どうも三國志のシーラカンスです   作:呉蘭も良い

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桃香のキャラに迷いますねぇ。
蜀アンチの予定はありませんのであしからず



突撃、隣の覇王様!再び

 

黄巾党との戦闘が終了して一段落したので、俺達曹操軍は義勇軍へと面会を求めるべく使者を送った。

 

……普通、立場的にはあちらさんから面会を求めるまで待つべきなのだが、うちの華琳さんが関羽を見た後からテンションマックス過ぎて直ぐに行動を起こしやがった。

 

そんなに人材欲を丸出しにしたら、史実同様に嫌われてしまうぞ?

 

関羽が居て、隣に居たあの強い少女を張飛とするなら、きっと劉備も居るんだろうなぁ。

今更ながら蜀に付きたいとはやっぱり思わないが、罪悪感___とは違うが、ちょっとだけ複雑な感情が芽生える。

関羽を見て憧れみたいなものが生まれてしまったしな。

 

……さて、そろそろ思考するのを止めて、華琳さんを止めないとな。

 

「華琳さん、相手からまだ返事も来て無いんだし、勝手に他軍の陣地に入ったら駄目ですよ?」

 

俺達は今、義勇軍の陣地に向かっている途中だ。

我が君乱心中である。

普段だったら絶対にしないであろう暴挙だ。

 

「あら、どうせ会う事は確定してるのだし、ただ待つなんて時間の無駄じゃない。ならこちらから会いに行っても問題無いわ。」

 

まぁ確かにね?

目的を同じくする軍同士が遭遇して、会わないなんて選択肢は無いよ?

 

「でも陣地なんて軍事機密がゴロゴロしてる場所に他軍の人間が勝手に入って良い訳ないじゃないですか。……それとも何ですか?うちはそこん所許諾してるんですか?」

 

少なくとも俺はノーだ。

間違いなく捕らえてどこぞの間者か調べるわ。

 

「……。」

 

いや、そんなに顔をしかめなくても良いじゃないですか。

どうせ四半刻も待たないよ?

 

「良いですか?思い出して下さい。……貴女は覇王です。もっと余裕のある、器の大きな態度を示して下さい。……間違ってもあの黒髪の将を積極的に勧誘しないで下さいよ?色々警戒されて嫌われますよ?」

 

「……そうね、そうだったわ。……はぁ。諫言ありがとう蒼夜。少し気分が高揚してたみたいね。」

 

少しじゃないけどな。

頼むから自重してくれよ?

 

そんな風に俺が華琳さんを諌めていたら、義勇軍の陣地が見える場所まで到着した。

そしたら使者として義勇軍に送っていた波才が義勇軍の陣地から出て来るのが見えた。

 

何故使者が張曼成じゃないかって?

見た目が可愛い女の子の方が印象良いじゃないか。

元気になった波才は結構可愛い見た目してるからね。

 

「おぅ、波才。義勇軍の人達は何だって?」

 

「皆様何故ここに?……あ、いえ、面会は承諾されましたが、今は忙しいのでこちらに会いに来て欲しいとの事でしたが……。」

 

もう来ちゃってるんだよなぁ。

 

「あー、なら悪いが、もう一回行って、陣地の前まで来てる事を伝えて来てくれ。」

 

「はっ。」

 

二度手間ごめんね。

 

華琳さんはこの時間が無駄だと思っているのか、腕組みをしてちょっと歯痒そうにしていた。

 

そして程なくして五人の少女達が現れた。

その内二人は知っている。

何でこの時期に居るんですかね?諸葛亮、龐統。

 

「こちらにお呼び立てして申し訳ありません曹兗州牧様。……その、来るのが大分早かった様ですが……。」

 

明るいピンク色した髪の、胸の大きな少女が少し困惑しながらそう言う。

 

……これが劉備かな?

うーむ、可愛い。そして凄いおっぱい。

 

「黄巾を倒す、という目的を同じくする軍同士が会わないという選択肢は無いでしょう?なら態々返事を待つ必要はないわ。だから早々にこちらから出向かせて貰ったわ。」

 

「な、成る程。確かに、そうですね。」

 

多少落ち着いたからか、華琳さんがいつもの雰囲気になって来た。

そしてその雰囲気に多少飲まれたな。

 

「さて、改めて自己紹介しましょう。我が名は曹 孟徳。兗州を治める者にして、漢王朝より黄巾党の討伐を命じられて此度は軍を動かしたわ。」

 

「は、はい!私は劉 玄徳と言います!……えっと、皆が荒れる世を憂いているから、……私はそれを何とかしたくて、黄巾党と戦って平安な世にする為に義勇軍を率いてます!」

 

ん、やっぱり劉備か。

 

「え、えっと、そしてこの子達が私に協力してくれる___」

 

「姓を関、名を羽、字を雲長と申します。曹兗州牧様におかれましては、此度は我々への援軍を感謝致します。」

 

……やっぱ関羽だよな。

ってか挨拶堅ぇ!

……俺も人の事言えないけども。

 

「鈴々は、張飛 翼徳なのだ!よろしくなのだ!」

 

おぉ、これが傍若無人のイメージがある張飛か。

そんな雰囲気全然ないな。

季衣とは良い友達になれそうだ。

……物語では許褚を負かすけども。

 

「は、はわわ~、しょっ、諸葛 孔明でしゅっ!……です。」

 

「あわっ!ほ、龐 士元でふっ!……でしゅ。」

 

いや、結局言えてないよ龐統。

と、そこで華琳さんから目配りがあり俺達も彼女達へと自己紹介した。

 

俺は軽く、諸葛亮と龐統に久しぶりだねー的な事言っておいた。

 

「さて玄徳、貴女が民の為に立ち上がったという志は理解したわ。私もまた民に安寧をもたらしたいと思っている。……どうかしら?志を共にする者同士、貴女達もこれから黄巾党討伐をしに青州を目指しているのなら、私達と一緒に行くつもりはない?」

 

「え、えっと~___」

 

劉備は華琳さんの問いに戸惑っているのか、目線を関羽や諸葛亮へと向けている。

臣下の意見を大切にしてると言えば聞こえは良いが、ちょっと優柔不断な気配がするなぁ。

 

「桃香様がお決め下さい。我々は桃香様に付いて行きます故。」

 

「そうですね。……私も愛紗さんの意見に賛成ですが、……ここは曹兗州牧様の提案を受け入れるべきかと進言させて頂きます。」

 

「……うん。朱里ちゃんがそう言うなら。……曹兗州牧様、我々義勇軍を供に青州へと向かわせ下さい。」

 

諸葛亮の発言力の高さが目立つなぁ。

信頼するのと依存するのは違うと言うのはわかっているのだろうか?

 

……いや、何故俺が劉備の心配をしているのだ。

 

「よろしい。では軍が整い次第行軍するわよ。……そうね、貴女達の練度なら一刻で出発出来るでしょう。構わないわね?」

 

「あっ、はい!わかりました。一刻で行軍開始出来る様にします!」

 

おい、一刻て。

俺達でも大変なんですが?

諸葛亮が遠い目をしているの気付いてる?

 

「よろしく。……それと玄徳、私は貴女に興味が湧いたわ。行軍中は一緒に馬を並べて語らいましょう?」

 

「えっ!?……あっ、は、はい。」

 

おいぃぃぃい!

俺自重しろって言わなかった!?

めっちゃ警戒心高くなってるじゃん!

大体関羽に興味があったんじゃないの?

 

……わからん。劉備の何かが華琳さんの琴線に触れたのだろうか?

……華琳さんの思考が読めない。

いやまぁ物語の曹操もそうだけど、何故か劉備と仲良くしようとする風潮があるよね?

……マジで一体何なんだ。

 

そうして軽く一時的な同盟を結んだ後、俺は久しぶりに諸葛亮と龐統と会話をした。

 

「やっ、改めて久しぶりだね、孔明ちゃん、士元ちゃん。」

 

「お久しぶりです!元倹さん!」

 

「お、お久しぶりでしゅ!……です!」

 

相変わらずロリロリで噛み噛みだなぁ。

 

「元倹さんの助言通り、私達色んな人を観る為に旅をしたんです。」

 

「そして桃香様___玄徳様に出会いました。」

 

……そんな事言ったっけ?

だからこんなに速く劉備陣営に居るの?

……余計な事言っちゃったかなぁ。

 

「元倹さんの言う通り、玄徳様には英雄足る、不思議な魅力があります。」

 

「私達はそんな玄徳様を支えたいと思っています。」

 

「……そうか。俺はまだ出会ったばかりだし、きちんと話してもいないからよくわからんが、……君達がそう言うのなら、そうなんだろうな。」

 

まぁなんだかんだ劉備だしな。

きっとカリスマ的な何かはあるんだろう。

……俺はそのカリスマに気を付けないといけないだろうなぁ。後地理も。

史実では蜀に仕える訳だし。

 

「だからっ!……そのっ、元倹さんも、玄徳様と深く接してみて下さい!玄徳様の想いはとても、とても素敵ですので!」

 

「きっと、きっと素敵な未来になりましゅ!あの方こそが、今の世に必要な方でしゅ!」

 

「お、おぅ、そうか。……うん。機会があったら話してみるな。」

 

……これって、もしかしなくても勧誘されてるよな?

えぇー?マジか……。

 





「元倹さんが味方になったら凄いよ雛里ちゃん!」

「うん!英雄と英雄が手を組んだら未来は明るいね朱里ちゃん!」

名軍師二人にロックオンされてる主人公でした

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