提督と利根さん、とか。   作:zero-45

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じゅうごにちめ

「のぉ提督よ」

 

「何だ利根」

 

「ちょっと聞きたいのじゃが、前にドラム缶風呂があった辺りから麓までの斜面がコンクリで固められておって、途中までレールが敷かれて放置されておるのじゃが、お主アレに心当たりは無いかの?」

 

「あーあれな、ちょっとした事情があって整備する事にした」

 

「事情? またなんぞ突拍子も無い事を思いついたのか?」

 

「いやほら最近ブリ漁が暇になって早朝のバイトが無くなっただろ? だから空き時間にブランチマイニングしてんだけどさ」

 

「今の発言には突っ込み所以外の物が無い気がするがまぁ良い、で? そのブランチマイニングとあの斜面の有様がどう繋がるのか教えてくれんかの」

 

「んとな、最近鎮守府直下の鉱石は掘り尽くしちまったみたいだから、ちょっと新しい採掘場所を求めて範囲を広げてみたんだが」

 

「ちょっと待つのじゃ、幾ら地下深くの物を採掘するとは言え他人の土地を勝手に掘り返すのは不味く無いか?」

 

「ああそれだけど、一応この山と裏の山はウチの土地って事になってるからな、採掘はその範囲でやる事にしてる」

 

「マジか、ウチは何かやたらと土地だけは広いの……と思ったが、殆ど利用価値の無い斜面の状態じゃからありがたみが感じられんと言うのがまた……」

 

「でだな、そのブランチ中にちっさい廃坑にぶち当たってだな、ちょっと沸き潰ししてみたんだが……」

 

「廃坑ぅ? 廃坑ってアレか、既にここいらでは何かしらの鉱石が採掘されておったと言う事か」

 

「まぁ色々鉱石は剥き出しだし、レールも回収出来るし、チェストトロッコも発見したから収支はプラスと言えなくも無いがな」

 

「チェストトロッコぉ!? 待つのじゃお主! それは廃坑は廃坑でもマイ○ラの廃坑の事を言っておるのか!? なんじゃここら辺はマジでおかしいじゃろ!」

 

「いやそれが多分土地生成が上手くいかなかったんだろうな、廃坑もちょびっとだけで終わってて、続きは他のチャンクに飲み込まれてたわ」

 

「土地生成って何じゃ! リアルじゃフィールドが生成なんぞというプロセスは存在せんからな!? チャンクとかも無いからな!? 何じゃその飲み込まれてたって!?」

 

「しかもチェストトロッコの中身はスイカの種と骨だけっつー外れ状態」

 

「いやチェストトロッコて誰が置いたのじゃそれ……てか宝箱開けたら中にはスイカの種と骨だけがコロンと入っとるて良く考えればシュールな絵面(えづら)じゃの……」

 

「まぁそんな訳でレールもそこそこ回収出来たし、緊急出撃用のシステムを組もうと思って斜面にコンクリを吹き付けてな、そこにレールを敷設したんだが途中で問題が発生しちまってよ」

 

「いやいや何がそんな訳でじゃ、たった一晩で数百mもコンクリ処理してレールまで設置するとか、普通あり得んぞ?」

 

「ああそれな? 超早強セメントなら24hで1wの強度が出るから問題は無い」

 

「何かまた訳の分からん専門用語が飛び出しおったがそれに付き合うと頭が痛くなるからスルーするとして、そこに何の問題が発生したのじゃ」

 

「斜面から向こうは他人の土地だからレールが敷けねーのな、だから海まで届かねーって事が発覚した」

 

「いやその辺りは普通施工前に気付くじゃろ……だから斜面の途中でレールが途切れておるのか、何をやっておるのじゃお主は……」

 

「いや、実はその辺りの問題はクリアして既に竣工を終えている」

 

「……何じゃと? また"ました工法"なのか? 我輩そのパターンは物凄く嫌な予感しかしないのじゃが……今度は何をしたのじゃ」

 

「それなんだけどな、ほら、そこにあるレバーを引いてみろ」

 

「何じゃこの断崖に不自然な形でぶっ刺さっとる棒は……これはレバーじゃったのか? これを引けって……うーわ! 何じゃあれは斜面の下半分からレールがせり出してきおったぞ!? て言うかおい何じゃアレは! レールが上に向かっておる!?」

 

「レールが途中までしか敷けねーなら残りは空を飛ぶしかねーって思ってな、事前に運動エネルギーと物体速度の関係は計算済みだからちゃんとアレで海まではジャンプして届く筈だ」

 

「待たんか! 飛ぶって何じゃ! て言うかあのニョッキリ生えてるレールはジャンプする為の物じゃと言うのか!?」

 

「おう、一端麓に向って滑走し、その勢いで飛ぶ、無駄の無い設計だろ?」

 

「……そう言えばお主昨日銀河○道999のDVD見ておったな、コレはアレか、例の999が空にポッポーするアレを見て思いついたのか……」

 

「ロマンと実用を兼ねた美しい造りになってるだろ?」

 

「いやいやいや待つのじゃ! ロマンや見た目よりも先ずアレで何を海へ飛ばすと言うのじゃ! まさか我輩がアレで抜錨するなんて事は無いじゃろうな!?」

 

「あーお前の貧相な胸じゃ滑走時の運動エネルギーが稼げんから無理だぞ? これはお前用じゃなくて母艦運搬用のシステムな」

 

「何でフライハイするのに我輩の胸が関係すると言うのじゃ! って待つのじゃ……母艦じゃと?」

 

「おう、折角工廠もある事だしウチにも艦娘用の母艦を用意しようと思ってな、漁協で使わなくなったプレジャーボートを貰えたからそれを改修して作ってみた」

 

「また自作したのか……ってうーわ何か真っ黒の禍々しい船が工廠に……っておい提督よ」

 

「何だ?」

 

「この船の外装……これはまさか……」

 

「ああ、母艦として抜錨するならグラスファイバー製の外装じゃ強度に問題があるだろ? だからイ級アーマーを張っ付けて補強してみた」

 

「やはりか!? またイ級の装甲なのかこれは!? て言うかイ級の外殻万能過ぎじゃろ!? そもそもこれだけ大量のイ級アーマーは一体どこから持ってきたのじゃ!?」

 

「ん? ああそれなら夏になると村外れの砂浜に脱皮したイ級の外殻が良く流れ着くらしくてな、町内の美化活動の一環として海岸を清掃するから割とその時に回収されたブツが村に備蓄されてるっつーか」

 

「脱皮!? イ級て脱皮するのか!? むしろ処分に困る程海岸に流れ着くてどんな状況なのじゃ!?」

 

「さあ? 近くにイ級が回遊するエリアとかあんじゃね?」

 

「それはそれで問題があると思うのじゃが……しかしウチも母艦を持つまでに規模が拡大したか、なかなかコレはコレで感無量じゃのう」

 

「まぁ母艦つってもまだ武装は開発してねーからな、暫くはこれで海に出た時は小型戦闘艇を出して迎撃しなきゃなんねーだろうが」

 

「む? 小型戦闘艇とな? それには武装が装備されておるのか?」

 

「いやほら、エクスカリバー(丸太)じゃこの船で振り回しても海面まで届かねーだろ? だから小型戦闘艇で出て相手に届く距離でシバく為にだな」

 

「あくまでお主のメインウェポンは丸太なのじゃな……して、その小型戦闘艇とはどこにあるのじゃ?」

 

「ん? ああ母艦に積むには場所を取ると思ってな、普段はインベントリに入れてあって、使う時に出すよーにしてあんだけどよ」

 

「……インベントリぃ?」

 

「おう、常時4艇程は常備してある状況だけど、ほらボートってスタック出来ねーから一応作業台と材料も入れて対応してある」

 

「ってスタックって何じゃ!? そもそもインベントリって何を言っておるのじゃお主は!? リアルじゃそんな四○元ポケット的な収納は存在せんからな!? 物を重ねて収納なんて不可能じゃからな!?」

 

「○次元ポケットて何だよMODでも導入してんのか? 普通スロットの仕様は常用で9、収納が27の計36だろ? 何言ってんだお前は」

 

「何言ってるとかそれは我輩の台詞じゃバカモンが! 何でゲームの仕様がリアルに反映されておるのじゃ! ちょっと考えればそんなのはおかしいって気付くじゃろーが!?」

 

「まぁMODを導入するのは勝手だけどよ、ちゃんと管理だけはしとけよ? 変に何でもかんでも導入したらMOD同士で干渉しちまってマ○クラが落ちる可能性があるからな」

 

「だからリアルとゲームを混在させるでないわっ……ったく、して提督よ」

 

「何だよ」

 

「この母艦をイ級アーマーで補強したのは良いのじゃが、重量がクソ重たくなって航行スピードが出んのでは無いか?」

 

「ああそれな、確かに重量は増えたがそれに対応して機関の方もグレードアップしたから問題は無い」

 

「ほう? そうなのか」

 

「おう、ほら建造とかドロップでダブった時って艤装が余るだろ?」

 

「うむ? いきなり何を言っておるのじゃ……て言うかまぁ確かに艤装のダブりに関しては現状そんな感じじゃが……」

 

「んで駆逐艦とか軽巡って改装に使うのも微妙だしすぐ解体して資源に変えちまうじゃねーか」

 

「ふむ、あるあるじゃの」

 

「でもほら大型艦とか空母系の艤装って対空のステータス上げるのに重宝すっから常時幾らか備蓄してね?」

 

「ああそっち系は割りとそんな感じかも知れんのぅ」

 

「んでここで問題になって来るのは航巡の艤装な訳だ」

 

「……うん?」

 

「航巡の艤装って全てのステータスを上げる事は出来るが代わりに上昇数値は微妙だろ? でもその割にはなーんか資源にするのは勿体無いって感じでよ、微妙に使いどころに困るから、気付いたらいつの間にか母港枠を圧迫してるって状況になってたりするじゃねーか?」

 

「ま……まぁそうかも知れんの」

 

「で、その余ってる航巡の艤装を六台連結して母艦の機関として使ってみた」

 

「はぁ!? 航巡の艤装を船の機関に利用したじゃと!? そんな事が可能なのか!?」

 

「おう、前から考えてはいたんだがピエトロが色々と調整したお陰で何とか完成に漕ぎ付けたぜ、んで艤装は先輩とこで余ってた筑摩のヤツを利用してほらこの通り」

 

「うわぁぁぁーーー筑摩ぁぁぁぁぁぁぁ!? 筑摩ぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「まぁ利根型の艤装はオリョクルしてっと自然に溜まるモンだしな、解体するよか有効利用だと言う事で」

 

「くっ……確かに無下に潰されるよりはまだマシなリサイクルじゃとは思うが、何故よりにもよって筑摩なのじゃ」

 

「あ、それな? ほらちょっと船のそこ、アクリルの甲板の上に乗ってみ?」

 

「ん? アクリルてこの透明のとこか? こんなとこに乗って一体何が……ってうーわ! 何か筑摩の艤装がキラキラしだしたぞ!? 何じゃこれは一体どうしたのじゃ!?」

 

「いや、その艤装を送ってきた箱の中にな、筑摩の艤装は利根のスカートの中身を見せたら自己回復したりキラが付くから便利ですって説明書きが入ってて……」

 

「サブロオオオオォォォォォォ!!」

 

 

 


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