本作品の遊矢君の性格は若干原作と異なります。
原作展開をカットして作品スピードを上げるための作者なりに必要な措置です。
原作では悩み抜いて成長する遊矢君が本作品では悩むことなく自分自身のエンタメデュエルを貫く遊矢君になっています(そりゃ多少は迷ったりしますが原作ほど多くありません)。
それと、今回は原作展開のショートカットをかまして少々の原作ブレイクをします。
それがダメだと言う方はブラウザバックをオススメします。
許せるという方はこのままお読みください。
光晶刹那が遊勝塾に入塾してから2ヶ月が過ぎた。
同じ塾生である榊遊矢と柊柚子、そして別のデュエル塾(正式には道場であるが)に所属している権現坂昇とも親しくなることが出来た。
彼らがクオンダムのこと以外では寡黙な刹那にも積極的に話しかけてくれたこと、それと小さな塾特有のアットホームな雰囲気が刹那がここに馴染むことが出来た大きな要因だろう。
実際に大手であるLDSで刹那が友人と言えるような人物は片手で数えられる程度だった。
さて、そんな遊勝塾だがある日事件が起きた。
塾生の榊遊矢がペンデュラム召喚という新しい召喚方法を発見したのだ。
さらに彼はその召喚方法をもってプロデュエリストであるストロング石島を倒したのである。公式の場で、沢山の観客が視ている中で。
そもそも何故遊矢がプロデュエリストとデュエルすることになったのかについては割愛させてもらう。
さてその数日後、ストロング石島を倒してしまった少年、そして新たに発見されたペンデュラム召喚は瞬く間に舞網市に噂が広がり、それを見ようと遊勝塾には大勢の見物客が訪れた。
閑古鳥が鳴きすぎて喉を壊す位であった遊勝塾、そこに大勢の見物客が訪れたのだ。当然塾長である柊修造はこの期を逃すまいとあるイベントを考えていた。
「という訳で刹那君、遊矢とデュエルをしてくれないか?」
そう、ペンデュラム召喚の遊矢とシンクロ召喚、そのなかでも珍しい相手ターンにシンクロ召喚する刹那。現在の遊勝塾の二大看板。その二人のエキシビションマッチで遊勝塾への、ひいてはエンタメデュエルに興味を持ってもらおう。そういう作戦だ。
「俺は別に構わないが...」
刹那にとっては断る理由など見当たらないので了承するが
「お父さん!」
その作戦に待ったをかける少女がいた。
塾生の一人にして修造の一人娘、柊柚子である。
「遊矢もまだあまりペンデュラム召喚に馴れてないから、もうちょっと後じゃダメなの?」
「そ、そうは言ってもだなぁ...柚子...」
修造も大切な一人娘には強気に出れない。
「俺も構わない」
「遊矢!?」
修造の作戦に了承したこの少年。彼こそが塾生の一人にしてペンデュラム召喚の発見者、榊遊矢その人である。
「あのな、柚子。こんなに観客がいるんだ!エンタメデュエルをやるには調度いいじゃないかよ!観客に何も見せずに帰らせたとあっちゃあエンタメデュエリストの名折れだぜ?」
遊矢の顔はキラキラしている。
彼の父、榊遊勝が始めたエンタメデュエル(遊勝塾も創始者は榊遊勝だった)。ある事件が起きてから全く注目されていなかったデュエルを大勢の観客の前で披露できる。
父を一番に尊敬していた遊矢にとってはストロング石島とのデュエルも今回の刹那とのエキシビションデュエルも今は行方不明である父のエンタメデュエルを広めるまたとない好機なのだ。
父のエンタメデュエルを広めれば、いつの日か父が見つかるかもしれない。
その思いもあったが、実際にはより大勢の人を笑顔にしたい。人の笑顔が好きな遊矢にとってはそれが何よりの理由であった。
「その意気や良しだ遊矢。この漢権現坂もお前の覚悟をしかと見届けよう!」
遊勝塾と昔から交流のあるデュエル道場、権現坂道場の跡取り息子、権現坂昇も遊矢と刹那のエキシビションデュエルを楽しみにしているようだ。
「よし!決まりだ!二人とも、今からデュエルルームに行くぞ!」
「「はい!」」
「もう...」
仕方ないという表情をしていた柚子であるが、その表情には期待の顔も紛れていた。何だかんだ言って、彼女も遊矢のファンなのである。
☆
今日遊勝塾に見物に来ていた人々は困惑していた。
デュエル場の観戦室に通され、やっとペンデュラム召喚を見ることが出来るかと思えば、その肝心のデュエル場の照明は落とされ、何も見えない状態だったのだ。
ーどう言うことだ...?
ー何が始まるんだ?
周囲からの疑問の声が大きくなり始めた頃、デュエル場の照明が一部点いた。その照明は一人の少年を照らして、その少年への注目を高めさせていた。
「レディース・アンド・ジェントルメーン!
皆様、今日はこの榊遊矢のエンタメデュエルショーにお越しいただき、誠にありがとうございます!」
そう、その少年は遊矢だ。
丁寧にお辞儀しながら、これから何かをはじめる、その雰囲気を漂わせる丁寧な語り口で場を支配していく。
ーペンデュラム召喚を見に来た
とは誰も言えなかった。見物客の全てがその遊矢の語りに少しとはいえ呑み込まれていたからだ。
「さぁ!今日のエンタメデュエルの相手はー?
こちら!この遊勝塾唯一のシンクロ召喚使い!光晶刹那君でーす!」
遊矢が指を差した先が照明によって照らされ、刹那がその姿を現した。
ーおぉ!シンクロ対ペンデュラムか!
ーこれは見応えのある勝負になりそうだな...
刹那はペコリと遊矢同様丁寧にお辞儀する。実は刹那、内心では結構楽しいと思っている。表情には出ないだけで。
「じゃあ!早速デュエルを始めて行きましょう!それでは皆さんご一緒に」
「戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが!」
「モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!」
「見よ、これぞ、デュエルの最強進化形!」
「アクション…」
「「デュエル!」」
YUYA VS SETSUNA
アクションフィールド『ネオ・マイアミシティ』
周囲の景色が変わっていき、舞網市を模したデュエルフィールドとなった。いつもの舞網市と違うところといえば、車の交通量が少ないことだろうか。
「先攻はもらった!俺のターン!」
遊矢が先攻を取った。
「俺は
効果モンスター
星4/水属性/昆虫族/攻 500/守1600
(1):攻撃表示のこのカードが攻撃対象に選択された時に発動できる。
このカードを表側守備表示にし、その攻撃を無効にする。
シルクハットを被ったアメンボが遊矢の前に現れ、器用に二本足で立ち、観客に向けてお辞儀をする。
ー攻撃力500を棒立ちで出すのかよ!?
ーいや、何か特別な効果があるんだろ?
「その通り!このアメンボートには素晴らしい効果があるのです!それは見てのお楽しみ!カードを1枚セットしてターン終了!」
遊矢は観客の反応に律儀に返しながらもプレイングを続ける。
観客も段々とこの場に引き込まれているようだ。
榊遊矢
LP4000
手札:3枚
モンスター:EMアメンボート
魔法、罠:セットカード1枚
「俺のターン!ドロー!」
刹那はドローしたあと、遊矢は早速1枚目のアクションカード、池の真ん中にあるカードを取ろうとアメンボートに乗って移動を始めた。
ーなるほど、モンスターを使えばあんな場所にあるアクションカードでも取れるのか。
ーしかし、最初のターンはペンデュラム召喚しなかったな...
エンタメデュエルに感嘆の声を漏らす者もいれば、ペンデュラム召喚のみを心待ちにしている者もいるようだ。
「俺は
効果モンスター
星3/水属性/機械族/攻1500/守1500
「水晶機巧-シストバーン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「クリストロン」チューナー1体を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで
自分は機械族Sモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「水晶機巧-シストバーン」以外の「クリストロン」モンスター1体を手札に加える。
刹那の前に紫色の水晶を所々に身に纏ったロボットの竜が現れる。
「水晶機巧-シストバーンでEMアメンボートに攻撃!」
シストバーンが飛び立ち、遊矢を乗せたアメンボートに体当たりをする
「俺はEMアメンボートの効果を発動!このカードを守備表示にすることでそのアタックを無効にする!」
アメンボートが池の上で急速旋回をして水飛沫をあげ、シストバーンにかける。シストバーンはそれにびっくりして攻撃を中断してしまった。
「くっ...俺は水晶機巧-シストバーンの効果を発動!この効果で水晶機巧-シストバーン自身を破壊して、デッキから『クリストロン』チューナー1体を特殊召喚する!現れろ!
シストバーンは雄々しく嘶くと自らの体を飛散させ、その破片一つ一つが光を放った。
光が収まるとそこには水晶を身に纏った少年型のロボットが現れる。
「カードを1枚セットしてターン終了だ」
「お、ラッキー!アクションカードが2枚あった!」
遊矢は池の中央に到達し、まず池の中に隠してあったカードを取った。
光晶刹那
LP4000
手札:3枚
モンスター:水晶機巧-クオン
魔法、罠:セットカード1枚
「俺のターン!ドロー!」
遊矢は引いたカードを見ると、微笑をしてから観客の方に向き
「さぁ、皆さんお待ちかね!この榊遊矢のペンデュラム召喚をご覧にいれましょう!」
ー来た!
ーペンデュラム召喚が...!
「まずは下準備!アクション魔法『参加棄権』を発動!効果により自分フィールドのEMアメンボートをデッキに戻す!」
そして遊矢は2枚のカードを掲げた。
「そして俺はスケール1の星読みの魔術師と、スケール8の時読みの魔術師をペンデュラムスケールにセッティング!」
星読みの魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻1200/守2400
【Pスケール:青1/赤1】
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カード
または「オッドアイズ」カードが存在しない場合、
このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):1ターンに1度、自分フィールドのPモンスター1体のみが相手の効果で自分の手札に戻った時に発動できる。
その同名モンスター1体を手札から特殊召喚する。
時読みの魔術師
ペンデュラム・効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻1200/守 600
【Pスケール:青8/赤8】
自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードを発動できる。
(1):自分のPモンスターが戦闘を行う場合、
相手はダメージステップ終了時まで罠カードを発動できない。
(2):もう片方の自分のPゾーンに「魔術師」カード
または「オッドアイズ」カードが存在しない場合、
このカードのPスケールは4になる。
【モンスター効果】
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、
1ターンに1度、自分のPゾーンのカードは相手の効果では破壊されない。
そう言って遊矢はカードを2枚デュエルディスクの端にそれぞれ置くとデュエルディスクに虹色にPENDULUMの文字が現れた。
「これでレベル2~7までのモンスターを同時に召喚可能!」
それぞれに星読みの魔術師、時読みの魔術師が入った青い光の柱が2柱現れ
「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!現れろ、俺のモンスター達!」
天空には大量の青い光の玉が渦巻く巨大な穴が穿たれた。
「雄々しくも美しく輝く二色の眼!ペンデュラム召喚!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻2500/守2000
【Pスケール:青4/赤4】
「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の(1)(2)のP効果は
それぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分のPモンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージを0にできる。
(2):自分エンドフェイズに発動できる。
このカードを破壊し、デッキから攻撃力1500以下のPモンスター1体を手札に加える。
【モンスター効果】
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行う場合、
このカードが相手に与える戦闘ダメージは倍になる。
効果モンスター
星2/風属性/鳥獣族/攻 900/守 900
(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、
その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える。
穴の中から2つの光の玉が飛び出し、池の側に落ち、そこから2色の眼を持つ赤い竜、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンと刺々しいファンキーなサングラスをかけた全体的に刺々しい鷲、スパイク・イーグルが現れた。
ーモンスター2体を同時に!?
ー聞いた通りだな、ペンデュラム召喚...!
スパイク・イーグルは観客席に手(羽)を振っているが、観客からの反応がなくて少し不満なようだ。
それも尻目に池の真ん中に浮いていた2枚目のアクションカードを取った遊矢はオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに飛び乗り、アメンボートから乗り換えた。
「さぁ!お楽しみはこれからだ!」
遊矢は右手の人差し指を刹那とクオンに向けてそう宣言した。
「俺は表側表示のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンを対象にEMスパイク・イーグルの効果を発動!この効果によってオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは守備表示モンスターとの戦闘時に攻撃力と守備力の差分、相手に戦闘ダメージを与える!」
ー水晶機巧-クオンの守備力は500、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力は2500...
ーってことはいきなり2000のダメージかよ!?
観客からは驚きの声が聴こえるが、遊矢はそれに対してチッチッと指を振って否定し
「それだけではありません!なんとこの世にも珍しい2色の眼を持つ竜は、モンスターとの戦闘で与える戦闘ダメージを2倍にするのです!」
そう高らかに宣言した。
ーってことは...!
ー4000ダメージ!?
ーデュエルが終わるじゃねーか!?
「バトルだ!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで水晶機巧-クオンに攻撃!螺旋のストライクバースト!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの口から灼熱の光線が放たれる。
「くっ...!俺は水晶機巧-クオンの効果を発動!手札の水晶機巧-スモーガーを特殊召喚して、それらを素材にシンクロ召喚する!」
刹那の前にロボットの白い虎が現れ、クオンは1つの緑色の輪になり、スモーガーは3つの光球となった。
「俺はレベル3、水晶機巧-スモーガーにレベル1、水晶機巧-クオンをチューニング!」
そして3つの光球は1列に並び、緑の輪の中を通って眩い光を放つ。
「西方の守護獣よ、集いし結晶と共にその力を顕せ!シンクロ召喚!」
光が収まると、所々に金色を施した白鎧を纏ったロボットが現れた。
「
ー相手ターンにシンクロ召喚して!?
ーいや、それよりも、あいつは何処に消えた!?
ーって、声がモンスターの中から聴こえないか?
ーま、まさか、モンスターの中に乗っている!?
観客の動揺も尻目に刹那はクオンダムを駆り、低いビルの上にあったアクションカードを取る。
「アクション魔法『奇跡』を発動!これによりこのターンクオンダムは戦闘では破壊されず、戦闘によるダメージも半分となる!」
「
「何っ!?」
「さらにアクション魔法『ファイト!』を発動!これによりオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力はこのターン600ポイント上昇し、水晶機巧-クオンダムは攻撃表示となる!」
『モンスターファイト、レディ...ゴー!!』
何処からともなくアナウンスが聴こえ、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは闘志が燃え上がり、雄叫びをあげ、クオンダムも刹那の操縦を無視して迎撃態勢に移る。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ATK2500→3100
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン WIN!
ATK3100
VS
水晶機巧-クオンダム LOSE...
ATK1800
光晶刹那
LP4000→LP1400(EMスパイク・イーグルの効果で貫通+オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果でダメージ倍増)
「ぐあぁぁぁぁっ!」
クオンダムは破壊され、刹那が爆発の中から飛ばされて出てくるが、持ち前の運動神経で受け身を取りながら着地した。
着地先でアクションカードを見つけたが、今手札には先程発動し損ねた『奇跡』があるので手札に加えることが出来ない。
「水晶機巧-クオンダムの効果を発動!墓地から水晶機巧-スモーガーを守備表示で特殊召喚する!」
「さぁ、盛り上がってまいりました!これからデュエルは最高潮を迎えます、決して見逃さないでくださいね!俺はこれでターン終了!」
遊矢は観客への煽りも忘れずにターンエンドを宣言した。
榊遊矢
LP4000
手札:0枚
モンスター:EMスパイク・イーグル、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
魔法、罠:セットカード1枚
Pゾーン:星読みの魔術師、時読みの魔術師
ーやっぱペンデュラム召喚は凄いな...
ーいや、相手ターンにシンクロ召喚というのも中々...
観客もだんだんこのデュエルにのめり込んでいるようだ。
「俺のターン、ドロー!」
手札を見る。決定的ではないが、挽回が出来るカードだ。
「俺は手札から、禁じられた聖槍をオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに発動!これでオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力を800ダウンさせる!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
ATK2500→ATK1700
聖槍が何処からともなく現れ、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの胸元に刺さる。
ドラゴンは悲鳴をあげ、苦しそうに悶えたために背中に乗ってアクションカードを探していた遊矢は放り出されてしまった。
「うわぁぁぁぁ!?」
遊矢は地面に転がされ、アクションカードを探すのを中断させられてしまう。
「そして、俺は水晶機巧-スモーガーを攻撃表示にしてから、
効果モンスター
星4/水属性/機械族/攻1800/守1000
「水晶機巧-ローズニクス」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「クリストロン」チューナー1体を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時まで
自分は機械族Sモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分フィールドに「水晶機巧トークン」(機械族・水・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。
このトークンはリリースできない。
刹那の前に赤い水晶をあしらった鳥型のロボットが現れる。
「俺は手札のアクション魔法『奇跡』をローズニクスに発動して、バトル!俺は水晶機巧-ローズニクスでオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに攻撃!」
手札で腐った『奇跡』の処理をしながらローズニクスを攻撃させる。
ローズニクスはオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの胸元に刺さった槍を更に押し込もうと果敢に突進し、ドラゴンはそれに抵抗して光線を放つ。
水晶機巧-ローズニクス WIN!
ATK1800
VS
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン LOSE...
ATK1700
榊遊矢
LP4000→LP3900
ローズニクスがドラゴンの熱線を巧みに回避しながら突進、ついにその足が槍の柄にかかり、そのまま押し込んだ。
ーおぉ!ドラゴンを倒した!
ーあの少年も中々やるな...
「更に水晶機巧-スモーガーでEMスパイク・イーグルを攻撃!」
スモーガーは目を光らせスパイク・イーグルに襲いかかり、スパイク・イーグルはサングラスを落としながら慌てて逃げる。
「更に!アクション魔法『シューティングアーツ』を発動!これによりスパイク・イーグルの攻撃力は1000下がり、相手に500の効果ダメージを与える!」
『奇跡』を発動して手札に加えることができなかった先程のアクションカードを発動する。
刹那の手元に小型のビームライフルが現れ、その引き金を引いた。
銃口から桃色の光線が放たれ、スパイク・イーグルに直撃し、スパイク・イーグルはぐったりとダウンした。
更にその光線は止まらず遊矢の頬を掠め、背後の街灯を砕いた。
EMスパイク・イーグル
ATK900→ATK0
榊遊矢
LP3900→LP3400
そして、ぐったりと倒れたスパイク・イーグルをスモーガーが猛然と襲いかかり捕食してしまう。
水晶機巧-スモーガー WIN!
ATK1000
VS
EMスパイク・イーグル LOSE...
ATK0
榊遊矢
LP3400→LP2400
「俺はカードを1枚セットしてターン終了だ」
光晶刹那
LP1400
手札:1枚
モンスター:水晶機巧-スモーガー、水晶機巧-ローズニクス
魔法、罠:セットカード2枚
「俺のターン!ドロー!」
遊矢はカードをドローをしたあと、デュエルディスクの端を見て何かに気付いたようでニヤリと笑い、観客の方へ向いて、右手の人差し指を天に指した。
「さぁ、皆さんには振り子が織り成す奇跡をご覧にいれましょう!」
そう宣言すると、天に再び青い光球が渦巻き、穴を穿った。
「なんと!先程戦闘で破壊されたオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは墓地にではなく、エクストラデッキに行ってしまっていたのです!」
ーエクストラデッキ!?
ーどうやって回収するんだよ!?
「確かに、これでは墓地から出せません。そこで登場するのが?そう!ペンデュラム召喚!」
観客席からどよめきが起こる。
「さぁ、皆さんご一緒に。揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!」
天空の穴から1つの光球が飛び出し、遊矢の前に落ちる。
「再び現れろ、雄々しくも美しく輝く二色の眼!オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン!」
そして、二色の眼を持つ赤い竜が再び姿を現した。
ーエクストラデッキからも出せるのかよ!?
ー実質ノーコストで何度でも出せるのか...
「さぁ、バトルだ!」
「罠カード発動!デストラクト・ポーション!」
デストラクト・ポーション
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの
攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。
バトル中に発動できないのならば、バトルする前に発動すればいい。
それが時読みの魔術師と星読みの魔術師の対処法だ。
「この効果で水晶機巧-ローズニクスを破壊してライフを1800回復する!」
光晶刹那
LP1400→3200
「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンで水晶機巧-スモーガーに攻撃!螺旋のストライクバースト!」
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンから放たれた灼熱の光線がスモーガーを焼く。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン WIN!
ATK2500
VS
水晶機巧-スモーガー LOSE...
ATK1000
光晶刹那
LP3200→LP200(オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの効果でダメージ倍増)
「俺はこれでターン終了!」
榊遊矢
LP2500
手札:1枚
モンスター:オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン
魔法、罠:セットカード1枚
Pゾーン:星読みの魔術師、時読みの魔術師
「俺のターン、ドロー!」
ー行けー!ペンデュラムの!
ーよく防いだぞ!シンクロの小僧!
声援も両者に飛んでいるようだ。会場のボルテージはまさに最高潮を迎えていた。
「俺は墓地から水晶機巧-シストバーンと水晶機巧-ローズニクスを墓地から除外することで両者の効果を発動!シストバーンの効果により『クリストロン』モンスター一体をデッキから手札に加え、ローズニクスの効果によりクリストロントークン一体をフィールドに特殊召喚する!」
地面から赤水晶と紫水晶が飛び出し、内側から光を放ち割れたかと思えば、赤水晶から出た光はそのまま地面に落ち小さな赤水晶を生み、紫水晶からでた光は刹那のデッキに染み込み、カードを1枚手札に加えさせた。
「俺が手札に加えたカードは
クリストロン・エントリー
通常罠
「クリストロン・エントリー」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の手札・墓地から「クリストロン」チューナーをそれぞれ1体ずつ選んで特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの
「クリストロン」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルと異なるレベルを持つ「クリストロン」モンスター1体を
デッキから墓地へ送る。
対象のモンスターのレベルは、墓地へ送ったモンスターと同じになる。
この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。
「この効果で特殊召喚するのは、手札の水晶機巧-リオンと、墓地の水晶機巧-クオンダム!」
チューナー・効果モンスター
星3/水属性/機械族/攻 500/守 500
「水晶機巧-リオン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、
チューナー以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、
そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をS召喚する。
その時のS素材モンスターは墓地へは行かず持ち主のデッキに戻る。
黒水晶が刹那の前に現れ、それが砕けて中から少年型のロボットが現れる。同じ少年型のロボットであるクオンよりも冷血漢の感じがするロボットだ。
それから刹那は現れたクオンダムの胸部にあるコックピットに乗り込んだ。
「刹那、クオンダム、出る!」
背部のブースターを点火し、大空に飛び出した。
「更に、レベル1、水晶機巧トークンにレベル3、水晶機巧-リオンをチューニング!」
赤水晶は1つの光球に、リオンは3つの緑の輪にその姿を変え、光球が緑の輪に入ると強烈な光を放った。
「集いし結晶が、新たな力を掴む腕となる!光輝け!シンクロ召喚!アームズ・エイド!」
アームズ・エイド
シンクロ・効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻1800/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、
または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。
この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
光が収まり、そこには物々しい紅い爪を持つ機械の腕が現れた。
「そして、アームズ・エイドを水晶機巧-クオンダムに装備!」
それがクオンダムの右腕に飛んできて、ガッチリと嵌まる。
水晶機巧-クオンダム
ATK1800→2800
ードラゴンの攻撃力を上回った!
更にクオンダムは大空を飛び、アクションカードをゲットする。その隙に遊矢もオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに乗ってアクションカードをゲットしたようだ。
「アクション魔法『キング・オブ・ハート』を発動!効果によりクオンダムの攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
クオンダムの右手、アームズ・エイドが嵌まっている方の手の甲にハートに2つの剣が交差している紋章が浮き出た。
水晶機巧-クオンダム
ATK2800→3800
「俺もアクション魔法『奇跡』をオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンに発動!」
遊矢もアクション魔法を発動する。
ー奇跡が使われた!
ーもうダメか!?
「まだだ!魔法発動!
クオンダムの機体が薄紅色に輝き、その右手には黄金の輝きが発現した。
水晶機巧-クオンダム
ATK3800→7600
ーな、7600!?
ーこれは、もしかして!?
「ラストアタックだ!水晶機巧-クオンダムでオッドアイズペンデュラムドラゴンに攻撃!」
クオンダムは薄紅色と黄金の交じった流星となり、オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンへと向かう。
クオンダムの右手が真っ赤に燃える!
勝利を掴めと轟き叫ぶ!!
「爆熱ッ...!ゴッドフィンガァァァァァ!!
クオンダムの右手は見事にオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの頭部を掴み、握った。
「ヒート...エンドッ...!!」
そして、クオンダムが右手を握り潰すとオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンは真っ赤に爆発した。
水晶機巧-クオンダム WIN!
ATK7600
VS
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン LOSE...
ATK2500
榊遊矢
LP2400→0(奇跡の効果によりダメージ半減)
SETSUNA WIN!
☆
「あいててて...えー、皆さん!今日はこのエンタメデュエルショーにご来場頂き、誠にありがとうございました!お駄賃、おひねりは結構でございます。皆さんの笑顔こそがエンタメデュエリストにとっての何よりもの報酬でございます故。では!お気をつけてお帰りください!」
遊矢は爆発で吹き飛ばされた後でも、見物人を気遣いながら閉幕の挨拶をした。
そしていよいよ出番かと修造が入塾手続きの雨霰に覚悟をしていると
ーあー、いいデュエルだったな...
ーペンデュラム召喚でも対策はあるみたいだな
見物人は皆修造の前を通りすぎ、そのまま帰っていってしまった。
「へ?アレっ!?」
そんなすっ頓狂な声をあげると、柚子が修造のもとへと近づき
「ねえ、お父さん。気づいたんだけどさ...見物の人ってもしかして、ペンデュラム召喚の対策のために他の塾から観てこいって言われてた人達なんじゃない...?」
と、今までの発言から気づいたことを修造に言った。
「ああーっ!!」
「あっはっはっはっ!気づかなかったなー!」
「ちょっと遊矢!何で能天気に笑ってんのよ!?」
「楽しいエンタメデュエルが出来たんだ、それで良いじゃねえかよ!俺の見る限り、皆笑ってたぜ?」
「それは、そうだけど...」
実際、見物人も柚子も遊矢も、皆が笑ったデュエルになっていた。
「確かに、凄い楽しいデュエルだったよね!」
「シビレたぜー!」
「遊矢、刹那!お前達のエンタメデュエル、確かにこの漢権現坂の胸にも届いたぞ!」
「あ、あの...!」
遊勝塾の面々が談笑していると、一人の小さな男の子が話をかけてきた。
「どうしたんだ、僕?」
「あの、僕、この塾に、遊勝塾に入りたいんです!お兄さん達の楽しそうなエンタメデュエルと、カッコいいロボットに憧れたんです!」
刹那はまさか自分のことが話題に出るとは思っておらず、さらに初めて面と向かってクオンダムを褒められたので嬉しいやら恥ずかしいやらでどんな反応をしていいか迷っていると、遊矢が肩に手をかけてきて言った。
「刹那、こういう時は思いっきり笑おうぜ」
刹那はその一言に背中を押されたようで
「あぁ...そうだな」
そう言って子供に近づき、目線までしゃがんでから話しかけた。
「君、名前は?」
「タツヤ、山城タツヤです!」
タツヤの頭を撫で
「ありがとう、タツヤ」
微笑みながら、そう言った。
遊勝塾の面々も、タツヤも、刹那も、皆が笑顔になった。
次回予告
刹那「突如LDSが遊勝塾に襲撃を仕掛けきた」
遊矢「LDSからの刺客との勝負に勝てなければ遊勝塾を潰すと言い出してきたんだ!」
刹那「しかし、俺の相手は当初予定されていた刃ではなく謎の乱入者になってしまう」
?「初めましてだな!クオンダム!」
刹那「強力なプレイングを繰り広げる相手に、俺は勝てるのか?いや、クオンダムを、俺を信じるだけだ!」
?「次回、乙女座の男!」
刹那「俺が、クオンダムだ!!」
☆
漫才フェイズ
遊矢「いやー、刹那とクオンダムの合体はやっぱカッコいいな!権現坂!」
権現坂「うむ!この漢権現坂も『超重武者・権現坂ビッグベン-K』となってみたいものよ!」
遊矢「お!いいな、それ!カッコいいじゃん!じゃあ、俺も『オッドアイズ・遊矢・ドラゴン』を...」
柚子「やめなさい!」
刹那「カッコいいと思うんだがな...」