烈風:平賀 カリーヌ   作:ポギャン

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 約一月ぶりの投稿になりまして、申し訳御座いません。

月2回、投稿すると言っておきながら出来なかった事はお詫びのもうしようもありません。

仕事やプライベートが忙しい事は理由にならないですから。

次はなるべく早く投稿する様に心掛けますね。




十一話:カリーヌの16年その三B

 

 カリーヌが開発した新魔法『エア・コンプレッサー』が完成して既に2年ほど経った200X年3月中盤。

 

この2年の間は平賀家にとっては様々な出来事が有ったが、中でも特に印象的だったのは祖父の才助が孫の才人の幼稚園の入園祝いに平賀一家4人をアメリカ西海岸2週間への旅行をプレゼントした事が一番の思い出深い出来事であった。

 

「よう海人。久しぶりだな。相変わらずカリーヌちゃんはきれいだし……才人も元気だったか……お、この将来絶対美人まちがいなしのべっぴんさんはティアナか」

 

全く変わらない軽くて陽気な男は平賀 海人の親友というより、悪友と呼ぶほうが相応しい主にフリーの傭兵を日々の糧の生業にしている早瀬 平八郎であった。

 

「………平八郎……お前はまったく変わってないなぁ……まあ、それがお前の唯一の取り柄だからな」

 

海人と平八郎。二人の間には虚飾の言葉は要らないくらい、お互い普段どおり振る舞える間柄である。

 

「平八郎さん。この度は私の急なお願いを聞き届けて下さり。誠に有り難うございます」

 

「おいおい、よしてくれよカリーヌちゃん。そんなよそ行きの他人行儀みたいなセリフはよ、なんかこう聴いてて背中が無ずかゆくなるから、やめてくれ……俺とカリーヌちゃんの仲なんだからよ」

 

そう言って平八郎はカリーヌに近づいてその綺麗でしなやかな左腕に触ろうとした瞬間

 

突如、男の引き締まって精悍で逞しい(たくましい)腕が横から現れて平八郎の右腕を強引に振り払った。

 

「馴れ馴れしくカリーヌの身体に触れるな! 平八郎! 」

 

「ちぇ、ケチ臭いな。美人なご婦人のきれいな腕を触るくらいの事はゆるして欲しいなぁ……旦那さんよう」

 

「誰がお前のような女誑しに大事なカリーヌの柔肌を触れさせるか! 」

 

茶目っ気たっぷりに親友をからかう気満々の平八郎に対して、絶対阻止の気構えの夫。海人と平八郎の二人のやり取りを見て

 

「クス……うふふふ」

と、微笑みを浮かべ小さく笑った表情になっているカリーヌであった。

 

「才にい。平八郎おじちゃんとパパはなか悪いの? 」

 

「いや、違うよティア。あれが父さんと平八おじさんの何時ものアイサツだから、別に中が悪いわけじゃないから」

 

物凄く愛らしい表情で疑問に思っていることを大好きな兄才人にティアナは可愛い声で問いかけていた。

 

それに対し才人はあれが二人の何時もどおりの友情の確認のしかた

だから、あまり気にする事じゃないよと疑問に応えるように返事をしていた。

 

「海人さんも平八郎さんもそれくらいにして下さい。ティアナが訝っていますから、この辺でやめたほうが良いですよ」

 

そう言ってニッコリと一見微笑むような表情をカリーヌは浮かべていたが、よくみるとその瞳は笑ってはなくて真紅のオーラを宿しているくらい燃え上がっているようです。

 

それに気がついた海人と平八郎の愚か者たちは少し震えるみたいになって

 

「そう、そうだな……か、カリーヌの言うとおり……大人気ない事はや、やめに……しよう……」

 

「うん………海人……全くその……とおり……だな……俺たち……分別のある………大人……だからな……」

 

こう言って身体全体を震えさせながら息をぴったり合わせ仲良しな言葉を吐き出すように述べていた。

 

平賀家の家族が平八郎による茶目っ気たっぷりの出迎えをうけた場所はアメリカ西海岸で略称でロスと呼ばれている太平洋に面した都市の中でも一番人口が多い大都市にある国際空港の施設内の一区画であった。

 

これから早瀬 平八郎の車でネバダ砂漠内にある合衆国国防省と提携している民間軍人会社(所謂、傭兵を多数集めて主にアメリカ政府の依頼を請けて各地の治安が良くない危険地帯へ派遣するのが主な業務な組織である)が保有しているネバダ砂漠に在る特別訓練基地へ今から向かうのだった。

 

「さあ、着いたぜ。海人と子供たちは車から降りたらそこに突っ立てる金髪美人ねえちゃんと一緒に訓練基地の食堂へ行っててくれ。丁度お腹空いてるだろ、此処の飯は旨いからな3人で食べていてくれ……俺とカリーヌちゃんは早速訓練場所に行って軽く模擬戦して一汗かいてくるから、待ってな」

 

「解ったよ。じゃあ行くぞ。才人、ティアナ。奥さん存分に楽しんできたら良いよ。こいつなら少々やりすぎてもいいから」

 

「おい! 親友なんだからよ……もう少し労っても良いだろうが」

 

「お前みたいに図々しい奴にかける言葉なんかあるか! 」

 

とか

 

「ひでえ親友だ。こうなったら俺がカリーヌちゃん仲いいところをアピールして海人に思い知らせてやるぞ! 」

 

など、端から見ていて突っ込むのがバカバカしくなる程。仲が良い二人にカリーヌや子供たちは

 

「ほんとに息が合うみたいに仲が良いわね」

 

「父さんと平八おじちゃんは何時もどおりだ」

 

「パパとおじちゃん仲良しなの~」

 

と言って暖かな表情で二人を見つめていた。

 

和気あいあいとなった雰囲気のまま、各々は二つに別れ目的地へ向かった。

 

目的の訓練場所に到着した二人は直ぐ鍛練という名の模擬戦にはいるのだったが………。

 

「なぁ、カリーヌちゃん……一応、海人から君が魔法と呼ばれるファンタジーみたいな特殊技能を持っている事は事前に聞いて了解しているつもりだ

 

そうじゃなきゃ、この場所に設置しているカメラを今日だけ取り外すことなんか基地司令に頼めなかった」

 

これから模擬戦を開始する直前に早瀬 平八郎は普段のような砕けた物言いはまったく無く

 

少し剣呑な雰囲気を纏わせながらカリーヌに淡々と問いかける。

 

「私に何か訊ねたいことが有るのではないですか」

 

雰囲気を察したかの様にカリーヌは普段みたいな柔らかい口調ではなく、少し堅い表情で言葉を述べていた。

 

「………はっきり言うとカリーヌちゃんは何がしたいんだ」

 

「何がしたいとはどの様な意味でしょう………」

 

平八郎の問い掛けの言葉に対しカリーヌは真意がわからず正直に訊ねた。

 

「俺が何を言いたいかカリーヌちゃんが解らないから、言うけど……今の平和な日本で魔法みたいな物騒な技術を磨く必要性は何処にも無いだろう

 

それなのにカリーヌちゃんはアメリカまで来て実戦に等しい模擬戦を俺の様な普段から火薬の匂いが染み付いて取れないロクデナシに頼むその心意はいったい何なんだ……カリーヌちゃんの返答次第によるけど……海人達に危険を及ぼしかねないと俺が判断したら、躊躇すらしないで……殺す……」

 

カリーヌに対して殺意を述べた時の平八郎は凶悪なほどの殺気を周囲に放っていた。

 

「…………やはり、初対面の時から海人さんが気がつかないくらいの微かな殺気を平八郎さんから感じていたのは私の勘違いじゃなかったようですね」

 

海人との結婚式に出逢った時から平八郎に感じていた際間の正体をようやく理解したカリーヌであった。

 

「カリーヌちゃん………正直に答えてほしい。君は何を考えなにを望んでいる」

 

真意を問い質す平八郎にカリーヌは

 

「私が魔法に研きをかけ、各種格闘技を習いおぼえのは……家族を護ることのためです! それ以外何も考えていないわ! 」

 

真剣な表情になって、真っ直ぐな瞳でカリーヌは平八郎を見つめ返していた。

 

「…………カリーヌちゃんのその眼差しをみるにさっきの言葉にうそや偽りはないな………ふう……これでカリーヌちゃんと殺りあう事がないと解ってひと安心の気分だ………言い過ぎた事に関してはこの通り謝る。すまん」

 

真剣な気持ちで訊ねた相手の本心が解って安堵の表情をみせた平八郎は両手をぴたり腰につけると理想的な角度で頭を下げ謝罪した。

 

「……人に信頼して貰うという事が何れ程困難なのか今日初めて解った気がします」

 

カリーヌは自身の今の心境を語っていた。

 

「平八郎さん。気にやまないで下さい。それより今日はどの様に素敵な催しを用意してくれているのかしら? 」

 

カリーヌの質問に平八郎は不敵にも“ニヤリ”といった顔で

 

「カリーヌちゃんの魔法が何れ程威力があるか、確認したことのない俺にゃあどの程度標的を集めていいか解らなかったから……取りあえず古いモノからわりと新しいのまで用意しといた」

 

平八郎自身が所属するアメリカ民間軍事企業が保有する訓練基地内にある広い演習場に置かれていたのは古い年代順で紹介すると

 

M4シャーマン中戦車の各型から始まり。M24軽戦車にM46やM47に各型のM48。更にM60A1及びM60A3などのここ60年以内に使用されていたアメリカ陸軍と海兵隊が主力にしていた中戦車、主力戦車と極僅かの軽戦車を含めた数十両が演習敷地内に置かれていた。

 

「平八郎さん……これらの戦車が標的ですか? 」

 

「あぁ、そうだよ。だからカリーヌちゃんの好きにして良いよ。古かったり、壊れているモノばかりで中古兵器として売ることも出来ないからな……遠慮なく派手にやってくれ」

 

平八郎からの説明でここに置かれた戦車は的にしか使えないから、魔法で破壊してもOkだと言われたカリーヌは早速杖を構え「エア・カッター」と手近な戦車へ呪文を唱え打ち放った。

 

戦車の砲塔側面に命中した“瞬間”カシュンと乾いた様な音を発して『エア・カッター』は装甲に弾かれそのまま霧散する。

 

「へえ~初めて魔法見たけど……ほんとに不可視なんだなぁ」

 

初めて魔法を見た平八郎の感想は淡々とした言葉であった。

 

「……戦車の装甲は中々のモノみたいですね。これなら全力で打ち抜いても簡単に壊れないわね」

 

カリーヌが嬉しそうな表情で平八郎に語ったその直後『エア・ハンマー』を再び先ほどの戦車へ打ち放ち命中させていた。

 

物凄い轟音を伴った『エア・ハンマー』が戦車に当たった直後、数十トンはあるはずの物体は最低で50メートル以上の高さまで舞い上がると当然つぎは物理的法則に従い落下して轟音を発して地面に激突して突き刺さった。

 

「お、すごいな~魔法がこんなに威力有るなんて正直思わなかったぜ」

 

平八郎は右手を額にかざしながら、魔法の力に感心するかの様な口ぶりであった。

 

「こん事はまだ序の口です。残りの戦車も全て打ち砕いてよろしいかしら」

 

瞳を輝かせ頬を朱に染ながらカリーヌは質問する。

 

「……あぁ、遠慮なくやってくれよ。それにしてもカリーヌちゃんの魔法は俺の想像を遥かに超えるくらい……すげえは……」

 

平八郎の御墨付きをもらったカリーヌはこの後、各種の呪文唱え派手に魔法を連続で打ち放っていた。

 

終ってみると僅か30分足らずの時間で演習場に存在していた戦車の全てが

 

あるモノは『エア・カッター』で車体がボロクズみたいに切り裂かれていたり、その横のは『エア・ニードル』と『エア・スピアー』によって車体全体が穴だらけ状態である。そこから先には『ライトニング・クラウド』の直撃をうけて車体から煙が立ち上るモノもあった。更にカリーヌ得意のブレードにより車体が真っ二つになった車両が数台。

 

なかでも圧巻だったのは十両もの戦車を纏めて一撃で木っ端微塵に砕いたのは科学知識を用いて開発した『エア・コンプレッサー』のとんでもない威力である。

 

いくら中古で装甲品質が経年劣化していたとはいえ、これ程の結果をカリーヌが発揮したのは訳があった。

 

ハルケギニアの系統魔法を単純に説明すると、その当事者メイジが持つイメージで各種の魔法の威力の増減が決まっていた? だから地球で各種科学の知識を知ったカリーヌの今まで使いなれた各種魔法の威力もハルケギニアに居た時よりも、洗練され増幅していたので遥かに桁違いの破壊力を実現させていたのが真相だった。

 

平八郎が壊された車両の実地検分すると一台だけ、砲塔正面が凹んでヒビ割れているだけのモノを見つけたから、翌日に訓練基地での夕食の時カリーヌに理由を訊ねると返ってきた答えが

 

「……ちょっと恥ずかしい事ですけど……ある放送番組で観ていたレールガンの情報を私なりに解析して作成中の新魔法『レール・アロー』を試しに使用したのですが………白状しますけど……私、錬金の魔法が苦手で上手く出来なくて……矢の強度が足りなくて命中した途端砕けていたの……あまりの初速の速さに矢の方が……」

 

新魔法に失敗して余程ハズカシかったのか、カリーヌは顔全体を朱に染め上げていた。まあ、ようは錬金による強度が不足しておりカリーヌが打ち出すレールガンのあまりの初速に品質が追いつかなかったのが真相であった。

 

カリーヌが派手に魔法を使用して戦車を破壊した後、早瀬 平八郎と一対一の個人戦を開始していた。

 

「お願いします。手加減抜きの本気でお相手して下さい」

 

カリーヌの言葉に対し平八郎はこう返した。

 

「う~ん……俺が本気出したら怪我で済まないよカリーヌちゃん」

 

「怪我をする事は承知のうえでお願いします。平八郎さん」

 

最初は乗り気じゃ無かった平八郎であったが、真摯な姿勢で頼み込んできたカリーヌに根負けして対戦を承諾する。

 

「コインが地面に落ちたら戦いの開始だ」

 

平八郎が空中高く50セント硬貨を放り投げると両者は各々自分が有利なポジションを確保して戦いが始まるの待っていた。

 

コインが地面に落ちる音を発したと同時に平八郎は刃渡り15㎝のアーミー・ナイフを彼オリジナルの野戦服ベルトに装着していた革製鞘から目にも止まらぬ速さで瞬時に引き抜くとカリーヌとの間にあった5㍍の距離を一瞬にして間近に近づくと右脇腹へ突き刺すのだったが

 

カリーヌはバックステップで攻撃を避けながらも右足の白い女性用スニーカーの爪先で平八郎の右手からアーミー・ナイフを明後日(あさって)の方向へ蹴りあげていた。

 

アーミー・ナイフを右足爪先で弾かれた平八郎は軍用ブーツ左足に装着している切っ先の鋭い小型軍用ナイフを取り出すと電光石火の如くカリーヌの喉元めがけ突きいれる。

 

その攻撃に対してカリーヌホンの僅かの動きですこし右へ避けると同時にキレイで長い左足で平八郎の後頭部と首の境目付近へ目にも止まらぬ速さで回し蹴りを放っていたが

 

平八郎はその左回し蹴りを避けるため、前方へ跳ぶような形でクルリと前方一回転ジャンプを戦士の本能で成し遂げると体勢を整え、今にも飛びかかろうと隙を窺っているカリーヌと正面から対峙するのであった。

 

「なぁ、カリーヌちゃん。提案なんだが……もうこの辺で切り上げないか……腹も減ってくるし、海人と子供たちも待ってるから引き上げて基地の食堂へ行こうぜ」

 

そろそろ模擬戦を止めて家族が居る訓練基地へ行こうと提案する早瀬 平八郎の言葉にカリーヌはこう言って返すのであった。

 

「平八郎さん。貴方の体力に実力ならこの程度の組み合い、殆んど消耗の内に入らないんじゃなくて? 」

 

こんな程度で逃げることなど絶対に赦すものかと言ったオーラを身体全体から立ち上らしながらカリーヌは平八郎に対し、まだ模擬戦続行の言葉を述べていた。

 

「………まぁ、本当なら俺だってまだ物足りないと思ってるぜ………でもな……ハッキリ言うけど………さっきからカリーヌちゃんのタイトスカートの際どい部分が破けて、艶かしい透け透けの紫のショーツが動く度にこうチラチラ見えて俺のmyマグナムが起立して戦い難いんだよ」

 

「なっ!? 」

 

と、絶句した直後にカリーヌは平八郎が指摘した問題ヶ所に眼を向けてみると………黒のタイトスカートの一番大事なところが裂けており

 

更にはパンストも破けてボロボロになっていて、大概の身体健康男子なら欲情を及ぼす淫靡な透け透けの紫のショーツが汗で濡れて劣情を催すかの様なピンク色の大人の女性の恥毛が濡れそぼっていた。

 

今の自分の状態を知ったカリーヌは

 

「◎○△※▼□◆◆□*%£♀℃∞§★☆■▽▼◇◆」

 

この様に普通の人類ならおよそ発しない声と言うより奇声をあげた後、親切というよりこの場合女性に対して絶対述べてはならない言葉を語った早瀬 平八郎へ向けて究極対人魔法『エア・コンプレッサー』を除いた有りとあらゆる魔法を魔力の続く限り最大限の威力を持ってぶつけていた。

 

この日アメリカ合衆国のとある州のある場所から局所的な密度の高いストームが発生して気象予報士たちを慌てさせる出来事がおこった。

 

有らん限りの魔法を平八郎に撃ち込み気が済んだのか、ようやく冷静さを取り戻したカリーヌの心の中はいま葛藤が渦巻いている最中だった。

 

(どうしましょう、どうしましょう……海人さん以外の男性に私のアノ部分を視られてしまったわ……思わず口封じで平八郎さんをズタボロにしたけど……後悔はしていないわ……まだ微かに息はしているから大丈夫みたいだから

それより海人さん以外の♂に見せてはいけない処を晒してしまうなんて………まだまだ未熟者ね。私も………はぁ~ホンとにどうしましょうかしら……)

 

カリーヌが一時的にパニックになって巻き起こした魔法による被害は物凄い音に駆けつけた民間軍事会社の職員達に心配してやって来た夫の海人と二人の子供がこの訓練場の惨状をみて全員が唖然となるほどの散々たる光景であった。

 

「このクレータは何がどうなって、出来たんだカリーヌ」

 

「いえ、それが、その……私にも解らないんです……気がつけばこうなっていたとしか、今は言えないわ。海人さん」

 

この惨状をひき起こした張本人も、夫海人の質問に対して訳が解らないとしか答えられなかった。

 

「母さんの魔法はすこいなぁティア」

 

この惨状をみてもあっけらかんとした感じで率直な意見を述べた才人は案外、将来は大人物になる片鱗をみせていた。

 

「どうせこうなったの、あっちに倒れてる平八おじさんがママにエロい事して怒らせたのが原因じゃないのかなぁ~」

 

見事平八郎の本質を理解していたティアナの言葉が正解だと、早瀬 平八郎の普段からの人物像を知っている皆は心の中でそれが真実だと思った者が殆んどだった。

 

この後、ズタボロになっていた平八郎は看護兵によって訓練基地の医務室へ迅速に運ばれていった。

 

翌日あさ。医務室で意識を取り戻した時にベッド傍のイスに座って看病していたカリーヌに起きたばかりの平八郎は彼女にこう言われていた。

 

「ここまで酷く痛めつけた事に対しては申し訳なかったと思っています……でも、魔法を貴方に撃ち込んだことは後悔していないわ……だから昨日私の大事なヶ所を視たことは海人さんに絶対言わないで、お願いだから」

 

そう言うとカリーヌはイスから立ち上がると頭を深く下げて頼み込む雰囲気を醸しだしていた。

 

「頭上げてくれよカリーヌちゃん。あの事は絶対に誓って言わないぜ……それにこの事が海人にばれたら俺の方こそアイツに殺されてしまうからなぁ」

 

 

怪我をして身体中に包帯を巻かれた痛々しいすがたで、あの事に関して誰にも話すつもりはないと平八郎はキッパリと言い切った。

 

「ありがとうご座います。平八郎さん」

 

平八郎の言葉に対し、感謝を口にしたカリーヌ様。

 

この後、起き上がって医務室を出て食堂へ向かっていく早瀬 平八郎に肩を貸して一緒に歩いていくカリーヌ。

 

その際平八郎が

 

「ムハァ~カリーヌちゃんからいい女の匂いがしてたまんねぇ~」

 

と、呟くと

 

「恥ずかしい言葉は慎んで下さい。平八郎さん」

 

そう、カリーヌが述べると

 

「ごめん、ごめん。カリーヌちゃんがあまりにもいい女すぎて、つい余計な事言っちまったぜ……ナハ、ナハハハハ……」

 

と、時代を感じさせる滑る寒い言葉を喋ったアホな平八郎であった。

 

初日に訓練場所に巨大なクレータが現れた事以外はほぼ何も無かった平賀家の者達はおおいにアメリカ西海岸の旅行を満喫して日本の我が家へ無事帰還をはたしていた。

 

 

 

続く。

 





 今回はカリーヌが、例え動かないとはいえアメリカ軍の戦車を魔法を用いてボロボロにしたけど……ハッキリ言ってこんな事できるメイジはカリーヌと成長したティアナぐらいです。

コルベールも含めて他のハルケギニアのメイジには無理ですね。

近付く前に戦車砲や機関銃によってやられちゃうからですね。

それはカリーヌとティアナも条件は一緒だと思われますが、あのカリン様とティアナの母子なら何でも無いでしょうね。何たって二人とも人外ですから。

次回もまた、無事でお逢いしましょう。

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