけ?

やっべ、記憶が曖昧過ぎる。

 

何かの話題で妙才さんと曹操と盛り上がったのは覚えがあるんだけど、何だったっけ?

って言うかマジで何があったら廊下で寝るんだよ。

 

俺が廊下に座り込んで考え始めたら、妙才さんに挨拶された。

 

「おはよう、げんけ……どうしたのだ?」

 

……うん、まぁ、解ってる。

こんな所で座り込んでいたら変態だよな?

 

「おはようございます。……何か知らないけど、俺ここで目を覚ましたんすよ。 昨日何かありました?」

 

「あぁ、そう言えば、昨日お主が厠に行くと席を外してから戻って来なかったな。 私と華琳様もその後そのまま眠ってしまった様で、すっかり忘れていた。」

 

あぁ、成る程。

そんまま力尽きて寝ちゃったパターンか。

 

……いやいや、客を招待してそれはあかんでしょ。

雪蓮じゃないんだから、もうちょっとしっかりしないと俺。

 

「それは何と言うか、……その、客室にも案内せずにすみません。」

 

「いやいや、我等もそのまま眠ってしまったし、あまり気にする事も無い。」

 

まぁそう言ってくれるなら有り難いが。

 

「それより、すまないが水を貰えないか? お主の料理が効いたのか、あれだけの量の酒を飲んでいて、二日酔いは無いが、流石に喉が乾いた。 華琳様や姉者の分も頼みたいのだが?」

 

「あぁ、俺も喉が乾いているのでちょうど良いっすね。 皆さんの分も水を持って行きますよ。」

 

流石ウコン。

力が違うね。

 

「あぁ、よろしく頼む。」

 

 

_____

 

 

「おはようございまーす。 どうぞ、お水です。」

 

俺は昨日の飲み会をした部屋に、全員分の杯と水を持って来た。

 

「おはよう。 早速水を頂くわ。」

 

「……ん。」

 

「ありがとう元倹殿。 ほら姉者、水だ。」

 

部屋の中は昨日の今日なので、散乱としていて、綺麗では無かった。

 

……この部屋に曹操達を眠らせちゃったのか、……こりゃまいったな。

 

だが曹操はあまり気にしていない様だった。

俺が水を持って来た時点で曹操は既に目をしっかり覚ましていた様子で、今は普通に水を飲んでいる。

 

妙才さんも言わずもがな。

はっきりと、目を覚ましている。

 

ただ、夏候惇は寝起きなのだろう。

目もトロンと半開きで、妙才さんに甲斐甲斐しく世話をされていた。

 

こいつが一番睡眠時間が長い筈だがなぁ?

 

「はっ! 誰だ貴様! 何故ここに居る!?」

 

いや、俺の家ですし、おすし。

 

「……はぁ、春蘭。 今すぐ元倹に謝りなさい。」

 

「えぇ? 何故ですか、華琳様ぁ。」

 

「春蘭。」

 

「うぅ、……すまん。」

 

力関係がはっきりし過ぎて笑えてくるなぁ。

 

「まぁお気になさらず。」

 

「私からも謝っておこう、姉者がすまないな元倹殿。」

 

どっちが姉か解んないな、あんたら姉妹。

 

「ん? あぁ! 思いだした!」

 

ん? 何を?

 

「何を思いだしたのだ姉者?」

 

「昨日の料理は旨かった!」

 

…………。

 

「……お土産に包みましょうか?」

 

「おぉ! 頼む!」

 

「「……はぁ。」」

 

ふふっ、この人オモロイなぁ。

まぁ、二人が揃って溜め息吐く気持ちも解るけどね?

 

 

_____

 

 

その後、俺は曹操達を見送りに襄陽の門まで来ていた。

 

「さて、昨日は招いてくれてありがとう元倹。 実に有意義な時間だったわ。」

 

「そう言って貰えて幸いっす。」

 

義理は果たしたな?

よし、もう来んなよ?

 

「お礼に、とは少し違うけれど、貴方に私達の真名を預けましょう。」

 

えぇ?

良いよ別に。

 

「ははっ、大袈裟ですよ。」

 

「そんな事は無いわよ? 真名を預けるに充分な信頼を、貴方は示してくれたわ。」

 

俺が昨日した事って、本を読ませて貰って、麻雀して、家に招いて飲み会して、客を放って寝たくらいなんですが?

 

「春蘭も秋蘭も、否定はあるかしら?」

 

「華琳様のなさる事に否はありません。」

 

「同じく。 個人的にも、元倹殿は信頼にたる人物だと思っております。」

 

元譲さんはともかく、妙才さんはどうしたんだ?

俺は本当に昨日、一体何をしたんだ?

 

「そう。……我が真名、華琳。 この真名、貴方に預けるわ。」

 

「春蘭だ。 お前は他の男よりは信用出来る。 だが、必要以上に華琳様には近寄るなよ。」

 

「ふっ、知っているだろうが、秋蘭だ。 よろしく頼む。」

 

う、うーむ。

まぁ預かってしまった物は仕方ないか。

 

「俺の真名は蒼夜です。 改めてよろしくお願いします、華琳さん、春蘭さん、秋蘭さん。」

 

「えぇ、貴方の真名、確かに預かったわ。……ではまた会いましょう、蒼夜。」

 

華琳さん達一行はその言葉を皮切りに襄陽を去って行った。

 

……また会いましょう、か。

もう来なくて良いよ?

 

じゃあ華琳さん達も居なくなったし、さーて、今日も一日……頑張らないで帰って二度寝しよ。

 

 

_____

 

 

「……機嫌がよろしい様ですね、華琳様。」

 

「ふふっ、えぇそうね。」

 

「何か良い事でもあったんですか、華琳様ぁ?」

 

「ふふっ、なんでもないわよ春蘭。」

 

私は陳留への帰路の道、馬上にて昨日の蒼夜とのやり取りを思い出していた。

 

昨日、夜も深く、酒も深くなった時間、それぞれの人物の“器”の話になった。

 

蒼夜は春蘭を五千の将、秋蘭を十万の将と称し、自分をまさかの二千の将と称した。

 

本人はかなり酔っていた様だけど、その評価は本人を除いて間違っていないと、私も感じていた。

 

その後もその話題は盛り上がって続き、孫家の人物達の評価へと移った。

 

それは私の気になる話題でもあり、私は彼の評価を注意して聞いた。

 

そしたら最初、彼は雪蓮の器が測れないと言う。

 

『雪蓮? 雪蓮、……うーん、あの馬鹿野郎はよく解らないっす。 百人率いて蹴り飛ばす事もあれば、百万率いて絶賛する事もあり得ると思うんすよねぇ。』

 

……成る程、確かに雪蓮には英雄然とした雰囲気がある。

その場合、小数を率いるより、大人数を率いた方がより良い。

そう言う事もあるか、と私は納得した。

 

だがその後の冥琳の評価は破格のもので、かなり驚いた。

 

『冥琳っすか? 冥琳が直接兵を率いるなら万は駄目っすね。……けど、操るってんなら、百万居ても有り余るっすよ。』

 

ここまで彼から軍師として評価を受ける人物は他に居るだろうか?

彼が冥琳の才覚を非常に高くかっている事が良く解る。

 

そこで私は、私なら何人率いられるか、何人操る事が出来るか、彼に聞いてみた。

 

『ん~、……そうっすねぇ、……まぁ百万人率いる事も、百万人操る事もしなくて良いんじゃないっすか? 貴女の場合は百人で良いんすよ。』

 

これを聞いた瞬間、私はまさかと言う思いに捕らわれた。

 

秋蘭はそんな馬鹿なと彼に反論し、私の才覚を誉め称え、彼に評価を訂正する様に求めた。

 

だがそんな事をする必要なく、これは彼の最大級の評価であった。

 

『高祖と韓信っすよ、妙才さん。』

 

彼は詰め寄る秋蘭にそう答えた。

 

高祖と韓信。

もし千人率いて戦った場合、どちらが勝つか高祖は韓信に問うた。

その時韓信は自分が勝つと高祖に答え、高祖はその答えに怒ったと言う。

だがその後、韓信は高祖に対し、私は千人率いて戦に勝つ事が出来るが、貴方は私を率いる事が出来ると続けた。

 

つまり彼が私に百人で良いと言った理由は、百人の将と軍師を率いろと言う事。

 

それはまさしく、彼が最初に言った“王の器”

ここまで言われたなら私は必ずそれを成し遂げて見せましょう。

 

そして蒼夜を私の韓信として必ず召し抱えてみせるわ。

 




最早、ロックオンから絶対に逃がさないに変化しました。

寧ろここまで主人公の事をかってくれるのって逆にすげえな。







※この小説はログインせずに感想を書き込むことが可能です。ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。