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「台湾」の物語です。
数年前、mixi日記に書き、はてなダイアリーにも転載したものです。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1202214983&owner_id=631443
http://d.hatena.ne.jp/popoi/20090620
「この世界の片隅に」アニメ映画版を観て、そう言えば昔、こういうのを書いたっけと思い出し、ハーメルンにも転載してみようかと思った次第です。
貧しい娘Aが居ました。
或る旧家の当主が、妾に産ませた子供でした。
ろくな環境に置いていませんでした。
この男は事業に失敗し、借金のカタに、娘を債権者に売り飛ばしました。
債権者の成金男は、Aをレイプしました。
男は、Aやその母親に、慰謝料や養育費や生活費は潤沢に渡し、Aとその母親や弟妹は、生活環境だけは好転しました。
でも、Aは、そのまま成金の妾にされました。
理不尽と思い抵抗したら、死ぬほど殴られました。
姉の為に抵抗した弟たちが、何人か殴り殺されました。
そのうちに、Aは、娘Bを産みました。
やがて、Bは、父親の家に引き取られました。
育ちの悪い妾腹の子供ということで、正妻の子供達(異母兄弟姉妹)に虐められましたが、そして父親からの愛情も感じませんでしたが、教育環境は申し分無く、衣食住などには不自由しませんでした。楽しいことも有りました。
Bは、話に聞いた母Aの幼少時よりは、ずっとマシだと思いました。
父の家には、同様の身の上の異母姉が居ました。諦観と共に温和しくしています。
やがて、同様の身の上の異母妹が出来ました。気が強くて、一再ならず反抗しています。
Bは、たまに、殴られた母Aの姿や、殺された叔父達のことを思い出しますが、だからと言って、この家を出ていける自信は有りません。
或る日、Bの父が破産しました。
その後、色々有りましたが、Bは、今は自立しています。
母方の祖父(Aの父)の孫の1人と強制的に結婚させられ、悔しいことや大変なことも多かったですが、何とか生活しています。
或る程度、家業を盛り返した父の家の、正妻の子供達(異母兄弟姉妹)や、その子供達とも、付き合いが有ります。
ご近所です。仕事での関わりも有ります。上手く付き合いたいと思います。
父の家と、上述の異母妹の一家や母方の祖父の本家の関係性よりは、良好に付き合えている積りです。
Bは、自分の生まれや育ちを、ことごとく無価値だったとまでは思っていません。
ですが、子供達の一部や、父とその正妻の孫達の一部(祖父の旧悪を恥じているようです)などが言います。
「母さん(叔母さん)は可哀想だ。ろくなことが無かった」
父やその正嫡の子供達の悪事については同感ですが、自分の半生を、そこまで否定されるのも、違和感が有ります。
その一方で、母Aや叔父達の受けた仕打ちや、自分が過ごした父の家の日々を思うと、自分としても、ネガティブな方向で、多少は、言いたい事も無いでは有りません。
ですが、それを言うと、父の正嫡の孫達の一部が、こちらは祖父を悪く言われるのが不快な様で、気が狂ったように文句を言うのでした。
「貴女や貴女の母親は幸福だった筈だ!」
【お前達に、私達の何が判る。】
Bは、そう思いました。