烈風:平賀 カリーヌ   作:ポギャン

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 身体の調子が良いので、2日連続で投稿しますね。

でも、2日連続の投稿はさすがに疲れました。


五話:カリーヌの16年その一

 

 カリーヌと海人の二人が目的地の小さな教会に辿り着くと、そこには背の高さ190㎝くらいで中肉の無駄のない引き締まった身体つきに短めの黒髪に整った精悍な顔つきの30前後くらいの年齢と思われる

 

とても普通のカタギの人間が持ちようがない危険な雰囲気を醸しだしているような男が海人に向かって、少し笑をうかべながら大きく右腕を振って大声で

 

「お~い、海人」

 

と叫ぶように呼んでいた。

 

 

「平八郎…来てくれたんだな。何せ急だったから連絡しても間に合わないと思っていたんだがな」

 

海人はよくこの結婚式の日に間に合ったものだと、笑顔の表情で平八郎を見つめていた。

 

「…ハハハ、何言ってやがる。親友のお前が綾ちゃん以外の女と結婚するって連絡してくれたんだ。

 

どれくらいの良い女なのか顔を拝みたくなってなぁ、それで日本の裏側から超特急でこうしてすっ飛ばして来てやったんだぞ…もっと感謝してほしいくらいだ

 

で、まさかこちらのきれいなお嬢さんが、お前の結婚相手だと言うんじゃ無いよな? 」

 

平八郎と名乗った、どこか危ない感じが漂う男が冗談半分だろうというような態度と顔つきで、海人に述べていた。

 

「おい! 誰がだ! 悪友の間違いだろうが! それになにを驚いている。別にうそや冗談じゃなく、正真正銘今日からおれの嫁になる。大切なひと、カリーヌだ」

 

 

嬉しそうな表情で海人は幼馴染みで親友の平八郎に結婚相手のカリーヌを紹介していた。

 

 

「初めまして、カリーヌと申します…海人さんのご親友の早瀬 平八郎さんですね。お話はよく伺っております。これから宜しくお願いいたします…」

 

 

早瀬 平八郎に対して、カリーヌはお腹に両手をかるく添えるように置きながら、頭をさげて丁寧なあいさつをしていた。

 

 

「平賀 海人の幼いころからの親友、早瀬 平八郎という者です。こう、じっくり見てみるとカリーヌさんはすごく綺麗でその上スタイルもよくて良い感じですよ…それにそのピンク・ブロンドの髪は貴女に似合っていて、素敵じゃないかなぁ…もしかして天然? 」

 

 

平八郎の何気ない一言にカリーヌは少し嬉しそうな表情をうかべていたが、海人は逆に厳しい顔つきをして親友をジロリと睨み付けた。

 

「…平八郎にはまだ言ってなかったが、記憶喪失の上にカリーヌの髪は突然変異だからあまり注目しないでくれるか…」

 

海人は仕方ないといった口ぶりで平八郎にカリーヌのピンク・ブロンドの髪のことを話していた。

 

「…俺はそんなことは全く気にもしないが……それよりこれ程の美人で若い嫁さん貰いやがって! こっちの方がよっぽど気になるわ! で、どうなんだ…もう夜のほうは済ませているんだろう? カリーヌちゃんの具合は良かったか? 」

 

平八郎のあまりにも品のない下世話な物言いにカリーヌは顔が真っ赤になって俯いていた。

 

「ば、ばか野郎!! カリーヌに対して何てこと言いやがる!! 平八郎のスカタン! 」

 

 

カリーヌに下品な言葉を述べた平八郎に海人は怒髪、天をつくくらい怒りあらわになっていた。

 

「なんだ、その慌てぶりだとまだやってないのか? けっ! 情けないにも程があるぞ…このヘタレ野郎!? 

 

カリーヌさん程の美人と知り合って3週間も経ちながら手を出さない臆病者なんか、結婚する資格など有りはしないぞ! だからカリーヌちゃん…こんなヘタレ野郎の代わりに俺なんかどう? アッチのスキルは絶対、自信あるからさぁ」

 

冗談なのか本気なのか解らない平八郎の親友をけなし、更にこれから結婚式をあげようとしているカリーヌにチョッカイをかけるそのふざけた態度と言葉に海人は顔が真っ赤になるほどの怒りの気持ちである行動をおこそうとしていたのだが……それより早く動いた者がいた。

 

 

『バッシン! 』と辺り一帯に音が響き渡るくらいのビンタをカリーヌは平八郎の右頬に遠慮なく平手で力いっぱい叩き込んでいた。

 

 

「早瀬 平八郎! 貴方がどれくらい昔から親しいか、知らないけど? いい歳した大人なんだから言って良い事と悪いことの区別くらいつくでしょう! 

 

私の大切な海人さんに侮辱する言葉を吐くことは、このカリーヌが絶対赦さない!! 今後は気をつけて下さいね! 」

 

 

カリーヌの地獄の鬼もはだしで逃げ出すほどの恐ろしい形相になって、平八郎に対して苛烈に言い放った言葉に

 

言われた本人の平八郎は勿論…傍でこの出来事を間近で見ていた海人の二人は暫し唖然となってからだ全体が硬直化して動けなくなっていた。

 

 

「……ハハハハハハハハ…気にいったぜ! この気の強さ、海人を思いやる心根といい、ほんとにお前の嫁さんにするのは勿体ないくらいだ。カリーヌちゃん…先ほどの失礼な物言い、この早瀬 平八郎。一人の日本男児として、誠に済まなかった! 」

 

平八郎はカリーヌに対して腰を深く折り曲げるほどの見事な姿勢と心の底からの謝罪を述べるのだった。

 

謝罪を述べた後、顔を上げた平八郎を見てカリーヌは何かを覚っていた。

 

(……私はなんてバカなの…先ほどの出来事は全て、いま目の前にいる早瀬 平八郎が私が海人さんの妻として相応しい人物なのかどうか、試すためにわざとした事なのに……

 

それに気づかないでいい気になっていた私はとんだ道化者ね……)

 

 

「………先ほどの出来事は私が海人さんの妻に相応しい者なのか、試した事なんですね…それなのに気づかないでいたんですから、穴があったら入りたいくらいの恥ずかしさだわ……本当にイヤな人ね…貴方は……引っ掛かった私がバカみたい……」

 

 

先ほどの一連の出来事が全て自分を試すことだと解って、カリーヌはなにか到底、納得できない憮然とした物腰で平八郎に語った。

 

 

「お前ってヤツは……何時も突拍子もないことを平気でしやがって、ちょっとは周囲のことも少しは考えてやれよなぁ……

 

あぁ…疲れた…カリーヌ。少し…いや、だいぶ常識はないと思うけど、悪気はないと思う…たぶん? 

 

これが俺の悪友というか…切っても切れない、小さい頃からの腐れ縁の平八郎ってやつの真の姿なんだ……

まぁ、さっきみたいに人を試すのがこのバカの性格だと思って、赦してやってほしい…」

 

 

平八郎の自分たちに対する一連の馬鹿げたおこないにかなり呆れ返ったような口ぶりで、こういう人として破綻した性格の奴だからと諦めるように、海人はカリーヌに説明していた。

 

(……少しヌケテいるけど、真面目な海人さんの親友がこんなふざけた人なんてね…普通は誰も思いもよらないわよねぇ? 

 

でも、正反対の性格だからこそ上手くいくんでしょうねえ…羨ましいわね…男たちの友情は……)

 

カリーヌが心の中で男たちの友情に対して羨ましさを感じていると………。

 

 

「カリーヌ。そろそろ式の時間だから教会にはいって、色々準備することが有るから早く中へ行こうか」

 

「もう時間なんですね」

 

うれしさのあまり表情が少しはにかみそうになりながらも海人は、すぐに生涯の伴侶になる予定のカリーヌをそくして手を繋ぎ、式場準備室へと向かっていた。

 

 

「……あぁ、嬉しそうに手を繋ぎやがって…少しは自重しろよな! でも、良かったぜ……ひと頃は海人のやつ、綾ちゃんを失なって抜け殻みたいになっていたからなぁ……

 

だから、本当に海人が立ち直れて…きっと天国にいる綾ちゃんも今ごろは安堵しているだろうな……

 

それにカリーヌちゃんはしっかり者で海人にベタぼれのようだしな……才人にも新しい良い母親が出来ていうことないし……

 

あとは二人に早く子どもができたなら最高なんだがなぁ……まぁこればかりは俺が心配してもどうすることも出来ないことだぜ……

 

それよりも海人のやつ、新婚初夜を上手くやれるのか…あぁ見えてもいざというとき、緊張しすぎて何時も失敗ばかりしていたって、綾ちゃんもそう俺に愚痴っているくらい、苦労してたからな……カリーヌちゃんもさぞ今夜は大変だろうなぁ……」

 

 

二人仲良く手を繋いで教会へはいっていく海人とカリーヌの姿を眺めながら、早瀬 平八郎は一人言を呟いていた。

 

 

続く。

 





 次回はようやくカリーヌと海人の結婚式のシーンに辿り着く事が出来ました。

では、次回。六話:カリーヌの16年その二Aでまた逢いましょう。

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