永らくお待たせして申し訳ありません。
ようやくカリーヌの結婚式をお披露目できました。
「カリーヌ……すごい、綺麗だ……そのウェディングドレス…君によく似合っているよ……」
教会の礼拝堂兼結婚式場すぐ側にある。新婦控え室の大きな鏡がある化粧台に座っているカリーヌの真っ白でシンプルなデザインの花嫁衣装姿に
新郎の海人は思わず誉め言葉を発していた。
「……海人さん…褒めてくれるのは嬉しいのだけど…このウェディングドレス。両肩を覆っていなくて素肌が出ているし……
それに背中が腰のあたりまで真ん中が開いていて、大胆なデザインなんですけど? ほんとにこれで良いのかしら…」
本当にこのウェディングドレスを着ても良いのかといった少し不安な表情で語る花嫁であった。
「何を言ってるんだい…君ほど肩から背中にかけてのラインが素敵な女性は中々いないよ…もっと自信持ったほうがいいよ…カリーヌ…」
両肩と背中を晒した大胆な姿に少しどころか、だいぶ恥ずかしがるカリーヌに対して平賀 海人は肩から背中にかけてのラインが美しいのだから
自分の素肌にもっと自信をもったほうが良いと語るのだった。
「海人さんが、そう仰るのだからこれで良いのよね? ………」
海人の自分を褒める言葉にすこしだけ疑問を感じながらも、愛しい男性に誉めそやされまんざらでもない表情のカリーヌなのでした。
「…じゃあ、そろそろ時間だから式場へ行こうか…カリーヌ…」
「はい、海人さん…いえ……あ・な・た…」
海人の式場へそくす言葉に、頬を朱に染めながらあなたと甘い言葉をカリーヌは囁いていた。
海人とカリーヌの二人が式場でもある礼拝堂に到着すると、結婚式の媒酌を勤める牧師と招待席のイスには唯一の招待客である早瀬 平八郎がすでにスタンバイしていたのであった。
「……ようやくのご登場か、お二人さん。遅かったじゃないか…まさか控え室でエロいことでもやっていたのか? 」
「バカヤローお前じゃ有るまいし、そんな事するか! 」
あまりにも結婚式場へ登場するのが遅かった新郎新婦の二人にたいし、冗談半分で揶揄する言葉を投げつけた平八郎。
それに対して、上手くかわす言葉を発した海人であった。
「シンロウ、シンプモ、ソロッタコトデスシ…コレカラ、ヒラガ・カイト、ヒラガ・カリーヌ。リョウメイノケッコンシキヲハジメタイト、オモイマス…ヨロシイデスカ、ミナサン」
日本語がすこしどころか、殆ど片言でしか話せない牧師によっていまから平賀 海人と平賀 カリーヌ。両人の結婚式がおごそかに行われようとしていた。
天井近くの窓から射し込む淡い陽射しが幻想的な空間を醸し出している午後12時直前の礼拝堂でこれから、欧米系の牧師によっていま、まさに運命的な出逢いをした二人の結婚式が始まろうとしていた。
「タダイマヨリ、ヒラガ・カイト、ヒラガ・カリーヌ。リョウメイノ、ケッコンシキヲハジメマス」
厚木基地附属病院近くにある。小さな教会おくの礼拝堂では、たどたどしい片言の日本語を話す
40歳ごろの整った顔立ちに聖職者が着る服装を纏った小綺麗な身嗜みをした中肉中背で金髪碧眼男性の牧師が海人とカリーヌ、及び平八郎の3人に対して、おごそかに結婚式の開始を告げた。
(…何故か解らないけど? 前にも此処と似たような場所で顔は思いだせないのだけど…
誰か知らない男性と式をあげた気がするのはどうしてかしら? それともこの記憶は私が結婚していたはずの
夫と呼んでいた人との事をあらわしたものなの……いまこんな事、考えるのは海人さんにたいして失礼だわ。いまはこれから始まる結婚式のことだけを思わなくてはいけないわ……)
カリーヌが海人に伴われて礼拝堂に足を一歩踏入れて中にはいった瞬間、以前どこかで今日と同じように結婚式をあげた場面が心のなかに自然と思いうかんでいた。
「シンロウ、ヒラガ・カイト。ナンジ、カミノナニオイテ、コノモノ、ヒラガ・カリーヌヲウヤマイ、イツクシミ、ソシテショウガイニワタリ、アイシヌキ、ツマトスルコトヲ、エイエンニチカイマスカ」
海人はあまり…いや、かなりたどたどしい日本語で述べた牧師の誓いの言葉に、力強く「誓います! 」とこたえていた。
「シンプ、ヒラガ・カリーヌ。ナンジハ、カミノナニオイテコノモノヲ、ウヤマイ、イツクシミ、ソシテショウガイニワタッテ、オットトスルコトヲ、チカイマスカ」
牧師が述べた誓いの言葉にカリーヌはすこし間をおいて優しい声で「誓います」と静に述べていた。
「………ダレモ、コノケッコンニタイシテ、イギノモウシタテガナイノナラ、ヒラガ・カイト。ヒラガ・カリーヌノリョウメイヲ、カミノナニオイテ、ココニフウフトシテ、シュクフクシ、ミトメマス。
デハ、ユビワノコウカント、チカイノクチヅケヲ、トリオコナッテクダサイ」
日本語のたどたどしい牧師の宣言によって今日この日より、晴れて夫婦になった。
海人とカリーヌの二人は用意いしていた2つのシンプルなデザインながらも、指輪の中央にちいさいダイヤモンドを施し
さらに、リングの裏側にはふたりのイニシャルとそれぞれが相手のために想いを籠めた言葉が刻まれたプラチナのマリッジリングをそれぞれの左手の薬指に嵌めて、『チュッ』と熱い、熱い! 誓いの口づけをお互いの身体を抱きしめあいながら交わしあった。
(……いま私は怖いくらいすごく幸せだわ……でも、瞳を開けたら全てが幻みたいに消えてしまうんじゃないかと思うと、ずっとこのまま永遠。
海人さんと
kissをしていたいと考えるのは今があまりにも幸福すぎて逆に不安を感じているからかしら?
…バカねわたしったら、そんな訳ないはずなのに……ダメよカリーヌ! もっとポジティブに考えなきゃいけないわ…このあと海人さんの実家を訪れてお義父さまと才人くんに逢いに行くのに弱気じゃダメよ!
気を強く持ちなさい、カリーヌ! 既に妻であり、義母(ははおや)なんだから…)
海人と誓いの口づけを交わしあいながらカリーヌは心の中で感じている不安と今後のことに関して様々な事を考えていた。
誓いの口づけが終るとともにこの結婚式唯一の招待客であった。早瀬 平八郎から
『パチパチパチパチパチ』
二人の門出を祝う祝福の拍手があがった。
「おめでとう! お二人さん。これでふたりは夫婦になったんだ。もっと嬉しそうな顔をしろよ! まったく、緊張しやがって? お前のガラじゃないのになぁ
ハッキリ言うと全然似合ってねぇな、そのタキシード…それにくらべてカリーヌちゃんのシンプルながらスレンダーの体型にマッチしたウェディングドレスの着こなしの見事さにほれぼれするぜ。
美人はなに着ても似合うからな…モチロンそれを着てる本人は十倍きれいで素敵な女性だ…」
平八郎がお世辞ぬきに褒めちぎるほど、今日のカリーヌはシンプルなウェディングドレスが似合っているくらい。素敵なオーラを醸しだしていた。
「どうせ俺はお前に言われなくても、タキシードが似合わないくらい解っている…これが海自の礼装ならすこしはましなんだが? 」
平八郎にタキシードが似合ってないと指摘されて海人はすこし…いや、かなりおちこんでいたが、よこに静に微笑みをうかべて立っていた花嫁が優しい声で語りかけていた。
「……あまり気にしないで下さい。誰にも1つや2つくらい似合わない事とかありますから。でも、私は海人さんの見かけで好きになったんじゃないわ。優しくて力強く
そしてなによりも気高い心をもっている。あなただから惚れたのですから、もっと自身を持って堂々と胸を張っていてください! それに早くお義父さんと可愛い才人君に逢わせてくださるかしら」
気落している海人に見かけより中身で惚れたのだから堂々としていてほしいとノロケ、最後に秩父に住んでいる義父と義理の息子になる才人にはやく逢いたいとカリーヌは述べていた。
「あぁ、一人身には目の毒だぜ。さっさと美人の嫁さんをおやじさんと才人に紹介してきやがれ! このしあわせ者が!? 」
平八郎からすれば、いくら新婚ほやほやとはいえ、あまりの二人のイチャツキぶりに文句の1つくらい自然に言えるのが独身おとこの、それが本音であった。
結婚式も無事に終わり。海人とカリーヌの二人はお世話になった牧師にお礼の言上を述べると牧師からは
「コレカラノ、オフタリノミニ、サチオオカランコトヲ。カミニネガッテオリマスヨ…HAPPYニナッテクダサイ」
こう言って心からの二人の前途を気づかう言葉が贈られた。
「…今日は来てくれてありがとう。平八郎。今度はゆっくりしながら酒を呑もうな」
海人が親友? の平八郎にお礼のことばを述べると。平八郎はフッと笑顔をうかべていた。
「今日はお前の結婚式にきて良かったぜ。きれいな花嫁さんも見たことだし、命のやりとりしに地球のうらがわに帰るとするか…」
平八郎が結婚式に出て良かったと述べ終えると、花嫁のカリーヌがお礼のことばを述べだした。
「今日は遠いところからお出でくださり。本当にありがとうございました…またお逢いしましょう…平八郎さん。それではさきに失礼させてもらいますね」
カリーヌは平八郎にあいさつを述べた後、夫の海人に「先に着替えてきます」と小さな声で囁くと花嫁控え室に歩いていく。
海人も平八郎に「じゃあな」と一言告げると着替えに向かった。
礼拝堂から去り行く新婚カップルを見つめながら「しあわせになれよ…お二人さん」と平八郎は言葉を発した後、静に礼拝堂を出ていった。
海人とカリーヌの二人は結婚衣装からよそ行き用の服装に着替えると教会を出て、厚木基地に行って基地の副司令。岩瀬に結婚の報告を済ませると、海人の愛車が置いてある駐車場に向かっていった。
「これが俺の車のト〇タ・ハ〇ヤーなんだ……広いからうしろの席に座るほうが良いかな………奥さん」
海人はカリーヌに愛車の紹介をしたあと、うしろの席を薦めるときにこの男にしてはめずらしく、照れていたのか奥さんと呼んだときすこし間があいていた。
「後ろじゃ海人さんの顔が見れないから前の席に座ります」
妻になって間もないカリーヌに自分の顔をみたいと言われた瞬間、海人は顔全体が真っ赤に染め上がっていた。
「…そそそ、そうか……ま、まま、まえのほうが、良いんだな…じゃあ、乗ってくれ…カリーヌ…」
愛しいの奥さんのことばによって、すっかりのぼせあがった海人は身体がギクシャクした動きをしながらも無事、カリーヌを助手席に座らせシートベルトを装着させると自身も運転席に乗り込み、キーを挿し込みエンジンを始動させ流石はヘリコプターのパイロットだけあって、見事な運転技術を披露して駐車場をでて公道を走り出していった。
途中、時間が昼すぎだったからか、ファミリーレストランで軽い食事を済ませていた。
厚木市から車で(昼食の時間も併せて)3時間以上かけて平賀 海人の実家がある。奥秩父に到着したのは既に午後4時半がすぎたころであった。
実家の向かいにある各種農耕機具置き場兼駐車場に車を停めると
海人がさきに運転席のドアをあけて車からおりて素早く助手席のほうへ回り込み『ガチャン』とドアをあけ、まだ車の乗り降りになれていないカリーヌの手をとり誘導して目の前にある。
いかにも豪華な門構えの大きな家の門のとびらをあけて敷地の中にはいっていくと、そこには1歳くらいになる元気いっぱいの男の子を胸のあたりで両腕で抱えている。
好好爺という風情の姿をした五十代後半と思われる初老の男性が海人とカリーヌのふたりを優しい目をして出迎えていた。
続く。
次回は七話:カリーヌの16年その二Bパートになります。
なるべく早く投稿したいとは思っていますが……他サイト様で理由があって約1年近く中断していた
筆者の一応代表作と思っている「ルイズ:ハルケギニアに還る」Rー18小説の執筆を最近、再開したのでこの作品の投稿はたぶん一月に二話くらいになると思いますのであらかじめご了解してくださいね(今までとそんなに変わらないだろうとは言わないでね)。
もし、他サイトの作品を此処で述べるのが規約違反になるのでしたら、ご一報下さい。すぐに該当部分を削除しますから。