なんか七話を書き終えるのに時間を使いすぎて、申し訳ありません。
その二は次回で終るはずです……でも、いろいろエピソード入れていると理想郷に載せている話が段々と改編しすぎる気がします。
「父さん。ひさしぶり………おぉ、才人。元気にしていたか……こちらの女性が先ほど教会で式をあげて今日から俺のよめさんになった。平賀 カリーヌなんだぞ……よろこべ才人。お前に新しい母さんができたんだからな」
海人は朗らかな顔をして自分の父親と息子の才人に、さっき結婚したばかりの妻カリーヌを紹介していた。
「海人。でかしたぞ! さすがは儂の息子…これほどの別嬪さんを嫁にしたのだからのう」
海人の父親はかおを緩まして息子を褒め称えていた。
「カリーヌさんでしたのう。以前に息子からはあんたの話は聞かせてもらっていたが、まさかこれ程の美人のよめさんだったとはのう…正直おもっておらなんだ……
あっ、そうだった。自己紹介がまだだったのう、儂の名は平賀 才助。これからは儂を本当の父親だとおもって、なんでも相談してほしいのう……
まぁ、愚息と孫の才人をこれからよろしくお願いたしますぞ」
平賀 才助は腕に抱えていた孫の才人を海人にあずけると、カリーヌに向けて丁寧に深々とあたまを下げてあいさつをする。
「ご丁寧なあいさつ、ありがとうございます。お義父さま…ふつつか者でございますが、本日より海人さんの妻にならせて戴きました。平賀 カリーヌともうします。以後よろしくお願い致します」
カリーヌは今日から義父になる平賀 才助に対して真摯な態度と姿勢であいさつを返していた。
「とうたん、とうたん」
まだ1歳になったばかりの才人はおぼえたばかりの、まだ辿々しい(たどたどしい)言葉で久しぶりに会った父親の海人のところへトコトコとあぶない足どりで近寄っていく。
「才人! もうあるけて言葉もしゃべれるようになったのか、俺はうれしいぞ。この人が今日からお前の母さんになった、カリーヌだ」
海人は笑顔で自分に近寄ってきた才人を力強い両腕でだき抱えながら、新しく母親になるカリーヌに引き合わせていた。
「かあたん? 」
と呼んで、つぶらな瞳ですこし小首を傾げてカリーヌをまだ幼い才人はじっとみつめていた。
「才人君……いえ、才人。今日からあなたのお母さんになったカリーヌよ、よろしくね。これから仲よくやっていこうねぇ」
カリーヌはしゃがんで、まだ小さい才人と同じ目線になって微笑みながら、あたまをなでて仲良くしていこうと述べていた。
「よかったのう、才人。すごい美人の母さんができて……海人、おまえもぼ~と立っとらんで早くカリーヌさんを家に上げて居間に案内して差上げんか! 」
カリーヌと結婚式をあげたばかりで浮かれていたのか、いつもと違ってぼ~としていた海人に才助はすこし喝をいれるように大きな声をだして指示する。
「それではおじゃまさせて戴きます…お義父さま」
カリーヌはあいさつして平賀家の玄関にはいって靴を脱いで家の中にあがりこんでいた。
海人、カリーヌ夫妻と才助、才人の四人で広いリビングのテーブルの上で電機ホットプレートで各種やさいにいろいろな肉の焼き肉を焼いて特製のタレをつけて食べていた。
「お義父さま、海人さん。このお肉とても美味しゅうございました…ごちそうさまでした」
カリーヌは海人に教えてもらった日本の習慣どおりに、両手を胸のまえであわせて食後のあいさつをして食事を終えていた。
「ご飯も食べたことだし、久しぶりに俺と遊ぼうなぁ~才人」
そう言って海人は息子の才人を肩に乗せ肩車をすると、裏庭に出て走り回るのだった。
「カリーヌさん……本当にありがとう…愚息と結婚してくれて………あいつは病気で亡くしたまえの大切な嫁の綾子さんを一年前にうしなってから、愛しとっていたが故に苦しみ抜き心がどこかおかしくなっていたのじゃが…
カリーヌさんあんたに出逢ってまえのように平常心を取り戻したようだ。これで何もかも上手くいくようじゃ…才人にもあんたという良い母親もできたことだし、本当にカリーヌさん。
あんたには感謝しとるんじゃ…どうか末ながく不出来な息子海人と可愛い孫の才人のふたりを頼みますぞ」
才助はきちんと背筋を整えて今日から新しく息子のよめになったカリーヌに対して、深々と頭を下げて丁寧なあいさつをして息子と孫のふたりの行く末を頼み込むのだった。
(お義父さまは本当に心から、わたしみたいな何処の誰とも解らない者を信頼して下さり、あいさつしてくれるなんて……
海人さんと才人のふたりをすごく愛しているんだわ……
この気持ちに応えなければ、女が廃るわね。カリーヌ…)
義父、才助の真摯な態度にカリーヌは誠心誠意応じようと、心の中で誓っていた。
「お義父さま、海人さんと才人の事はわたしが生きているかぎり見守り続けますから…どうか安心していて下さい」
「ありがとう…カリーヌさん。あんたが見ていてくれるなら儂も安心じゃあ」
カリーヌは義父、才助にあとのことは全て任せて下さいと言い切り、才助を安心させていた。
家族四人で団らんのひとときを過ごした後、才人が久しぶりに逢った父親と遊び疲れて眠ったので、才助が
「才人は儂が部屋につれていき寝かせとく。おまえ達は疲れとるだろうから、ふたり一緒に我が家自慢の露天風呂に入ってこい」
「親父…いつの間に風呂を露天風呂に改造したんだよ…ノゾキとか大丈夫なのか…俺は良いけどカリーヌの素肌を近所のスケベじじいどもに見させる訳にいかないぞ! 」
新婚ホヤホヤの新妻の裸を近所の女好きのジジイたちに覗かせたくない海人は、その点を父親の才助に確認するように訊ねた。
「その点にぬかりは無いわ…なんと言っても、露天風呂を全てマジックミラーで囲んでおるから安心せい…心おきなく雄大な景色をながめながら子作りに励むが良いわ…ワハハハ…」
「ちょうまて、親父!? カリーヌの前でなんてこと言いやがる。このトンでもジジイ! 」
才助のぶっ飛んだ発言によって、みるみるうちに顔全体が真っ赤になって恥ずかしさのあまり、俯くカリーヌを見て海人は父親、才助に文句を言うのだったが………。
「なんじゃ、海人よ。恥ずかしがる歳でもなかろうに。老い先みじかい儂に早くまた孫を見せんかい! 次は絶対、可愛い女の子が良いのう」
「……か、海人さん…せっかく…お義父さまが…薦めてくださるのですから……は、早く…行きましょう……」
まだ恥ずかしいカリーヌは早くこの場をたちさりたいからか、しきりに夫である海人を促していた。
「…そ、そうだな…せっかく父さんが気をきかせてくれる事だし…露天風呂に入りに行こうか…」
恥ずかしがるカリーヌを伴って海人はあしばやにこの場を去って露天風呂にむかっていった。
「……やれやれ…良い歳した男女が恥ずかしがるとは…情けない…これでは次の孫を見れるのは何時になることかのう…」
才人に続く孫の顔を早くみたい才助は、先ほどの息子夫婦の様子では当分無理かと考えていたが、まさかこの時から9ヶ月後に待望の孫娘が生まれようとはこの時点では夢にも思っていなかった。
カリーヌは露天風呂に入ったことはまだ一度もなかったので、先に海人に入ってもらい本人は脱衣所で衣服をわざとモタモタしながら時間をかけて脱いでいるのであった。
中々入ってこない奥さんにやきもきしながらも、身体を洗い清める海人。
特に股間まわりはいつもより丹念にゴシゴシと洗っていた。
あまりにも遅いのでしびれをきらした海人が脱衣所へ向かおうとしていたとき『ガラガラ』と浴室のスライドドアを開けて胸の上から膝までキッチリと白いバスタオルで身体を包み込んだカリーヌが恥ずかしいのか顔をうつむきながら浴室に入ってきた。
「カリーヌ……まだ言ってなかったから仕方ないけど、本来浴室に入る時はバスタオルを纏ってはいけないんだ……
風呂場じゃ裸の付き合いするのがこの日本古来からの絶対の決まりごとで憲法でも制定されてることなんだ…だからそんな不粋なモノは取らなきゃダメダヨ…」
一見まともな意見を言った海人であったが、昔ならいざしらず現代日本にそんな決まりごとや、まして日本国憲法にそんな不埒で破廉恥な法律はなかったのだったが
まだ日本で暮らして日も浅いカリーヌがそんなことを知るよしもないのを良いことに海人は奥さんの生まれたままの素肌をみたい一念で嘘八百を並べ立てていた(こんなスケベな行動をするところは後年のルイズにいろいろえっちい事をした息子、才人と同じであった。ほんに呆れ返るほどの似た者親子である)。
「…えっ、そうなのですか? …………」
海人の言葉に驚愕して一言喋るとしばらく黙ったままであった。
「どうせ、身体を洗うときに脱がなきゃいけないんだから。いま脱ぐのも一緒なんだから…さあ、ハヤク脱ぐんだカリーヌ!! 」
(……お風呂場にはいるときこの国では女性は絶対裸じゃないといけないと法律で決まっているの? 本当のことなのかしら…でも、海人さんのあの血走った眼をみているととてもそうと、思えないわ……
もしかしたら、男女が一緒にお風呂にはいる法律もなんか怪しいわね……でも、お義父さまも私と海人さんが一緒にはいることは当たり前みたいにおもっているようだし……
案外この国じゃごく普通なのかしら……海人さんがウソをつくわけ無いわね…私の考えすぎよね)
やはりカリーヌにとって、自分の命の恩人で愛する夫、海人の言葉に疑いをもちながらも最後は信じるのであった。
でも、数ヶ月後。娘を身籠りある病院の産婦人科に診察で通院し出したとき、親しくなった奥様方にこの一連の出来事を話すとそれは真っ赤なうそである事が解ったカリーヌは身重の身でありながら
怒り心頭のあまり遍在四人を含めた五人のカリーヌで海人を取り囲みイロイロ凄まじい魔法を撃ち放ってボロボロになるまで制裁を喰らわすことになる未来が確定していたのはまた別の話である。
「…あの、海人さん。あまりジロジロ見ないでください……は、はずかしいから…」
「恥ずかしがる必要はないんだ、カリーヌ。俺たちは今日式をあげて夫婦になったんだ…誰憚ることなんかないんだ。だから、はやく生まれたままの君の姿を魅せてくれ」
「そうですね…私たちは夫婦なんですから……」
恥ずかしがりながらも、夫の夫婦という言葉に覚悟をきめたカリーヌは白いバスタオルをスーと、静に取り去るとまだ恥ずかしいのか両腕で小さな起伏の胸と匂いたつ秘密の花園を必死な表情になって、隠しさいごの抵抗を試みていた。
「ダメだよ奥さん…全部魅せなきゃいけないなぁ~」
海人は必死の抵抗をするカリーヌにたくましい腕でその細いながらも鍛えられた均整のとれたしなやかな両腕を強引に引き剥がすと
そこには恥ずかしさのあまり羞恥心で身体全体が薄ピンク色に染まりきったひとりの美の女神が佇んでいた。
(……あぁ、なんでこんな恥ずかしい想いをしなくてはならないの……でも、海人さんが私を見つめるあの瞳をみていると、心の奥底からキュン、キュン、キュン、キュンと胸がたかなるのは何故なのかしら? ………)
カリーヌは恥ずかしさの中でうち震えながらも本心は海人に見つめられ、歓喜の気持ちでいっぱいだった。
「………きれいだ…カリーヌ…………………」
海人は羞恥心にうち震える妻、カリーヌの幻想的な美しさにきれいだと言葉を発したまま、しばらく声もなくただ奥さんを見つめ続けていた。
続く。
たぶん次回はギリギリRー15のお話になるようでならないのか、よく解らない事になりそうです。
では次回八話:カリーヌの16年その二Cでまた会いましょう。